mf さん プロフィール

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mfさん: 僕が線を引いて読んだ所
ハンドル名mf さん
ブログタイトル僕が線を引いて読んだ所
ブログURLhttp://d.hatena.ne.jp/mf-fagott/
サイト紹介文仕事がらみの本、仕事を忘れるための本… 本棚には雑多な本が増え続けています。
参加カテゴリー
更新頻度(1年)情報提供37回 / 365日(平均0.7回/週) - 参加 2006/06/25 21:26

mf さんのブログ記事

  • [小説]批評と新しい表現と
  • 火花 (文春文庫) 作者: 又吉直樹 出版社/メーカー: 文藝春秋 発売日: 2017/02/10 メディア: 文庫 この商品を含むブログ (19件) を見る  最初の方は文章が生硬な印象で、この先大丈夫かなと不安もあったが、読んでいるうちにそれも気にならなくなり、作品に引き込まれていった。特に読者を引き付けるのは神谷の強烈な個性だろう。その言動は世間の常識を大きくはみ出すが、一方で神谷のせりふの一つ一つからは並みの人 [続きを読む]
  • [俳句]広島と長崎を区切る線
  •  原爆忌はいつも夏の最も暑い時期にやってくる。だから当然夏の季語のように感じていた。アーサー・ビナードの次のエッセイを読むまでは。  原子爆弾の季節感について、細かく考えたことはなかった。だが、数年前、知人と俳句の話になり、彼は「陰暦で季節を区切るから、歳時記は矛盾だらけ」と主張して言った。 「広島の原爆忌は夏の季語だけど、長崎のほうは秋に入る。終戦記念日も秋。本当はみんな同じ夏の季語でなきゃお [続きを読む]
  • 相鉄線ネタ
  • じっぴコンパクト新書 (相鉄沿線の不思議と謎) 作者: 浜田弘明 出版社/メーカー: 実業之日本社 発売日: 2017/01/20 メディア: 新書 この商品を含むブログ (1件) を見る  相鉄沿線が、特別に「不思議」や「謎」が多い場所というわけではありません。でも、50年以上も前から現在に至るまで相鉄沿線住民である人間にとっては、とても興味深い本です。 この本で初めて知ったことはたくさんあります。たとえば、三ツ境駅と [続きを読む]
  • 直球勝負!
  •  古典を読もう、と思って最初に選んだのが『伊勢物語』。とりあえず一通り目を通したので、次に読み始めたのが『徒然草』。教科書や問題集で読んだ記憶のある章段はあまり苦労はないが、初めて読む章段は注釈を頼りにのろのろと読み進む。 第31段は初めて読む章段ではないが、しばし立ち止まらずにはいられなかった。  雪のおもしろう降りたりし朝、人のがり言ふべき事ありて、文をやるとて、雪のことなにとも言はざりし返事 [続きを読む]
  • [小説]文学と生活
  •  文学に興味を持つようになったきっかけは、と聞かれれば、高校の現代国語の教科書に載っていた島尾敏雄の短編(題名を忘れてしまったので、今調べてみたら「いなかぶり」だった)を読んで文学というものの奥深さに触れたからだなどと答えたりしていたのに、その割にはその島尾敏雄の代表作である『死の棘』を読むのは随分遅くなってしまった。         * * * * * 先月初めに、佐倉の街を歩いた時、偶然に正 [続きを読む]
  • [小説]親しい感情
  •  連休前くらいから時間を見つけて読み続けているけど、なかなか終わらない。ようやく4分の3を過ぎたあたりかな。陰鬱な話なのに、不思議と暗い気分にならない。なぜだろう? 主人公の苦痛とそこからの解放という繰り返しが、読者にとって親しい感情になってくるということがあるのかもしれない。  眠りにはいるしるしの、手足の先に起こす軽い痙攣を妻が私のからだに伝えてよこすと、しばられていた時間がほどけ、拘束のな [続きを読む]
  • [俳句]旅人、正岡子規
  •  「正岡子規展―病牀六尺の世界」を開催中の神奈川近代文学館で復本一郎の講演会「子規の芭蕉」を聴いてきた。 印象的だったのは、次のような話。…子規は蕪村を称賛し、芭蕉に対しては随分厳しい評価を下しているが、資質的にはむしろ芭蕉の方に近かったのではないか。子規は実地に赴き、実際に見たものしか句にできない。蕪村のように空想で句を作ることができない点で、凡人なのである。もし子規が頑健で芭蕉のように旅を続 [続きを読む]
  • 2017-04-23
  • 近代文学館へ行って、5月6日の講演会のチケットを購入。開催中の展示は講演会当日に見ることにして、港の見える丘公園の花と景色を楽しむ。5月に来るときには、今盛りのチューリップはすっかり消えて、バラの花が咲き始めているだろう。 この後、ミューザ川崎で、知人が多く参加しているオケの演奏するマーラーの交響曲第6番を聴いた。長大な曲だが、曲想や音色の変化が面白く、最後まで飽きずに聴き通すことができた。 [続きを読む]
  • [俳句][音楽]花と港
  •  近代文学館へ行って、5月6日の講演会のチケットを購入。開催中の展示は講演会当日に見ることにして、港の見える丘公園の花と景色を楽しむ。5月に来るときには、今盛りのチューリップはすっかり消えて、バラの花が咲き始めているだろう。 この後、ミューザ川崎で、知人が多く参加しているオケの演奏するマーラーの交響曲第6番を聴いた。長大な曲だが、曲想や音色の変化が面白く、最後まで飽きずに聴き通すことができた。 [続きを読む]
  • [音楽]悪人? シントラー
  •  先日の横浜シティ・シンフォニエッタの演奏会では、ベートーヴェンの第5シンフォニーの演奏の前に、指揮者の大貫先生の解説があり、それがなかなか評判が良かったのだが、その中で印象に残っているのが音楽学者アントン・シントラーに触れた部分だ。「シントラーは悪い奴で、ベートーヴェンの伝記をまとめるにあたって、ベートーヴェンが遺した多くの手紙のうち、自分にとって都合の悪いものは処分してしまった…」 さて、僕 [続きを読む]
  • [美術]発見! 長谷川利行
  •  企画展と常設展を同時開催するような大きな美術館では、企画展のチケットで常設展も観覧可能となっているケースが多いと思う。とはいえ、企画展を見た後ではもう疲れちゃって、常設展の方はおざなりというか、観たとしても駆け足、という感じになってしまうことがほとんどだ。だから常設展は見られなくていいから、企画展の値段、もっと安くならない? などと言いたくもなってしまう。ところが、先日の東京国立近代美術館は違 [続きを読む]
  • [短歌]花をもめでじ
  • 『伊勢物語』第八十八段。 むかし、いと若きにはあらぬ、これかれ友だちども集りて、月を見て、それがなかにひとり、  おほかたは月をもめでじこれぞこの   つもれば人の老いとなるもの  この「月」を「花」に置き換えてみると、今の自分の気持ちと重なってきます。  おほかたは花をもめでじこれぞこの   つもれば人の老いとなるもの (現代語訳)世間では今年もまた、どこそこの桜が咲き始めたとか、満開を迎えた [続きを読む]
  • カマイタチ
  •  草野球に明け暮れていた小学生の頃の事件の一つである。 一塁を守っていた、僕より一つ年上のかっちゃんが、内野手からの送球を捕ろうと両手を高く差し出したが、球はそのすぐ上を通過してしまった。その直後である。球を後ろに逸らしたかっちゃんは、球の行方を追うことなく、その場にうずくまった。異変を察して駆け寄った子供たちは、かっちゃんの痛みを訴える箇所をのぞき込み、口々に「カマイタチだ、カマイタチだ」と叫 [続きを読む]
  • [音楽][小説]他人事とは思えない…
  • オケ老人! (小学館文庫) 作者: 荒木源 出版社/メーカー: 小学館 発売日: 2010/12/07 メディア: 文庫 : 2回 この商品を含むブログ (2件) を見る  映画を観た妻と娘が「結構面白かった」というので、では僕も、と観る気満々だったのだが、結局チャンスを逃してしまい、映画はあきらめて原作を読むことに。 主人公の中島は大学時代にオケに入っていて、今は高校の教師(僕と教科は違うけど)をしながらアマチュ [続きを読む]
  • [俳句]林檎と地球
  • 石川のぶよし句集『一石』を読んだ。 一石 作者: 石川のぶよし 出版社/メーカー: ふらんす堂 発売日: 2016/08/24 メディア: 単行本 この商品を含むブログを見る 直立の独楽に疲れのひとゆらぎ流されし距離を戻りてあめんぼう リアルにものを描き出すのに、細密画のように細かな筆遣いは必要ないということだろうか(そもそも俳句にそれは無理だけど…)。勢いを失い、ふらつく独楽が、流れに抗うあめんぼうの機敏な動き [続きを読む]
  • 読むべき本
  •  昨日に引き続き、『書く力―私たちはこうして文章を磨いた(朝日新書)』について。 この本はたまたま書店で見つけて、中の数行を読んだだけで「これは読むべき本だ」と直感して購入したのだが、この直感は正しかったようだ。 竹内政明は文章修練のために、いい文章を見つけて書き写すことを続けているという。特に井上靖の詩集『北国』は、「頭からお尻まで三〇回くらいは書き写した」とのことだ。読むだけでなく書き写すこ [続きを読む]
  • 人に教える情熱
  •  池上彰は著書『の勉強法 (講談社現代新書)』の中で、読売新聞の1面のコラム「編集手帳」を「各紙の中でも群を抜いた力量」と称賛していた(→過去の記事)が、その編集手帳の書き手である竹内政明と池上彰が文章について語り合ったのが、『書く力―私たちはこうして文章を磨いた(朝日新書)』。 書く力 私たちはこうして文章を磨いた (朝日新書) 作者: 池上彰,竹内政明 出版社/メーカー: 朝日新聞出版 発売日: 2017/01/1 [続きを読む]
  • [俳句]「秋」は「飽き」?
  •  今日は、『伊勢物語』第68段について。 むかし、男、和泉の国へ行きけり。住吉の郡、住吉の里、住吉の浜をゆくに、いとおもしろければ、おりゐつつゆく。或る人、「住吉の浜とよめ」といふ。 雁鳴きて菊の花さく秋はあれど   春のうみべに住吉の浜とよめりければ、みな人々よまずなりにけり。  「新潮古典集成」の頭注は、この歌について以下のように書く。 「住吉の浜」に「住み良し」を懸けることは、誰でもおもい [続きを読む]
  • よしや? あしや?
  •  今年は(というより、残りの人生)古典をもっと読んで人並みの教養を身に着けよう、などと今更ながら思い立って、まずは『伊勢物語』を最初から少しずつ読んでいる。きっかけは、「芥川」を授業で取り上げるにあたって、前後の章段を読んでみたら思いのほか面白かったからなのだが、なにしろ今までに僕が読んだ古文というのは、どの国語の教科書にも載っているような作品ばかりで、『伊勢物語』に関して言えば思い出せるのは「 [続きを読む]
  • [短歌]よしや? あしや?
  •  今年は(というより、残りの人生)古典をもっと読んで人並みの教養を身に着けよう、などと今更ながら思い立って、まずは『伊勢物語』を最初から少しずつ読んでいる。きっかけは、「芥川」を授業で取り上げるにあたって、前後の章段を読んでみたら思いのほか面白かったからなのだが、なにしろ今までに僕が読んだ古文というのは、どの国語の教科書にも載っているような作品ばかりで、『伊勢物語』に関して言えば思い出せるのは「 [続きを読む]
  • 活字頼み
  • 活字たんけん隊――めざせ、面白本の大海 (岩波新書) 作者: 椎名誠 出版社/メーカー: 岩波書店 発売日: 2010/01/21 メディア: 新書 購入: 1人 : 8回 この商品を含むブログ (17件) を見る  椎名誠を読むのは、ずいぶん久しぶりだ。このブログを始めてからはたぶん初めて。 椎名誠の本を読むと、行ったことのない世界へと視野を広げさせてくれる。知らなかった食い物や生き物や建物の存在を教えてくれる。狭い [続きを読む]
  • 左右のモンダイ
  •  前回は上下のモンダイについて書きましたが、今回は左右のモンダイです。 学校が教えないほんとうの政治の話 (ちくまプリマー新書) 作者: 斎藤美奈子 出版社/メーカー: 筑摩書房 発売日: 2016/08/19 メディア: Kindle版 この商品を含むブログ (1件) を見る  自らを「まちがいなく左派」明言し、「自民党に投票したことは一度もありません」と言う著者だが、若い読者に対して、右が間違っているとか、左が正しいとか、 [続きを読む]
  • [美術] 向きが違う!
  •  先週の土曜日、葉山の神奈川県立近代美術館で観た「谷川晃一・宮迫千鶴展」は期待以上の面白さだったが、中でも宮迫のコラージュ作品が興味をひいた。展示作品は撮影可能だったので、写真もたくさん撮った帰った。これを参考にして、自分でもコラージュにチャレンジしてみようかな、なんて…  帰宅してからすぐに宮迫千鶴の『コラージュ・ブック』という本をネットで注文した。当日美術館の図書室に置いてあったのを見て、ぜ [続きを読む]
  • [俳句]子規の「写生」
  •  今回、この文章を書き始めるにあたって、これまで僕が正岡子規に関してどんな本を読んで、どんなことを書いているかが気になって、このブログ内を検索してみたら(こういう時、ブログ内の検索機能は本当に便利だ。手書きの読書ノートではこうはいかない)、内田樹の『街場の文体論』を読んだ際に以下のようなことを書いているのが見つかった。 正岡子規が提唱して以来、俳句の基本とされている「写生」ですが、人によってその [続きを読む]