エルロマニコ さん プロフィール

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エルロマニコさん: スペイン・ロマネスク美術随想
ハンドル名エルロマニコ さん
ブログタイトルスペイン・ロマネスク美術随想
ブログURLhttps://blogs.yahoo.co.jp/elromanicoes
サイト紹介文このキリスト教美術は心の乾いた時代に安らぎとなり、また自らの人生を省みるための心の糧となるでしょう。
参加カテゴリー
更新頻度(1年)情報提供35回 / 365日(平均0.7回/週) - 参加 2008/04/25 08:20

エルロマニコ さんのブログ記事

  • ロマネスクの色
  •   グアダラハラのベレーニャ・デ・ソルベ教会扉口―「四季の労働」 掲題「ロマネスクの色」は、イスパニアの“Amigos del Románico”(ロマネスク友の会)の機関誌ROMANICO No.20 (2015) にElena Aranda女史が寄稿された論考の表題“El Color del Románico(ロマネスクの色)”です。 凡そ色彩というものは、視覚的印象形成に欠くことのできない重要な情報の一つです。色はまた、人間の五感や感情を刺激し、臨場 [続きを読む]
  • シャガールとロマネスク
  • 「平和」 原画:マルク・シャガール、タピストリー制作:イヴェット・コキール=プランス(展覧会パンフレットより) この四月末、箱根の小涌園に「天悠」という名前のホテルが新築され、各部屋に温泉付き風呂が付帯しているとの触れ込みに惹かれ、一泊で雨模様の霧深い箱根の山に行ってきました。 ホテルの印象はさておき、ちょうどその時仙石原でポーラ美術館開館15周年記念展として「ピカソとシャガール展」(愛と平 [続きを読む]
  • エロスとロマネスク
  • モロー「オイディプスとスフィンクス」(日経新聞2004年7月20日より)一般に「エロス」というと、世紀末それも19世紀末の西欧絵画の一つの奔流が浮かびます。そうです、世紀末という言葉は何となく退廃的な響きを持っています。おそらくそれは千年という時代の区切りが、この世の終わりというキリスト教的な終末感を人々にもたらし、混然とした不安な雰囲気が漂うからでしょうね。 2000年の一月にイスパニアの地でロマネスク [続きを読む]
  • 縁取りの妙
  • 板絵「イエスの捕縛」12世紀 Museo Dioceasano-SOLSONA(絵葉書より) 「ベロニカ」ルオー (絵葉書より)   私は絵描きではないので、間違っていたらご容赦いただきたいのですが、一般的に云って油絵とか壁画や板絵など、絵画に表出されている人物像の縁取りには、どうやら特別の意味合いがあるようです。  ちょっと無理筋かもしれませんが、この場では私の目に留まった代表例から「人体の縁取り」を四つほど [続きを読む]
  • 詩魂とロマネスク
  • 写真:・Miñon, 聖堂外壁持ち送り、「楽師たち」 (『Vida y Muerte en el Monasterio Románico』 より)        写真:川上澄生「初夏の風」 (日経新聞2015.02.16) 今回は「詩心」という想いを拡散してみたくなりました。 「詩魂」とは詩をつくる心とか詩情に彷徨うことを云うのかもしれません。 数年前に栃木県鹿沼市にある川上澄生美術館に足利市の親友で美術収集家の田部井勝弘・版 [続きを読む]
  • キリスト教と殉教−その意味とロマネスク的表現
  • 写真:GUÍAVISUAL D’ART ROMÁNICO DEL MNAC より 初期キリスト教時代から「殉教」即ち信仰を貫いて死を受容することが、キリスト教にとってどのような価値をもち、あるいはどのような意味があるのか、ということについて正当な知識を得たいと以前から思っていました。 殉教者は西欧の中世時代には、信仰を全うした人として貴ばれ、聖人の位を受けるほど最高の義人であると考えられていました。  キリスト [続きを読む]
  • 石工の印Signos Lapidarios
  • 写真:Cantero、『ROMANICONo.10』より写真:Xavier Musquera『Ocultismo Medieval』より 今回はちょっと変わった話題で、石のロマネスク宗教建造物に往々にして密やかに残された、石工たちの印(サイン)について少し思う所を述べてみたいと思います:  私は70歳代前半に集中して、イスパニアの地でかなり多くのロマネスク大聖堂(大聖堂はイスパニア全土で25ある)を含む多くの教会や修道院を訪ねました。 実際にこう言った石の [続きを読む]
  • 石工の印Signos Lapidarios
  • 写真:Cantero、『ROMANICONo.10』より写真:Xavier Musquera『Ocultismo Medieval』より 今回はちょっと変わった話題で、石のロマネスク宗教建造物に往々にして密やかに残された、石工たちの印(サイン)について少し思う所を述べてみたいと思います:  私は70歳代前半に集中して、イスパニアの地でかなり多くのロマネスク大聖堂(大聖堂はイスパニア全土で25ある)を含む多くの教会や修道院を訪ねました。 実際にこう言った石の [続きを読む]
  • ロマネスクのアンティノミア
  • 写真 : Santo Domingo de Silos   「アンティノミアantinomia(西)」という語は、二つの相対立する命題が「定立」と「反定立」として同等の権利をもって主張される事態であると解されています。 つまりふつう我々がよく知っている「二律背反」のことです。  古くはギリシャ時代末期の歴史家プルタルコス(『英雄伝』の著者)が使った言葉だということですが、この概念は法律間の矛盾対立や文学のみならず聖書にも用 [続きを読む]
  • ロマネスクのアンティノミア
  • 写真 : Santo Domingo de Silos   「アンティノミアantinomia(西)」という語は、二つの相対立する命題が「定立」と「反定立」として同等の権利をもって主張される事態であると解されています。 つまりふつう我々がよく知っている「二律背反」のことです。  古くはギリシャ時代末期の歴史家プルタルコス(『英雄伝』の著者)が使った言葉だということですが、この概念は法律間の矛盾対立や文学のみならず聖書にも用 [続きを読む]
  • 稚拙さと逆遠近法
  • 秋山泰計「バス停」(日経新聞2017.01.20)El Panteón de Reyes毎日の日経新聞がこのところ楽しみでした。その文化欄に掲載される、ひとまとめ10回の絵がいずれも魅力的だったからです。詩人・小池昌代氏の鋭い解説が付された「絵の中のわたし」と題した十選がそれで、各回の絵の選択と的を射た論評でした。 [続きを読む]
  • 稚拙さと逆遠近法
  • 秋山泰計「バス停」(日経新聞2017.01.20)El Panteón de Reyes毎日の日経新聞がこのところ楽しみでした。その文化欄に掲載される、ひとまとめ10回の絵がいずれも魅力的だったからです。詩人・小池昌代氏の鋭い解説が付された「絵の中のわたし」と題した十選がそれで、各回の絵の選択と的を射た論評でした。 [続きを読む]
  • ナビ派Les Nabisの手法
  • ピエール・ボナール「黄昏(クロッケーの試合)」(Partnerより)あまり聞きなれないフランスの画家たちの「ナビ派」 という表題で、三菱一号館美術館学芸員の杉山菜穂子氏が、雑誌「Partner」2017年1‐2月号に一文を寄せておられます。その内容に、ロマネスク美術を研究している私は瞠目させられました。 この小雑誌は以前から内容的に面白く、私は気に入っていました。今回取り上げられた「ナビ派」は、19世紀末頃フ [続きを読む]
  • ナビ派Les Nabisの手法
  • ピエール・ボナール「黄昏(クロッケーの試合)」(Partnerより)あまり聞きなれないフランスの画家たちの「ナビ派」 という表題で、三菱一号館美術館学芸員の杉山菜穂子氏が、雑誌「Partner」2017年1‐2月号に一文を寄せておられます。その内容に、ロマネスク美術を研究している私は瞠目させられました。 この小雑誌は以前から内容的に面白く、私は気に入っていました。今回取り上げられた「ナビ派」は、19世紀末頃フ [続きを読む]
  • 漱石との縁
  •   明けましておめでとうございます。 今年は漱石の生誕150年にあたります。 敬意を表して偉大な彼のことを話題にしながら、私は年男として年初のブログを始めます: 私は従来から夏目漱石に三つの意味で身近な感じがしてきました: 一つ目は、亡父が漱石を愛読していたらしく、私は幼い頃から兄と共同の書斎の大きな本箱に『漱石全集』、『芥川龍之介全集』や『厨川白村全集』が [続きを読む]
  • 漱石との縁
  •   明けましておめでとうございます。 今年は漱石の生誕150年にあたります。 敬意を表して偉大な彼のことを話題にしながら、私は年男として年初のブログを始めます: 私は従来から夏目漱石に三つの意味で身近な感じがしてきました: 一つ目は、亡父が漱石を愛読していたらしく、私は幼い頃から兄と共同の書斎の大きな本箱に『漱石全集』、『芥川龍之介全集』や『厨川白村全集』が [続きを読む]
  • 堂本印象と三叉路
  • 堂本印象「アッシジ」堂本印象「アンティーブ」横尾忠則「暗夜行路 眠れない街」(絵葉書より) 今年もあと少し、私は今日が誕生日で83歳になりました。私の家系は男子系が皆早世で、自分だけが思いもかけずこの年まで生き延びましたが、毎日が体の不調との戦いです。今年は月二回ペースで、主としてロマネスク美術を思わせるような様々な事柄について、気ままに綴ってきましたが、おかげでボケないでこの年まで来ました。&nb [続きを読む]
  • 堂本印象と三叉路
  • 堂本印象「アッシジ」堂本印象「アンティーブ」横尾忠則「暗夜行路 眠れない街」(絵葉書より) 今年もあと少し、私は今日が誕生日で83歳になりました。私の家系は男子系が皆早世で、自分だけが思いもかけずこの年まで生き延びましたが、毎日が体の不調との戦いです。今年は月二回ペースで、主としてロマネスク美術を思わせるような様々な事柄について、気ままに綴ってきましたが、おかげでボケないでこの年まで来ました。&nb [続きを読む]
  • 炎の美−酔眼のグレコ
  • グレコ「聖霊降臨」(岩波書店『プラド美術館』より) ご承知のように、ロマネスク彫刻や絵画の構図が他の美術様式と決定的に異質なのは、“デフォルメ=奇形”、“不均衡=非対称的”、“万有引力の法則から外れ、像は浮遊”、“逆遠近法”などの手法を用い、客観性・写実性を全く無視した位相が表出されることです。 マドリッドのプラド美術館やトレドの聖堂などの絵をご覧になった方は、私がこのように言うと、グレコの絵のこ [続きを読む]
  • 炎の美−酔眼のグレコ
  • グレコ「聖霊降臨」(岩波書店『プラド美術館』より) ご承知のように、ロマネスク彫刻や絵画の構図が他の美術様式と決定的に異質なのは、“デフォルメ=奇形”、“不均衡=非対称的”、“万有引力の法則から外れ、像は浮遊”、“逆遠近法”などの手法を用い、客観性・写実性を全く無視した位相が表出されることです。 マドリッドのプラド美術館やトレドの聖堂などの絵をご覧になった方は、私がこのように言うと、グレコの絵のこ [続きを読む]
  • ロマネスクとカンディンスキー狂想曲
  • 写真(上):ゲオルク・マイスターン「赤に挟まれた青」油彩  (下):レオン王廟壁画「お告げ」 これまで数回にわたり、所謂「抽象」のもつロマネスク美術における役割について思うところを語ってきましたが、今回で一旦締めくくります:−  ロマネスク美術、中でも絵画(壁画、板絵、写本など)や彫刻(色付きのもの)における「抽象化」という概念とその技法について、現代の抽象画家『カンディンスキーの著作集I [続きを読む]
  • ロマネスクとカンディンスキー狂想曲
  • 写真(上):ゲオルク・マイスターン「赤に挟まれた青」油彩  (下):レオン王廟壁画「お告げ」 これまで数回にわたり、所謂「抽象」のもつロマネスク美術における役割について思うところを語ってきましたが、今回で一旦締めくくります:−  ロマネスク美術、中でも絵画(壁画、板絵、写本など)や彫刻(色付きのもの)における「抽象化」という概念とその技法について、現代の抽象画家『カンディンスキーの著作集I [続きを読む]
  • 「大なるもの②」―ロマネスク的感受性
  • サント・ドミンゴ・デ・シロス大修道院回廊祭室のアーチ(?EL CLAVSTRO DE SILOS″より) 柳宗玄先生の著書の一つである『虚空散華―生命のかたち』(福武書店、1986)第六篇に“大なること−造形表現における物的「大」と精神的「大」との係りについて”と題する項目があります。ロマネスク美術においてあまり論じられたことがない概念ですが、私は関連性が決して薄くないと思うので、このブログでその一端を取り上げてみたい [続きを読む]