春風 さん プロフィール

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春風さん: かすみ荘にて
ハンドル名春風 さん
ブログタイトルかすみ荘にて
ブログURLhttp://blogs.yahoo.co.jp/syunnpu0524
サイト紹介文旅行や詩や小説そして旅行記や写真などがはいっているおもちゃ箱のような世界になれたらいいなぁ。
自由文http://blogs.yahoo.co.jp/syunnpu0524
参加カテゴリー
更新頻度(1年)情報提供533回 / 365日(平均10.2回/週) - 参加 2007/10/12 20:47

春風 さんのブログ記事

  • 初恋と愛のほころびの狭間で 6
  • 「軽薄になった俺の姿なんて嘘さ。あれは、仮面だったんだ。俺の照れ隠しさ。おかしい話だけど30になって吹っ切れたんだ。ありのままの自分でいいじゃないかって」 「そうね、20代の頃って変につっぱているもんね」 洋子は煙草に火を点けた。「まだ、ビ−トルズ聞いているの」 龍が洋子の瞳を見た。 「時々ね。ビ−トルズを聞いていると私が“少女”だった頃に戻れるの。まだ着飾るという事を知らなかった10代の私に…」 「 [続きを読む]
  • 夢の跡 〜カンボジアの風〜 8
  •  分かったことは、アンコールトムは、街の中心部で、アンコールワットは寺院であることぐらいである。細かいことは、よく分からなかった。実際に行って、感じるしかないという結論に達した。朝、9時に拙者と「連れ」は、ホテルを出た。ドアマンが「GOOD MORNING」と拙者達に笑顔で声を掛けてくれる。ミャンマーにはなかったハイソな雰囲気を感じた。そしてホテルの隅では、カンボジアの女性が民族楽器を弾いている。優雅な空間で [続きを読む]
  • 星が消えた夜
  • 失って初めて気づく時の欠片達もう戻ってこないと知った時間は暗闇の中で輝きを増すのは どこか皮肉めいた哀しい結末 迷路の森の中で見つけた小さな星は輝きを失いかけていた微かな光に導かれて歩いたら突然細い路が木々の間から浮かんできた遠い昔 君と紡いだ時間を感じた夜あの頃の自分に会った胸を張って生きているかい? 答えられなかった自分がいた あの頃の硝子の破片は君からの贈り物 星が消えた静寂に包まれた深夜 風景が [続きを読む]
  • 初恋と愛のほころびの狭間で 5
  • 龍は、洋子との会話に夢中になっていて内田の存在をすっかり忘れていた。つまらなさそうにぼけっと立っている内田に気が付いて、龍は慌てて洋子に紹介した。   龍と内田は、洋子に案内されて部屋に入った。 「今晩空いている?飲みにいかない?」 「詩織がいるし…」 「大丈夫。こいつに面倒みさせるよ。年寄りと子供には人気あるんだ」と龍は内田を指差した。洋子は軽く頷いて部屋を後にした。  紅々と染まっていた懐かしい風景 [続きを読む]
  • 初恋と愛のほころびの狭間で 4
  • 夕刻、尾道に着いた。龍は、急にそわそわし始めた。懐かしい風景が家々の瓦に浮かぶ。 「俺、中学まで尾道にいたんだ。好きな娘がいてさあ、たぶんそれが、初恋だったんだろうなあ。それにしてもこの風景は変わらないなあ」 「笹倉さんの生まれ故郷って尾道だったんですか。てっきり仙台だと思っていましたよ」「あまり過去の事話さなかったものなあ。もう結婚したんだろうなあ。本当にいい娘だったんだよなあ」 龍の顔に夕陽が紅 [続きを読む]
  • すれ違いの 愛の 行方 2
  • 「で、話って何さ?」祐二が、珍しく神妙な表情をしている剛を見た。「実話さ、娘、3月に定時制を卒業すんだ。俺さ、娘に何もできなかったからさ、卒業式してやりてぇんだ。」「いいんじゃないか。娘って、咲子ちゃんか。18歳になるんだ。」 祐二は、軽く相づちを打った。暫くしてから、都築は家族のことを話した。「いや、22歳だよ。震災で母親とつきあっていた男を失って、ぐれてさ。ラインっていうのか?よく分からないけ [続きを読む]
  • 初恋と愛のほころびの狭間で 3
  • 「いろいろあるんですねえ。二見さんも別居しているって話だし…」「え、二見が別居?知らなかったなあ。どうして別居したの?」「笹倉さん、知らなかったんですか?なんでも二見さんの浮気が原因らしいですよ」「何、真面目だけがとりえの二見が浮気だって?何かの間違いだろう」「そうなんですよ、奥さんの誤解なんですよ。二見さん、浮気なんかしていませんよ。ただ、会社の後輩の女の子の相談を聞いていただけという話ですよ」 [続きを読む]
  • 放課後という響き 2
  • 特にローマの休日は何度も観ました。そして行ったこともないローマに憧れを持っていました。 ローマの休日は、大人の童話だと思います。モノクロなのになぜかカラーの映画のような錯覚を覚えてしまいます。そして1日に込められた凝縮した時間は、別れによって永遠になります。最後に「好きな街都市は」と新聞記者に質問されて「ローマ」と答えるアン王女。「ローマの休日」は、初めて知った切なく透明感のある恋の物語です。 そ [続きを読む]
  • すれ違いの 愛の 行方 1
  • 夕暮れ時、昭和の時代を感じさせる居酒屋“囲炉裏”に菅野祐二は、小学校時代の友人都築剛に呼び出された。剛は、高校時代、友人が万引きで疑われたことに腹が立ち、教員を殴って退学になったのである。50歳も近くなった頃、祐二は、東京の生活を捨て、親の介護のため生まれ故郷の女川に戻ってきたのである。行政書士の資格を持っていたので、事務所を構えたのである。少しでも故郷の人の役に立ちたいと思ったのである。一方剛は、 [続きを読む]
  • 放課後という響き
  • 昔 週休二日でなかった頃 カレンダーには 土曜は青色で記されていました。午前授業で あとは自由でした。日曜が赤で、土曜が青。日曜より土曜日が好きだった気がします。午前中学校があって、遊ぶ約束をして家に帰ってお昼をたべてお寺の境内へ。土曜のお昼は、決まって即席ラーメン。夏は冷や麦。学校で会って、お寺で遊んで、どこか得意な気分がした小学生の頃。中学の頃は、部活動。いつもより長く練習して、テニス部のあの [続きを読む]
  • 初恋と愛のほころびの狭間で 2
  • 「うめ−や、夏の夜はビ−ルにかぎる。内田、おまえ、恋しているか?」「突然、何ですか。また女に振られたんでしょう」「よくぞ聞いてくれた。そう、おもいっきり振られた。今まで、俺、女と本気で勝負したことが無かったんだ。いつも変化球を使ってかわしてきたんだ。傷つくのが怖かったから軽さでごまかしていたんだなあ。でもよ−、そんな俺が30になって、生まれて初めて直球で勝負したんだよ。そしたらさあー、軽くホ−ムラ [続きを読む]
  • 初恋と愛のほころびの狭間で 1
  •  東京の夏は暑い。ここ数日熱帯夜が続いている。内田保之は、古代のロマンが捨てられずに、仕事を止め東京に舞い戻り大学の発掘グル−プに参加していた。金とは全く縁が無く下北沢の四畳半のアパ−トでくすぶっていた。この夜も暑さのために眠れずに扇風機を抱き抱えていると、突然ドアを叩く音がした。「誰だ?こんな夜更けに」内田は、ぶつぶつと呟きながらドアを開けた。「よお、内田元気か?イヤー、アパ−トを探すのにてまど [続きを読む]
  • コロボックルと林檎のメロディ エピローグ
  • 「明日まできっと家は元通りになっているわよ」ポルカがお母さんに言いました。 「どうして?」お母さんが不思議そうにポルカを見ました。 「だって、コロボックルと約束したんだもの」 「コロボックル?この娘、きっと寝ぼけているんだわ」お母さんが思わず吹き出してしまいました。 「今日の作業は終りだ。ポルカも来たことだから、近くのお父さんの友達の家に泊まろう」お父さんが、ポルカとお母さんの会話の中に入ってきました [続きを読む]
  • ソーダ水の土曜日 〜君の面影〜
  • 初夏の土曜日の午後はソーダ水が似合う透き通った青に小さな赤いチェリーどこか懐かしい風景に見えるのはどうしてだろう?君と過ごした喫茶店「詩炉」あの頃の時間が一枚の淡い絵になって心の部屋に飾ってあるよ学校から解放されて君と過ごした土曜日の放課後 一緒に通った図書館 窓からは初夏の陽射し小さな名もない公園の前にあった青い屋根に風見鳥が住んでいる喫茶店「詩炉」」あの頃大人ぶって珈琲を飲んでいた自分君はいつも [続きを読む]
  • 夢の跡 〜カンボジアの風〜 7
  • 夕方、拙者と「連れ」は、アンコールワットがあるシェムリアップに行くためにプノンペン空港に向かった。アンコールワットが、シェムリアップという街にあると知ったのは、カンボジア旅行計画の時であるから、本当に何も知らなかったのである。シェムリアップは、プノンペンから飛行機で1時間30分かかる。けっこう遠いのである。仙台から大阪までの距離があるのである。拙者は、アンコールワットプノンペンからすぐだと思っていた [続きを読む]
  • 青春の残照 エピローグ
  • 3人の男達はとぼとぼと相模湖にむかって歩き出した。紅葉の木々の間から青い相模湖が顔を出した。何組かの恋人達が、ボ−トを漕いでいる。水面が11月の陽射しを浴びて輝いている。 3人は、過去となった学生時代に思いを馳せ沈黙が続いた。 「あれ、森さんじゃないか」 「本当だ」 龍の言葉に、二見が驚いた口調で言った。森が、ベンチに座って夕陽が落ちていく相模湖を見つめていた。 「森さんを、呼んだんですよ。気が利くで [続きを読む]
  • コロボックルと林檎のメロディ 6
  • 「これは、何でしょう」お母さんが、小さな瓶をテ−ブルの上から見付けました。 「おかあさん、見せて」ポルカが、背伸びしてお母さんから小さな瓶を取り上げました。中には赤いジャムのようなものがつまっていました。そして不思議な文字が白いラベルにはってありました。 「何て書いてあるんだろう」お父さんが、ラベルを覗きこみました。“林檎をありがとう。おかげで病気も良くなりました。人間にも優しい心を持っている人が存 [続きを読む]
  • 深夜に書いたラブレター
  •  昨日 お彼岸と言うことで、実家に帰りました。今は、駐車場や空き地になっていますが、なぜか子供の頃の活気のあった風景が心を過ぎりました。駄菓子屋、自転車屋、果物屋、魚屋、夕暮れになると活気があったんだよな。家は誰も住んでおらず、拙者の部屋も残ってます。思春期の想い出が散らばってます。そう、出せなかったラブレターを書いたのもこの部屋でした。  「想い」というものは夜に育ちラブレターを書いたりします。 [続きを読む]
  • 青春の残照 3
  • 「あそこにいい女がいるぜ」と龍が一人の女性に釘付けになった。長い髪におめめがパッチリ、龍好みの女性である。「まぁ、まぁ婚約者がいるんでしょう。僕が声かけてきますよ」内田が二人の会話に口を挟んだ。龍と二見はぽかんとした顔で内田を見た。内田はさっそうとしてベンチに近づいていった。「あ、あの、一人ですか?相模湖に行ってボ−トにでも乗りませんか?」女性は、後ろを振り返った。体の大きな男が缶ジュ−スを持って [続きを読む]
  • 物語の神様と花粉症
  • 大學時代、仲間と「青春の残像」という映画を創りました。大学卒業1年後の再会をてーまにしたもので、渋谷、小仏峠、高尾山でロケをしました。この時のシナリオをもとに小説にして、現在まで続編を書く続けています。 大學時代、「心はハードボイルド」と「れくいえむ」という作品を書き、とうの昔に完成していましたが、終わらせるのがもったいなくなり、現在、新しい物語を書いて挿入しています。リハビリです。そして久しぶり [続きを読む]
  • 青春の残照 2
  • 京王線高尾口の駅の影で男と女がもみあっていた。 「ねぇ、ねぇ、キスぐらいいいじゃねぇか。付き合って3々月、キスぐらいどうってことないじゃん」 「あなたって最低ね!」 女は男の顔を平手打ちして、駅のほうに走って行った。男は痛そうに頬に手をあてた。  「あれ、笹倉さんじゃないですか?」と内田が二見を見た。 「本当だ、笹倉だ。何やってんだ?」 二見と内田は、自動販売機におっかかって頬に手をあてている男を見た。 [続きを読む]
  • コロボックルと林檎のメロディ 5
  • 「早く、家を直しにいかなくちゃ」 「そうね。おかあさんとお父さんは、今からおうちを直しに行くからおうちで留守番していてね」お母さんとお父さんはスザンヌおばさんの家にでかけていきました。でもポルカは、心配で心配でしょうがありんませんでしたので、スザンヌおばさんの家に行くことにしました。真っ白な世界を足速に歩き、白の山から緑の窓を出しているような、森にたどりつきました。コロボックルと出会った樅の木の側 [続きを読む]
  • 青春の残照 1
  • 「久し振りだなぁ。部室にでも行ってみるか」秋のたおやかな陽射しを浴びて二見聡はK学院大学のキャンパスの中に消えていった。 そのころ“史跡探訪の会”の部室のなかでは、内田康之が一人物思いに耽っていた。 「俺もとうとう4年か。あの人達、今頃どうしているんだろう。卒業してから全然連絡はないし」内田がぶつぶつ呟きながら卒論を書いていると部室のドアをノックする音が聞こえた。「よぉ、内田、久し振 [続きを読む]
  • 淡い恋の物語
  • 思春期の扉を開ける前モノクロの大人の童話と出会った子供の頃の幸せで終わるお話とは違っていた実ることのなかった恋の哀しさと1日の想い出が永遠であることを知るには幼かったあの頃それでも大人の恋にときめきを感じた黄色く色づいたポプラ並木の通りにある名画座大人の階段の途中で出逢ったいくつかの恋の物語は淡い色からセピア色になったそれでも昔君と観た「ローマの休日」はモノクロ映画だったのに淡い色彩で甦ってくるも [続きを読む]
  • コロボックルと林檎のメロディ 4
  • 「おばさんはきっと林檎を楽しみにしているんだろうな」ポルカは、空のバスケットを玄関に置いて鈴を鳴らしました。するとスザンヌおばさんが、笑顔でドアを開けました。 「ポルカちゃん、遅かったわね。林檎のジャムを作る準備をしましょうか」スザンヌおばさんの言葉にポルカは黙りこくってしまいました。 「どうしたの?」 「おばさん、ごめんなさい。林檎は、無いの。森で小人と出会って林檎をあげたの」ポルカは、そう言うと [続きを読む]