遊歩 さん プロフィール

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遊歩さん: 小経を行く
ハンドル名遊歩 さん
ブログタイトル小経を行く
ブログURLhttp://hanako61.at.webry.info/
サイト紹介文社会現象、旅の話、読書の感想、歴史、ペット、芸術まで幅広い分野をフォローするブログです。
自由文自宅周辺には大雨を調整するための人工池やけやき並木の遊歩道があり、四季折々自然を楽しんでいます。こうした自然を友にした散歩の途中、現代世相について諸々考えることがあります。2006年9月からスタートし、1400回を超えたこのブログは、そうした私の日常雑感をつづっています。

参加カテゴリー
更新頻度(1年)情報提供77回 / 365日(平均1.5回/週) - 参加 2008/01/03 09:08

遊歩 さんのブログ記事

  • 1577 沖ノ島はどんな島 藤原新也写真展を見る
  •  古来、日本人は神に対する根強い信仰があった。その象徴ともいえるのが福岡県の玄界灘に浮かぶ小さな島、沖ノ島だ。東京・日本橋の高島屋で開催中の藤原新也の写真展「沖ノ島 神宿る海の正倉院」を見た。一般人・女人禁制といわれる沖ノ島(福岡県宗像市)は今月9日ポーランドで開かれた世界遺産委員会で「『神宿る島』宗像・沖ノ島県連遺産群」として世界文化遺産への登録が決まった。その直後のタイムリーな写真展である。 [続きを読む]
  • 1576 消えた新聞の青春群像 増田俊也『北海タイムス物語』
  • 「北海タイムス」という新聞があったことを北海道民の多くが記憶しているだろうか。1998(平成10)年9月に「休刊」宣言をして事実上の廃刊をしてからもう19年になる。この北海タイムスを舞台に、入社間もない整理部記者の苦闘を描いた増田俊也著『北海タイムス物語』(新潮社)を読んだ。経営が傾き、厳しい労働環境の中で整理部記者として自立を目指す主人公を通じて、新聞業界の裏の姿が克明に記されている。この本は、 [続きを読む]
  • 1575 日野原さん逝く 伝え続けた平和と命の大切さ
  •  生涯現役を貫いた医師の日野原重明さんが18日亡くなった。105歳という日本人男性の平均寿命(80・75歳=2017年3月、厚労省発表。女性は86・99歳)を大きく超える長命の人だった。日野原さんが生まれたのは1911(明治44)年10月4日で、この年、中国では辛亥革命で清朝が倒れ、ノルウェーのアムンゼンが南極探検に成功している。日本では大逆事件で幸徳秋水ら24人の死刑が執行された年で、明治はそれ [続きを読む]
  • 1574 宇良の涙 小さな大力士の道へ
  •  大相撲で小さい体の前頭4枚目、宇良が横綱日馬富士に勝った。テレビのインタビューで涙を流した宇良を見て、誰しも「よくやった」と思ったに違いない。つい数年前(大学2年生当時)60数キロしかなかった宇良が横綱に勝った事実は、人には不可能がないことを教えてくれる。 [続きを読む]
  • 1573 「鷹乃学」ころ 猛暑を乗り越えて
  •  鉢植えのインドソケイが咲いた。別名、プルメニアともいう。中米、西インド諸島が原産といわれる亜熱帯・熱帯の花である。香りがよくハワイのレイにも使われるから、日本人にもなじみの花といえる。このところ猛暑が続いていて人間にはつらい日々だが、植物によっては、この花のように歓迎すべき高温なのだろう。 [続きを読む]
  • 1572 夢一筋の天の川 ウグイスが飛来した朝
  •  7月に入って暑い日が続いている。庭では近くの調整池の森から飛んできたウグイスが鳴いている。きょうは七夕だ。天の川をはさんで夜空に輝く七夕の由来になった星(こと座のベガとわし座のアルタイ)を見上げる人たちもいるだろう。俳句愛好者は、夏目漱石の「別るるや夢一筋の天の川」という美しい句を思い浮かべるかもしれない [続きを読む]
  • 1570 植物の三徳 清澄のユリ園を訪ねて
  •  植物には三徳があると言ったのは、植物学者の牧野富太郎である。人間の生活に植物がいかに重要な役割を果たすかを示した言葉である。それは後述するが、牧野は「もしも私が日蓮ほどの偉物であったなら、きっと私は、草木を本尊とする宗教を樹立して見せることができると思っている」(牧野富太郎『植物知識』講談社学術文庫)とも述べている。梅雨の晴れ間に恵まれた一日、牧野の言葉に惹かれて、房総半島のユリ園を見に行った。 [続きを読む]
  • 1568 視覚障害者の希望とは 映画「光」が示す先は
  •  光を失うということは、どのような恐怖なのかは経験者にしか分からない。新潟の知人もその一人である。映画「光」を見て、知人の苦しみを考えた。どら焼きづくりに、ささやかな希望を見つけたハンセン病回復者を描いた「あん」に続く、河瀬直美監督の作品だ。視覚障害者用の映画の音声ガイドづくりが進む中で、視力を失っていく写真家の姿を追った映画のストーリーに知人が重なった。 [続きを読む]
  • 1562 「生と死」にどう向き合う 草間彌生展にて
  •  彫刻家、画家である草間彌生は、自伝『無限の網』(新潮文庫)の中で、「芸術の創造的思念は、最終的には孤独の沈思の中から生まれ、鎮魂のしじまの中から五色の彩光にきらめきはばたくものである、と私は信じている。そして今、私の制作のイメージは、『死』が主なるテーマである」と書いている。国立新美術館で開催中の「草間彌生 わが永遠の魂」展は、まさに死をテーマにした、原色に彩られた独特の作品が並んでいる。 [続きを読む]
  • 1560 「怖い絵」について 人の心に由来する恐怖
  •  西洋絵画には、見る者に戦慄を感じさせるものが少なくない。そうした絵画を中野京子はシリーズで取り上げた。その第1作はラ・トゥールの『いかさま師』からグリューネヴァルトの『イーゼンハイムの祭壇画』まで22の作品を恐怖という視点で紹介した『怖い絵』(角川文庫)である。恐怖は人の心に由来するものであり、登場する絵も1点を除き、人間(ジェンティレスキ『ホロフェルネスの首を斬るユーディト』のような人を殺す恐 [続きを読む]
  • 1559 こだまするホトトギスの初音 ウグイス・キジとの協演
  •  朝、いつもより早く6時前に調整池を回る遊歩道を歩いていたら、ホトトギス(時鳥)とウグイス、キジが次々に鳴いているのが聞こえた。まさに野鳥のさえずりの協演だ。3種類の鳥が同時に鳴くなら三重奏(トリオ)という表現もできる。しかし、鳥たちは律義に(私の勝手な感想)交代で鳴いている。さえずりのリレーを聴きながら歩くのも、この季節ならではのぜいたくだ。 [続きを読む]
  • 1558 苦闘する学芸員たち 政治家の発言にひるむことなかれ
  •  これまで全国のさまざまな博物館や美術館を回り、学芸員から話を聞いた。彼ら、彼女らはいかにして、自分や同僚たちが企画した展覧会に多くの入場者を呼ぶか奮闘していた。そんな人たちに対し、山本幸三地方創生相が外国人観光客らへの文化財などの説明、案内が不十分として「一番のがんは文化学芸員。この連中を一掃しないとだめ」と発言し、問題視されると撤回した。学芸員の仕事を理解していない妄言としか言いようがない。 [続きを読む]
  • 1555 無知は万死に値する 「呉下の阿蒙」を思う
  •  中国・三国志に呉の呂蒙という人物が登場する。彼は無学な武人だったが、主君の孫権から学問をするよう勧められ、勉学に励んだ。後年、旧友の魯粛という将軍がその進歩に驚き、「今はもう呉にいたころの蒙さん(阿はちゃんという意味)ではない」とほめたという。旺文社・国語辞典からの受け売りだが、この故事転じて、昔のままで進歩のない人物や学問のないつまらない者を「呉下の阿蒙」(ごかのあもう) というのだそうだ。 [続きを読む]
  • 1554 詩人が憂えた不満足時代 大岡信逝く
  •  5日に亡くなった詩人の大岡信(まこと)は1980年代、パリに住んだことがある。当時、フランスでは大統領選があったが、それを見た大岡は「フランス人の大半は各人各様の正当な理由によって不満足だろう。もっと他にましな選択があるのではないかと思い、結局それが今のところまったく見つからないので、皆たいそう不満足である」という感想を記している。36年も前のことである。このころから世界が混沌とした状況に陥って [続きを読む]