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- 2009/01/07 00:02耳もとを濡らして
- 「恋ひ恋ひて逢へる時だに愛しき言尽くしてよ長くと思はば」 (大伴坂上郎女、『万葉集』) 逢へる時だに=逢うことができた時には 愛しき=うつくしき 言(こと)=口に出していう言葉 《夕子流意訳》 あなたが恋しくて、恋しくてたまらない。ほんとうは、ずっと一緒にいたいのよ。でも、それが無理ならせめて、こんど逢ったときにはたくさん、たくさん言って欲しいわ。「愛しているよ」、「かわいいよ」、「君だけだよ」... [続きを読む]
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- 2009/01/02 11:46新年のご挨拶
- 「幾返り夢の通い路たもとほり今そわが来るしづかなる春」(夕子) 人生は自分の思い通りにならないことが多い。 自分の願いや力を超えたものが、私の生を導いている・・・ そんな気がする。 遠い春のこと、 わたしはあの人との思いを遂げられず すれ違いの道を歩んできた。 思いは心の奥処にしまい込み、鍵をかけた。 わたしは別の人と人生を歩み始め あの人もまた同じだった。 思い通りにならない人生・・・ だけど、それは希望... [続きを読む]
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- 2008/12/29 01:38恋といふものは
- 哺乳類はすべて生後の自由な生活のはじめからたいへんはやく発育し・成長して、生殖可能になる時にはすでに主要発育期をこえている。その後におこる発育・成長はゆっくりした、そしてわずかなものである。ところが人間はその反対に、ちょうど性的成熟のその時に、発育・成長が特別に強化されて、そのあとの段階で全体の発育・成長のうちの重要な部分がはじめてなしとげられる。(アドルフ・ポルトマン、『人間はどこまで動物か』... [続きを読む]
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- 2008/12/22 01:18美しい全身
- 「彼女のすべて」 (ボオドレール、『悪の華』より) 悪魔が、俺の屋根裏部屋に、 今朝、俺を訪ねて来て、 過失があつたら懲らそうと、 俺に言った。『知つて置きたい事がある、 あの女(ひと)の魅力を作る 美しいものの中でも、 可愛らしいあの肉体を構成する 黒や或いは薔薇色の品々の中でも、 何が 一番好い気持か。』 ー おお わが心よ、 いみじくも「嫌はれ者」に お前は答へた。 『あの女には... [続きを読む]
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- 2008/12/21 01:23理性のうめき
- 「吾の知らぬ闇より出ずる吾のおりて理性のうめき跡形も無し」(庄司夕子) あ〜ん、恥ずかしいわぁ。 ついに夕子の短歌を載せちゃったわよ。 ブログ更新が滞ってしまって、苦肉の策ってやつね。 理性のうめき跡形も無し・・・ あはは、 そのとおり。 わたしってあの人に抱かれるとホント理性がなくなっちゃうの。 恋猫のようにギャーギャー叫んで、脚を開いて、腰を振って、もう失神寸前よ。 わたしってこんな女だったんだ、って... [続きを読む]
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- 2008/12/15 15:58こんな日が来るなんて・・・
- 「ゆく河のながれはたずえして、しかももとの水にあらず。よどみにうかぶうたかたはかつきえかつむすびて、ひさしくとどまる事なし。」(鴨長明、『方丈記』)未来は否応なしに刻々と現在(いま)に押し寄せてくる。 現在(いま)は、次の刹那にはもう過去へ滑り落ちていく。 とどまることない時の流れの澱みに 浮かんでは消え、消えては浮かぶアブクのように わたしの現在(いま)がある・・・そう、あの人と共にあった現在(い... [続きを読む]
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- 2008/12/09 00:41極めて稀な幸運
- 「動物においては、性交の果てに雄が射精する時と、雌の子宮が膨張して精子を吸い込みやすくなる時とが一致しているそうである。人間においても、女がイクというか、オルガスムを感じる時は、やはり子宮が膨張して精子を吸い込みやすくなるとのことであるが、悲しいかな、その時は男が射精する時と必ずしも一致しない。(中略)男と女が同時に同じような快感を味わい、同時に満足を得ること、射精と膣のオルガスムとが同時に起こ... [続きを読む]
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- 2008/12/05 00:56唄を忘れたカナリア
- 「かなりあ」 (西條八十) 唄を忘れた金糸雀は 後の山に棄てましょか いえいえ それはなりませぬ 唄を忘れた金糸雀は 背戸の小薮に埋けましょか いえいえ それはなりませぬ 唄を忘れた金糸雀は 柳の鞭でぶちましょか いえいえ それはかわいそう 唄を忘れた金糸雀は 象牙の船に銀の櫂 月夜の海に浮かべれば 忘れた唄をおもいだす 金糸雀=カナリア 背戸=家の裏 埋ける=いける よく遊び、笑い、明... [続きを読む]
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- 2008/12/03 01:06とてもたのしいこと
- 「とてもたのしいこと」(伊藤比呂美、『姫』) あの、 つるんとして 手触りがくすぐったく 分泌をはじめて ひかりさえふくんでいるようにみえる くすくすと 笑いが あたしの襞をかよって 子宮にまでおよんでってしまう (ひろみ、 (尻を出せ、 (おまえの尻、 と言ったことばに自分から反応して わ。 かべに ぶつかってしまう いたいのではない、むしろ 息を 洩らす 声を洩らす (... [続きを読む]
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- 2008/12/01 01:13男と女
- 「星があって男と女」(山頭火) 星がきれいな夜は、 雨戸も閉めず、カーテンも開けっ放しにして蒲団に入り、 ガラス越しにひろがる星空を眺めながら眠った。 様々な表情を映し出す青空も好きだけど、 星空の果てしない空間の広がりと 悠久の時が流れる奥行きを感じるのが好きだった。この果てしない空間の一点に、 悠久の時のながれの刹那に、 「わたし」は生きている。 それはなんとちっぽけな存在なのだろうか。 まるで大海の... [続きを読む]
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- 2008/11/28 11:53愉悦の瞬間
- 一旦、走り出した躯は、もはや止まりはしない。熱く火ぶくれのよう燃えた花芯が、小刻みな痙攣を繰り返しながら行き果て、それとともに女の内側がビロードの襞となって男のペニスに巻きついてくる。まさに男の愉悦の瞬間で、このいっときを得るために男は女に尽くし、優しく振る舞い、・・・・女に奉仕するのは、ひたすらこの果てるときを共有したいためである。(渡辺淳一、『失楽園』) どんなに素晴らしい風景を見ても 感動を... [続きを読む]
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- 2008/11/27 00:00夜の衣をかえし
- 「我が背子が袖返す夜の夢ならしまことも君に逢ひたるごとし 」(詠み人知らず、『万葉集』) 背子=彼氏 袖返す=寝るときに袖を返しおけば思う人の夢を見られるっておまじないよ 〜ならし=(余情を含めて)〜だなあ まことも=実際に 《夕子流の意訳》 うふふ、きっとわたしだけじゃなく、彼もパジャマの袖を裏返して寝てくれたんだわ。だって、今日の夢は本当に彼に会っている見たいにリアルな夢だったもの。「袖返し」のお... [続きを読む]
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- 2008/11/25 23:15いちじくの実よりやわらかく
- もう、とっくに、僕というものは吉弥の胸に融けてしまっているのではないか? 決心を見せろとか、何とか、口では吉弥に強く出ているが、その実、僕の心はかの女の思うままになっているのではないか? いッそ、かの女の思うままになっているくらいなら、むずかしいしかもあやふやな問題を提出して、吉弥に敬して遠ざけられたり、その親どもにかげで嫌われたりするよりか、全く一心をあげて、かの女の真情を動かした方がよかろう... [続きを読む]
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- 2008/11/25 00:00君をし思へば
- 「現にも今も見てしか夢のみに手本纏き寝と見れば苦しも」(詠み人知らず、『万葉集』) 手本纏き寝(てもとまきね)=互いの手を枕にして共に寝ること 《夕子流の意訳》 たった今、あなたに会いたい。いますぐ、あなたに触れたい。抱き合えるのが夢の中だけなんて苦しすぎるわ・・・ああ、なんて切ない恋なのかしら! 癒しは「手当て」といって、 もともとは痛いところに手を当てる行為だった。 他に為す術がなかった時代の話・・... [続きを読む]
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- 2008/11/24 01:53恋てふ色はなけれども
- [恋の形] ブログ村キーワード 「世の中に恋てふ色はなけれども深く身に染むものにぞありける」(和泉式部) てふ=といふ 《夕子流の意訳》 恋色なんて、そんな絵の具は聞いたこともないわ。でも、あなたはこそまさにそれね。だって、わたしの心も、身体も、生活も、すべてがあなたへの恋一色に染まっちゃったもの。 恋することで人は変わる。 問題は、いかに変わるかだ。 耽溺に陥り、身を滅ぼすような変わり方もあるだろう。 正... [続きを読む]
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- 2008/11/23 00:55愛は創造の力
- 若い婦人が戦争の間、あれほど幸福をうちやぶられてくらしてきたのに、まだ幸福というものが一つのきまった箱のようにどこかにあって、それを自分のものにするかしないかというふうに考えているとすれば、あんまり悲惨なことだと思います。愛は創造の力です。苦痛をのりこえてそこによろこびをつくりだしてゆく能力をもつものです。・・・ 幸福になるために結婚する、結婚するために恋愛する、これはなんていう理屈っぽいよう... [続きを読む]
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- 2008/11/22 00:00くろがねの七重の扉
- 「世の常のわか恋ならはかくはかりおそましき火に身はや焼くべき」(有島武郎)(この短歌は濁点がついていないので読みにくいわね。「世の常のわが恋ならばかくばかりおぞましき火に身ばや焼くべき」これならわかると思うわ。) 《夕子流の現代語訳》 ああ、これがよくある普通の恋だったら、業火に身を焼かねばならぬようなこんなおそろいい結末を迎えることもなかったのに・・・ 有島は、夫ある身の女を愛し、 その恋の行き着く [続きを読む]
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- 2008/11/21 00:00うつつにも夢にも
- 「現にも夢にも我れは思はざりき古りたる君に此処に逢はむとは」 (詠み人知らず、『万葉集』) 現=うつつ 古りたる=ふりたる 此処=ここ 《夕子流の現代語訳》 まさか! 夢にも思わなかったわ! 若い頃、恋したあなたにまたこうして巡り逢うことができるなんて・・・ いにしえの歌人は、人生の不思議に感嘆する。 どんなに願っても叶わぬこともある人生だが、 予想だにしなかったうれしき訪れがあるのも、また人生なの... [続きを読む]
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- 2008/11/20 00:05濡れて恋しき夢の間
- [相合い傘] ブログ村キーワード 「傘のうち」 二人してさす一張の 傘に姿をつゝむとも 情の雨のふりしきり かわく間もなきたもとかな 顏と顏とをうちよせて あゆむとすればなつかしや 梅花の油黒髮の 亂れて匂ふ傘のうち 戀の一雨ぬれまさり ぬれてこひしき夢の間や 染めてぞ燃ゆる紅絹うらの 雨になやめる足まとひ 歌ふをきけば梅川よ しばし情を捨てよかし いづこも戀に戲れて それ忠兵衞の夢 [続きを読む]
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- 2008/11/19 00:00異性の匂い
- [谷崎潤一郎] ブログ村キーワード七月ばかりに、風いたう吹きて、雨など騒がしき日、おほかたいと涼しければ、扇もうち忘れたるに、汗の香すこしかかへたる綿衣の薄きを、いとよくひき着て、昼寝したるこそ、をかしけれ。(清少納言、『枕草子』第四十一段) 《夕子流の現代語訳》 七月頃からしら? 毎日暑くて体も疲れきってしまっているような時に、風がひゅーひゅー吹いて、雨なんかもざあざあ降って、ちょっとほっとするよう... [続きを読む]
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