chevron_left

メインカテゴリーを選択しなおす

cancel
arrow_drop_down
  • 今日のハチミツあしたの私

    雨上がりの庭でマツムシソウが咲きました「今日のハチミツあしたの私」(寺地はるな2017年3月刊)を読む寺地はるなの新作です(表紙は西淑)「ハチミツ」が片仮名で「あした」が平仮名で「私」が漢字かぁとつくづくと表紙を見る「今日の蜂蜜明日の私」「今日のハチミツあしたの私」やっぱりこれでしょう主人公の碧(みどり)は安西と暮らしている安西は仕事の続かない男だある日、安西が「実家に帰って仕事を手伝うから一緒に来て欲しい」と言い出した碧は仕事を辞めて安西について行くことにするところが安西の父親は結婚を認めないという以前の所に戻って新しい仕事を探すか(住み慣れた土地を選ぶ)安西と一緒に住む暮らしに戻るか(住み慣れた人を選ぶ)頼み込んで以前の仕事に戻るか(慣れた仕事を選ぶ)碧はあっさりとどれをも振り払う碧がたどり着いたのはクロエ...今日のハチミツあしたの私

  • にじいろガーデン

    日差しを拾うようにカタバミの花が開いている「にじいろガーデン」(小川糸2014年10月刊行)を読む電車に飛び込もうとしていた少女を泉は家に連れて帰った夫に去られて投げやりになっていた家の中は混乱していてそれを少女は黙って片付けてくれる少女の名前は千代子レズビアンであることを告げたら父親に「恥知らず」と言われたという2人は一緒に〈今居るところ〉から脱出することにする泉の息子の草介を連れて泉と千代子の同性婚は行き着いた小さな村の(廃校となっていた)小学校を借りて始まる草介は地元の小学校に通い泉は地元のガソリンスタンドに勤めるよそよそしい視線もあるけれど千代子に子ども(「宝」と名付けられる)が生まれ4人になった生活は時につまずきながらも少しずつ進んでいく課題の一つはカミングアウトしていくことガソリンスタンドのオーナー...にじいろガーデン

  • サーカスの夜に

    「ツバキ文具店」(ドラマ原作・小川糸)を見ていたら小川糸のものが読みたくなったので「サーカスの夜に」(小川糸2015年1月刊)を読む生まれつきの病気を抱えた「ぼく」は両親に置き去りにされ(どちらも相手が連れて行くと思ったらしい)血のつながらない祖母・グランマに育てられる治療の甲斐があって生まれつきの病気は治ったけれどぼくは薬の副作用で背が伸びなくなってしまっていた10才の少年の体と一生を共にしなければならないと思ったときぼくの頭に両親と一緒に見たサーカスが浮かんだ町はずれの番外地と呼ばれるところで冬を越しているサーカス団に入れてもらおうぼくは自転車に乗って家を出た(ここまでで10ページ)(今いる場所から新しい場所に行く主人公手には何も持っていないという筆者のいつもの型で物語ははじまる)番外地に居たのはレインボー...サーカスの夜に

  • 知られざる縄文ライフ

    今日もカワキモノスソアキコさんが挿絵を描いていると聞いたので「知られざる縄文ライフ」(誉田亜紀子・文スソアキコ・絵2017年3月刊)を読む(スソアキコさんはイラストレーターで帽子作家で「ひとり古墳部」員)いたってやわらかい雰囲気の本だけどミトコンドリアDNAからはじまって縄文人の普段着ヘアスタイル(意外に凝った結い方をしている)ライフステージトレンドアイテム交易ネットワーク(沖縄までも行った?)食事(意外に高カロリー)と守備範囲は広く土偶(大きいものは45センチもある)と土器にはたっぷりページが割かれているし縄文グッズの紹介ページまである描かれている人の髪型から顔の入れ墨はめ込み式の耳飾り首飾りから衣装の模様までスソアキコさんが打ち合わせを重ねながら描いていったのだな・・・と思うとどのページももったいなくてすみ...知られざる縄文ライフ

  • ちいさい言語学者の冒険

    面白いと聞いたので「ちいさい言語学者の冒険」(広瀬友紀2017年3月刊)を読む子育て真っ最中の言語学者が子どもが言葉を覚える様子をついつい自分の知識に当てはめてこれは◯◯の法則だわこれは△△だわと面白がって書いてしまったというエッセーです(筆者が)発見したことは子どもは大人の言葉の真似をしているだけではなくて発見した法則(文法)を当てはめて使っている(すごい!)ということでした◯「は」にテンテンは「ぐゎぁ」「か」→「が」「け」→「げ」から考えるとテンテン(濁点)というのは息を出す時に力むことらしいと思った子ども「は」を力んで言うと「ぐゎぁ」(やってみて下さい)◯「死む」「死まない」「読んで」→「読む」→「読まない」「飲んで」→「飲む」→「飲まない」言葉の変化というのはマ行を付けるらしいと思った子ども「この虫、死...ちいさい言語学者の冒険

  • 落陽

    (急に)30度になりました・・・・「落陽」(朝井まかて2016年7月刊)を読む明治神宮の森ができるまでの話と聞いていたので(明治神宮の森は色々な種類の木を植えることによって手入れをしなくても100年後にはちょうどいい自然林になることを目指して植えられたというところがとても画期的だという)たぶん計画した人か実際に作業をした人が主人公だろうと思って読み始めたらいきなり強請りの場面が出てきたのにはびっくりした強請りをはたらいていたのは東都タイムスの記者・瀬尾亮一新聞といっても定期購読者を持たない東都タイムスは広告の収入が主で記事は広告主の立志伝とゴシップばかり瀬尾は取材で得た情報をタネに強請りをして給料の不足を補っているくらいで何とも芯のない日々を送っていたある日明治天皇が崩御した天皇は御陵だけは京都にと望んだという...落陽

  • うれしいセーター

    半袖の人を見かけるほどなのに「うれしいセーター」(三國万里子2016年12月刊)を読む「ほぼ日刊イトイ新聞」でおなじみの三國万里子さんの編み物の本というよりは(編み方も載っているけれど)エッセー集大きいけれど軽くて背表紙がないので(コデックス装というらしい)ぱたんと180度に開く造本が心地よいセーターを注文したのは星野源小林薫ミロコマチコ谷川俊太郎片桐仁宮沢りえなどなどの写真もたくさん文字の部分では三國万里子さんが編み物作家になるに至った経緯が書かれているオリーブ少女だった三國さんは「服が好きでしただから服に飽きたくなかったそこで服が好きなままもっとおもしろく生きるにはどうしたらいいのか」と考えそのためには「作ること」だと思いつく「服以外の世界をしっかり楽しんでそこから栄養を摂りながら作っていく」ことにし作れば...うれしいセーター

  • あとは野となれ大和撫子

    シレネの白い花が咲きました「あとは野となれ大和撫子」(宮内悠介2017年4月)を読む時は2015年舞台はアラル海が干上がってできた土地に周辺の国々から移民がやって来てできた国・アラルスタン中央アジアの中でも独自の発展を遂げ「自由主義の島」とも呼ばれている(「最初の7人」と呼ばれる人びとがこの国を立ち上げたと言い伝えられているけれどその7人が誰なのかは誰も知らない)先代の大統領がつくったハーレム(実は大統領の諮問機関)を大統領のアリーは「学校」に作り替えたそこではここにしか居場所のない少女たちがいざという時のために学んでいる日本人の技術者だった父を失ってハーレムに引き取られたナツキは友人のアイシャとジャミラとともに学校生活を送っていたナツキの夢は父のような技術者になることだそんなある日アリー大統領が暗殺され政府の...あとは野となれ大和撫子

  • 図書室のキリギリス

    ハナイチゴの1つ目の花が咲きました「図書室のキリギリス」(竹内真2013年6月刊)を読む「図書室のピーナッツ」の1年前の物語ですカメラマンの夫が行方不明(?)になって3年史織は籍を抜いて姓を戻し、新しい仕事にも就いた仕事は高校の図書館の司書といっても資格のないなんちゃって司書なので事務の仕事の下請けもあってけっこう忙しいそんな史織の〈日常の謎〉がほろほろと解かれていく校長先生はなぜマルハナバチと名乗っているのか前任の司書さんはなぜ急に辞めたのかなぜ他の高校の蔵書印のある本が紛れ込んでいたのか・・・・最終章ではそれまで登場した人物が総出演文化祭でのブックトークの様子が描かれる太田光の「マボロシの鳥」の絵本(藤城清治・作)を取り上げた演劇部の瀬井は「高校を卒業したら演劇の道に進むけど役者として売れることなんか一生な...図書室のキリギリス

  • さて、コーヒーにしませんか?

    「小林カツ代伝」に取り上げられていた「さて、コーヒーにしませんか?〜キッチンをとおして見えること」(小林カツ代1991年9月刊)を読んでみたやってみたいと思ったことは何でもやってみる人・小林カツ代にしても大きな冒険「2ヶ月間のアメリカ・ホームスティ」の話です40半ばになっていたカツ代は料理家としてテレビに出たり、本を出したり、教室を開いたり、講演をしたりの多忙な日々を過ごし年子の子供たちは高校2年と3年になっていたスタッフの弟がアメリカに行ってアダルト・エデュケーション(社会人教育)を受けてみたらとても面白かったという話を聞いたカツ代は中国残留孤児として帰国した人たちの苦労に胸を痛めていた折でもあり「自由にどこででも自分の好きなものをやりながら日本語を覚えていける公共の場があればいいなぁ」と実際にアダルト・エデ...さて、コーヒーにしませんか?

arrow_drop_down

ブログリーダー」を活用して、zebさんをフォローしませんか?

ハンドル名
zebさん
ブログタイトル
ゆらゆら荘にて
フォロー
ゆらゆら荘にて

にほんブログ村 カテゴリー一覧

商用