私は人に自分のペースを乱されることほど嫌いなことはない。 無遠慮に私の心に土足で踏み込み、散々散らかして出て行く。 気になって何も手につかないなんて冗談じゃない。 そんな性格から、いつもは出来るだけ面倒には関わらない ようにしていたし、交友関係も淡白なものが多かった。 そんな私が、翼には一日に何度もメールを送り、チャットで話す 今まで無かった生活のリズムが出来上がっていた 帰宅すれば当たり前にパソコンをつける そして翼に執着した 翼と連絡が取れなくなってから10日後 メールで会おうという連絡があった 今度は渋谷 待ち合..
数ヵ月が経った。 私と翼は、毎日のように会話を楽しむようになった。 もちろん、あの箱の中で。 顔も知らない、声も知らない。 でもそこには安心して安らげる空気が確かにある。 そんなとき、翼が言った。 『今度、会わない?』 翼と会う日が近づいて、楽しみと不安が交錯する。 翼はいい人だと思ってる。 勢いで会うことを決めてしまったけれど 顔も名前も、どこで何をしている人かもわからない。 それでも翼に会いたいと思う、この気持ちは何故だろう。 自分の心が見えなくて歯痒いと感じる。 でも、翼とあの箱の中で会っているときはそんなの忘..
気付けば一年が経っていた。 専門分野以外の暗記系科目とバイト 長く過ごした地を離れ単身上京した私には 暇をもてあますこともない、充実した一年だった 過去は捨てたかった 今度こそ真面目に恋愛をして、信頼できる人を見つる そのために、過去を知る友達とは縁を切ったし それを思い出す土地も愛着も全て別れて 精神的にも、本当の意味で単身の上京だった 自分でも勝手な人間だとは思う ただやり直したい一心だった 学生生活も二年目になり、少しゆとりが出てくる 授業の手の抜き方もわかってくるし、続けてきたバイトは 古株になり気を使うこともな..
幼稚園のころ、好きな男の子がいた。 小学生のころ、バレンタインにチョコを作った。 まわりの「みんな」と同じように。 いつの間にか好きな人が出来なくなった。 中学生の頃、部活の先輩に告白した。 「みんな」がそうだったから その人を好きになろうとした いつの間にか、人を 決めて 好きになることになれてしまった 高校の頃、人を好きになることを忘れてしまった 誰かを好きになそうと努力しても 好きになるのは人の財布 結果、同時に何人かの人と親しくなって 付き合う付き合わないの話しになる前に縁を切る その繰り..
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