ひとつ ひとつ 紡ぐようにして集めていく あれも これも 選びとるようにして摘み取っていく 精巧に吟味された悲しみは ふるいにかけられ より吟味され 体の中に取りこまれ 反芻しながら ずっしりとした身になる 私は鉛の体になり首をたれ 真剣辛い血が沸騰して流れ出て ドクリド...
ストレスがギリギリのところまで来ている。 息をするのが苦しい程、胸が固まっている。 「それでも、そこまでするのは、御主人に対する愛情からですか?」 そうではない。 そうではないんだ。 そうではないとはっきり言える自分が恐ろしい。 そのことに改めて気が付いて、ハッとしている自分がい...
私は真ん中にい る。 娘は右で 夫は左。 娘は完全に右の窓の方を向いている。 私からは、彼女が外の景色を見てるのか、それとも目をつぶっているのかもわからない。 私が外に見えたものを指さして、それについて話を始める。 「ほら、見てみて!あそこにあるのはね・・・」 私が話し...
昨日の月は半月だった 真っ二つに割れた月? だけど、本当は半分に割れてなんかいない ただ、半分が見えないだけ 陽に当たる半分と暗闇にとどまる半分 よく見れば、どちらも見える だけど、そのどちらも見ようとする人なんていない 明るく輝く部分しか人は見ない 残りの暗闇部分なんてほしく...
朝、目が覚めて泣いていた。 ティッシュを引っぱり出して拭うと黒い。 マスカラか、アイライナーだ。 思い出した。 昨日の夜、寝る前に一声叫んだんだった。 「ああ、今日は顔を洗う元気さえない!」と。 そう言って倒れるように落ちたベッドで、私は朝まで寝た。 一度も目を覚まさなかった。 ...
「時々ね すごく自分勝手な人間になっちゃおうかなと 思ったりしてみる」 「してみる?」 「あなたのことも 考えずに 好きなことを思いっきりしてみたり そんなこと できるかなとか・・・思ったりしてみるんだ」 「何言ってんの? 今だって十分過ぎるくらい自分勝手なこ...
すべての道が塞がれたと思っても 必ずどこかに抜け道はある 何も見えなくなったと思っても 必ず微かに見えるものがある もうダメだと思う前に 静かに呼吸をしてとどまってみる 爆発する前に 目を瞑って空っぽになってみる 人生はやり直しがきくんだ 山に登る道はい...
あたなが ほしくて いつも 願ってた あなたが この世に 生まれますようにと あなたに 会いたくて いつも 思ってた あなたが 私の元に 生まれますようにと 奇跡は 起こり 私は あなたを 授かった 死ぬほどの気持ちで願った思いが 本当に届いた ありがとうな...
「過去」になってしまったことは きれいに見える ずっと向こうに行ってしまった時間は 楽しそうに見える どんなに苦しくて 泣いていた日々も どんなに喘いで お先真っ暗だった日々も 「今」よりも ずっとよかった日々だったかのように セピア色に輝いて 波のようによせる ...
私のなかにあるすべての楽しいことが あなたの悲しみになる たとえ上辺の喜びであっても それはあなたにとって憎しみであり 許されるものではない 私は笑ってはならず 楽しんではならない 私の微笑みは存在する権利を持たず 現れたとたん針の矢の攻撃を受ける それは「じゃ...
そんなことはどうでもいいことなのだ 人はどんなに頭がよくても どんなに高い学歴と地位を持っていても 別の人間の気持ちまで慮(おもんばか)ることが できるわけじゃない 勝手に自分だけの頭の中でぐるぐる回りそれに支配されてよしとして あなたは自分が完成した人間だと思っている ...
一時の楽天家だった私をあざ笑いながら あなたは有利に立って蔑みの目で睨みつける 私は手も足も出ない 傷つき横たわり 屈辱と悲しみに悶え 慟哭する私を見て あなたは私の元を去る 過去のすべてが見えなくなるように祈ろう すべての楽しかったこと、笑い合ったこと、喜んだこ...
それは間違いだったのかもしれない? いや、あなたは間違いだったのだと言うのだろう 何を持って、何が正しいと言えるのか 否定され続ける中で、私はただ「そうですか」と言えばいいのか 私には話をすることさえ許されないのか 私のしていることがみんな間違いだったと言われて 良か...
私の人生にはもう「ああ、いいわねえ」がない 「ああ、いいわねえ」と思うことは、もう実行せねばならない いつか はもうここにあって 遠くの憧れは永遠にやってこないことを知っている もう待っている余裕はないのだ さざめく心にあるものは、もうすべてさらけ出して攻めの姿勢を取るのだ チェ...
何もかも置いてきてしまったような気がして 大事なものを全部置いてきてしまったような気がして 私は こんな遠くで 空っぽになって佇んでいる 娘の声も 母の声も 届かないくらい地球の果てで ぎこちないうそ笑いを浮かべて いったい何を楽しい振りしているんだろう どこ...
悲しくても悲しいと言わず 苦しくても苦しいと言わず 涙を眼の奥にぐっとしまって 凛として前を見て立ち 後ろを振り返らず 前を行く先達として 確かな背中を見せながら 私はどこまでも先を歩いていく 着いてくるあなたを信じたいから
ぎゅーっと雑巾を絞るように 心がしめつけられる あなたの一言は 槍のように 胸をえぐって突き刺さる あなたは何も感じない いい気味だと思う それだけ? 私が受けるべき制裁だという? 気がつかないまま良かれと思い 大事にしてきたあなた あだ...
荒れ狂う娘を前に立ち尽くす私がいて 飛んでくるものが当たらないように気が気じゃない 微妙に私をそれて飛んでくることに気がついて でもやはりブラブラ揺れる電気のコードはちょっと怖い 私には当たらなくても私のコンピューターの画面に命中 ピシリ!傷がついた画面 動揺する私 ...
無責任 という言葉の中に自分を押し込めたら 身動きできなくなる これだけ 日々 思って思って思っても 思うだけでは 何も変わらない でもどうやって あなたに伝えたらいいのかわからない ここにある思い あなたは聞かない うるさいなっ、もう切るよ! て言...
生きていると ときに 凪のような時間に出会う ほんの束の間でしかないのだが 永遠のように思えるじっと止まった安寧 普段の喧騒と悩み てんてこ舞いの狂い舞い 消したいくらいヤヤコシイあれもこれも フッと魔法にあったかのように見えなくなる 海が凪いでいる そっとそっと静かにやさしく ...
我慢しなさいよ。 我慢することが大事なんだからね。 母はそう言った。 私に足りないもの。 我慢すること。 ひたすらじっと耐えて我慢すること。 私はまたしても我慢せずに思いをぶつけてしまった。 思ったことを思った通りに。 これで終わりになるのかもしれないなんて考えもせずに。 自分...
今日は、午前中に冷蔵庫の修理の人が来るというので、朝から主人が家にいた。見知らぬ男性が来るので、私がひとりで対応したら危ないという理由からだ。 うちの冷蔵庫は去年も一度壊れて、ちゃんと冷えなくなり、修理を頼んだばかり。それなのに、また壊れた。何でこんなによく壊れるわけ?と少し...
すごく悔しい。 私がやってきた子育ては、私には誇れるものだと思っていた。私の選択で「いい」と思ったことをがんばって実行し、出来る限り一生懸命にしてきた。 息子は、立派に育っている。 大学卒業後の進路も、自分で努力して切り開き、希望のところに決まった。彼は、まるで出陣前の戦士...
悲しみは、いつの間にか溜まっていて ある時、堰を切ったように流れ出す。 前触れもなく、涙と共に流れ出す。 積み重なった時たちの中に私はいて 過去がどんどん増えていく。 私の中にある歴史はもう消せなくて いくら新しい別の人生を歩こうと思っても 未来よりも過去を重たく背負ってしまう。...
あなたがいなくなったこの世界が信じられない。 オモニ。 あなたは、今いったいどうしているのです。 天国から私を見て、そこでどうしているのです。 私を苦しめ続けて、私はここまで逃げてきたのに。 あなたがいなくなてしまったら、私は何から逃げいていたらいいのかわからない。 年末に、久し...
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