紅殻格子 さん プロフィール

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紅殻格子さん: 妄想の座敷牢 〜紅殻格子の世界〜
ハンドル名紅殻格子 さん
ブログタイトル妄想の座敷牢 〜紅殻格子の世界〜
ブログURLhttp://bluemoonl0823.blog27.fc2.com/
サイト紹介文『妄想の座敷牢』〜紅殻格子の世界〜本格官能小説満載
自由文紅殻格子は、別名で雑誌等に官能小説を発表する作家ですが、表のメディアで満たせない性の妄想を描くためにブログの開設しました。
本職ならではの繊細な描写で綴る濃密な官能世界をご堪能ください。
参加カテゴリー
更新頻度(1年)情報提供22回 / 365日(平均0.4回/週) - 参加 2008/05/03 02:54

紅殻格子 さんのブログ記事

  • 野良猫』 第五章
  • 『野良猫』 第五章FC2 Blog Ranking麻美が自宅のマンションに着くと、珍しく夫の藤野勇樹が既に帰宅していた。勇樹は三十七歳、財閥系銀行の本店営業部で上席調査役を務めている。「遅かったじゃないか」「うん、昔の女友達と久しぶりに女子会で盛り上がってね。もう夕食は済ませたの?」「ああ、帰る途中、駅前の立ち食い蕎麦屋で済ませてきた」「ごめんなさい」「構わないよ。明日は取引先で資金調達のコンペがあるから、書斎に [続きを読む]
  • 『野良猫』 第四章
  • 『野良猫』 第四章FC2 Blog Ranking艶っぽい瞳で麻美に見つめられた男は、青ざめた顔をして頻りに時計を気にした。「さて、そろそろ帰らないといけないな」話を早く切り上げたい男は、麻美を無視してあたふたと身支度を整え始めた。もうこの男は二度と麻美に近づこうとはしないだろう。もちろん麻美自身がそう仕向けたのだが、器が小鉢ほどの男達への苛立ちが改めてこみ上げてきた。場末のラブホテル前で別れた麻美は、そそくさと [続きを読む]
  • 『野良猫』 第三章
  • 『野良猫』 第三章FC2 Blog Ranking程度の差こそあれ、今までに出逢った男達は麻美にしつこくつきまとった。昨年、麻美が資産家の老人と一夜を共にした時、若い頃のソフィア・ローレンに似ていると言われた。後にネットで調べてみると、確かにイタリアの大女優と麻美はどこか似た容貌をしていた。野生的で彫りの深い顔立ち、逞しいほどのグラマラスな肢体、それでいてどこか男を寄せつけない孤高な表情――そのアンバランスさが男 [続きを読む]
  • 『野良猫』 第二章
  • 『野良猫』 第二章FC2 Blog Ranking男の動きが止まった。ベッドに胡坐をかいて背を丸め、射精した避妊具を男根から外す姿が如何にもみすぼらしい。何もそこまで毛嫌いせずともいいのだが、麻美には昔から底意地悪く男を値踏みする癖があった。絶頂の余韻を楽しむかの表情をつくりながら、冷徹に男と別れる算段を考え始めた。ベッドで煙草を燻らせながら、麻美はバスルームから出て来た男に話しかけた。「ねえ、奥さんとは上手くい [続きを読む]
  • 『野良猫』 第一章
  • 『野良猫』 第一章FC2 Blog Rankingベッドが軋んでいる。覆い被さった男が乳房を揉みしだき、息を荒げて激しく腰を撃ちつけてくる。「気持ちいいか・・気持ちいいだろう?」担ぎ上げた両脚の間から男は顔を覗かせ、何度も同じ台詞を問いかけ続ける。「ええ、凄く気持ちいいわ」藤野麻美は男の興奮を陰部で受け入れながら、次第に醒めていく自分の心と身体を感じ始めていた。(哀れな男・・)馬ほどに鼻の穴を広げて呼吸を荒げ、顔 [続きを読む]
  • 紅殻格子の日記(160)  『野良猫』 予告
  • 紅殻格子の日記(160)  『野良猫』 予告『黄昏時、西の紅色空に浮かぶ三日月』と言う私的ブログをお読みの方はご存知だと思いますが、昨年千葉の山中で野生の子猫を拾いました。可哀想に両脚の骨が折れていて瀕死の状態でした。一生介護する覚悟で拾って帰ると、猫の骨折は回復が速いと獣医が言っていた通り、今では家の中を所狭しと飛び回れるようになって困っています。家が次々に破壊されていくからです。もう半年以上飼 [続きを読む]
  • 二十三夜待ち 第二十二章 (最終章)
  • 二十三夜待ち 第二十二章FC2 Blog Ranking昭和三十二年の春だった。蕎麦屋の主人夫婦が仲人となって、寛三と小鶴はささやかな結婚式をあげた。「寛三、いい嫁をもらったな。お前もこれで一人前だ」蕎麦屋の主人は結婚の餞に暖簾分けを許してくれた。寛三はこつこつ貯めた金と主人の支援で、横浜の港湾労働者が暮らす街で小さな店を開いた。僅かに四人がけのテーブル席が五卓あるだけの店だったが、寛三が打つ蕎麦と行商で鍛えた [続きを読む]
  • 二十三夜待ち 第二十一章
  • 二十三夜待ち 第二十一章FC2 Blog Rankingその半年後、四年間続いた太平洋戦争は敗戦を迎え、マッカーサー司令官が厚木に降り立った時、この国は羞恥心の欠片もないほど変節してしまった。それは山奥に位置する月海集落とて例外ではなかった。名主だった睦沢家は農地解放によって没落し、和馬と千代との間にできた娘は、月海集落を離れて東京へ転居したと聞く。睦沢家も華族も、巨大な財閥にしても、別に悪いことをしたわけでは [続きを読む]
  • 二十三夜待ち 第二十章
  • 二十三夜待ち 第二十章FC2 Blog Ranking蝉の声がけたたましい。 小鶴の息子は、月讀神社の眼前に広がるゴルフ場に目を遣り、退屈そうに軽くクラブを素振りする動作をして見せた。「なかなかいいゴルフ場だね」「ここは一面、薄の野原だったんじゃ」小鶴は吐き捨てるように言うと、暫し真昼に遠き昔の夢を見た。二十三夜の青白い月明かりの下、執拗に睦み合う千代と清一の姿は、まるで雌雄の龍が絡み合う神聖な営みに見えた。月光 [続きを読む]
  • 二十三夜待ち 第十九章
  • 二十三夜待ち 第十九章FC2 Blog Ranking「ああ、ダメよ・・いやっ・・」寛三の舌先が膣孔を抉りながら、弄ぶように肉芽を下からチロチロと刺激する。不器用な反復ではあるが、却って女の体はそんな単純さに焦らされ翻弄されてしまう。「小鶴さん、貴女が全てを捨てて僕の許へ来てくれるのを待っている」「私なんか・・私なんか・・」「・・どうしてかは僕もわからない。でも毎日小鶴さんと一緒にいられたら、きっとどんなに辛い [続きを読む]
  • 二十三夜待ち 第十八章
  • 二十三夜待ち 第十八章FC2 Blog Ranking戸籍上の夫はいるが、子供を身籠ったことのない二十五歳の成熟した女である。行商と農作業で鍛えた薄い褐色の体は、女豹のようなしなやかさを保っていた。透けた肋骨を守るようにくっきりと迫り出した乳房は、硬く蕾んだ少女の張りと、触れなば融け出す年増の柔餡を兼ね備えている。そして凛と起った乳首は、まだ十九歳の青年に男の覚悟を強いるように、その尖った銃口を容赦なく向けて脅 [続きを読む]
  • 二十三夜待ち 第十七章
  • 二十三夜待ち 第十七章FC2 Blog Ranking素封家の睦沢家に嫁ぎながら、夫の和馬ではなく、かつての生徒だった画家の下布施清一を愛した千代。千代は社会が用意してくれた幸福を捨て、清一の心の中に生き続ける道を選んだのだろう。だが小鶴は、道具としての暮らしに不満を抱えながらも、夫や家族を捨てる勇気が持てずに躊躇っている。寛三に愛されたい。一度だけでも抱かれたい。その想いは真実だが、社会から逸脱してしまう恐怖 [続きを読む]
  • 二十三夜待ち 第十六章
  • 二十三夜待ち 第十六章FC2 Blog Ranking二人はみすぼらしい六畳一間の部屋で、卓袱台を挟んでしばらく俯き合っていた。小綺麗に掃除は行き届いていたが、家財道具は布団一組しかない殺風景な部屋だった。「な、何か食べる物をつくるわ」立ち上がって部屋の外にある共同炊事場へ行こうとすると、小鶴は乱暴に背後から抱きすくめられた。「ず、ずっと好きでした」「・・・・」力任せに抱かれながら、小鶴はありきたりな言い訳を何 [続きを読む]
  • 二十三夜待ち 第十五章
  • 二十三夜待ち 第十五章FC2 Blog Rankingその翌々年、昭和三十一年。世の中は「もはや戦後ではない」という言葉とともに、三種の神器になぞらえた家電製品の登場で、神武景気と呼ばれた高度経済成長が幕を開けようとしていた。同時に、当時流行した春日八郎の『別れの一本杉』の歌詞の如く、大都市東京への人口集中が始まろうとしていた。小鶴の行商も右肩上がりに売れ行きを伸ばし、谷上家の家計をずいぶんと助けるまでになって [続きを読む]
  • 二十三夜待ち 第十四章
  • 二十三夜待ち 第十四章FC2 Blog Rankingそんな時、小鶴は一人の男に出逢った。軒先を借りた蕎麦屋の若い店員、鎌田寛三である。中学を卒業して花巻から出て来た十九歳の青年で、東北人らしく寡黙だが働き物で、雨の日の出前も愚痴一つ言わなかった。「一息入れて下さい」暑い夏の日には香ばしい麦茶を、寒い冬の日には暖かい蕎麦湯を、店先で茣蓙に座る小鶴へそっと持ってきてくれた。取り立てて何を話すわけでもないが、小鶴は [続きを読む]
  • 二十三夜待ち 第十三章
  • 二十三夜待ち 第十三章FC2 Blog Ranking昭和二十九年。二十五歳になった小鶴は、天から射し込む光明を見た。それは行商だった。収穫した野菜を背負えるだけ背負って都会へ売りに行く。行商は近郊農家にとって貴重な現金収入であり、女達の仕事だった。人通りの多い街中で茣蓙を敷き、物乞いにも似た姿で農作物を商うことは、自尊心が高過ぎる男達にはできない仕事なのかもしれない。朝の五時に起きて始発の房総東線に乗る。背中 [続きを読む]
  • 二十三夜待ち 第十二章
  • 二十三夜待ち 第十二章FC2 Blog Rankingだが現実は小鶴の夢を打ち砕いた。戦争が終わった翌々年、小鶴は十八歳で九十九里浜に近い一宮町の農家に嫁いだ。睦沢家が決めた結婚だった。相手は睦沢家に仕えていた小作の親類で、農地解放で小さいながらも田圃を持つ農家の長男だった。谷上正一は三十歳。小鶴とは一回りも年が離れていた。睦沢和馬は何も言わなかったが、おそらく不器量な小鶴の貰い手は、近隣でなかなか見つからなか [続きを読む]
  • 二十三夜待ち 第十一章
  • 二十三夜待ち 第十一章FC2 Blog Ranking千代の葬儀があった夜、小鶴は未来に現れるかもしれない男を夢見て、布団の中で無意識に自分の乳房と陰部へ指を這わせていた。乳首は痛いほどチクチクと尖り、すでに陰部は深い沼地のように熱くどろどろとした粘液が溢れていた。「あ、ああ・・いけないよぉ・・」左手で硬く粟立った乳首を摘まみ、右手で敏感になった花蕾と秘唇を交互に辿ると、その悦びの電流に感電して小鶴は思わず喘ぎ [続きを読む]
  • 二十三夜待ち 第十章
  • 二十三夜待ち 第十章FC2 Blog Rankingところがその春のこと、唐突に清一は英霊として月海集落へ戻ってきた。南方へ向かう輸送船に乗っていた清一は、潜水艦の魚雷攻撃を受けて戦死したと聞かされた。むろん下布施家が受け取ったのは空の遺骨箱だった。その夕刻、月出山は気味が悪いほど赤々とした夕暮れに縁取られ、山の烏が五月蝿いほど狂ったように鳴いた。翌日、月讀神社は再び騒然とした雰囲気に包まれた。社殿の中で首を吊 [続きを読む]
  • 二十三夜待ち 第九章
  • 二十三夜待ち 第九章FC2 Blog Ranking清一は月海集落にある造り酒屋の長男で、尋常小学校に通っていた頃から絵が上手だと近隣では有名だった。小鶴自身も学校の廊下に貼り出された清一の絵を何度か見たことがある。月出山を写生した絵などは、まるで写真ではないかと見紛うほど、山を覆う木々が一本一本細密に描かれていた。家業を手伝いながら画家を目指していた清一は、今年の一月、二十一歳で召集されて南方の戦線へ向かって [続きを読む]
  • 二十三夜待ち 第八章
  • 二十三夜待ち 第八章FC2 Blog Ranking昭和二十年初頭の冬。田の畔や路傍の名もない草が枯れ、房総の里山は一面乾いた朽葉色に染められていた。ここ月海集落でも英霊達の遺骨が戻る日が増え、我が物顔に上空を通り過ぎる敵軍機を目の当たりにして、いよいよ本土決戦も間近いと人々は頻りに噂した。そんな折、集落におかしな騒ぎが起きた。たまたま掃除に来た婦人会が、月讀神社の天井に天女の絵を見つけたのだった。「・・・・」 [続きを読む]
  • 二十三夜待ち 第七章
  • 二十三夜待ち 第七章FC2 Blog Ranking天井一面に天女の絵が描かれていた。寺や神社の天井画には、八方睨みの龍や飛天する天女があしらわれている。だがこの月讀神社の天女は異質だった。平安時代の貴族を想わせる大和絵の描き方ではなく、まるで西洋画の写実主義の如く、精密なデッサンを基に細部に亘るまで写真のように描かれていた。しかも天女は全裸で宙を舞っていた。うっとりした瞳と半開きの口唇が、神社に相応しくない艶 [続きを読む]
  • 二十三夜待ち 第六章
  • 二十三夜待ち 第六章FC2 Blog Ranking陽射しが照りつける夏の午後。山の稜線から沸き立つ真っ白な入道雲が、群青の空と鮮やかな境界線を描いている。けたたましく油蝉が鳴く細い山道を、場違いな一台の車が、路傍の雑草に薙ぎ倒しながら走って来た。「この辺りでいいわい」後部座席に乗る嗄れた声に、車を運転していた中年の男は車を慌てて停めた。正面にゴルフ場を見渡せる小高い丘。運転席から降りた男は、後部座席のドアを開 [続きを読む]
  • 二十三夜待ち 第五章
  • 二十三夜待ち 第五章FC2 Blog Ranking小鶴は声がする闇に眼を凝らした。 そこには月光を映した男と女の裸身があった。二人は立ったまま抱き合い、もどかしそうに肌と肌を擦り重ねている。 「もっと・・もっと強く抱き締めて・・」 大理石のように滑々して丸身を帯びた女の体が、筋肉質な男の腕の中でくねくねと何度もしなる。 その艶めかしさに小鶴は息を呑んだ。 おそらく月の光がなくとも、女の体は白磁器のように透き通ってい [続きを読む]
  • 二十三夜待ち 第四章
  • 二十三夜待ち 第四章FC2 Blog Ranking小鶴は薄の穂を力任せに投げ捨てた。(どうせ不器量だもん・・若奥様ぐらいの器量があればあたしだって・・)女の幸せが男で決まるなら、不器量で教育も碌に受けていない小鶴など、幸せを争う女の土俵にすら立てないではないか。母親と同じように貧しい男と結婚し、紅の一つも引けず、一生泥だらけになって老いていくのだろうか。ふと見上げると、明るい二十三夜の月が、惨めな小鶴の心を見 [続きを読む]