春風 さん プロフィール

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春風さん: かすみ荘にて
ハンドル名春風 さん
ブログタイトルかすみ荘にて
ブログURLhttps://blogs.yahoo.co.jp/syunnpu0524
サイト紹介文旅行や詩や小説そして旅行記や写真などがはいっているおもちゃ箱のような世界になれたらいいなぁ。
自由文http://blogs.yahoo.co.jp/syunnpu0524
参加カテゴリー
更新頻度(1年)情報提供584回 / 365日(平均11.2回/週) - 参加 2007/10/12 20:47

春風 さんのブログ記事

  • 哀しい結末の向こうに 9
  • 「私じゃないわよ、馬鹿言わないで。まぁ、中学の頃から知ってるけど。腐れ縁よ」女将は、結城美里といい、おっぺちゃんと一緒に集団就職で東京に来たらしい。金の卵と重宝されたが、時の流れの中で、成功する者と路頭に迷う者と別れた。おっぺちゃんとは、小沢平太のあだ名らしく、名字と名前から来たのは確かだが、詳しい由来は不明である。長い間会うことのなかった二人だが、どちらも労働者の町「山谷」に流れ着いたのである。 [続きを読む]
  • それぞれの季節 9
  • 「来週の土曜日、みんなで飲まないか」 由美子と会った翌日、聡が、龍に電話をした。 「どうしたんだよ、突然」 「いや、由美子と会ったんだよ。彼女、悩んでいるみたいだぞ」 龍は、由美子という名前を聞いて一瞬絶句した。 「彼女、結婚しているんだろう」 龍は、乾いた声で言った。 「3年前に離婚したらしい」 「そうか、でも俺、どんな顔で彼女に会えばいいんだろう。“追い出しコンパいらい会っていないしな」 「いつものお [続きを読む]
  • 哀しい結末の向こうに 8
  • おっぺちゃんは、そう言うと煙草に火をつけた。テレビでは、紅白歌合戦が始まろうとしていた。紅組は、黒柳徹子、白組は山川静夫アナが司会をしていた。 「やっぱり、年末は、紅白だなぁ。今年は観れなかったと思ってたけど」隆もおっぺちゃんにならって煙草に火をつけた。「煙草くれ。まぁ、こうして見ると今年もいろいろあったなぁ」義行は、隆に煙草を催促した。 「おまたせ」 女将が、三人の前にほたての貝殻が出てきた。貝殻 [続きを読む]
  • それぞれの季節 8
  • 「コ−ヒ−でも飲んでいかない」「いや、いいよ。下にタクシー待たせているし」「それじゃ、来週、楽しみにしているね」「うん。おやすみ」聡は、部屋のドアを静かに閉めタクシーに乗った。シ−トにもたれ、ずっと由美子の事を考えていた。 由美子と龍は、大学卒業真近の頃に別れた。理由は、将来に対してちゃらんぽらんだった龍に由美子がついていけなくなったからだった。由美子は、龍と顔を合わせる度にきつい口調で大学卒業後 [続きを読む]
  • 哀しい結末の向こうに 7
  • 「何が夢の国のバイトだよ」義行が、疲れ切った表情をしてシンデレラ城の壁により掛かって煙草に火をつけた。 「ビートルズじゃないけど HARD DAYS NIGHT だわ」 隆は、座り込んで呆然としていた。冬は、釣瓶落としと言われている。15時を過ぎると、あっという間に夕焼けになり闇に包まれた。17時きつい仕事が終わり、隆と義行が力尽きた表情でトラックに乗り込んだ。最悪の大晦日になったのである [続きを読む]
  • それぞれの季節 7
  • 「何か話したかった事があるんじゃないか」 「うん、ディズニ−ランドで私の隣の男を見たでしょう」 「あぁ、見たけれど」 「私、今求婚されているの。でも結婚したらドイツに行かなくちゃいけないんだ」 「何処で知り合ったんだ?」 「あいつ、店の常連だったんだ。私、離婚して子供と生活してきたでしょう。母子家庭って思ったより大変なんだから…。別におもしろくも何ともない男だけどさ、ただ安心感だけはあるんだ。でも結婚 [続きを読む]
  • 哀しい結末の向こうに 6
  • 「あんちゃん達かぇ、5日間、夢の国で働くというのは?」「そうですけど」隆が、男の顔をまじまじと見た。大学でアルバイト募集の 求人票を見たとき、真っ先に目に飛び込んできたのが「夢の国で働こう」というキャッチフレーズだったのであ。夢の国というのは、もちろん浦安にある東京ディズニーランド。単純な隆と義行は、このキャッチフレーズを見て、すぐに女子大生一緒に働く仕事と思い込み、仕事の内容など確認せず 応募した [続きを読む]
  • 哀しい結末の向こうに 5
  • 「明日のジョーと山谷って何か関係があるんですかね」隆は、煙草に火をつげながら、周りの様子をきょろきょろと見た。「おまえ、山谷を勉強してないなぁ。山谷は、明日のジョーの舞台になったんだ」 雑学にやけに強い義行が得意げに隆の疑問に答えた。 「そうなんだ、知らなかったなぁ。そもそも明日のジョー、あんまり知らないし」 「何、あの名作を知らないのか。灰になった力石、あれは感動的だった、本当に知らないのか。そし [続きを読む]
  • それぞれの季節 6
  • 翌日、聡は大学に近いCAFE DE AMERICAに入りいつも座っていたテ−ブルに座った。店内は昔と同じ用に暗くジャズが流れていた。「待った?」少し遅れて由美子がテ−ブルに座った。店内には、10年前の落書きが散らばっていた。龍が、卒業式真近に置いていったエピフォンカジノのギターが埃を被って店の壁にぶら下がっていた。「懐かしいわね。大学卒業してからも時々この店を訪れていたんだ。でも5年ぶりかな、この [続きを読む]
  • 哀しい結末の向こうに 4
  • 美恵は、私立の教員に採用されることが決まり、塾で中学生相手に受業をしていた。この日は、年末年始にかけて特訓講義があるため休みをもらったのである。塾の名は、「架け橋」という名前で、理事は赤澤真弓といい、夫は数年前に亡くなり、一人で塾を運営していた。美恵は、教会で催されたお茶会で知り合い、冬休みにお手伝いすることになったのである。クリスマスシーズンは、渋谷の公園通りにあるおもちゃ屋でバイトをし、その後 [続きを読む]
  • 青春の影
  • 昨夜チューリップのライブに行ってきました。財津さんも来年は、70歳で、メンバーはみんな60歳を超えているんですね。 姫野さんにしても財津さんにしてもしっかり声が出ているのには驚きました。「心の旅」「銀の鈴」「ぼくの作った愛の歌」「私のアイドル」を演奏しました。心は1970年代。年を重ねても音楽で愛や夢を伝えている姿に感動しました 60代のメンバーだけど、なぜかチューリップ全盛の頃に見えました。あん [続きを読む]
  • それぞれの季節 5
  • 「二見君じゃないの。元気だった。何年振りかしら。」由美子が、聡の座っているベンチに駆け寄った。「よう」聡は、照れ臭そうに由美子を見た。聡は、大学時代由美子に憧れていたのだが、由美子と龍がステディな関係にあったので諦めたのだった。「笹倉君、結婚したんだってね。」「あぁ」聡は、由美子から笹倉の名が出たので思わず気のない返事をした。「それにしても、こんな所で会うなんて、奇跡に近いわね。もしかしたら、家庭 [続きを読む]
  • 哀しい結末の向こうに 3
  • 「残念なことに、昨日からガスが止められているんだよ」 「マジっすか?」義行の言葉に、隆は恨めしそうな表情でカップラーメンを見つめていた。 同時に二人のおなかがグーっと鳴った。本当にしまらない悲惨な年末が訪れようとしていた。その時である、義行の部屋をノックする音がしたのである。隆と義行は、顔を見合わせた。義行は、どことなく不安そうな表情をしていた。「飲み屋の取り立てか?NHKか?ガス屋か?とにかくだ、こ [続きを読む]
  • 哀しい結末の向こうに 2
  • 「そもそもカレンダーもクリスマスイブから変わってないじゃないですか。時間は過ぎてんだけどなぁ。」隆は、カレンダーをめくりながら呟いた。「やっと、30日になりましたよ。今年も残すところ、あと2日ですね。で、慶子さんの一家はどうなりましたか?」 「あ、慶子さんね。昨日、このアパートを出て行ったよ。暫く実家で生活するらしい。何でも慶子さんの旦那、入院しない薬治療でいいらしくなったんだ。そして、上司の計らいで [続きを読む]
  • それぞれの季節 4
  • 2次会が終わったのは、9時過ぎだった。 「幸せに」という歓声だか罵声だかに送られて二人は店を出た。11月の夜空は、澄んでいた。北斗七星が、朧気に輝いていた。隣の真知子を見ていたが、龍には、まだ結婚したという実感がなかった。      結婚式からあっというまに半年が過ぎた。とにかくギリシャ・ロ−マへの新婚旅行などがあったから慌ただしい日々だった。龍も35になり10年前の破天荒な面影は消え、ありきたり [続きを読む]
  • 哀しい結末の向こうに 1
  • クリスマスが終わるとヨーロッパ風の雰囲気は年の瀬の慌ただしい様子に様変わりする。童話の挿絵の様な恋人の街の風景は、砕け散って和の趣に変わるのである。一夜で変わるのだから「日本」という国は不思議である。聡と純は故郷に帰り、美恵はデパートでアルバイト。結局やることのない隆と義行は、たまった飲み代の付けとアパート代を支払うため山谷に行ってバイトをすることにした。隆は、大学を卒業したらインドに旅立とうと思 [続きを読む]
  • すれ違いの 愛の 行方 エピローグ
  • お父さん、震災の日、誰もいなくて寂しかったんだ。本当は支えてほしかったんだ。大切な人を亡くしてどうしていいかわからなかった。お父さんは、震災から一ヶ月経ってから真っ黒な顔にぼろぼろの服で帰ってきたよね。でも何も言わず黙っているだけだったね。本当は、抱きしめてほしかったんだ。でもお父さんも、大切な人を亡くしたんだよね。私母親になってあの時のお父さんの気持ちが判るようになりました。本当は、私を守りたか [続きを読む]
  • たいむかぷせる 〜甦った色彩〜 2
  • クラスのみんなで撮った写真がセピア色から鮮やかな色彩で蘇る一番前で笑っているあいつはもういない 未来の自分にむけて書いた手紙を読んでみんな涙ぐんだよまさかバイクで命を散らすとは誰も思ってなかったよ初恋のあの娘が結婚することを知ったのも たいむかぷせるを開いた日たいむかぷせる 心の故郷に戻った気がした幸せそうに微笑むあの娘に「おめでとう」と心の中で呟いた あの頃の僕たちが木造校舎から手を振っているのが [続きを読む]
  • たいむかぷせる 〜蘇った色彩〜
  • 慌ただしい日常という時の流れの中で セピア色の写真の風景を忘れていた切なくて懐かしくてレモンの様に酸っぱい風景だった早春の風に乗ってきた1枚のはがきが セピア色の思い出に淡く色づけてくれた10年前の約束 たいむかぷせるを開ける知らせだった心の中に残っているのは黄色く色づく大銀杏と初恋のあの娘の想い出が散らばっている木造校舎 幾つかの季節が過ぎ桜が舞っていた懐かしい場所は もうあの頃の面影はない鉄筋校舎 [続きを読む]
  • すれ違いの 愛の 行方 12
  • 「卒業おめでとう。本当にここ数年おまえと話した事なかったな。もしかすると“なにがおめでたいんだよ”と言うかも知れないな。でも高校を卒業すると思ってなかったから、俺はおめでたいと思うんだ。卒業、お正月と同じで一つの区切りだと思うんだ。 何年か、おまえさ、創った物を壊してばかりいたよな。でも実君と出会い、駿が生まれ昔の咲子に戻った気がするんだ。おまえがめちゃくちゃな生活をしていた時も、時々純粋な瞳をし [続きを読む]
  • それぞれの季節 3
  •  式も無事に終り、龍と真知子はホテルの部屋に戻った。新婚旅行は、鎌倉に行くことにしていた。しかしインド、中国を放浪した龍のことである、国内旅行で終わるはずがない。12月にギリシャ・ローマに行くのである。アジアではなくヨーロッパなのは、妻の真知子が主張したからである。「どうも式というのは苦手だなぁ。ところで、2次会は、何時からだっけ」「確か6時30分からだったわ。本当にしっかりしているんだか、してい [続きを読む]
  • 一輪の想い
  • 人知れず咲いた桜の花誰が愛でるわけでもないのに一瞬の輝きと想い 現世に花を咲かせる月の灯と戯れて散りゆくも運命と精一杯花を咲かせて散ってゆく春の風に誘われて言葉を噤んで永久の旅誰に愛でられなくてもそれでいいただあなただけには伝えたい儚い想い人知れず咲いた恋の花言葉にする事なく伝える事も叶わないで散っていく想いが一輪儚い恋が宇治川の水飛沫に消えてゆくいつの日か気づいてくれたなら君への想いが一輪あった [続きを読む]
  • すれ違いの 愛の 行方 11
  • 「そうね、あなたのお父さんだね。あなたのご主人、よく見ているわね。でも、剛、けちんぼうじゃないけどね。でも自分の思いをうまく伝えられないのは、剛、あなたのお父さんね。本当は仲直りしたいんだよね。知ってたんでしょ、何も言わず手助けをしていたのを。ま、咲子ちゃんも不器用だけどね」 綾は、何度も書き直しをした原稿用紙を読んだ後、咲子を見た。咲子が、「父」と呼んでいることに父と娘の壁を感じていた。 「……… [続きを読む]
  • それぞれの季節 2
  • 「しかしなぁ、結婚か。俺もこの場にいて実感しないよ」龍が、内田にこそこそと耳打ちした。 「そうでしょう。結婚というのは、後でひしひしとジッカンするんよ。それも、日に日に、つき刺さるように感じるんですよ」「宴もたけなわですが、お開きの時間が近付いてきました。お二人の明るい前途を祝して拍手をお願いします」という司会者の言葉が、龍と内田の会話を遮った。ライトが消え、『GLOW OLD WITH ME』の [続きを読む]
  • それぞれの季節 1
  • 「え、新郎の笹倉龍君とは、サ−クルで一緒に長崎に行ってきました。長崎には、亀山社中といいまして、坂本龍馬が会社を作ったときの本拠地跡があります。彼とそこに行きまして、いろいろ話した事がやけに印象に残っています。龍馬は、33歳で志半ばで、この世を去りました。笹倉君も33歳までは大きな事をやろうと熱ぽく語っていました。その大きな事とは、この結婚式だったんでしょう」二見が友人代表のスピ−チを終えると拍手 [続きを読む]