高田清井 さん プロフィール

  •  
高田清井さん: きなこの城
ハンドル名高田清井 さん
ブログタイトルきなこの城
ブログURLhttps://blogs.yahoo.co.jp/kiyoi08
サイト紹介文主に創作小説を連載しています。 その他音楽(主にクラッシック)など。
自由文眼には歯を(連載中):小説家志望の女子高生麻矢、画家志望で勘当状態の兄雄介。芸術家気質の兄妹の或る復讐の物語。

失われた微笑(連載完結):性同一性障害の前田俊子の悲恋。

直井の肖像(連載完結):過去に悩み、人生を否定する挫折した画家と彼を愛する若き女性。その回帰への道程。

悲しいイブ:年の離れた男女の切ない悲恋を描きます。

音楽:「魔笛」愛の二重唱と映画「愛の嵐」他
参加カテゴリー
更新頻度(1年)情報提供71回 / 365日(平均1.4回/週) - 参加 2008/11/08 13:16

高田清井 さんのブログ記事

  • ある一夜 その5
  • 私の動揺は激しかった。昨夜電話さえしていればOさんは死ななかった。そう思った。私は自分を責めた。後悔、自責。後悔、自責。その思いが頭の中で繰り返された。あの、背の高い逞しいOさんにそんな脆さがあったとは。私は耐えられなくなって病棟に電話した。そして婦長さんに代わってもらった。婦長さんは言った。「どうした、Nちゃん」私は取り乱しながら事情を話した。婦長さんの返事は意外なものだった。「Nちゃん。電話し [続きを読む]
  • ある一夜 その4
  • それからしばらくして、主任看護婦さんが私にしみじみ言った。「Oさんはまともな男だったわー。言ってたよ、自分の田端の家を建て直して、Nちゃんを引き取って、自分が一生面倒見ていきたいって。あの人はNちゃんの財産狙いなんかじゃなかったわ。立派な男だったわ」私はそれを聞いても、あまり魅力的な話とは思えなかった。焼きもちやきだという姑と、32歳になる小姑のいる家に嫁いでも、あんまり楽しくなさそうだったからであ [続きを読む]
  • ある一夜 その3
  • 私は2月上旬、また入院した。医療保護入院だった。私は半年ほど薬を飲んでいなかった。自分の病気は治ったと思っていた。もしくは自分は病気ではないと思い込んでいた。薬を半年飲まないでいて、私の脳の神経は興奮していった。眠れない夜が続いていた。26歳で発病してから、絶対に薬を飲まなくては駄目なんだと分かるまで、10年かかった。その時も分かっていなかった。或る日、私は何か買いたいものがあって、K市まで出かけた。 [続きを読む]
  • ある一夜 その2
  • もちろん、私はSに年賀状の返事は出さなかった。そして1月の半ば、私はフラテ君と一緒に午後の散歩に出かけた。フラテ君がまだふにゃふにゃした子犬だったころから歩き慣れた住宅街であった。フラテ君の最大の楽しみは毎日の「お姉ちゃん」との散歩だった。私はどんなに億劫でも、フラテ君との1日2回の散歩だけは欠かしたことがなかった。フラテ君は心から私を信頼し、尊敬し愛してやまない主人として、私になついていた。私も [続きを読む]
  • ある一夜 その1
  • ゴローちゃんとOさんとS。この3人が一緒に当時私が住んでいたHの家に遊びに来たことがあった。松戸のスカイラウンジで4人でお茶をしたあとで、一緒にうちで酒でも飲もう、ということになったのだ。私は肉じゃがを披露することになった。車を持っている人が一人もいなかったので私たちは電車で移動し、もよりのスーパーで食材とウィスキーを買って、私の家まで行った。女一人で気楽に暮らしている家に、男性3人が訪ねてくるの [続きを読む]
  • 誕生日にきなこのお墓参りへ
  • きなこの眠るお墓です。友人の家の裏庭にあります。きなこのお母さんネコもすぐ近くで眠っています。アスターの花束と、きなこが好きだったセブイレの紅鮭を持ってきました。今日は私の誕生日です。夜は1階の創作厨房で盛り上がろうと思います。きなこが元気だった時、きなこを撫でながら言ったことがありました。「こんなかわいいのが死んだら腐っちゃうの。きなこの縞三毛は腐っちゃうの。命って不思議だね」きなこはごろごろい [続きを読む]
  • ある男性患者
  • 初めて精神科病棟に入院した時、ここは当然、まともな人が来るところではないな、と思った。私は26歳の3月から6月まで、3カ月入院したのだが、母は私が一生病院から出てこれないと思っていたそうだ。しかし担当医師は2週間で母に「もう退院しても大丈夫です」という電話をしたそうだ。用心してその後2ヶ月半、自宅に外泊し、また病院に戻るという状態が続いた。当然ながらまともに帰った私から見れば、奇声をあげたり、一人 [続きを読む]
  • そのあとが怖い女
  • 最近の女性政治家の不祥事では、「男女の仲ではありません」とか、「一線は越えていません」とかいう弁解が流行っている。私は政治の話をしようと言うのではない。それはkiyoiには向いていない。これはkiyoiの独り言である。私も35歳といういい年で身を固めるまでは、それなりに男性との付き合いがあった。大体男性は好意を持つ女性がいて、その女性に振り向いてもらうために、あの手この手をつかうものだが、うまくその女性と交 [続きを読む]
  • 小さい秋見つけた
  • 昨日の日曜日、月曜から天気が崩れるとの予報だったので、近くの21世紀の森という公園まで秋を探しに行ってきました。まずは持参したお弁当です。芸がないです。彩りよく、パセリやパプリカを入れるべきなんでしょうけど、そのまんまです。でも豚肉のピカタもコールスローもおにぎりも、味は抜群でした。二人で、「美味しいね、美味しいね」と言いながら食べました。また、外で食べると余計美味しく感じますね。萩の花です。初秋 [続きを読む]
  • 新サンマ
  • 今年の初秋刀魚です。今年は大体全体的に小ぶりですね。脂の乗りもイマイチかも。でも美味しく頂きました。きなこがいなくても日常は流れていきます。そしていつか懐かしい思い出になるのね。きなこはテーブルの上に一晩秋刀魚が乗っててもドロボーしなかった。えらいネコちゃんだったね。またいつか会いたいね。 [続きを読む]
  • 眠れない夜のホットミルク
  • まだ2時前だから希望がある昔、大島弓子さんの漫画で「バナナブレッドのプディング」というのがあった主人公の衣良が本当に夜、彼を殺したくなったとしたら彼はミルクを温めて言う。「明日ね」「また明日ね」彼女のことを「輝く北極星の星」とか言ってた人がいたが、最近作品を描いているのだろうか。世間ことに疎くなったkiyoiも一人で温めたミルクを飲んで今夜は静かに眠ろうkiyoiが人を殺しそうになることはないと思うけど、ミ [続きを読む]
  • 「秋」      アンリイ・ド・レニエエ
  • 「秋」        アンリイ・ド・レニエエ秋より枝を渡る風は明るき夏とまた暗き日に、黒き梟と白き鳩鳴く老木の梢をゆする。木の葉に滴る雨の声、やさしくも又ものうきは一足一足「悲しみ」の忍び泣く音と聞かれずや。緑より黄に、黄よりして紅に又黄金色より金色のいろに木々の梢の老い行けば、われは秋より秋に散りて行くわが「過去」を思う。林は聳えたる頂よりして頂に紅の樫と緑の松とを動かせども吹く風は厳かに声を呑 [続きを読む]
  • きなこ、kiyoiの最後のネコ
  • きなこを亡くして落ち込んでいた私だが、考えてみるときなこは本当に愛された幸せな子だったと思う。「実のおかあさん」と一生一緒に暮せたのだし、子供のいない家庭でお姫様として生きた。私もきなこのためにいろいろと心を尽くしたが、きなこも犬のように一生懸命、おかあさんの言うことをきいた。とてもお利口なネコちゃんだった。8月8日がきなこの命日だが、3週間たってみて私の心にきなこ以外のネコちゃんが入って来る隙間 [続きを読む]
  • 気になるネコちゃん情報
  • 少し離れた所に住む友人から、興味深い情報を聞いた。彼女の近所にあきらかに「捨てられた」とわかる、ネコちゃんが2匹いると言うのだ。何故「捨てられた」とわかるか。それは野良では絶対いない種類のネコだからだそうである。友人の話をよく聞くと、1匹はペルシャ、もう1匹はロシアン・ブルーのようである。友人がそのあたりを通ると、その2匹の捨て猫が友人の後をついてくる、とネコの飼えない友人は辛そうに話していた。ロ [続きを読む]
  • 破れ鍋に綴蓋
  • 私は統合失調症の患者である。薬を飲んで規則正しく生活をしている分には問題ないが、今から19年前、仕事が忙しくて病院へ行けず、従って薬を飲むこともできず大きく体調を崩したことがあった。幻聴幻覚がひどかった。病気は悪魔のように巧妙で、自分が聴いているものや見ているものを、事実である、真実であると思わせる。私はめちゃくちゃになった。人から見れば「キチガイ」である。仙人も滅多にない経験をしたものだ。キチガ [続きを読む]
  • きなこの恩返し
  • 病院を今のクリニックに転院してから約5週間が過ぎた。そして今日あっと気がついた。1度もオーバードーズをしていない。つまり、夕方の不安感がない。薬は前の病院と同じ効能のものだが微妙に会社によって成分が違う。今のクリニックの薬局で出してくれる薬がよくよく私に合っているのだろう。もしくは私の体質に合っているのだろう。あの夕方の不安感、漠然とした恐怖感、押しつぶされるような重圧感。全くない。今度の通院日は [続きを読む]
  • 光り輝く明るい国
  • きなこが死んで2週間以上たって、kiyoiは落ち着いた。きなこは命のふるさとに帰った。明るい光に満ちた希望のある国へ。そこにネコだけ集まっているのかどうかわからないが、みな光に照らされて明るく輝いている。そう思うとバッハの「管弦楽組曲」がきなこの明るい門出への、輝かしい葬送曲に聞こえてくる。きなこ、きなこ、今は明るい虹の橋の向こうにいるんだね。おかあさんも立ち直ったよ。きなこの生まれ変わりとして新しい [続きを読む]
  • きなこの死にはバッハのオルガン曲が1番似合う
  • きなこが死んでからずっとバッハを聴き続けている。うちにあるCDは全部聴いてしまった。そしてきなこの死にはバッハのオルガン曲が1番合うと思った。ネコには荘厳すぎると言われるかもしれないが、どんな動物にも死は荘厳なものである。「幻想曲とフーガト短調」(大フーガ)BWV542kiyoiは今曲をアップする気力がない。きなこはその一生をおかあさんに捧げてくれた。とても可憐な一生だった。きなこがkiyoiの腕の中で息を引 [続きを読む]
  • 囲碁離婚
  • 家に住んでいる囲碁狂いで耳の遠い老人は、食事をしている時と、テレビでトランプさんのニュースを見ている時以外は、ネットで碁を真剣に見て暮らしている。それ以外にやることと言えば、新聞紙を束ねること、やはりテレビでNHKの囲碁トーナメントを見ること。私はそれでもたまに用事が合って、囲碁狂いの耳の遠い老人に話しかける。10回声をかけても返事は帰ってこない。夢中になっている時は何を言われても聞えないのだそう [続きを読む]
  • 眠れない夜、相棒だったきなこはもういない
  • 8月8日にきなこが死んで以来、初めて夜中の2時に目を覚まして眠れなかった。こんな夜、夏であろうが冬であろうが何時であろうが、きなこはいつも起きてきて、おかあさんに付き合ってくれた。本当に心優しい眠れぬ夜の友であった。今夜は16年ぶりに一人起きる深夜である。眠れないと分かっているので、自棄になって紅茶を飲む。きなこはいない。寄り添ってくれたきなこはもういない。悲しみが込み上げてくる。こういうときはバ [続きを読む]
  • きなこの器
  • きなこの使っていた器です。これでお水とご飯を食べたり飲んだりしていました。といっても食欲のない時など、特別の時のみです。気分を変えてあげようと器を替えるなんて、人間の子供のようですが、それくらい、夏は食欲をおとして大変でした。亡くなる前は前々日まで元気にご飯を食べてくれました。最後まで親孝行な子でした。時々ハムをあげていました。きなこが好きだったのですが塩分が多いので与えすぎないように注意していま [続きを読む]