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オリジナル小説 鬼狩人-oni kari bito- http://onikaribito.seesaa.net/

オリジナル小説「鬼狩人」公開ブログ。鬼と戦う高校生たちの物語。恋×友情×運命。挿絵イラストも有♪

人の魂を喰らう鬼と、鬼を狩る鬼狩人。 一体、何の為に戦うのか? 血の呪縛と運命に翻弄される鬼狩人たちが織り成す恋と友情の物語。 人を想う心が、彼らを戦いへと誘う——。 鬼狩人:http://onikaribito.seesaa.net/

水輝マリア
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2008/12/15

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  • 鬼狩人(14)

    「佐倉さん!」 ぐったりと倒れたままの由貴を膝の上に抱き起こして、透耶は必死に呼び掛けた。 彼女はまだ無事だと言った鬼の言葉どおり、何度目かの呼び掛けの後に由貴はゆっくりと瞼を持ち上げた。 「トーヤくん……?」 未だはっきりとはしない視界で銀色の瞳を捉えた由貴が、どこか虚ろに透耶を呼ぶ。次第に由貴の瞳の焦点が定まるのを感じ、透耶は深い安堵の息を付いた。 「間に合って良かった……」 胸中で…

  • 鬼狩人(13)

    自分の足音以外は何も聞こえない廊下を走る透耶に、迷いはなかった。 この学校内の構造を、他校の生徒である透耶が知るはずもない。だが、学校という建物は何処も似たような造りであることが、今の透耶には幸いだった。 自らの感覚と勘に頼って、静かな廊下を駆け抜ける。屋上へと続く階段を見つけると、透耶は全力で駆け上がった。 重い鉄製の扉を、開くのももどかしいと言わんばかりに蹴り開ける。 流れ込んだ生…

  • 鬼狩人挿絵集(4~6)

    鬼狩人本編の挿絵イラスト集・第二段! 今回も挿絵イラストと一緒に、各回の裏話などを暴露していきますw →鬼狩人本編挿絵イラスト集(1〜3)はコチラからドウゾ♪ (※イラストはクリックで大きな画像をご覧頂けます)

  • 鬼啖の章(12)

    8年前の秋———京都・嵐山の屋敷。 「これ...」 嘉織から渡された包みを開けて、霞は喜びに目を輝かせた。 「誕生日プレゼント、まだ渡してなかったやろ?」 霞は嬉しそうに手元の箱に入っているツゲの櫛を見つめた。 「ありがとう、嘉織兄さん!」 嘉織は目を細めて頷いた。だが、その直後わずかに表情を曇らせた。 「霞...」 「なぁに?」 急に真剣な眼差しになった嘉織に、霞はきょとんと目を丸くした。 …

  • 鬼狩人(12)

    「…………?」 ガードレールに体を預けるように佇んでいた透耶が、ふと目を上げた。 今、彼は昴や由貴たちが通う高校の傍にいる。 昨日の一件が気になっていた透耶は、授業が終わるのももどかしく学校を飛び出していた。 確か、今日は透耶の方が一時限分ほど授業が少ないはずだった。だから学校の傍で待っていれば、昴か由貴か、或いは両方に会えるだろうと思っていたのだが、待てど暮らせど彼らは現れない。 い…

  • 鬼啖の章(11)

    (———ここは、どこだ?) たゆたう水面に身体を浮かべているような感覚の中、夜壱はゆっくりと覚醒した。 辺りは闇に覆われている。 身体を動かそうにも、まるで全神経が途切れてしまったかのように指一本動かすことも出来ない。 やがて目の前に、曇った鏡のように不透明な視界が開けた。 『朝雄様。』 何重にも膜を張ったかのような声が聞こえる。 『...残党は見つかったか?』 夜壱はその声に聞き覚えがあっ…

  • 鬼啖の章挿絵集(1~5)

    クリスマス、いつの間にか過ぎてましたw もうすぐ2008年も終わりですねぇ... 外伝「鬼啖の章」も無事折り返し地点を過ぎました〜☆ んで、ここいらでちと今までの挿絵などまとめて紹介します。

  • 鬼狩人挿絵集(1~3)

    鬼狩人本編の挿絵を集めました。 挿絵のシーンの紹介と共に、各回の裏話なども暴露しちゃいますw イラストはクリックで大きな画像をご覧頂けます。

  • 鬼狩人(11)

    その日、由貴が学校に着いたのは二時限目と三時限目の間の休み時間だった。 教室に行く前に職員室に寄って担任教師に告げた「具合が悪かった」という遅刻の理由は決して嘘ではない。けれど、それが全てではないことに由貴は自分で気付いていた。 昴が去っていくのを見送ってから、由貴が歩き出せるまでには相当の時間が必要だった。バスの中で感じた吐き気や眩暈は治まっていたが、代わり重苦しく圧し掛かる感情が由貴の…

  • 鬼啖の章(10)

    周りには何人もの鬼の体が横たわっていた。 壮絶な戦いの末傷を負った夜壱は荒い息を吐いてその場に膝をついた。 神経が極限まで研ぎ澄まされた夜壱は、まだ生き残りがこの場にいるということを感じ取った。 「誰だ?」 夜壱はなんとか立ち上がり、一点を見つめた。 暗闇からゆっくりと姿を現したのは、位の高い人間の身なりをした1人の男だった。 「...鬼喰鬼の噂は聞いていたが、まさかこれほどの力とはな。」 「お…

  • 鬼狩人(10)

    「佐倉!」 翌朝。彼にとっては馴染みのない景色の中で、昴はセーラー服の後姿に呼び掛けた。 びくっと体を震わせてから振り返った由貴の瞳は「何故」と語っている。 「守るって言っただろ」 目を合わせることもなく、昴は今ここに自分がいる理由を簡単に告げた。 由貴を狙う鬼の所在は未だに掴めていない。いつまた襲ってくるか分からない状況で、由貴を独りにするわけにはいかなかった。 そのまま足早に由貴の…

  • 鬼啖の章(9)

    野営の陣の中、松明の灯りが風に激しく揺らめいた。 「今、何と言った?!」 「は...千方様は敵方から射られた矢で———」 夜壱は伝令の者に掴みかかった。 「夜壱!」 後ろから羽交い絞めにしてきた陽蝉に、夜壱は手を離して呆然と立ち尽くした。 「...千方が、死んだ?」 自分の吐き出した台詞に信じられないというように頭を振る夜壱に、陽蝉は千方の存在が夜壱にとってどれほど大きなものだったかを知った。 …

  • 鬼狩人『樹条昴』

    外伝「鬼啖の章」の主人公・伊織の紹介があったので、本編主人公の昴のキャラ紹介も載せてみようと思いますw

  • 鬼狩人(9)

    市内某所。既に静けさの広がった住宅街に、一台の高級そうな真っ赤なスポーツカーが滑り込んできた。 古めかしい鳥居のある神社の裏口から車を進入させると、広々とした駐車場に華麗なターンを決めながらピタリと停める。 重厚なエンジン音が止み、やがてバタンとドアを閉める音と共に姿を現したのは玲だった。 ひっそりと静まり返った境内は、何処か物悲しささえ宿している。だが、そんな光景とは裏腹に神社を取り囲…

  • 鬼啖の章(8)

    漆黒の長い髪を夜風になびかせ、夜壱はひとり満月の光を全身に浴びながら佇んでいた。 「こんなところにいたのか、夜壱。」 「...千方。」 夜壱が振り返ると、そこには酒瓶を手にした藤原千方が立っていた。 「見事な月だな。」 「そうだな。」 そう返しながらも、とても満月を楽しんでいたというには程遠いほど夜壱の表情は厳しいものだった。 千方から杯を渡され、夜壱は無言でそれを受け取った。 「...今日、…

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