高橋和夫 さん プロフィール

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高橋和夫さん: 高橋和夫の国際政治ブログ
ハンドル名高橋和夫 さん
ブログタイトル高橋和夫の国際政治ブログ
ブログURLhttp://ameblo.jp/t-kazuo
サイト紹介文高橋和夫(国際政治学者、放送大学教授)のブログです。
参加カテゴリー
更新頻度(1年)情報提供72回 / 365日(平均1.4回/週) - 参加 2008/05/07 11:18

高橋和夫 さんのブログ記事

  • ラッカ攻防後が重要
  • ※3月17日(金)に「しんぶん赤旗」7面に掲載されたものです。----------丸6年を経過したシリア紛争と、それをめぐる国際政治について、中東と米国政治に詳しい放送大学の高橋和夫教授に聞きました。(小玉純一)シリアのアサド政権は、アラウィ派というイスラム教のなかで少数派が担っています。権力を手放すと反体制派に皆殺しにされる恐怖心があり、反体制派を攻撃してきました。アサド政権にはロシアとイランが、反体制派には [続きを読む]
  • トランプとアイゼンハワー メディアで衆目をあつめた二人(2)
  • もう一つ、トランプとアイゼンハワーの共通項を指摘すれば、それは新しいメディアの利用である。アイゼンハワーは、1950年代にアメリカで普及し始めたテレビというメディアに注目した。最初に記者会見をテレビ中継した大統領であった。しかも、2期8年の間に190回以上もテレビ中継した。いかにテレビ映りを良くするかを考えて、映画俳優をコーチに雇って練習に励んだ。テレビ時代の大統領というと、ケネディのイメージが [続きを読む]
  • アメリカ政治とパレスチナ問題
  • 次期大統領に決まったトランプさんの周辺の反イスラム的な発言が気にかかります。イスラム教徒を全て登録する、とまで言っています。実はアメリカのイスラム教徒の人口に関しては、正確な統計はありません。いろいろな研究所などの統計によると300万人から800万の間と言われます。イスラム教徒が潜在的にテロリストなら、みな登録させようという議論は、第二次大戦中に日系人をみな強制収容所に放り込んだのと同じ発想です。そん [続きを読む]
  • 書評『シリア難民』パトリック・キングズレー著
  • 難民になるというのは、どういうことだろうか。難民から多額の金銭を奪い取っている密航業者とは、どのような人々だろうか。密航の取り締まりの実態はどうなっているのだろうか。なぜ密航が止まらないのか。止められないのか。現場の実情は、どうなっているのだろうか。イギリスの高級紙「ガーディアン」の難民問題の担当記者のパトリック・キングズレーが、欧州に密航しようとするシリア人に密着取材して、こういった疑問に答え [続きを読む]
  • アレッポ陥落の意味(2)
  • 良くメディアで語られる構図に従えば、シリアの問題は代理戦争であり、アメリカの支援する反体制派とロシアやイランが支援するアサド政権が対立してきた。しかし、じっさいはそうではない。ロシアやイランがアサド政権を本気で支えてきたのに対して、欧米やトルコの反体制派支援は本腰ではなかった。オバマ大統領の自己認識は、次のようなものであった。自分はアフガニスタンとイラクの戦争から手を引くために国民に雇われた大統 [続きを読む]
  • アレッポ陥落の意味(1)
  • 昨年末シリアのアレッポの攻防戦が終わった。アサド政権軍と、それを支援するロシアやイランなどの諸勢力が勝利を収めた。敗れたのは反体制派と呼ばれる勢力である。その意味を理解するためには、現在のシリアの情勢の理解が必要だろうか。大まかに解説しよう。シリアはアサド政権の支配地域と、その他に分かれる。その他はさらに二つに分かれる。アサド政権に反対する勢力の支配地域とクルド人の支配地域である。クルド人は、ア [続きを読む]
  • 欧州統合の動きと?ミニ・ナショナリズム?は矛盾しない。(2)
  • それでも分離の動きが起こっている背景としては、一つには、もう戦争を考えていないということがあります。例えばスコットランドとイングランドが一緒になって英国となったのは、フランスに対抗するためでした。でも今はスコットランドとフランスとの戦争なんて考えられない。安全保障上の必要性がないのならば、むしろ小さい国のほうが居心地はいいわけです。また、経済的に小さい国でも今は自立できます。グローバル化が進み、 [続きを読む]
  • 欧州統合の動きと?ミニ・ナショナリズム?は矛盾しない。(1)
  • 欧州統合の動きと?ミニ・ナショナリズム?は矛盾しない。グローバル化という一枚のコインを、表から見るか裏から見るかの違いにすぎない統合と分離の動きが同時に進む欧州今、欧州では、一見相反する二つの動きが、同時に起こっているように見えます。EUがどんどん拡大して統合を進めていこうとしている一方で、英国の離脱問題が起こったのをはじめ、例えばスコットランドが英国から、あるいはカタルーニャ州がスペインから、 [続きを読む]
  • プーチンのロシア(8)
  • トランプ・ショック2016年にアメリカ大統領に当選したトランプは、守ってもらっている国々が、アメリカの好意に「タダ乗り」しているとの議論でNATO諸国を始め同盟国を批判した。日本も批判を受けたが、実情は駐留するアメリカ軍の経費の7割を日本政府が負担している。アメリカにとっては日本は最も気前の良い同盟国である。トランプの批判の矛先(ほこさき)が一番鋭かったのは、NATO諸国である。NATOの場合は [続きを読む]
  • プーチンのロシア(7)
  • NATOの意味NATOの拡大に関して論じてきたが。その意味は何だろうか。NATOに加盟させるいうことは、もし仮に一つの加盟国が侵略された場合には、その防衛のためにNATOの全ての加盟国が戦うという意味である。たとえばエストニアが、仮にロシアの侵略を受けた場合には、その防衛のためにアメリカを含む全ての加盟国が戦うということである。それではエストニア、ラトビア、リトアニアのバルト三国とロシアの軍事力 [続きを読む]
  • プーチンのロシア(6)
  • 東欧諸国とロシアとの関係は、典型的な安全保障のディレンマ状況である。安全保障のディレンマというのは対立する双方が同時に安全と感じることが不可能である状況を指している。現在の東欧とロシアの関係に当てはめると、東欧諸国が軍事的に安全で安心という状況は、ロシアにとっては脅威である。ロシアにとって安心だという状況は、軍事的には東欧諸国は脅威を感じる。両者を同時に満足させるのは至難である。両者の間の関係の [続きを読む]
  • プーチンのロシア(5)
  • 三千万人の犠牲そうした心理を想像する準備として、その歴史を振り返ろう。たとえば1812年6月のフランスのナポレオンはロシア遠征を開始した。優勢なフランス軍との勝ち目の薄い正面衝突を避けロシア軍は国土を焦土にしつつ後退した。家を焼き、井戸を埋めながらの撤退であった。フランス軍にロシアの国土を利用させないためである。そして首都モスクワさえ放棄した。やがて冬になると「冬将軍」と呼ばれるロシアの厳しい寒さがナ [続きを読む]
  • プーチンのロシア(4)
  • NATOの東進そして1985年にゴルバチョフが登場し、1989年にベルリンの壁が崩れ冷戦が終わった。翌1990年に東西ドイツが統一され、1991年にはソ連が崩壊した。その翌年の1992年にはNATO旧東ドイツをも、その守備範囲とするようになった。ロシアから見えれば、それだけNATOが近づいてきた。さらに1999年にはポーランド、チェコそしてハンガリーがNATOに加盟した。かつてのワルシャワ条約機構の一部を構成し [続きを読む]
  • プーチンのロシア(3)
  • 朝鮮戦争における奮戦はトルコがソ連とNATO諸国に対する発した血で染められた鮮明なメッセージであった。ソ連に対しては、うかつに侵略すればトルコは必死の抵抗を見せるだろうとのシグナルであった。そしてNATO諸国に対しては、同盟国の一員としての義務を犠牲を厭(いと)わずに果たすだろうとの決意の表明であった。そのトルコがギリシアと共に1952年にNATOに加盟した。トルコ軍の奮戦を見て、西ヨーロッパ諸国も [続きを読む]
  • プーチンのロシア(2)
  • 第二次世界大戦の勝者は言うまでもなくアメリカとソ連であった。ほとんど国土は無傷で戦争中に生産力を急増させたアメリカと、国土のヨーロッパ部分の大半を占領されながらも、反撃してベルリンを占領したソ連であった。戦争が終わるとアメリカは即座に軍隊の動員解除を行った。父親を息子を夫を恋人を待つ故郷の人々の強い声にこたえる必要があったからだ。戦争が終わった以上、一刻たりとも猶予は許されなかった。最盛期には千 [続きを読む]
  • プーチンのロシア(1)
  • 「伝説的規模の戦略的失態」NATOの旧ソ連領への拡大についてのアメリカの元外交官ジョージ・ケナンのコメント敵を知らず己を知らず孫子によれば敵を知り己を知れば百戦百勝も難しくない。戦えば必ず勝つ。冷戦期のアメリカの外交エリートたちは、敵であるソ連を比較的に良く知っていた。先の章で触れたスプートニク・ショックは、アメリカで理数系の教育の見直しの機運を引き起こした。科学技術の面でソ連に遅れを取ったので [続きを読む]