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万国時事周覧 https://blog.goo.ne.jp/kuranishimasako

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

当時にあってほんの些細なことと思われた出来事が、後から振り返ってみれば、歴史の分水嶺になっていたという事例は枚挙に遑がありません。本ブログでは、日本を含めて世界各地で起きている出来事の歴史的な意味を、公開されているわずかな情報を手がかりとしながらも、探って行きたいと思います。

倉西雅子
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2008/01/26

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  • 提案者不明の日本国の政治-皇室典範改正問題

    今般、日本国の政界では、皇室典範改正の動きが活発化してきているようです。昨日の3月18日には、自民党にあって総裁直轄とされる「安定的な皇位継承の確保に関する懇談会」が開かれ、皇族確保策の一つとして議論されてきた女性皇族が婚姻後も皇族の身分を保持する案について党内で異論はなかったと報じられています。皇室典範改正は、日本国の統合に関する問題である点に鑑みますと、現状には幾つかの問題点があるように思えます。第一に、同会議を取り仕切る会長は皇族の姻族となる麻生太郎副総裁ですので、皇室問題の利害関係者の立場となります(しかも、世界権力の中枢とされるユダヤ系財閥とも姻戚関係がある・・・)。皇室典範の改正は日本国の統合政策の一つですので、当然に、他の政策分野と同様に中立性並びに公平性が求められるはずです。近親者の麻生副...提案者不明の日本国の政治-皇室典範改正問題

  • 統合の象徴は人ではないほうが良いのでは

    日本国憲法の第一条は、「天皇は、日本国の象徴であり日本国民統合の象徴であって、この地位は、主権の存する国民の総意に基づく。」とあります。世界広しといえども、天皇という地位を国家・国民の象徴と定め、合わせてその地位の保障を主権者である国民に委ねている憲法は、おそらく日本国憲法のみでありましょう。同条文では、本来両立が殆ど不可能な世襲制と民主主義との間のアクロバティックな折衷が見られるのですが、その背景には、ポツダム宣言の受託に際しての、日本国側からの‘国体の護持’という要求があったとされています。当時の日本国政府は、終戦を遅らせ、戦争を長引かせてでも天皇の地位だけは守りたかったこととなります。この揺るぎない天皇死守の決意は、国民の身を危うくする戦争被害のさらなる拡大の許容を意味しますので、戦後の天皇の地位は...統合の象徴は人ではないほうが良いのでは

  • 伝統的権威と世界権力とのメビウスの輪

    目下、政界の周辺では、女性天皇の容認や女性宮家の創設等について議論が活発化してきているようです。この現象、ここ数年来、繰り返されているようにも思えますが、なかなか結論には達していません。もっとも、同議論は、象徴天皇、並びに、それに付随する皇室制度の継続を前提としており、議題は上記の女性問題に絞られています。それでは、何故、今の時期に女性問題に集中するのでしょうか。おそらく、その背景には、LGBTQと同様の外圧があるのではないかと推測されます。不可解なことに、英王室でも、世論調査の結果、王室内において人気が一位となったのは、女性、かつ、民間出身にしてユダヤ系のキャサリン妃であったと報じられています。昨今、日本国内で実施されたとする世論調査の結果は、女性天皇の容認が圧倒的多数を占めているのですが、英国同様に、...伝統的権威と世界権力とのメビウスの輪

  • 一般参賀の傘現象は美談なのか

    今年の2月23日の天皇誕生日には、皇居で一般参賀が行なわれ、小雨の降る中を凡そ1万5千人の人々が訪れたそうです。気温も2度という寒さであったのですが、このとき、稀に見る奇跡的な現象が起きたとの報道がありました。どのような現象かと申しますと、長和殿のベランダに皇族方が姿を見せると、誰ともなく傘を閉じ始め、皇居前広場には一本の傘も見られなくなったと言うものです。最後に閉じたのは、外国人であったそうなのですが・・・。この現象、最初に報じられた際には美談とされていました。傘を閉じた理由は、前の歩とが傘をさしたままでは視界を遮られて後ろの人が見えなくなるので、他者への配慮が広がったとする見方であり、先ずは日本人の思いやりの精神の現れとするものです。もっとも、‘一般参賀’という特別の場であることを前提としますと、そこ...一般参賀の傘現象は美談なのか

  • 『世界政府の造り方』について

    落ち着いて考えてもみますと、世界経済フォーラムの存在自体が陰謀の実在を証明しているとも言えましょう。何故ならば、自らには全世界を全面的にリセットし、根底からチェンジし得る力があると自負しているからこそ、‘グレートリセット構想’を打ち出しているとしか考えられないからです。表舞台に姿を現わしたグローバルなマネー・パワー勢力は、今や全世界にその威力を見せつけています。それでは、どのようにして世界権力は、全世界に支配のネットワークを広げていったのでしょうか。世界権力の基本戦略とは、あらゆる集団のトップの取り込みなのでしょう。否、‘乗っ取り’という表現の方が相応しいかも知れません。世界権力には全世界を直接的に支配するする物理的力はありませんので、独断で決定した事柄を実現するためには、自らの手足となって忠実に命令や指...『世界政府の造り方』について

  • 破壊=進歩というイルージョン

    日本語では、芸術を表す言葉として長らく美術という表現が凡そ同義語として用いられてきました。この言葉には、‘美’という一文字が含まれており、その本質において美の追求であることが理解されます。その一方で、芸術の分野における進歩主義、即ち芸術にあっても時系列においてより新しいものに価値を見出そうとする考え方が浸透するようになると、美の破壊という本末転倒の現象も見られるようになりました。数年前、とある美術館にて展示してあった作品がゴミ箱に捨てられてしまった、という事件が発生しました。その理由はいたく単純であり、この作品が、展示場のフロアに置いてあったゴミにしか見えなかったからです。つまり、鑑賞に値する価値を見出せなかったから、廃棄すべきゴミと間違えられてしまったのです。もっとも、現代アートの専門家達は、前衛的な芸...破壊=進歩というイルージョン

  • 世界権力は美も嫌い?

    学校教育の美術の時間にあっては、芸術も時代と共に進化するものと教えられてきたように思います。美術史でも、絵画であれ、音楽であれ、何であれ、時系列的に各時代の様式が並べられており、ページの最後に現代アートが登場してきます。そしてそれは、時にして、過去の全ての芸術的試みの末に到達した最先端の様式であるかのように・・・。しかしながら、現代アートは、人類が到達した芸術の極みなのでしょうか。最近、街の風景を眺めていますと、一つのおかしな現象に気がつかされます。それは、名称はわからないのですが、どの街にも、デザインとしてパターン化された大きなアルファベットの文字が何者かによって描かれた壁や塀あることです。鉄道沿いの壁や河川敷の堤防など、あらゆる壁に描かれており、誰もが一度は目にしたことがあるはずです。この文字のデザイ...世界権力は美も嫌い?

  • 自由主義国における学問の自由の危機とは

    日本国をはじめとした自由主義国では、一見、学問の自由の保障には何らの問題もないように見えます。ネットの普及も手伝って、誰もが好きな時に好きな分野について学ぶことができます。しかしながら、その一方で、近年の動向からしますと、自由主義国でも、共産主義諸国と見紛うような極端な歪みを持つ政策が行なわれているように思えます。この歪みは、とりわけ教育機関や研究機関にあって起きている現象です。学問とは、これまで謎とされてきたり、分からなかったことを知ろうとする純粋な知的好奇心によって発展してきました。発見者や発明者本人の目的はどうあれ、学問の成果は、人々の心や生活を豊かにし、国際レベルであれ、国家レベルであれ、地域レベルであれ、より善き社会の実現に貢献してきたのです(もっとも、悪用されることもありますが・・・)。様々な...自由主義国における学問の自由の危機とは

  • 世界権力は知性や学問が嫌い?

    今日、技術大国を自認し、科学立国を目指してきた日本国に、異変が生じてきているように思えます。戦後、焼け野原から再出発した日本国は、自国の再起をあらゆる産業の基盤となる技術力の発展にかけ、政府も国民も科学技術の研究や開発に熱心に取り組んできました。かくして日本国は数々の先端技術を世に送り出してきたのですが、学問好きで向学心が強い日本の国民性は戦後に始まったわけではなく、江戸時代には寺子屋が広く普及し、世界的に見ても国民の識字率が群を抜いて高かったことを考えますと、それ以前の時代に遡ります。また、実利的な学問に限らず、本質や本源まで突き詰めて探求しようとする姿勢は、宗教も含めた哲学や思想などの精神的な学問分野にあっても顕著に見られます。そして、こうした国民性が醸成されたのは、自由な知的探求を許す寛容な空気が日...世界権力は知性や学問が嫌い?

  • 諜報機関は国民の敵か味方か?

    戦争であれ、テロ事件であれ、そして災害であれ、その背後に何者かによる謀略があったのでは亡いか、とする推測は、如何に辻褄が合わず、説明のつかない不審点に満ちていようとも、陰謀論として退けられてきました。ウェブなどでも、陰謀実在論をカルト信者のように見なす記事が定期的に掲載されています。そこには、何としても陰謀の存在を否定したい人々の強い意志が感じ取れるのですが、最早陰謀実在論を封じ込めることは難しい状況にあります。安部元首相暗殺事件についても、政府もメディアも元統一教会の信者の家族とされる山上徹也被告による単独犯として片付けています。しかしながら、暗殺現場や狙撃の状況を具に観察すれば、同単独犯説が成り立たないことに、誰もが気がつくはずです。物理的に不可能であるにも拘わらず、単独犯説をもって‘事実’とみなすの...諜報機関は国民の敵か味方か?

  • アメリカの独立性とディープ・ステート論-内部化した東インド会社?

    政治家であるトランプ前大統領が‘ディープ・ステート’という言葉を使うようになって以来、ライバル政党である民主党を中心に、その実在を‘陰謀論’として否定する動きも強まるようになりました。しかしながら、次期大統領選挙戦において同前大統への支持がバイデン現大統領を引き離しているように、アメリカ国民の多くはディープ・ステート論に対して一定の理解を示しています。アメリカにおける陰謀実在論が受け入れられる歴史的な拝啓としては、イギリスからの独立戦争があります。世界史の教科書には、1775年4月19日に始まり、1783年9月3日のパリ条約の成立によって終結したアメリカ独立戦争によって、アメリカはイギリスから正式に独立したと記述されています。その一方で、独立を果たしたとはいえ、裏ではイギリスが手綱をしっかりと握り、水面下...アメリカの独立性とディープ・ステート論-内部化した東インド会社?

  • KGBとプーチン大統領-情報機関のグローバル・ネットワーク疑惑

    1989年に始まる東欧革命がドミノ倒しの如くにソ連邦にも及び、永遠に続くとみられてきたソ連邦が崩壊した時、誰もが、今日のプーチン政権の誕生を予測はしなかったことでしょう。何と申しましても、ウラジミール・プーチン氏は、全世界の諸国から恐れられていたソ連邦の情報機関、KGBの出身であったのですから。新生ロシア連邦に民主化の希望を託したロシア国民が、かくも簡単にKGB出身の大統領を選ぶとは、誰もが予想だにしなかったはずです。ところが、現実には、‘あり得ないこと’が起きてしまったのです。それでは、何故、常識的には考えられないような事態が起きてしまったのでしょうか。プーチン大統領は、KGBにあって対外情報部員として16年間勤務しています。最後は中佐にまで昇進しており、順調に出世街道を歩んできたようです。1991年の...KGBとプーチン大統領-情報機関のグローバル・ネットワーク疑惑

  • CIAは政党や新興宗教団体の統括機関?

    元統一教会については、韓国がその発祥の地であるため、既にKCIA、即ち、大韓民国中央情報部との関係が指摘されてきました。しかも、教祖の出身地が北朝鮮であることによって、両国間の南北宥和政策にも影響を与えたとされています。元統一教会には、元より国家の機構内部に深く入り込み、自らの目的のために活動していた組織と言う、極めて政治的な側面があります。このことは、同教団の強い権力志向を表すと共に、政治権力と一体化まで疑われるのです。そして、この一体性は、日本国内にあっては自民党と間に顕著に観察されます。こうした政治志向の強さは、教祖の個人的なパーソナリティーの現れなのでしょうか、それとも、教祖によって歪曲された‘教義’に由来するのでしょうか。本当のところは、これら二つの何れでもなく、教団と政治との関係は逆であった可...CIAは政党や新興宗教団体の統括機関?

  • 自民党と元統一教会

    自民党と元統一教会との間の不可思議な関係も、創価学会と中国共産党の関係のアナロジーとして理解し得るかも知れません。自民党と元統一教会との関係も、その表向きの立場からすれば正反対であり、‘水と油’の如きなのです。片や日本国の伝統を尊重し、‘日本ファースト’を訴えてきた保守政党であり、片や日本国を侮蔑し、‘韓国ファースト’で行動する新興宗教団体なのですから。ところが、蓋を開けてみますと、両者は密接不可分と言ってもよいほどに連携関係にあり、国民を心底から驚かせているのです。この自民党と元統一教会とのあり得ない関係の謎は、両者ともに‘仮の姿’であったとしますと、ほどなく氷解してゆきます。とりわけ元統一教会は、純粋なキリスト教の信者の団体ではなく、教祖のカリスマに魅せられた人々、悩みや孤独感から組織を頼りたい迷える...自民党と元統一教会

  • 中国共産党と創価学会

    唯物論者である共産主義者と唯神論者にして唯心論者である宗教家は、水と油のような印象を受けます。神や天国、そして魂の存在をめぐって、両者は、全く逆の立場にあるからです。こうした正反対の関係からしますと、中国共産党と日本国の創価学会との関係は、まことに奇異に見えると共に、理解しがたい現象ともなります。犬猿の仲であるはずの両者がにこやかに握手し、歯の浮くような言葉でお互いを褒め合っているのですから。共産党が宗教を否定するイデオロギー団体、創価学会を仏を信じる宗教団体とする表層的な見方からしますと、中国共産党と創価学会の友好関係はあり得ないことなのです。しかしながら、両者ともに仮面を被っているに過ぎないとしますと、この不可思議な関係も不可思議ではなくなります。両者は、ある一つの目的において共闘関係にあるとも言えま...中国共産党と創価学会

  • 新興宗教団体は神や仏から遮断されているのでは?

    フリードリヒ・ニーチェが残した「神は死んだ」という言葉は、過激ではあれ、近代という時代の精神を端的に表しているのかも知れません。共産主義者が祖と崇めるカール・マルクスも、ユダヤ教のラビの家系に生まれたとされながら、宗教に対しては冷ややかな評価を下しています。20世紀に至ると、公然と宗教を弾圧するソ連邦や中国のような共産主義国家も現れる一方で、自由主義諸国にあっても、キリスト教といった伝統宗教に対する信仰心は薄らいできています。あたかも、ニーチェの‘予言’が的中したかのようなのですが、その一方で、数多の新興宗教団体が誕生し、今では政治にまでその影響が浸透するという、奇妙な現象が起きています。それでは、無宗教の人が増える中、新興宗教団体は、神を信じる人々が未だ多く存在していることの証なのでしょうか。何れの新興...新興宗教団体は神や仏から遮断されているのでは?

  • 各国の農業潰しの意図とは?-‘グローバル農業政策’の犠牲

    目下、ドイツ、フランス、オランダなどのヨーロッパ諸国では、農家による政府に対する激しい抗議運動が起きています。同抗議運動の主たる理由として挙げられているのが、農家に対する補助金の削減です。ウクライナ紛争以来、何れの国も物価高に見舞われている折、政府は、補助金の増額どころか、削減の方向に動いているのですから、農家の怒りが爆発するのも理解に難くありません。フランスでは、既に農産物価格が原価割れとなっているそうです。そして、この農家による抗議の広がりは、農家を追い詰める不可思議な政策の推進が一国の問題ではない現状を示しています。それでは、何故、時期を同じくして数多くの諸国の農業が危機に直面させられているのでしょうか。政府による‘農業潰し、あるいは、’農業迫害政策‘とでも言うべき農家への圧迫は、近年、日本国におい...各国の農業潰しの意図とは?-‘グローバル農業政策’の犠牲

  • 変えるべきは戦争への対応-兵力や資金より知恵を

    今日の国際社会では、戦争が起きる度に、紛争国との関係が希薄であったり、直接的な利害関係が殆どない中立的な国であったとしても、旗幟を鮮明にするよう促されているように思えます。どちら側に付くのかが問題となり、国内の世論が二分されることも珍しくはありません。そして、どちらか一方の○○陣営の一国に括られますと、兵力や資金の提供を迫られかねないのです。実際に、ウクライナ紛争では、日本国は、ウクライナ・アメリカ・EUの所謂‘西側’陣営のメンバー国と見なされ、ロシア=侵略国=悪の固定化された構図の元で多額のウクライナ支援を強いられてきました。しかしながら、冷静になって考えてみますと、この陣営対立を必然とするような二分法的な戦争への対応は、下記の理由から見直しを要するのではないかと思うのです。今日に至る国際法の発展は、戦...変えるべきは戦争への対応-兵力や資金より知恵を

  • ウクライナ支援継続も天文学的な負担になるのでは?

    一昨日の2月20日付けの日本経済新聞の一面には、「断念なら「天文学的な負担」」と題する記事が掲載されておりました。「平和のコスト」という欄においてウクライナに対する「支援疲れの代償」を論じたものです。同記事には、昨年12月に米戦争研究所が公表したロシア勝利のシナリオに関する予測が紹介されております。‘断念なら天文学的な負担’とは、ウクライナ支援を断念し、ロシアが勝利した場合におけるアメリカにのしかかる防衛費のコストを意味しているのです。しかしながら、ウクライナ支援を継続しても、やはり‘天文学的な負担’が生じるように思えます。米戦争研究所の予測は、ロシアの勝利⇒ロシアがEU各国国境の軍備増強⇒NATOも防衛費増額⇒天文学的なコスト・・・ということになります(因みに、既に決定されている600機のF35の配備に...ウクライナ支援継続も天文学的な負担になるのでは?

  • トランプ前大統領のNATO撤退論を考える

    大手マスメディアは、アメリカのオバマ元大統領については常に好意的な記事を書く傾向にあります。先日も、最もIQの高い大統領として持て囃す記事もあったのですが、同大統領に対する異様に高い評価は、ノーベル平和賞の選考と同様に、核廃絶という一つの物差しで測った結果なのかもしれません。核兵器=絶対悪という固定概念あってこその受賞なのですが、核の抑止力が冷戦期にあって第三次世界大戦を防いだとすれば、全く逆の評価もあり得ます(物事の評価には、‘物差し’そのものが間違っているケースも・・・)。一面からの評価は、必ずしも全ての人々を納得させるわけではないのです。オバマ元大統領に対する賞賛を過大評価ではないかと疑うもう一つの理由は、先ずもって‘世界の警察官’を止めたことにありましょう。何故ならば、この‘辞職’は、アメリカ合衆...トランプ前大統領のNATO撤退論を考える

  • 国際社会が腐敗する理由-岸田政権の低支持率

    昨今、岸田政権の支持率が急落しています。既に20%を切ったとの報道もあり、盤石とされてきた保守層からの見限りも指摘されるようになりました。ここに来て支持率が著しく低下した理由は、国民の疑いが確信に変わったからなのでしょう。どのような確信かと申しますと、岸田文雄首相は、全世界に支配網を広げるグローバリスト勢力の代理人であり、日本国をコントロールするために配置された‘パペット’の一人に過ぎないというものです。岸田首相の正体が露呈する切っ掛けの一つとなったのは、露骨なまでに不自然なウクライナ支援です。国民が重い税負担に苦しむ中、巨額の国費がウクライナ支援に湯水のごとくに使われたのでは、国民の批判と反発を招くのは必至です。しかも、日本国内では、自然災害であることさえ疑わしい災害が頻発しており、他国の支援に予算を割...国際社会が腐敗する理由-岸田政権の低支持率

  • 竹島問題はサンフランシスコ講和条約に基づいても解決できる

    竹島問題については、紛争発生以来、アメリカ政府の勧めもあって、日本国政府はICJ(国際司法裁判所)による解決の道を模索してきました。しかしながら、日本国側から解決付託を提案する度に韓国側が拒絶してきたため、同案は実現することなく今日に至っております。ICJの規程並びに規則によれば、紛争当事国の合意がなければ訴訟は原則として受理されないからです。このため、単独提訴も検討されていますが、どうしたことか、日本国政府は、その一歩を踏み出せないでいたのです。こうした中、フィリピンの単独提訴を常設仲裁裁判所が受理し、実際に判決も下されるという事例が、単独提訴の先鞭を付けることとなりました。日本国政府にも、国連海洋法条約を活用するという選択肢が現実味を帯びてきたのです。領土問題に直接に踏み込まないまでも、竹島問題を司法...竹島問題はサンフランシスコ講和条約に基づいても解決できる

  • 竹島問題でも国連海洋法条約は活用できる

    国連海洋法条約は、南シナ海問題においてフィリピンが中国を常設仲裁裁判所に提訴するに際して用いられた条約です。「九段線」論など、欠席した中国が主張してきた根拠をも精査し、中国以外の凡そ全て諸国が納得する内容の判決が下されたのは、同条約にあって仲裁手続きについては単独提訴を定めていたからに他なりません。当事国双方の合意を絶対要件としたのでは、法廷が開かれることすらなかったことでしょう。そして、この手法は、尖閣諸島問題のみならず、竹島問題にも活用することができます。これまで、日本国政府もアメリカも、竹島問題の司法解決機関として想定してきたのはICJ(国際司法裁判所)でした。ICJの手続きでは、他の条約の解決手段としてICJが指定されていない限り、当事国間合意の要件を満たさなければ受理されないため、韓国側の拒絶の...竹島問題でも国連海洋法条約は活用できる

  • 尖閣諸島問題で日本国は世界に模範を

    尖閣諸島問題の解決については、国連海洋法条約を活用するという方法もあります。それでは、同条約では、紛争の解決についてどのように定めているのでしょうか。同条約の第15部では、紛争の解決に関する条文を置いています。その第279条では、全ての締約国に対して紛争を平和的手段によって解決する義務を定めており、当然に、日本国も中国も共に同規定に従う締約国としての義務があります。即ち、尖閣諸島問題について日本国が中国に対して平和的な解決を求めた場合、中国側は、この要請に誠実に応える法的な義務があることを意味します(平和的解決の拒絶や軍事的解決は違法行為となる・・・)。もっとも、同条約では、解決の付託機関としてICJを指定しているわけではありません。平和的手段については幅広い選択肢を設けており、締約国が紛争の性質や内容に...尖閣諸島問題で日本国は世界に模範を

  • 尖閣諸島問題-国連海洋法条約も活用できる

    尖閣諸島問題については、サンフランシスコ講和条約、日中共同声明、並びに、日中平和友好条約等の国際法に基づいて平和裏に司法解決する道があります。台湾有事と連動する形で中国との間で戦争が起きる可能性がある以上、日本国政府は、戦争を未然に防ぐためにあらゆる司法的手段をも尽くすべき時とも言えましょう。そして、上記の諸条約の他にもう一つ、日本国政府が単独でも利用できる条約があるとすれば、それは、国連海洋法条約です。国連海洋法条約と言えば、2016年にフィリピンが中国を相手取って常設仲裁裁判所への単独提訴に踏み切った南シナ海問題が思い浮かびます。1982年4月30日に採択された同条約には、「海の憲法」とも称されるように169カ国が参加する一般国際法であり、日本国はもちろんのこと中国も締約国の一国です。双方共に同条約の...尖閣諸島問題-国連海洋法条約も活用できる

  • 中国は法廷で主張すべき-戦争の未然防止策

    中国は、古代より自らを比類なき文明国と見なし、周辺諸国を蛮族として蔑んできました。‘中華’という表現こそ、中国人の優越感と自負心を余すところなく表しています。しかしながら、現代の‘中国’は、お世辞にも文明国とは言えないようです。否、人類の多くは中国を抜き去って、その先へと進んでいます。仮に現代の中国が先進的な文明国であるならば、決して台湾を武力併合したり、尖閣諸島を力で奪おうとはしないことでしょう。法的権利の争いなのですから、武力で決着を付けようとするのは、自らを野蛮国に貶めるようなものです。それでは、戦争の未然防止策として、中国を法廷での解決に追い込む方法はあるのでしょうか。日本国政府には、幾つかの策がありそうです。第一の案は、日中間で締結された条約に基づく訴えです。この方法については、日本国政府には、...中国は法廷で主張すべき-戦争の未然防止策

  • 尖閣諸島問題のICJ解決の難題の克服方法とは?

    ICJ(国際司法裁判所)は、他の条約において解釈や適用をめぐって争いが生じた場合の解決方法として、同裁判所への付託を明記している場合、事件として受理しています。この手続きを用いれば、日本国は、領域をめぐる問題についてサンフランシスコ講和条約の第22条に基づいてICJに訴える訴訟資格があります。サンフランシスコ講和条約では、日本国の領域並びに戦後の信託統治を定める条文があるからです。しかしながら、この手続き、難点がないわけではありません。先ずもって予測される反論は、中華人民共和国(以下中国)が、サンフランシスコ講和条約の締約国ではない点となりましょう。今般、ウクライナ紛争並びにイスラエル・ハマス紛争では、ジェノサイド条約が法源とされましたが、被告国となったロシアもイスラエルも同条約の締約国です。これらの事例...尖閣諸島問題のICJ解決の難題の克服方法とは?

  • 尖閣諸島の司法解決の鍵は台湾並びに信託統治の範囲では?

    第二次世界大戦後にあって米英を中心とする連合国との間で締結されたサンフランシスコ講和条約は、日本国が今日抱える領域に関する問題を平和裏に解決する可能性を秘めています。昨今、ICJは、紛争の解決について同裁判所への付託を定めた条約が存在する場合、単独提訴を認める事例が増加しているからです。サンフランシスコ講和条約は、紛争の解決をICJへの委託に求め、戦後の日本国の領域の範囲に関する条項を設けていますので、日本国政府による単独提訴の可能性が見えてきているのです。それでは、最初に尖閣諸島問題について考えてみることとします。尖閣諸島問題の司法解決については、そもそも日本国側が‘領土問題はない’とする基本姿勢にあったことに加えて、たとえ日本国が中国との共同提訴を持ちかける、あるいは、単独提訴に踏み切ったとしても、何...尖閣諸島の司法解決の鍵は台湾並びに信託統治の範囲では?

  • ICJによる解決の第一法源候補はサンフランシスコ講和条約では

    1952年4月28日、第二次世界大戦後に日本国と米英等の主要連合国諸国との間に締結されたサンフランシスコ講和条約(日本国との平和条約)が発効しました。この4月28日は、休日ではないものの、日本国が主権を回復した日として‘サンフランシスコ講和記念日’に定められています。70年以上の時が流れ、同講和条約は、既に過去のものとなった感があるのですが、昨今の日本国をとりまく国際情勢の悪化は、同条約を再び歴史の表舞台に引き出すかも知れません。それでは、何故、サンフランシスコ講和条約が、今日、時のかなたから蘇るのでしょうか。その理由は、日本国政府によるICJ(国際司法裁判所)への単独提訴の可能性にあります。昨日の記事にて述べましたように、既存の条約にあって紛争解決手段の条文にICJへの委託が明記されている場合には、同裁...ICJによる解決の第一法源候補はサンフランシスコ講和条約では

  • 国際司法機関への単独提訴の道はある

    ICJ(国際司法裁判所)については、これまで、当事国の合意がなければ開廷されないとされてきました。特に竹島問題については、再三に亘ってこの点が指摘されており、同問題が司法解決できない理由とされてきました。訴訟手続きにあって当事国の合意を要件とするのは、司法制度としては致命的な欠陥となりますので、制度改革により、早急に是正すべきと言えましょう。犯罪者の同意がなければ、裁判に付すことも出来ないようなものです。その一方で、今般のウクライナ紛争にあっても、イスラエル・ハマス戦争にあっても、ICJは、ロシア並びにイスラエルに対して暫定措置命令を発しています。1945年6月26日に署名された国際司法裁判所規程の第40条では、ICJに対する事件の提起は(1)特別の合意の通知、並びに、(2)書面の請求によるものの二つとさ...国際司法機関への単独提訴の道はある

  • 尖閣諸島問題もICJで解決を

    昨今、国際紛争が起きる度に、ICJ(国際司法裁判所)が姿を現わすようになりました。ウクライナ紛争にあっては、紛争当事国のウクライナが単独でロシアを提訴し、イスラエル・ハマス戦争に至っては、紛争の非当事国であった南アフリカも単独でICJに対してイスラエルによるジェノサイドを止めるように訴えています。これまでのところ、ICJが発した暫定措置命令に対してロシア並びにイスラエルが誠実に従う様子は窺えないのですが、これらの政府の一連の行動により、国際社会におけるICJの存在感が高まると同時に、同機関に寄せられる期待も高まったと言えましょう。今般のICJへの訴えにより凡そ確立した手続き上の慣行は、(1)単独提訴、並びに、(2)非紛争当事国の訴訟資格です。このことは、各国政府にとって、ICJを含む国際司法機関による解決...尖閣諸島問題もICJで解決を

  • グローバル・スタンダードという新たな差別

    差別とは、国語辞典を引くと「程度に差をつけて、あつかいを分けること」とあります。物品であれば、とりたてて反道徳・倫理的な行為とはならないのですが、人が対象となりますと、してはならない‘禁止行為’という意味合いを持つようになります。何故ならば、所属する集団や個人的な属性を‘あつかいを分ける’基準とした場合、基準に当てはまらない人々を排除することを意味するからです。国連では、「差別には複数の形態が存在するが、その全ては何らかの除外行為や拒否行為である」と説明されているそうです。同説明からも理解されるように、除外や拒否を伴うからこそ、差別は禁止行為とされていることは明らかです。差別を別の言葉で表現するとすれば、それは、属性だけで判断されるのですから、不公平あるいは不平等と言うことになりましょう。とりわけ人種、民...グローバル・スタンダードという新たな差別

  • 日本国政府は司法解決の流れを推進すべき

    昨年末における南アフリカ政府によるICJへの訴えは、平和的な紛争解決の手段としての国際司法機関の役割に改めて目を向ける大きな切っ掛けとなりました。この流れを変えず、国際社会にあって平和的紛争解決の手段を整えることこそ、日本国の人類に対する貢献といえるかもしれません。とは申しましても、昨年の2023年3月16日には、当事国であるウクライナの要請を受けて、ICJは、暫定措置命令としてロシアに対してウクライナ領域内における軍事行動の即時停止等を命じています。しかしながら、そもそもウクライナは内戦状態にありましたし、ロシアが軍事介入の根拠として主張したロシア系住民に対する弾圧行為も、アゾフ連隊が実在した以上、完全には否定できない状況にありました。また、ゼレンスキー大統領がユダヤ系であったため、国際機関におけるユダ...日本国政府は司法解決の流れを推進すべき

  • パレスチナ紛争はICJで司法解決を

    人類史にあって、イスラエル・ハマス戦争は紛争の平和的解決に向けた転機となるかも知れない、と申しますと、多くの人々は首を傾げることでしょう。現実には、ガザ地区におおけるイスラエル軍の残虐行為を、嫌という程に見せつけられているのですから。悲劇的な状況下にありながら、僅かなりとも希望の光を見出すとしますと、それは、南アフリカによるイスラエルを相手取ったICJ(国際司法裁判所)への訴えなのではないでしょうか。昨年の12月29日、南アフリカは、イスラエルのガザ地区のパレスチナ人に対する行為をジェノサイドとして批判し、ICJに対して軍事作戦の全面停止を命じるように要請しました。南アフリカは紛争当事国ではありませんので、ICJの対応が危ぶまれたのですが、同裁判所は、この問題をICJの管轄権の範囲にあるものと認めて受理し...パレスチナ紛争はICJで司法解決を

  • 反ユダヤ主義の原因はユダヤ人にある

    第二次世界大戦最中の1945年1月27日は、ポーランドに設けられていたアウシュヴィッツ収容所は、ソ連軍によって解放された日です。この日は、特にユダヤ人にとりまして重要日となるのですが、国際ホロコースト記念日にも選ばれています。ところが、今年の1月27日は、ユダヤ人を取り巻く空気は例年とは大きく違っています。ホロコーストの犠牲者を悼み、ナチスドイツへの怒りが新たにされるはずが、今年は、イスラエルによるガザ地区に対する蛮行を背景に、ユダヤ人の側が批判の矢面に立たされているのです。この日、アントニオ・グテーレス国連事務総長も、動画メッセージを配信して反ユダヤ主義の高まりに警戒感を示しています。同メッセージにあって、「ネット上で反ユダヤ主義が周縁から主流のコンテンツになった」と述べているそうですので、ユダヤ系に牛...反ユダヤ主義の原因はユダヤ人にある

  • ミス日本問題から読む政治化するコンテスト

    先日、ミス日本に両親ともにウクライナ人であり、5歳で日本国に移住してきた女性がミス日本に選ばれるという出来事がありました。人種・民族、即ち、容姿はコーカサイド系で遺伝的にはウクライナ人なのですが、出場資格となる日本国籍は取得しており、審査員並びにご本人自身も、内面は日本人であると主張しています。美の基準、人種、民族、居住国、国籍、国民性、当事者のアイデンティティーといった複数の要素が複雑に絡むため、内外にあって議論を呼ぶこととなったのです。この問題、ジレンマやトリレンマどころではない、‘マルチレンマ’となりますので、‘ある国で最も○○な人’を選ぶことが、殆ど不可能なほどに難しくなったことを示しています。今般のコンテストで賛否両論が渦巻いたのも、複数の基準が混在しており、しかも、それが相互に矛盾するからなの...ミス日本問題から読む政治化するコンテスト

  • 現実は「君は祖国のために戦うことになる」なのでは

    「若者に問う!君は祖国のために戦えるか?」という、ジャーナリストの櫻井よし子氏による若者への問いかけは、賛否両論を含めて大きな波紋を投げかけることとなりました。自らは安全地帯に身を置きながら、若者達を戦争へと扇動する発言として、批判的な意見が多数を占めたようなのですが、この問いかけは、現実を映してはいないように思えます。この祖国のために戦う覚悟は、若者への問いという形で提起されています。質問の形をとった背景には、いざ、日本国が他国から攻撃を受けた際に、闘わずして逃げる、あるいは、白旗を挙げる若者が続出する事態が予測されたからなのでしょう。実際に、同問いかけに対して、‘自分は戦うつもりはない’とする拒絶反応も少なくなかったはずです。言い換えますと、戦うか、戦わないかの選択は、問いかけられた若者の判断に委ねら...現実は「君は祖国のために戦うことになる」なのでは

  • 地下シェルター設置の重大問題

    東京都は、北朝鮮や中国からのミサイル攻撃を想定し、地下シェルターの整備に乗り出すと報じられております。しかしながら、このプロジェクト、費用対効果を含め、様々な角度からの検討を経ているのでしょうか。地下シェルターという避難方法は、以下の理由から、実のところ、殆ど実現不可能なのではないかと思うのです。第一に、地下シェルター方式では、ミサイル攻撃を受ける範囲にいる全ての住民を施設内に収容できないことは明白です。ミサイルは、発射から短時間で飛来しますし、予め攻撃地点が正確に分かるわけでもありません。このため、仮に、全員を確実に収容できる地下シェルターを建設しようとすれば、莫大な費用と労力、並びに、時間を要します。そこで、地下シェルター利用者の人数を限定する必要が生じるのですが、ここで、第二の問題点として、トリアー...地下シェルター設置の重大問題

  • 地下シェルターより核の抑止力では?

    東京都は、北朝鮮によるミサイル発射並びに台湾有事に備えるために、地下シェルターの整備を進めるそうです。ミサイル攻撃に対する防御施設ですので、専守防衛の基本方針からしますと、国民の命を守る地下シェルターの建設に対しては、多くの国民が賛同することでしょう。しかしながら、その一方で、国民の命を守るという政府の基本的な役割を考えますと、作業の順番が違っていると思うのです。先ずもって、地下シェルターの設置は、他国、あるいは、外部勢力からのミサイル攻撃を受忍する政府の基本姿勢を示唆しています。有事になれば、ミサイルが飛んできますが、戦争なので致し方なく、国民の避難場所として地下シェルターを設置することで対処します、という、政府のどこか諦めたような、あるいは、冷めた心根が伝わってくるのです。地下シェルターを造るのだから...地下シェルターより核の抑止力では?

  • 戦争回避兵器の保有・配備を

    第二次世界大戦に至るまでの経緯、並びに、その展開を注意深く辿りますと、連合国枢軸国を問わずに、‘何故、ここでこの判断をするの!’という場面に何度も遭遇します。日ソ中立条約、真珠湾攻撃、ヒトラーによる対米宣戦布告、そして、二度の原子爆弾の使用など、不可解で非合理的な出来事の連続なのです。この不可解さは、第二次世界大戦の計画性を十分に疑わせるのですが、意図的な世界大戦の危機は、同戦争をもって地球上から消え去ったわけではないようです。今日の世界情勢を見ても、ウクライナ紛争にせよ、イスラエル・ハマス戦争にせよ、不審点に満ちています。戦争回避のチャンスがありながら、何れの政治家も組織も、意図的にチャンスを逃した、あるいは、敢えて開戦に協力したとしか考えられないのです。ウクライナのゼレンスキー大統領についても、‘凶暴...戦争回避兵器の保有・配備を

  • 「政治家に問う!あなたは戦争回避のためにと闘えますか」では

    ジャーナリストの櫻井よし子氏によるXへの投稿が、目下、炎上しているそうです。炎上を招いた投稿とは、「若者に問う!君は祖国のために戦えるか?」と映し出されたパソコン画面を前にして微笑む同氏の画像、並びに、その補足説明となる文章です。このキャプション自身は、櫻井氏によるものではないようなのですが、“自身には戦う意思があるのか?”といった批判を一斉に浴びることとなったのです。戦争については、尊い自己犠牲の精神が賞賛される一方で、勇ましい言葉で愛国心に訴えるのは自らは安全地帯に身を置いている老練な政治家達であり、実際に戦地で戦い、命を落とすのは純真な若者達である、とも囁かれてきました。櫻井氏の投稿が炎上したのも、まさにこの言葉を地でゆくからであり、反感を抱いた人々の多くも若者であったのかも知れません。おそらく、戦...「政治家に問う!あなたは戦争回避のためにと闘えますか」では

  • イスラエルがアブラハムに倣うなら

    聖典の民には、しばしば原理主義者が出現する傾向があります。イスラム原理主義者をはじめ、キリスト教原理主義者、そして、シオニストを含むユダヤ教原理主義者も・・・。原理主義者とは、聖典の記述をそのまま信じ、今日において忠実にそれを実行しようとする人々です。聖典に記された全知全能の神の言葉は絶対であるとみなしますので、聖書の記述に違うことを行なえば、それは、神に対する背信行為である考えるのです。聖典の記述が普遍性のある道徳律の啓示であったり、その全てが過去の出来事の記述であれば、現代における負の影響は深刻に懸念するほどではなかったかも知れません。ところが、聖典には、未来に関する記述が含まれているという問題があります。『新約聖書』の最後に記されている「黙示録」の内容は、誰もが読んだり、耳にはしたことがあるはずです...イスラエルがアブラハムに倣うなら

  • ‘約束の地’を人類史的に解釈する

    『旧約聖書』の『創世記』には、神とアブラハムとの契約が記されています。その一つは、「わたしはわたしの契約を君と君の後の代々の子孫との間に、永遠の契約として立てる。それは君と君の後の子孫に対して神たらんためである。わたしは君とその後の子孫に、君が今やどっているカナンの全地を、永遠の所有として与える。わたしは彼らの神たらんとするのである。(『創世記』第17章)」という下りです。それでは、この記述は、人類史に照らしますと、どのように解釈できるのでしょうか。上記の内容を要約しますと、‘アブラハム系諸民族が’神‘を唯一神として崇拝するのと引き換えに、‘神’は、アブラハム系の諸民族を増やすと共にカナンの地を与える、というものです。永遠の契約ともされますが、この契約も、アブラハムが生きた時代の人類の願望が投影されている...‘約束の地’を人類史的に解釈する

  • アブラハムの子孫問題―聖典の解釈リスク

    『旧約聖書』の記述は、しばしば権力や権威の正統性の問題と結びつくため、現代という時代に至るまで少なくない影響を与えてきました。とりわけ、『創世記』では、ウルの地に住っていたアブラハムを神がカナンの地に連れ出すという物語が記されており、アブラハムはユダヤ人にとりましては特別な存在です。このため、ユダヤ教原理主義者やキリスト教原理主義者の中には、アブラハムの血脈に君主の地位の正統性を求める人々も現れることとなったのです。こうしたアブラハム正統説、並びに、シオニスト達のカナンを神授とする主張の根拠となったのは、『創世記』18の第17章に見られる以下の文章です。重要な文章ですので、長くはなりますが以下に掲載します。「「わたしは全能の神である。君はわたしの前に歩み全かれわたしは君との間にわたしの契約を与える。わたし...アブラハムの子孫問題―聖典の解釈リスク

  • 選民思想の自己矛盾―神の評価基準とは?

    選民、それは、文字通りに解釈すれば、神に選ばれた民を意味します。数多ある民族の中から敢えて神が選んだのですから、選ばれた民族は、自らを特別な存在として誇ることでしょう。優越感に浸ると言うこともあるのでしょうが、選民思想には、解きがたい自己矛盾が潜んでいるように思えます。選民思想にも、アドルフ・ヒトラーが唱えた‘アーリア民族優越主義’などもあるのですが、とりわけよく知られているのが、ユダヤ人の選民思想です。『旧約聖書』の記述を根拠として、ユダヤ人は、古来、自らを神から選ばれた民として自認してきました。今日、イスラエルがパレスチナ人を迫害し、その地を奪おうとしているのも、その根底には選民思想があってのことなのでしょう。また、アメリカの福音派のように、聖書の一文一句を絶対視して信仰の対象とする故に、イスラエルを...選民思想の自己矛盾―神の評価基準とは?

  • 世界経済フォーラムは‘資本主義のコミンテルン’?

    全世界のグレートリセットを目指す世界経済フォーラムの年次総会には、毎年、各国からトップクラスの政治家が参加しています。今年も、フランスのマクロン大統領、アメリカのブリンケン国務長官、中国の李強首相、EUのフォン・デア・ライエン欧州員会委員長などの他にも、紛争当事国のウクライナからは、ゼレンスキー大統領も出席したそうです。日本国からの出席者としては、河野デジタル相の名が挙がっています。グローバル化と称される時代にあって、国家体制の違いにも拘わらずに世界各国から出席者を集める同会議については、マスメディアなどは好意的な書き方をもって報じてます。しかしながら、世界経済フォーラムとは、いわば、‘資本主義のコミンテルン’なのではないでしょうか。先ずもって、世界経済フォーラムと世界各国の共産主義者が集ったコミンテルン...世界経済フォーラムは‘資本主義のコミンテルン’?

  • ‘偽確定情報’の悪意の流布のみが‘デマ’では

    近年、生成AIの登場もあって、‘偽情報’のリスクが声高に叫ばれるようになりました。かの世界経済フォーラムも、2024年版の報告書では、短期的なリスクとして「誤報と偽情報」を挙げています。同フォーラムの場合には、自らに対する批判を‘偽情報’としてかわしたい思惑が透けて見えるのですが、コロナ・ワクチンをはじめ、能登半島地震や羽田空港衝突事故などにあっても、政府がデマと断言するケースが散見されます。しかしながら、政府による‘デマ断定’に対しては、国民が慎重であるべきは言うまでもありません。何故ならば、そこには、‘政治的’な意図が隠されている場合が多いからです。それでは、‘デマ’とは、一体、どのような情報なのでしょうが。‘デマ’はギリシャ語由来の略語であり、英語ではデマゴキーです。もともとは政治的扇動を意味します...‘偽確定情報’の悪意の流布のみが‘デマ’では

  • あるグローバリストの告白―世界経済フォーラム会長の寄稿文

    本日1月12日の讀賣新聞オンラインには、大変興味深い寄稿文が掲載されていました。寄稿文と言うよりも、今日まで全世界に多大なる影響を与えてきた一グローバリストの告白と言ってもよいかも知れません。何故ならば、同グローバリストは、グローバリズムというものの正体を自らの言葉で語っているからです。あるグローバリストとは、世界経済フォーラムの創設者として知られるクラウス・シュワブ会長です。今年もスイスでは同会議が主催する年次総会(通称ダボス会議)が開かれ、フランスのマクロン大統領やアメリカのブリンケン国務大臣の出席が予定されています。グローバリズムへの批判が高まったため、‘ダボス詣で’とも称されたほどの一時期の賑わいはないものの、未だに一定の影響力を保持していることが窺えます。同会議の代表者とも言えるシュワブ会長のこ...あるグローバリストの告白―世界経済フォーラム会長の寄稿文

  • 能登半島地震最優先は当然の政治判断

    本年1月1日に大規模な地震が発生した能登半島では、今なお、行方不明となられている方々の懸命な救助並びに捜索活動が続いています。厳しい冬の寒さに晒されながら、避難所での生活を余儀なくされている被災者の方も多く、なぎ倒されたよう街並みや倒壊家屋の映像も見るに忍びありません。能登半島の惨状は、国民の誰もが早急かつ大規模な復興支援を必要としていえることを語っています。日本国民の誰もが、甚大なる被害を受けた能登半島の被災地復興のための予算を当然の支出と見なしているのですが、予算は泉の如くに無限に湧き出るわけではありません。総額には自ずと有限の‘枠’があることを考慮しますと、復興に必要な予算を捻出するためには、他の予算を削る必要が生じていきます。ここで、‘どの予算を削るのか’という問題が持ち上がるのですが、凡そ99....能登半島地震最優先は当然の政治判断

  • エプスタイン事件の衝撃―‘情報で世界を制した者は情報によって滅びる’?

    ‘情報を制する者は世界を制する’という格言があります。何事もがデジタル情報としてメモリーに記憶され、瞬時に発信される情報化時代にあって、この言葉は、真実を語っているように思えます。そして、まさにこの言葉があるからこそ、国家やIT大手、あるいは、これらの上部に君臨する世界権力による情報の独占が国民から危険視されているのでしょう。何故ならば、同格言は、情報を独占する者に対して‘世界を制する立場’を約束するからです。情報技術が高度に発展した今日にあって、正真正銘の全体主義国のみならず、自由主義国にあってもデジタル全体主義の足音が聞こえてくるのですが、果たして、この情報独占による世界支配の試み、目論見通りとなるのでしょうか。仮に致命的な盲点があるとしますと、それは、情報を制する側の情報にあるように思えます。この点...エプスタイン事件の衝撃―‘情報で世界を制した者は情報によって滅びる’?

  • エプスタイン事件は‘世界支配の仕組み’の象徴なのでは?

    目下、アメリカでは、大富豪であったジェフリー・エプスタインの引き起こした事件によって激震が走っています。否、裁判の過程で機密文書が公開されるにつれ、アメリカに留まらず、同事件の波紋は全世界に広がっているとも言えましょう。クリントン元大統領をはじめとしたアメリカの政治家のみならず、イギリスのアンドリュー王子の名も挙がっているのですから。全ての顧客の名前が明らかとなれば、その影響は計り知れないとも囁かれています。獄中にあって自ら死を選んだとされるものの、エプスタイン容疑者の罪状は未成年女子人身売買というものでした。明らかなる犯罪ですので、大国の政治家、王族、財界人、IT大手幹部、ハリウッドのセレブなどが、揃いも揃っていとも簡単にカリブ海の孤島に足を踏み入れたのか、理解に苦しむところです。発覚すれば、政治家であ...エプスタイン事件は‘世界支配の仕組み’の象徴なのでは?

  • 羽田空港衝突事故に見る不審点

    近年、内外にあって謀略の存在が否が応でも人々の意識に上る事件が頻発しております。日本国の2024年の年明けも二つの大事件が立て続けに発生したため、陰謀を疑う国民も少なくなかったのではないかと思います。能登半島地震については人工地震の可能性も否定できないのですが(地震波の波形に自然発生の場合に見られるp波が観測されていないとも・・・)、それでは、羽田空港で起きた日航旅客機と海上保安庁の航空機との衝突事故はどうなのでしょうか。同事件については、メディアの報道では、海保機側が管制官からの指示を誤って理解したとする説が有力です。しかしながら、同事故には、幾つかの不審点があります。同機は、能登半島地震の被災地に救援活動のために派遣されていますし、同機に同乗していた5名の方々も殉職されております。このため、懐疑的な見...羽田空港衝突事故に見る不審点

  • 人工地震の防止策こそ最大の地震対策

    近年、南海トラフ地震や首都圏直下型地震の発生リスクの高まりが、声高に叫ばれるようになりました。数週間に一度は、‘地獄絵’のイラストを付したこれら地震がもたらす災害予測に関する記事を目にするほどです。日本国政府も、平時から防災訓練や災害発生時の避難等については国民に協力を求めると共に、今般の令和6年能登半島地震にあっても、被災地の救援活動に政府を挙げて取り組んでいます。日本列島は、複数の大陸プレートがせめぎ合う地域に位置する地震国ですので、当然の対応とも言えますし、繰り返される大地震アピールによって、多くの国民は、大地震の発生を自然災害として受け入れる‘心の準備’をさせられています。その一方で、ここでもう一つ考えるべきは、人工地震の可能性です。人工地震については、既に技術的には可能なレベルにあり、昨日の記事...人工地震の防止策こそ最大の地震対策

  • 陰謀対策を真剣に考える年に

    日本国の2024年は、一日と二日に立て続けに起きた二つの大事件によって開けることとなりました。一日には、能登半島において最大震度7を記録する大地震が発生し、二日には、同震災の救援に向かう予定にあった海上保安庁の航空機と乗客379人を乗せていた日航機と衝突炎上する事故が起きています。最悪の事態は奇跡的に避けられたものの、二つの事件には、国民が人為性を疑う不審点が見受けられる点で共通しています。地震であれ、航空機事故であれ、それが自然災害や偶発的な事故なのか、国民には判断が付かないのです。人工地震説については、2011年に東北地方で発生した東日本大震災に関連して囁かれてきました。一般的には、陰謀論と見なされ、真剣に取り上げられることはありませんでしたが、今般の能登半島地震は、同説の信憑性を高めているようです。...陰謀対策を真剣に考える年に

  • 戦争ビジネス論が示唆する真の愛国主義

    戦争ビジネス論は、今日の政治の世界に激震をもたらすかもしれません。保守もリベラルも、マネー・パワーに操られた‘傀儡’に過ぎず、国民が信頼を寄せるに足る存在ではなくなるからです。リベラルが謳う民主主義や自由は偽善に聞こえ、保守勢力が声高に唱える祖国防衛も愛国主義も、懐疑的な視点に晒されます。左右軸の何れにあっても政治家の姿が国民の目には‘詐欺師’に映る今日という時代は、人類史にあって危機の時代とも言えましょう。戦争ビジネス論の信憑性の高まりは、国民が、政党や政治家の主張を鵜呑みにしてはならないことを示唆しています。例えば、仮想敵国から国民を護り抜くとする力強い訴えや国民に対する愛国主義の鼓舞も、その真意は、戦争ビジネスのために国民を戦争に駆り立てるところにあるのかもしれません。ヒトラーの巧みな演説術はドイツ...戦争ビジネス論が示唆する真の愛国主義

  • 戦争ビジネスと愛国心の利用

    戦争ビジネス論には、人々の政治に対する認識を大きく変える可能性があります。とりわけ、強い影響を受けるのは、平和主義を唱えながら戦争に加担するリベラルも然ることながら、保守系の政治団体も無傷ではいられなくなります。何故ならば、リベラルとは別の意味で、国民を騙しているかも知れないからです。戦争に誘導するためには、あらゆる方面から国民を誘導する必要があります。このためには、積極的な国民に対するプロパガンダや扇動活動、並びに、‘仮想敵国’や周辺諸国がもたらす脅威をアピールし、何時でも国民が自発的に戦争に協力する環境や体制を整えておかなければならないこととなります。とりわけ、侵略等の行為が国際犯罪化した今日にあっては、犯罪と同義となる領土拡大政策は国民からの支持を得ることは難しくなりましたので(もっとも、ロシアや中...戦争ビジネスと愛国心の利用

  • 戦争ビジネス論が既存の政治に与えるダメージ

    陰謀論と申しますと、どこか胡散臭く聞こえるのですが、‘戦争利益共同体’による戦争の誘導を戦争ビジネス論と表現すれば、多くの人々が真剣に受け止めてくれるかも知れません。もちろん、戦争ビジネス論も死の商人に焦点を当てた一面的な表現に過ぎず、その長期的なメカニズムを含めた全体像を描こうとすれば、別の言葉を要することでしょう(戦争統制経済化論や戦争全体主義化論・・・)。また、‘戦争利益共同体’を世界権力の別称と捉え、平和的手段による全体主義下の手段であるとしますと、デジタル社会化の促進による所謂デジタル全体主義化につきましては、さらに違った表現を探さなければならないかも知れません(世界権力人類支配論・・・)。何れにしましても、今日、人類の頭上には、一網打尽に人類の家畜化を狙う‘捕獲ネット’が降りてきているように思...戦争ビジネス論が既存の政治に与えるダメージ

  • 戦争という自由主義国の危機

    戦争が人類にとりまして極めて危険な存在である理由は、戦闘や爆撃等による国民の多大なる犠牲や国土の破壊のみではありません。一端、戦争が始まる、あるいは、安全保障上の危機が到来しますと、国家体制を戦時体制という名の全体主義型に転換せざるを得なくなるところにあります。同転換は、全面的な移行とまでは言わないまでも、戦争当事国のみならず、同盟や通商等の関係を介して他の諸国においても自由主義経済を浸食し、じわじわと変質させてゆきます。‘蟻地獄’とも表現できるのですが、それでは、どのようなメカニズムで同変化は起きてくるのでしょうか。軍需の領域にあっては、国家のみが独占的な調達者です。しかも、その基本的な目的は自国の防衛や安全保障ですので、他の政策分野に優先し得る根拠を有しています。戦争並びに安全保障リスクが高ければ高い...戦争という自由主義国の危機

  • 戦争は‘蟻地獄’の集金メカニズム

    ウクライナに次いでパレスチナの地にも戦火が広がり、台湾有事も囁かれる今日、頓に関心を集めるようになったのは、戦争ビジネスの問題です。先日も、ウェブ上のオンライン記事にあって「「戦争が止まらない原因」はアメリカにあった・・・」とするタイトルが目に留まりました。同記事は、戦争というものが、アメリカの巨大軍事産業の利益のために‘仕組まれている’実態を告発しています。この記事を読めば、ゼレンスキー大統領の‘祖国防衛の名演説’もネタニヤフ首相のハマスに対する‘怒りの鉄拳’も形無しとなるのですが、今日、戦争の真の姿が露わになりつつあるように思えます。ヴェネチア商人などによるシステマティックな戦争ビジネスは、ヨーロッパにあっては十字軍の時代から確認されるものの、古代にありましても、武具や武器の製造者のみならず捕虜奴隷商...戦争は‘蟻地獄’の集金メカニズム

  • 解きがたいジレンマに直面するユダヤ勢力

    今般のイスラエル・ハマス戦争に見られるイスラエルの基本的なスタンスは、所謂‘無法者’なのではないでしょうか。暴力で奪った者勝ちを公言しているからであり、国際法など歯牙にもかけていないのですから。ところが、このスタンス、ユダヤ勢力を解きがたいジレンマに直面させているように思えます。同ジレンマとは、ウクライナ紛争との関連において発生します。何故ならば、同紛争にあっては‘無法者スタンス’にあるのは、ロシア側であるからです。ロシアが‘特別軍事作戦’の名の下で国境線を越えてウクライナ領に進軍した際、当事国のウクライナのみならずアメリカを初めとした‘西側諸国’は、即座にロシアの行動を国際法違反の侵略として認定しました。ウクライナのゼレンスキー大統領はユダヤ系ですし、アメリカも、ユダヤ勢力に支配されていると言っても過言...解きがたいジレンマに直面するユダヤ勢力

  • ウクライナ6500億円支援の大問題

    日本国の鈴木俊一財務相が、オンラインでのG7財務相・中央銀行総裁会議を終えた後に、日本国には6500億円のウクライナ支援を行なう用意がる旨を公表した途端、日本国内では、同方針に対する批判の嵐が吹き荒れることとなりました。岸田政権は、常々海外への巨額の‘ばらまき’、あるいは、予算の政治家によるポケットマネー化が指摘されてきましたが、海外優先の政治姿勢は、一向に収まる様子はありません。その根本的な要因は、岸田政権を支えているのは日本国民ではなく、海外勢力であるからなのでしょう。実際に、鈴木財務省のウクラナ支援の表明に先立って、アメリカでは、ウクライナ支援に関する追加予算案が議会の承認を得られず、年内には同国への政府の支援金が枯渇するとするニュースが報じられています。この流れからしますと、G7財務相・中央銀行総...ウクライナ6500億円支援の大問題

  • イスラエルの凄まじい自己破壊

    イスラエルによるガザ地区に対する攻撃は、‘敵’に対する凄まじい破壊力を全世界に見せつけています。先日は、イスラエル軍が地下トンネルを破壊するために海水注入を開始したとの報道がありましたが、この‘水攻め’も現代人の視点からすれば、残酷極まりません。ハマス戦闘員の地上への追い出し作戦と説明されているものの、アメリカのバイデン大統領は、人質の身を案じて批判的な見解を示しているところからしますと、民間人を含め、地下トンネル内の人々が溺死することは想定内なのでしょう。否、海水注入が大量殺害の方法であるならば、この手法は、恰も害虫駆除のようであり、人を人とも思わない蛮行と言わざるを得ません。水攻め作戦にも見られるように、イスラエルの‘敵’に対する破壊は容赦ないのですが、その一方で、こうした非人道的な行為が、同時に、イ...イスラエルの凄まじい自己破壊

  • ‘ヤフコメ’の北方領土断念論の不可思議

    本日のウェブ・ニュースにおいて、奇妙な現象を発見いたしました。それは、Yahooニュース上で起きた出来事です。それでは、どのような現象であるのかと申しますと、「対日領土論争「終わった」ロシア外相、日本の反発必至」というタイトルの記事と、同記事に投稿された‘ヤフコメ’と称されているコメントとの間において、奇妙な不一致が生じているのです。ロシアのラブロフ外相の発言の趣旨は、‘北方領土問題は、第二次世界大戦の戦勝国であるロシア(ソ連邦)への、敗戦国日本国による割譲という形で解決しており、日本国との領土交渉は打ち切る’というもののようです。ロシア側が一方的に終了宣言をするのですから、日本国政府並びに日本国民は必ずやロシアに対して強く反発するであろう、というのが、同記事のタイトルから読み取れる記配信者の憶測なのです...‘ヤフコメ’の北方領土断念論の不可思議

  • ‘神が与えた土地’では全人類が納得しない

    イスラエル・ハマス戦争を引き起こしたネタニヤフ首相は、明白なる国際法違反であることを知りながら、あくまでも大イスラエル主義を貫く模様です。犯罪国家の汚名をものともせず、自らの“理想”を求めて暴走する同首相の背景には、シオニスムを含むユダヤ教原理主義があることは疑い得ません。ネタニヤフ首相にとっては、如何なるイスラエルの蛮行も、カナンの地をユダヤ人に与えた神の言葉の実行に過ぎないのです。同首相は、自らこそ神の忠実なる僕として自負していることでしょう。しかしながら、宗教的信念は、犯罪を合法化することはできるのでしょうか。答えは、否、に決まっています。宗教に関する教科書的な説明に依れば、同じく一神教であっても、ユダヤ教は、ユダヤ人固有の宗教であり、‘ユダヤ人’という民族的な殻を脱して普遍化したのがキリスト教とさ...‘神が与えた土地’では全人類が納得しない

  • イスラエルの最も望ましいマネー・パワーの使い方

    パレスチナの地では、今やイスラエルがパレスチナ人の息の根を止めようとしているように見えます。イスラエルのネタニヤフ首相は、今般の戦争を自らが描く‘大イスラエル主義’の総仕上げに位置づけているのでしょう。如何なる反対をも振り切って蛮行を強行しようとするその姿は、冷静かつ客観的な視点からはもはや狂信者としか見えないのですが、当事国が全世界にネットワークを張り巡らしているユダヤ人の国家であるだけに、全ての諸国、あるいは、人類は、傍観者の立場ではいられなくなります。停戦の見込みさえ薄い中、戦後のヴィジョンを語るのは、時期尚早あるいは的外れとの批判もありましょう。しかしながら、たとえイスラエルがパレスチナを武力で制圧したとしても、根本的な解決には至らず、将来的には同様の事態が繰り返されるリスクがあります。そこで、昨...イスラエルの最も望ましいマネー・パワーの使い方

  • パレスチナ紛争解決のための試案

    1947年11月に国連総会で成立したパレスチナ分割決議は、独立国家としての法的地位をイスラエルに与えたのみで、他の決定事項については殆ど実現しませんでした。アラブ人国家の同時建国並びに経済同盟の設立のみならず、聖地イエルサレムを国連信託統治の下に置く構想も含めれば、同決議の内容の大半は忘却の彼方に去りつつあったと言えましょうところが、ハマスの奇襲攻撃に始まるとされるイスラエル・ハマス戦争は、図らずもパレスチナ分割決議を多くの人々に思い出させるという、皮肉な結果を招いています。ハマスによるテロの一場面だけを切り取れば、イスラエルが主張する正当防衛論には理があるように見えます。しかしながら、長期的な視点からパレスチナ紛争の全体の流れを眺めますと、イスラエルは、明らかにパレスチナ領を侵害する加害者の立場にあるこ...パレスチナ紛争解決のための試案

  • 二国共存案の否定は侵略の肯定

    イスラエルのネタニヤフ首相は、停戦を求める内外からの声を無視し、‘ハマス壊滅’を口実としたガザ地区制圧作戦をあくまでも貫く構えを見せています。同地区制圧後の将来的なヴィジョンについても、イスラエルを背後から支えてきたアメリカのバイデン大統領が二国家共存を主張する一方で、ネタニヤフ首相はこの案を否定しており、両者の間での意見対立も報じられています。解決策としての二国共存論、あるいは、二国併存論については、パレスチナ国に対するイスラエル側の入植状況に鑑みて、非現実的であるとする意見もあります。既に多くのイスラエル人が国連決議で定めた国境線を越えてパレスチナ領域内に居住している現状からすれば、今更これらの人々に‘立ち退き’を求めることは現実的ではないというのです。しかしながら、この‘既成事実の追認’という意味で...二国共存案の否定は侵略の肯定

  • EUが示唆するパレスチナ経済同盟の行方

    1947年11月のパレスチナ分割決議は、イスラエルの建国に法的根拠を与える一方、パレスチナの地にアラブ人国家並びに両国による経済同盟が出現することはありませんでした。悲願であった自らの国家を建国したことに加え経済同盟にあって移動の自由のみをイスラエルが享受し得たとしますと、いわばイスラエルの‘いいとこ取り’に終わったこととなりましょう。しかも、同構想の頓挫は、イスラエルを戦争当事国とする第一次中東戦争によるものですので、半ば、武力によって強制的に潰されたようなものなのです。かくしてイスラエル建国以降、パレスチナ紛争は泥沼化することとなったのですが、経済同盟を基盤とする同構想は、あまりにも非現実的な儚い夢物語であったのでしょうか。この問いに対しては、今日のEUが、ある程度の回答を提供しているように思えます。...EUが示唆するパレスチナ経済同盟の行方

  • パレスチナ分割決議は将来的統合を期待していた?

    1947年12月パレスチナ分割決議には、アラブ人並びにユダヤ人の双方が建国した二つの国家による経済同盟が組み込まれていたことは、‘カナン’の土地を分けてもらったユダヤ人によるアラブ人定住民に対する償いの意味が込められていたのかもしれません。同経済同盟が実現すれば、共通予算からのアラブ国家に対する多額の財政支出、すなわち、事実上のユダヤ人国家からアラブ人国家への財政移転が見込まれたからです。その一方で、もう一つ、考えるべきは、意図的に敢えて経済同盟という共通政策を伴う枠組みを設けたのか、否か、という点です。仮に、パレスチナの地に住んできた定住アラブの人々に対して土地の取得に伴う償いを行なうのであれば、敢えて経済同盟の形態を選択する必要性はそれ程には高くはないはずです。土地の取得代金あるいは立ち退き料等の名目...パレスチナ分割決議は将来的統合を期待していた?

  • パレスチナ分割決議はアラブ人への償い条件付き?

    1947年11月のパレスチナ分割決議の第一義的な目的が、イスラエルの建国であったことは疑いようもありません。1917年のバルフォア宣言から国際連盟の名の下におけるイギリスの委任統治への流れを見ても、その根底には、シオニズムの流れが脈々と息づいているからです。かくして国連総会における同決議の成立によってユダヤ人は、独立主権国家としてイスラエルを建国し、自らの悲願を達成したのですが、その一方で、同決議に含まれていた(1)アラブ人国家の同時建国と(2)経済同盟の設立は、日の目を見ることはありませんでした。それでは、同決議に盛り込まれたアラブ人国家と経済同盟には、どのような意味があったのでしょうか。イスラエル建国と同時に第一次中東戦争が起きたことは、イスラエルにとりましては、アラブ人国家の建国を妨げるチャンスとな...パレスチナ分割決議はアラブ人への償い条件付き?

  • パレスチナ分割決議なくしてイスラエルなし

    今日、イスラエルは、国連加盟国の一国であり、独立主権国家として大多数の国家から承認されています。1993年のオスロ合意では、パレスチナ国もイスラエルの存在を承認することとなりました。かくして、イスラエルの国家としての法人格は凡そ確立しているのですが、それでは、イスラエルは、自らの法的地位をどのようにして手に入れたのでしょうか。ある人は、パレスチナ紛争の原因をイギリスの三枚舌外交にあるとし、イスラエル建国は、当時のイギリス政府によって保障されたと主張するかもしれません。しかしながら、1917年11月2日の日付が付されているバルフォア宣言は、当時の英国外相アーサー・バルフォアが、ライオネル・ウォルター・ロスチャイルド卿に宛てた書簡に過ぎません。同書簡では、シオニズムに対する賛意が示され、パレスチナの地に‘ユダ...パレスチナ分割決議なくしてイスラエルなし

  • パレスチナ分割決議が定めた経済同盟とは

    1947年11月29日に国連総会で成立した決議181号(Ⅱ)は、パレスチナ分割決議として知られています。しかしながら、同決議において、経済同盟の結成が定められていることを知る人は、今ではほとんどいないのかもしれません。同決議は、アラブ人とユダヤ人の双方に独立した主権国家の建国を認める一方で、聖地イエルサレムを事実上の国連の信託統治下に置く三分割案でもありました。そして、仮に同決議が実現していれば、経済同盟によって、これら三者を一つの枠組みに組み込まれていたのです。それでは、パレスチナ分割決議が定めた経済同盟とは、一体、どのような構想であったのでしょうか。パレスチナ経済同盟は、(1)関税同盟、(2)単一の外国為替相場を有する共同通貨システム、(3)鉄道、高速道路、郵便、通信サービス、国際貿易港や国際空港を含...パレスチナ分割決議が定めた経済同盟とは

  • イスラエル・パレスチナ連邦構想は破局する?

    トマ・ピケティ氏が紹介している「ア・ランド・フォー・オール」のイスラエル・パレスチナ連邦構想では、「労働法」、「水資源の共有・分配」、「公共インフラ・教育インフラ・医療インフラの財源確保」の三つの分野を、両国を結びつける基本的な共通政策領域として考えているようです。しかしながら、これらの三つ何れの政策領域を見ましても、むしろ、両国間の亀裂が深まるばかりとなりそうです。何故ならば、両国間には、歴然とした経済格差があるからです。そもそも、「ア・ランド・フォー・オール」が「労働法」の分野を第一番目に挙げたのは、イスラエルにおけるパレスチナ人の労働条件が、劣悪であるとする認識によるものと推測されます。今日、両国間の国民所得の格差は凡そ数十倍ともされ、しかも、ガザ市民の多くは、イスラエルにて就業せざるを得ない状況に...イスラエル・パレスチナ連邦構想は破局する?

  • イスラエル・パレスチナ連邦国家構想の行方

    『21世紀の資本』の著者として知られるフランスの経済学者トマ・ピケティ氏は、出口の見えないイスラエル・ハマス戦争を政治的に解決する方法として、一つの構想を提唱されております。それは、イスラエル・パレスチナ連邦国家構想です。もっとも、同構想は、ピケティ氏のオリジナルというわけではなく、イスラエル、パレスチナ双方が参加する市民団体「ア・ランド・フォー・オール」などが主張してきたそうです。しかしながら、この構想、実現するには、幾つかの高いハードルを越えなければならないかもしれません。ピケティ氏によれば、連邦構想とは、イスラエルとパレスチナの双方を主権国家として相互に承認した上で、両国の合意によって連邦国家を成立させるというものです。同連邦のモデルとして、各国の主権を残しながら国家が並立的に連合するEUを挙げてい...イスラエル・パレスチナ連邦国家構想の行方

  • アメリカン・ドリームのパラドクスーグローバル・ドリームの問題

    アメリカン・ドリームという言葉は、全世界の人々をアメリカという国に引きつけてきました。生まれた国にあって貧困や圧政などに苦しむ人々は、自由と民主主義を謳歌できる新天地で新たに事業や商売を始め、自らの才覚で億万長者になるという夢を抱いて、アメリカに渡ったのです。誰もが自由の国で大金持ちになるチャンスがあるのですから、アメリカは、まさに夢の国であったと言えましょう。かくして、アメリカの人口はヨーロッパ諸国をはじめ全世界からの移民で急速に増加し、開拓を伴う経済発展と相まって20世紀初頭には押しも押されぬ大国へと成長することとなりました。しかしながら、かつて輝いていたアメリカン・ドリームは、過去のものとなり、今や色褪せて見えます。アメリカの現状を見る限り、もはやアメリカン・ドリームは、‘誰もが実現できない夢’とし...アメリカン・ドリームのパラドクスーグローバル・ドリームの問題

  • アメリカの政治に見る献金問題-恐るべきユダヤ系のマネー・パワー

    日本国内では、ビル・アッカマン氏の名は、それ程には知られていないかも知れません。しかしながらここ数ヶ月の間に、同氏の名前を続けて二度目にすることとなりました。一度目は、イスラエル・ハマス戦争に際してハーバード大学に圧力をかけた人物として、そして、二度目は、時期アメリカ大統領選挙において現職のバイデン大統領を見限った人物として。それでは、ビル・アッカマン氏とは、どのような人物なのでしょうか。そして、同人物は、アメリカの政治における寄付問題を象徴しているようにも思えるのです。ビル・アッカマン氏、正式にはウィリアム・アルバート・アッカマン氏は、アメリカの運用会社であるパーシング・スクエア・キャピタル・マネジメントの創業者であり、保有する純資産は3000億円を超えるとされています。もっとも、ビル氏一代で財を築いた...アメリカの政治に見る献金問題-恐るべきユダヤ系のマネー・パワー

  • アメリカの大学に見る寄付問題-ユダヤ脅威論の自己証明?

    寄付という行為は、一般的には、特定の活動をしている団体や個人への資金的なサポートを意味します。活動の理念や基本方針、並びに、具体的な活動内容に賛同し、善意で自らの資金を提供するというものです。慈善的なニュアンスが強いため、寄付に対しては多くの人々が好意的な印象を持つことでしょう。しかしながら、イスラエル・ハマス戦争を機に、寄付に対するイメージは脆くも崩れつつあります。事の発端は、アメリカの東部名門大学であるハーバード大学における、30ほどの学生団体によるイスラエルのパレスチナガザ地区に対する攻撃に対する非難声明の発表にあります。同非難声明については、アメリカ国内におけるイスラム系学生の増加に伴う親パレスチナ派の抗議活動とする見方もありますが、むしろ、大学生としてパレスチナ紛争の歴史的経緯を詳しく知るからこ...アメリカの大学に見る寄付問題-ユダヤ脅威論の自己証明?

  • ヨーロッパ極右の不可思議-反イスラム主義と反ユダヤ主義

    先日、オランダで行なわれた議会下院総選挙では、反移民・反イスラム・反EUを訴えてきたヘルト・ウィルダース氏率いる自由党(PVV)が議席数を大幅に増やし、ヨーロッパ諸国の右傾化を印象づけることとなりました。自由党の獲得議席数は全150議席中37議席に過ぎませんが、議席数を17から37まで20も増やしたのですから躍進です。その背景には、イスラム諸国からの移民の増加というヨーロッパ諸国が共に抱える問題が指摘されていますが、この現象、どこか不可思議なのです。今日のヨーロッパにおける極右政党は、民族主義あるいは国家主義においては戦前のナチスやファシスタ党と共通し、かつ、それ故に‘極右’と表現されながらも、両者、とりわけ、ナチスとの間には決定的な違いがあります。それは、現代の極右は、何れも反イスラム主義を掲げ、親ユダ...ヨーロッパ極右の不可思議-反イスラム主義と反ユダヤ主義

  • ハマスの人質解放は和平への道を意味するのか?

    かねてよりイスラエルのネタニヤフ首相は、ハマスによる人質の解放がハマスとの停戦の条件であると明言してきました。この言葉通り双方による停戦が合意され、今月24日からハマスは人質の解放を始めたのですが、同解放は、イスラエル・ハマス戦争に恒久的な和平をもたらすのでしょうか。ハマスとイスラエルによる停戦の合意は、11月22日にカタール政府によって発表されました。カタールやエジプトと言ったアラブ諸国の仲介が功を奏したと報じられていますが、その背後では、アメリカが水面下で働きかけを行なったとされています。何れにしましても、少なくとも外交の表舞台では、仲介者の登場によってイスラエルとハマスとの間に交渉ルートが開かれたこととなったのです。今般の停戦条件とは、ハマス側が10月7日の奇襲攻撃に際して奪った人質240人のうち5...ハマスの人質解放は和平への道を意味するのか?

  • イスラエルの誤算

    イスラエルによるガザ地区及び西岸地区に対する軍事作戦は、おそらく事前に策定されていたのでしょう。パレスチナ国側の内紛による両地区の分離も、後ろから糸を引いていたのはイスラエルであったともされており、ハマスはイスラエルあるいはアメリカが育てたと言われる所以でもあります。PLOの流れを汲む西岸地区のファタハ政権もイスラエル寄りとする批判もありますし、他にも多くのイスラム系武装政党や過激派組織が乱立している状況からしますと、‘分割して統治せよ’、あるいは、サラミ作戦が実行されているのかもしれません。何れにしましても、ハマスによる奇襲攻撃は、イスラエルにガザ地区を完全掌握する絶好の機会を与えることとなったのですが、その後のイスラエルの素早い対応が、テロ行為に対する同害報復、あるいは、正当防衛の範囲を超えた過剰防衛...イスラエルの誤算

  • イスラエル・ハマス戦争におけるイスラエルの狙いとは

    イスラエル・ハマス戦争の真の目的は、どこにあるのでしょうか。同戦争の展開を具に観察しますと、イスラエル側の計画性が疑われてもいた仕方がないようにも思えてきます。何故ならば、シオニストが掲げる大イスラエル主義にとりましては、今般のハマスによる奇襲は、またとない千載一遇のチャンスともなったからです。そして、イスラエルは、戦争が違法化された時代にあって残された不公平な無制限報復の許容、並びに、戦争激化要因としてのイデオロギー・思想・宗教等の価値観や世界観をめぐる対立があってこそ、自らの計画を実現するチャンスとし得るのです。ネタニヤフ首相に代表されるシオニストの理想とは、カナン、すなわち、パレスチナ国の全域を含むパレスチナ地域一帯をイスラエルに併合することなのでしょう。そのためには、パレスチナ国を世界地図から消し...イスラエル・ハマス戦争におけるイスラエルの狙いとは

  • イスラエル・ハマス戦争が激烈化した理由

    今般のイスラエル・ハマス戦争は、‘武装政党組織’とも称するべきハマスによるイスラエルに対する奇襲攻撃から始まったとされます。一先ずは、イスラエル側が不意打ちを打たれ、正当防衛権を主張しての開戦となったのですが、この戦争、幾つかの不審点があることは、これまでの記事でも述べてきました。本日の記事では、同戦争の計画性について考える思考材料として、現代の戦争における激化の要因について述べることとします。国際社会では、侵略戦争は国際法の犯罪とされており、とりわけ、領土の拡張を目的とした軍隊による侵攻や占領は、侵略のわかりやすい典型的なスタイルです。自国内のある一定の地域、例えば一方的な領土割譲要求を受けてきた国境周辺の地域に隣国の軍隊が進軍し、かつ、武力で同地域を支配し始めるともなれば、誰の目にもそれが武力で領土を...イスラエル・ハマス戦争が激烈化した理由

  • 戦争は不公平-イスラエルの過剰防衛問題

    「目には目を、歯には歯を」というハンムラビ法典の条文は、同害報復を定めた古代法典の一文として知られています(ハンムラビ王の在位は紀元前1792年から1750年)。同法典は、古代バビロニア王国の奴隷制度が反影されているため、‘同等の者’同士の間という時代的な制約はあるものの、罪と罰との間の公平性、即ち、刑法の基本原則を、法文をもって定めたことにおいて歴史的な一文と言えましょう。もっとも、罪と罰との公平性については、人類の大半が有する一般的なバランス感覚に基づいており、ハンムラビ法典は、同普遍的な感覚を法文として表現したところにその画期性があったのかもしれません。何れにしましても、罪と罰、あるいは、加害行為とそれに対する償いは釣り合うべきとする原則に対して反対する人は、殆ど存在しないことでしょう。何故ならば、...戦争は不公平-イスラエルの過剰防衛問題

  • 深まるハマスに対する偽旗疑惑

    ガザ地区北部に集中していたイスラエルの攻撃は、ハマスの存在を理由に南部にまで広がりを見せています。遂にガザ地区全域が攻撃対象となるに至ったのですが、南部への避難を呼びかけながら、同地域を攻撃するイスラエルの行動は‘騙し討ち’に等しく、国際社会におけるイスラエル批判の声をさらに高めることとなりましょう。そして、ここで最初に問われるべきは、イスラエルが自己正当化のために主張している‘テロリストが存在するところは攻撃しても許される’という口実の是非です。イスラエルをはじめ、同国を支持している政府や人々は、ハマスによる‘人間の盾’という名の作戦を人道に反する行為として厳しく批難しています。‘人間の盾’とは、無辜の人の命を奪ってはならないとする、人類共通の倫理観を前提としており、民間人を相手からの攻撃を回避するため...深まるハマスに対する偽旗疑惑

  • シファ病院制圧の意味

    戦争当事国でアルイスラエルは、国際法によって保護されるべき病院に対する攻撃を予告したため、国際社会から批判を浴びてきました。しかしながら、こうした批判の声をものともせず、同国は、ガザ地区の中心部に位置するシファ病院には、ハマスの司令室が設置されていると共に、地下トンネルも存在しているとして制圧作戦に踏み切っています。若干の戦闘の後、現在、同病院は、イスラエルの支配下に置かれたようなのですが、同病院の制圧劇は、一体、何を意味するのでしょうか。制圧からしばらくの間、病院内から発見されたと報じられたのは、ハマスが使用・備蓄していたとされる武器・弾薬類であり、次いで作戦司令室でした。今朝方のニュースに依りますと、イスラエル軍は、遂に地下トンネルをも見つけたそうです。同情報が正しければ、イスラエル、並びに、同国をサ...シファ病院制圧の意味

  • ハマスの奇襲攻撃は陰謀なのか?-トンキン湾事件の前例

    10月7日に起きたハマスによるイスラエルに対する奇襲攻撃については、幾つかの不審な点が見受けられます。‘チャンス到来’とばかりに攻勢をかけるイスラエルの様子から、イスラエル・ハマス戦争とは、計画された謀略であった疑いも払拭できない状況にあります。こうした謀略説については、政府もメディアもその可能性さえも決して口にはしないのですが、陰謀の実在性は歴史がその端々で証明しています。その一つは、アメリカをベトナム戦争の泥沼へと引き込んだトンキン湾事件です。1964年8月2日に発生した‘トンキン湾事件’には、当時のジョンソン政権が公表した公式の説明と後に判明した事実としての経緯の二つがあります。前者に依れば、事の発端は、南ベトナム軍の哨戒艇と誤認したとはいえ、北ベトナム軍の魚雷艇3隻がアメリカ海軍の駆逐艦「マドック...ハマスの奇襲攻撃は陰謀なのか?-トンキン湾事件の前例

  • テロと正当防衛の難しい問題-撲滅には平和解決の制度構築が必要

    イスラエルによるガザ地区への攻撃が激化するにつれ、ハマスから奇襲テロ攻撃を受けたイスラエルに対する同情論は萎み、今では、同国に対する批判の声のほうが高まっています。世論の変調に焦りを感じたのか、イスラエルのコーヘン外相は、イスラエルとハマスの両者を等しく批判した国連のグテーレス事務総長の資質を問うに及んでいます。テロ、とりわけ非戦闘員や民間人の無差別殺人は当然に許されるはずもなく、糾弾されて当然なのですが、その一方で、正当防衛権の文脈からしますと、なかなか難しい問題が含まれているように思えます。戦争とは、人類社会における集団、特に国家間の、他方に対する一方的な要求を含めた紛争や対立に際しての、力を手段とする解決方法の一つです。力に勝る側が、相手方を自らの意思を受け入れざるを得ない状況に至らしめることで、勝...テロと正当防衛の難しい問題-撲滅には平和解決の制度構築が必要

  • イスラエルに見るNPT体制のパラドクス

    パレスチナガザ地区の完全制圧を企図しているイスラエルは、同地区に対する核兵器の使用をも視野に入れているのかもしれません。同地区の地下に張り巡らされているトンネルは最も深い箇所で地下80メートルともされ、通常の地中貫通爆弾では破壊できないからです。戦術核を使用すれば目的を達成できるのですから、少なくともイスラエル軍の核戦略上の選択肢の一つではあるのでしょう。何と申しましても、公表はされてはいないものの、イスラエルは、核兵器を保有しているのですから。先日、核兵器使用を‘選択肢の一つ’として仄めかしたアミハイ・エリヤフエルサレム問題・遺産相は、ネタニヤフ首相によって一時停職の処分を受けたのも、‘フェイク発信’が咎められたというよりも、迂闊にも極秘作戦を漏らしてしまったからなのかもしれません。しかも、同発言は、イ...イスラエルに見るNPT体制のパラドクス

  • 一神教のパラドクス-ユダヤ教は‘隠れ多神教’だった

    イスラエル・ハマス戦争の背景には、約束の地であるカナン全域をイスラエルの国土としたいシオニストの願望が潜んでいるとされます。ネタニヤフ首相もその急先鋒の一人であり、内外からの批判を受けて発言を撤回をしたものの、ガザ地区のイスラエルによる統治、即ち、イスラエルによる‘併合’が同戦争の最終目的であったのでしょう。おそらく、ガザ地区のみならず、ゆくゆくはヨルダン川西岸地区並びに東イエルサレムも自国の版図に組み込む予定であったのかもしれません(シオニストの運動を大イスラエル主義とすれば、全世界の支配を目指すグローバリストの野望は、大ユダヤ主義と表現できるかもしれない)。あくまでも古代ユダヤ王国の版図を現代に復活させようとするシオニストの思想の原点には、『旧約聖書』の記述があります。『旧約聖書』と総称されていますが...一神教のパラドクス-ユダヤ教は‘隠れ多神教’だった

  • ガザ地区はもとよりパレスチナ国の領土では?

    アメリカのアントニー・ブリンケン国務長官は、東京での記者会見の席で、パレスチナのガザ地区に関する戦後構想についてアメリカ政府の方針を明らかにしました。同長官が語るには、イスラエルがガザ地区を占領したとしても、一定の移行期間を置いた後に、ヨルダン川西岸地区のパレスチナ国の政府に統治権を移すとする案のようです。ネタニヤフ首相は、ガザ地区の再占領後は、同地域はイスラエルが安全保障の責任を負う、即ち、事実上の‘併合’を表明していましたので、ブリンケン国務長官の案は、ネタニヤフ首相の方針と真っ向方対立すると共に、より穏健で平和的な紛争可決案であるように見えます。しかしながら、細かい点に注しますと、そうとも言えないように思えてくるのです。第一に、ブリンケン国務長官は、停戦についてはきっぱりと反対しています。その理由と...ガザ地区はもとよりパレスチナ国の領土では?

  • シャイロックよりも野蛮なネタニヤフ首相-現代版ヴェニスの商人の行方

    今日まで読み継がれる数多くの名作を世に送り出したウィリアム・シェークスピア。没後凡そ400年を経た今日にあっても、『ハムレット』の‘生きるべきか、死ぬべきか、それが問題だ’という台詞がしばしば決断を迷う場面で口にされるように、時代を超えて読者の共感を呼び、心に残るのは、シェークスピタの作品には、誰もが理解し得る人間社会にあって重要な‘何か’が描き込まれているのでしょう。『ヴェニスの商人』もまた、現代にあってしばしばアナロジーとして語られる作品の一つです。『ヴェニスの商人』の面白さは、法学者に扮した若き令嬢ポーシアが知恵を働かせて高利貸しのユダヤ人シャイロックから‘一本取る’ところにあります。アントーニオは、親友でありポーシアの求婚者でもあるバサーニオーのために、借金の形に自らの「肉一ポンド」を与えるとする...シャイロックよりも野蛮なネタニヤフ首相-現代版ヴェニスの商人の行方

  • 限りなく怪しいイスラエルとハマス

    人道的中断であれ、停戦であれ、世界各地において戦闘中止を求める声が高まる中、イスラエルのネタニヤフ首相は、ハマスの壊滅、否、ガザ地区の制圧を目指した地上侵攻続行の構えを崩してはいません。もっとも、ポーズとしては停戦の条件としてハマスが連れ去った人質の解放を挙げているのですが、イスラエルとハマスとの間には、どこか気脈を通じている気配が感じられるのです。この‘気配’は、第六感によるものというよりも、両者が示す相互反応の観察に基づいています。既に、中東地域における過激派武装集団の存在自体が、CIAあるいはその背後にあって同組織をもコントロールする世界権力が育成・支援したとする指摘があります。ハマスもその一つである可能性も当然に頭に入れておくべきことです。そして、この疑いを一層強めているのが、両者に見られる幾つか...限りなく怪しいイスラエルとハマス

  • ‘パレスチナ国’の‘もしも’が語る未来

    ‘歴史にもしもはない’、という言い方があります。この言葉は、E.H.カーがその著書『歴史と何か』において未練学派に対する批判として述べたとされています。‘未練たらたら’と過去の出来事について愚痴をこぼすような態度への批判なのですが、その一方で、過去の可能性について客観的な検証を加えることは、現実を理解する、また、未来をよりよい方向へ導く上で極めて重要な作業となりましょう。何故ならば、それは、一端であれ、今日直面している問題の原因を見つけ出し、かつ、それを未来に向けて取り除いてゆくステップともなるからです。この視点からしますと、今般のイスラエル・ハマス戦争を含むパレスチナ紛争についても、‘もしも’について考えてみることも、決して無駄ではないように思えます。パレスチナ紛争に関して、本記事で仮定してみるのは、“...‘パレスチナ国’の‘もしも’が語る未来

  • 三次元的平和主義という選択-イスラエルかパレスチナかではない

    イスラエル・ハマス戦争の激化、とりわけ、イスラエルによるパレスチナガザ地区に対する非人道的な殲滅作戦を目の当たりにして、世界各地では、イスラエルに対して‘自制’を求める声が高まっています。メディアの報道では、イスラエルに対して批判的な人々を‘親パレスチナ’の立場の人々として報じていますが、対立軸に沿って‘親パレスチナ’、あるいは、‘反イスラエル’として一括りとする表現は適切なのでしょうか。各国や地域の世論をイスラエル対ハマスの対立を二分法で表現するのが、大手メディアの一般的な見立てです。その背景には、アメリカやヨーロッパ諸国にあっては、ユダヤ系の人々がそのマネー・パワーをもって多方面に亘って絶大な影響力を保持する一方で、戦後の移民政策によりイスラム教徒の数が急速に増加したという事情があります。このため、中...三次元的平和主義という選択-イスラエルかパレスチナかではない

  • パレスチナ分割決議をめぐる謎

    第二次世界大戦後の1947年11月29日に成立した国連総会決議では、パレスチナの地には、アラブ系とユダヤ系の二つの独立国家の並立を認めています。何れの国家も、軍隊を含む統治機構を備えた民主主義国家であるはずでした。ところが、蓋を開けてみますと、ユダヤ人国家であるイスラエルは翌49年5月14日に凡そ予定通りに建国されたものの、1994年のオスロ合意に至るまで、アラブ系の国家であるパレスチナ国家が同地に姿を現わすことはなかったのです。パレスチナ国の誕生が遅れ理由としては、イスラエルの建国と共に、アラブ諸国の反発により、即、第一次中東戦争が始まったことによる混乱を挙げることができるかもしれません。あるいは、アラブ諸国のみならず、冷戦構造にあってパレスチナ側をサポートしたソ連邦が、同決議に従ってパレスチナの地に自...パレスチナ分割決議をめぐる謎

  • パレスチナの’無政府地帯化’の問題

    仮に、今般のイスラエル・ハマス戦争にあって、力をもって解決するとなりますと、どのような結末を迎えるのでしょうか。おそらく、軍事力においてハマスに優るイスラエル側の圧勝であることは疑い言えないことです。イスラエルが核保有国であることは公然の秘密ですので、最後には、ハマス幹部が潜伏している地下トンネル施設の徹底破壊を根拠として、貫通性を有する戦術核を使用するかもしれません。地下貫通爆弾では、地下80メートルまでは破壊できないとして・・・。力を解決手段とする場合、そこには、倫理も道徳も、そして、法さえも意味を持たなくなるのですが、ホモ・サピエンスとしての人類の歩みとは、こうした世界を野蛮な弱肉強食の動物的世界として見なし、同世界から抜け出すための知的努力の積み重ねであったと言えましょう。力から合意へ、そして、法...パレスチナの’無政府地帯化’の問題

  • イスラエルの‘非非対称戦’はガザ壊滅作戦

    昨日の記事では、本格的な地上戦が行なわれた場合のイスラエル側の甚大な人的被害をもって、ネタニヤフ首相の退陣を期待するものでした。ハマスが地下に建設しているトンネル施設を制圧しようとすれば、イスラエルは兵器並びに兵力等によるアドヴァンテージを失い、逆に不利な状況に置かれるからです(非対称戦)。イスラエル側の戦死者が増えるにつれ、ネタニヤフ政権に対する国民による停戦の要求も高まるものと予測されるのですが、イスラエルは、既に同事態を回避するための作戦を準備しているとする説があります。ネタニヤフ政権も、イスラエル国民の被害が拡大すれば、自らの支持基盤を失いかねないことは十分に承知していることでしょう。言い換えますと、イスラエル側の被害を最小限に抑えながら、ハマスの地下トンネルを破壊する計画があれば、ネタニヤフ政権...イスラエルの‘非非対称戦’はガザ壊滅作戦

  • 目覚めるべきはイスラエル国民

    シオニストにして大ユダヤ主義者でもあるイスラエルの首相、ベンヤミン・ネタニヤフ首相は、ハマスを壊滅させるまで矛を収めるつもりはないようです。国際社会に広がる停戦を求める声に耳を貸そうとはせず、戦争は「第二段階」に入ったと語気を強めています。同首相が強硬姿勢を貫けば、懸念されている地上侵攻の日も遠くはない、ということになるのですが、戦争とは、一方の単独意思だけで始めることができる性質のものですので、ネタニヤフ首相を翻意させることこそ、事態を早期に終息させるために不可欠となりましょう。今般のイスラエル・ハマス戦争は、支持率が低下傾向にあったネタニヤフ首相にとりましては、自らの求心力を高め、国民からの支持を回復させる絶好のチャンスともなるとする指摘があります。外敵の脅威を煽るのは、不人気な為政者が頼りがちな安易...目覚めるべきはイスラエル国民

  • 意味深長なハラリ氏の‘大西洋憲章論’-疑われる第三次世界大戦のシナリオ

    本日の報道に依りますと、世界各地からイスラエルによる非人道的行為に対する批判の声が上がり、国連総会でも休戦を求める決議が成立しながら、ネタニヤフ首相は、地上侵攻の計画をあくまでも諦めるつもりはないようです。アメリカのバイデン大統領の進言を受け入れて、計画実行の時期は遅らせてはいるものの、既に戦闘は‘第二段階’に入ったと述べ、本格的な地上戦に向けての準備を整えています。ハマスからの攻撃が奇襲であったにも拘わらず、イスラエルが地上侵攻の段取りを付つけているとしますと、おそらく、奇襲を受ける前から、イスラエル政府あるいは軍部にあって、水面下にてガザ地区等に対する‘地上侵攻計画’が策定されていたのでしょう。奇襲が真に青天の霹靂であれば、即時的対応として地上侵攻を首尾よく実行できるはずもありません。地上侵攻作戦をス...意味深長なハラリ氏の‘大西洋憲章論’-疑われる第三次世界大戦のシナリオ

  • ドイツは人類普遍の罪を憎むべきでは?-イスラエル絶対支持の危うさ

    イスラエル・ハマス戦争は、目下、イスラエルによるガザ地区空爆の非人道性に批判の声が上がる展開となっております。イスラエル支持一辺倒であったアメリカのバイデン大統領も、パレスチナ住民の保護並びに国際法の遵守を求め、若干の軌道修正を見せるようになりました。その一方で、ナチスによるユダヤ人迫害という負の歴史を背負ってきたドイツでは、今もなおユダヤ人批判はタブーであり、ジェノサイドとも称される人道上の危機を目の当たりにしても、なおもイスラエル支持の立場を頑なに維持しているそうです。ドイツの過去に対する贖罪意識に基づくイスラエルに対する無批判な態度は、果たして正しいのでしょうか。ドイツがイスラエルを無条件に支持する理由は、過去において自国の政府が行なったユダヤ人迫害に対して深い反省を示す必要があったからです。ニュル...ドイツは人類普遍の罪を憎むべきでは?-イスラエル絶対支持の危うさ

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