chevron_left

メインカテゴリーを選択しなおす

cancel
ZAKURATUP http://blog.livedoor.jp/zakuratup/

『ZAKURATUP(ザックラップ)』は、ボーイズラブ要素を多く含んでおります。興味のない方はご遠慮下さい。

『ZAKURATUP』は、昼都深桜(ひるみや みお)と、常葉恵(ときわ けい)の2人が管理人を務めている、ボーイズラブのオリジナル小説及びイラスト創作ブログです。 作品の傾向は、 三角関係/幼馴染/両性具有/歳の差/双子/ 片思い/親子/ヤクザ/その他です。

昼都深桜&常葉恵
フォロー
住所
未設定
出身
愛知県
ブログ村参加

2009/01/15

arrow_drop_down
  • 13. Hey, please listen carefully. I hear the sound of the clock....tick-tock,tick-tock,tick-tock...(ほら、耳をすませてごらん。時計の音が聞こえてくるよ。カチ、コチ、カチ、コチ…って)

    窓際の一人がけソファに腰かけた門真近衛(かどまこのえ)は、子どものようにうーんと大きく伸びをした。だらしなく背もたれに背を預け、気だるげに長い足を組む。ちらりと目だけを動かして窓の外を見ると、灰色の空はどよりと重たそうに横たわっていた。雨でも降りそうだ

  • ソルバー・グレイヴ

    さらりと心地いい、夕方間近の風が頬を撫でる。ソルバー・グレイヴは木陰になった回廊で足を止め、空を仰ぎ見た。やわらかく降り注ぐ陽光。さらさらと涼やかな音を立てて、風が庭園の木々を揺らしていく。それに手を取ってくるくるとダンスするように香ってくるのは、今

  • B型男子と俺との日常

    パエリア完成!そんなコメントとともに出来立てほやほやの特製パエリアの写真画像をツイッターにアップしてから、すでに三十分が経過しようとしていた。時刻は十九時を少し回っている。多治見咲良(たじみ さくら)は無関心を貫く針を睨み、動物園のシロクマのごとくウロウ

  • ラナンキュラスが笑う

    男の性も女の性ももっている自分のことを、ふたなりと言うのが正しいのか、両性具有と言うのが正しいのか。そんなどうでもいいことが頭のなかをぐるぐると回った。「…ひどい…ひどい…!」双葉(ふたば)はその言葉を、何度も何度も繰り返しては泣いた。手入れの行き届

  • すべての始まりは、愛情

    逞しい身体と、美しく長い黒髪をもったカイザー・フォルクス。意志の強そうな青色の瞳は真っ直ぐで、精悍で、とても頼もしい印象がある。彼が、ザザの祖である、フォルクス一族の長(おさ)-----人間に姿を変えられるほどの力をもった、偉大なるフォルクスだ。その隣で美

  • あなたがいるから、笑っていられる。そのことを忘れないで。

    皇城の中庭に、レゾノ皇子の笑い声が響いた。彼は息が切れるほど庭を走り回っては足を止め、池を覗き込んで水や魚を触る。そしてまた走り始めては芝生に寝転がり、彼の守護者であるロワゾ・フォルクスとじゃれついて笑った。顔を寄せ合うなり、レゾノはキャハハと声を上げ

  • 魔法の手

    ダーナ孤児院周辺、おろか外街・中街通り全体は、今まさに大混乱と大興奮の嵐だった。この日、隣国から地酒を馬車に積んでやって来た商人-----歳の頃は三十代後半といったところだ-----ダクトという名の男は、国交門を抜けて外街に足を踏み入れた瞬間から首を傾げていた。

  • あなたはもう、一人ぼっちじゃない。

    ゼッカー帝国の国民たちが、今日もにぎやかに、そして穏やかに暮らし仕事をしている。そんないつもとなんら変わりのない今日。皇城の中だけは、とんでもないバタつきを見せていた-----。ことは、ほんの30分ほど前のことだった。あることが気になって、ゼッカー帝国の

  • 託されたもの

    洗濯物を干していると、我が子の楽しげな声が聞こえた。陽のあたる暖かい場所に寝かせていた小さな赤ん坊は、幼馴染であり兄弟でもある大鷹が大好きだ。「フィノ、いい子で遊んでもらってるのね」朗らかな声でパメラが呼びかけると、フィノと呼ばれた赤ん坊は母親の声に反

  • 12.Une ville du cr���puscule(黄昏の町)

    紫緒は再び体調を崩し始めた。まずは熱。それから、嘔吐。この白い部屋に連れて来られた時から細くなった食事は更に喉を通らなくなり、医師らしき人物が様子を見に来るまでになってしまった。点滴を打たれながら、紫緒は意識を浮上させたり沈んだりを繰り返した。静

  • CHELU's FINEST HOUR ~[6]~

    翌日から、チェルの部屋はとても賑やかになった。2年を費やした恋が成就したとあって、チェルは始終ニコニコと笑顔を絶やさないし、主人の幸せを誰よりも願っていたユリアたち侍女も、突然のこの吉報に驚きはしたものの、諸手(もろて)を挙げて祝福してくれた。一方、チ

  • CHELU's FINEST HOUR ~[5]~

    それから半月ほどが過ぎた、ある夕方。アズウェイがチェルの部屋に来てくれることになった。父が新しい医学書が手に入ったからと言って、本を数冊置いていってくれたからだ。チェルはソファに座り、その医学書を眺めた。専門用語どころか外国語で書かれているため、内容

  • CHELU's FINEST HOUR ~[4]~

    それから数ヵ月後。アズウェイは一人、長い廊下を歩いていた。数日前、チェルの父親がまた医学書を持ってきたらしく、読みたかったら取りに来て、と言ってきたからだ。ヴィーザーの部屋は、皇城の一番奥にあり、見張り番はもちろん、厳重な扉もある。アズウェイはそのど

  • CHELU's FINEST HOUR ~[3]~

    本を読んでいるアズウェイの邪魔にならないよう、チェルは細心の注意を払って茶器をローテーブルに置いた。湯気の立つポットを揺らし、ゆっくりとカップにお茶を注ぐ。(すごい集中してる)本を読むアズウェイの横顔が、チェルは好きだ。真剣で、瞳が綺麗で、引き結ばれ

arrow_drop_down

ブログリーダー」を活用して、昼都深桜&常葉恵さんをフォローしませんか?

ハンドル名
昼都深桜&常葉恵さん
ブログタイトル
ZAKURATUP
フォロー
ZAKURATUP

にほんブログ村 カテゴリー一覧

商用