2010夏短編ホラー『真経津鏡2』の5

真経津鏡

2010夏短編ホラー『真経津鏡2』の4

到着した場所は広大な畑だった。収穫間近の稲尾が金色の絨毯のように敷き詰められている。そしてその美しい光景に杭を打ち込むように例のミステリーサークルが描かれて…

2010夏短編ホラー『真経津鏡2』の3

ボクは何か起こることは知っていたよ。しかし具体的にどうなるかと言うことまではわからない。それが鏡の性質だから。だからミステリーサークルが人為的でも心霊的でも…

2010夏短編ホラー『真経津鏡2』の2

いつの間にか青年の両手は私の右手を包んでいました。しかし包むと言うには力強く束縛は続いた。すでに私は後戻り出来ないと暗澹たる気分でした。そんな状態の私とは裏…

2010夏短編ホラー『真経津鏡2』の1

「さてと」 その青年は年期の入ったやや黒みがかった椅子をひき腰を降ろしました。私が部の季刊誌用のホラー小説の資料を読み耽っていると突然やって来て体験談を楽しそ…

2010夏短編ホラー『真経津鏡』下

2010夏短編ホラー「真経津鏡」中

母の本業は占い師、副業はセラピスト。そのため店内はゆったりくつろげるような自室的な感じのつくりになっている。外見はレンガ作りの小さな家で、見た目は喫茶店に見…

2010夏短編ホラー「真経津鏡」上

こんにちはお嬢さん、図書館で怪奇小説を山積みでなんて変わっているね。夏休みの宿題ってやつかな。いわゆる読書感想文。怪奇小説が大好きなんだね。そうか。気に入っ…

2010夏短編ホラー『白い影 後編』

曇りガラスのドアの中で浴槽から湯気が濛々と上がっていました。わたしが上着の端を何に引っ掻けたのか確認しようとすると、乱暴にドアを閉めたことに腹を立てたように破…

2010夏短編ホラー『白い影 中編』

「あーあ、どうせ出費するならもっと、リッチなホテルにしたかったな。露天風呂に入りたかったわ」「まぁまぁ、そう言わないで背に腹はかえられぬ。俺もこれで限界」そし…