【ⅩⅧ】 ユリウスの軍が引いていた。遠く本陣からその様を見やるが、退却は整然としており、つけいる隙はないとモルは思った。もっとも隙があろうが、モル旗下...
【ⅩⅦ】 主座のユリウスに、視線が集中する。戦役の首謀者たるこの人物は、眼を閉じて指を組み、瞑想にはいっているかのようであった。面貌にはなんともいいよ...
「summertime blues」(後編) さて…… 初めて砂の上でバレェをした秀虎たちであったが、結果から云うと、そりゃあもう散々だった。...
「summertime blues」(前編) ラジオのパーソナリティが、今夏もっとも暑い日だと興奮ぎみだった。なぜ彼がそれほどに得意げなのかはわか...
【ⅩⅥ】 キーブル城内の深奥の夜は深い。それは夜陰のせいばかりではなく、あるいは密議の暗さゆえでもあろうか。 面がまえに似ず験をかつぐたちのオルド...
【ⅩⅤ】 アンドレードから30フリートほど南西に行くと、カスバルの南半部にあたるアレンビー一帯である。 “シュペールの恩寵”と讃えられたカスバルにつぐ...
「je n’avais rien dit」(後編) しまったと思ったがもう手遅れだ。後で考えると、なぜあのコトを口にしたのか、ホントに信じられない...
「je n’avais rien dit」(前編) 「……ひで、虎・・・君?」 ケータイの向こうから聞こえてきたのは、まぎれもなく昨夜ボクの背中...
【ⅩⅣ】 イオ王マリウスが老宰相ベルンを王宮内の別宮へ呼びよせたのは、夏の盛りである。宮外からの流れを引きこみ、四周を木立にかこまれた、いかにも涼やか...
「kick and run」 「うわッ、コレすごく美味しいです!」 「でしょ?」 はしゃぐ明日夢に、サチさんは嬉しそうに応える。 カウンタ...
【ⅩⅢ】 まったく偶然のことであったが、40フリートも離れたマロムの城の詰め所で、兵士たちがダイス賭博に興じていたちょうど同時刻――カスバルの有力土豪...
【Ⅻ】 「ほらよ、待たせたな」 してやったりと笑いつつ、厨房からちょろまかしてきた皮袋を振ってみせると、円座を組み待ちわびていた同輩の兵士たちは、ひ...
【Ⅺ】 冬に離れたアンドレードは、すでに夏に近い。風がぬけていく王宮の回廊も、歩めばじんわりと汗ばむほどの陽気だ。イオニア特有の湿った夏がはじまろうと...
【Ⅹ】 1万をこえる王弟軍が付け城にとりつく。どよめきがとりでのある高台全体を揺らす。小さなとりでである。ひとたまりもないように思えた。王弟側に特に方...
【Ⅸ】 カスバル大公の居城にしてイオの副都であるエウラリーアから、渋々重い腰をあげたユリウスが、キーブル城へ入ったのは5日後のことであった。好転しない...
☆この頁では、創作物についてのどーちゃらこーちゃらを語ってみようかなぁ……とかテキトーに考えている。 【Dark Side】 『……那辺?...
2人の大統領がどこともしれない場所で、お互い争うと云うおハナシ。 大統領2人ともう1人の3人のみの、かなり窮屈なスタイルです。 もうひとつのブロ...
2人の大統領がどこともしれない場所で、お互い争うと云うおハナシ。 大統領2人ともう1人の3人のみの、かなり窮屈なスタイルです。 もうひとつのブロ...
☆どちらかと云うと、あんまり現実的ではないハナシ。 『……那辺?』 (1)・(2)・(3)・(4)・(5)・(6)・(7)・(8)・(9) ...
【Ⅸ】 どちらが先に動いたのだろうか? 自分か、ヤツか……鬼のような形相のヤツが奇声をあげ、見る間に視界をいっぱいにふさぎ、気がついたら、組み...
【Ⅷ】 ずいぶんと長い間、2人の大統領は身動きひとつできず、呆然と立ちつくしていた。 何もかも、こそげ落とされてしまった、2匹の老いた男がそこに...
【Ⅶ】 ――本当に……取り返しのつかない場所に、自分はいる…… 自分の正気が、端から少しずつほころびていくような、理性が自分の手のとどかないとこ...
【Ⅵ】 「帰れない……」 長い沈黙の後、言葉が虚ろに口からこぼれた。 『そうだよ』 「ココから出られない……?」 『そう』 「……帰れな...
【Ⅴ】 慌ててあたりを見渡す。しかし世界そのものが白光を放っているようにしか思えないこの世界は、どこまでも無限だ。 裸足の脚の裏から、この夢の中...
【Ⅳ】 唖然とした。――当然だ。それは、彼らが認識しているものとは、まったく別の種類の義務や責任だからだ。 彼らにとって義務や責任とは、他の誰か...
『枢軸の世紀』 ネット小説ランキング>【異世界・FT シリアス】>『枢軸の世紀』 第0話 「楽師来訪―黒曜暦900年 10の月の晦日の夜 ア...
☆現代物の連作です。 ネット小説ランキング>【登録した部門】>Jump! Jump!! Jump!!! 『Jump! Jump!! Jump!...
☆現代物の短編です。登場人物はイロイロ。 『風の中で僕らは』 「ブロゥ(風だまり)に入ったとたん、速度があがった~」 『物語のき...
【Ⅰ】 ブロゥ(風だまり)に入ったとたん、速度があがった。柔らかい手で、やさしく押しだされたような感覚だ。 僕はタックし、セイル(帆)をスタボ...
星 天 宮 【Anothr World】……異世界譚 【Dark Side】……怪異譚 【―更新状況―】 (New!) ■20...
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