ゴブニュ画伯 さん プロフィール

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ゴブニュ画伯さん: モノクロのアニメ
ハンドル名ゴブニュ画伯 さん
ブログタイトルモノクロのアニメ
ブログURLhttp://monokuronoanime2.blog.shinobi.jp/
サイト紹介文漫画・アニメ・キャラクターのブログ
自由文漫画・アニメ・キャラクター。それだけで充分。
参加カテゴリー
更新頻度(1年)情報提供334回 / 365日(平均6.4回/週) - 参加 2009/02/12 02:22

ゴブニュ画伯 さんのブログ記事

  • 鑑定士ツグミ 帰還4
  • 第8章 帰還前回を読む 4 しばらくすると、写真に満足したのか、コルリがベンチに戻ってきた。ツグミとコルリは会話もせず、風と波の音に耳を澄ませた。「それにしても、残り2枚の絵は、どこに行ったんやろうな。宮川はフェルメールの『合奏』と、レンブラントの2枚の絵を「予約」してたんやろ。『ガリラヤの海の嵐』と『黒装束の婦人と紳士』の2枚。あれは、どこに消えたんやろ」 コルリが独り言を呟くみたいに、疑問を投 [続きを読む]
  • 鑑定士ツグミ 帰還3
  • 第8章 帰還前回を読む 3 ツグミはベンチに座り、うっとりと風と太陽に身を任せた。せっかくの豪華客船の旅だから、お嬢様気分を味わいたかったが、風は少し強かった。冷気が全身を過ぎ去って行く。でもここで身を小さくして震えていたらお嬢様っぽくないと思って、ツグミは我慢をした。 間もなくして、コルリが戻ってきた。紙コップを2つ手にしている。コルリは紙コップの一方をツグミに渡して、隣に座った。コーヒーだった [続きを読む]
  • 鑑定士ツグミ 帰還2
  • 第8章 帰還前回を読む 2 あの後の話を、少ししておこうと思う。 フェルメールの『合奏』が日本で発見された。大発見の一報は、何よりも先に、イザベラ・スチュワート・ガードナー美術館に届けられた。 ガードナー美術館の女性館長は、感激のあまりに受話器を握りしめながら、泣いていたそうだ。18年の重荷から解放された感激だろう。 ガードナー美術館は、発見者であるツグミを、「是非アメリカに来て欲しい」と招待した [続きを読む]
  • 鑑定士ツグミ 帰還1
  • 第8章 帰還前回を読む 1 ツグミはコルリに手を引かれて、オープンデッキへの階段を登った。 扉を開くと、まず太陽の光が目に付いた。その光があまりに強烈で、視界が真っ白に眩んでしまった。 しばらくたって目が慣れてくると、辺りの様子を見回す。 オープンデッキの最上部には、大きなプールとテニスコートが併設されている。ツグミが出てきたのは、プールの外縁に当たる通路だった。「日本は、どっちかな?」 ツグミは [続きを読む]
  • ロスト・フェアリー 最後の戦い28
  • 第14章 最後の戦い前回を読む 28 ついに『消去』の魔法が発動された。全ての魔界の住人がこの世から消え去る瞬間だった。 キール・ブリシュトが轟音を上げながら崩壊する。粉塵が高く噴き上がる。頭上に浮かんだ魔法のリングが、キール・ブリシュトを飲み込むように、ゆっくりと降りてくる。まるでキール・ブリシュト全体が1つの生き物のように断末魔の叫びを上げるようだった。魔法のリングが、キール・ブリシュトという [続きを読む]
  • 鑑定士ツグミ Art Loss Register33
  • 第7章 Art Loss Register前回を読む 33 ツグミは杖の柄に両掌を置いて、じっとヒナの作業を見守った。心に何も浮かばなかった。ヒナの作業は、順調に続いた。間もなく溶けた絵画の下から、別の色が現れた。 絵画の中央辺りだ。川村の絵と、明らかに質感の違うイエローだった。よく見ると、服の袖部分だとわかった。 ここまで来て、ヒナは作業を中断させて、ツグミを振り返った。ツグミは無言で頷いた。「ツグミさん… [続きを読む]
  • ロスト・フェアリー 最後の戦い27
  • 第14章 最後の戦い前回を読む 27 最後の呪文が、ソフィーの口から放たれた。キール・ブリシュトを取り囲んだ、魔法のリングが一斉に弾けた。目も眩まんばかりの輝きが荒れ野を覆った。暗黒の砦が、明るい光に浮かび上がる。 その瞬間、全ての者が動きを止めていた。音もなかった。戦士達が剣を振り上げた格好で止まっていた。獣が吐き出した炎も、その瞬間で静止していた。噴き上げた砂煙の一粒一粒も、空中で止まっていた [続きを読む]
  • 鑑定士ツグミ Art Loss Register32
  • 第7章 Art Loss Register前回を読む 32 ツグミは「説明しなくちゃ」と思ったが、頭の中が興奮状態だった。それに話してしまうと、せっかく浮かんだ発見がするりと逃げてしまう気がした。 ツグミとヒナは、木野が運転する車に乗って、病院を脱出した。まだ夜明け前で静かな道路を、法定速度ぎりぎりで滑走する。 ツグミは、黙ってフロントガラスを眺め続けた。ツグミの気持ちは、妻鳥画廊にあった。これからするべき行動を、 [続きを読む]
  • ロスト・フェアリー 最後の戦い26
  • 第14章 最後の戦い前回を読む 26 流浪騎士団達は素晴らしい速力で草原を駆け抜けていった。その間、ソフィーは馬の上でしばしの休憩を取った。 翌日の朝には魔の山脈に入り、霧深き山道を潜り込んでいった。奥に向かうほどに邪悪な気配は濃さを増してゆくが、それを手掛かりにして流浪騎士団は迷わず目的地に入り込んでいった。 同じ日の午後に入りかけた頃、ついに一同はキール・ブリシュトの前に到着する。禍々しい建築 [続きを読む]
  • 鑑定士ツグミ Art Loss Register31
  • 第7章 Art Loss Register前回を読む 31 病室に沈黙が訪れた。重い雰囲気だった。「……それにしても、残念ですよね。せっかく見付けた『合奏』だったのに、あんなふうになってしまったなんて」 木野が呟くように口にした。場の雰囲気に耐えかねて、無理に話題を変えようとした感じだった。 ツグミは首を木野に戻した。木野の表情を見て、「ああ、そうか」とようやく思い出した。「あの『合奏』は贋作ですよ」  [続きを読む]
  • ロスト・フェアリー 最後の戦い25
  • 第14章 最後の戦い前回を読む 25 城より南へ9リーグ。そこは、かつてダラスが陣営を作っていたところだった。だが悪魔の反逆によって壊滅し、慌てふためいて逃げ出した兵士達が残していったものが散乱していた。 そんな場所を、ティーノが拠点にしていた。ダラス陣営が放置していったものを、ティーノが兵士達に命じて集めさせていた。ティーノ「金になりそうなものは全部持って来い! 何をやっている、ガラクタを集める [続きを読む]
  • 鑑定士ツグミ Art Loss Register30
  • 第7章 Art Loss Register前回を読む 30 それから木野は、居住まいを正して、改まった感じになった。どうやら大事な報告があるらしい。「ツグミさんに、お知らせすることがあります。たった今、宮川が逮捕されました」「宮川って、……あの宮川ですか!」 ツグミは思わず声を上げてしまった。そこが病室だというのも、一瞬忘れてしまうくらいのニュースだった。 木野は誇らしげな顔で、頷いた。「宮川はあの後、 [続きを読む]
  • ロスト・フェアリー 最後の戦い24
  • 第14章 最後の戦い前回を読む 24 王城の背後。崖の下の渦の中を、小舟がひっそりと進んでいた。 小舟の上で、ソフィーがあっと声を上げて振り返った。仄暗く浮かぶ王城の影が、そこにあった。管理人「どうかしましたか?」ソフィー「イーヴォール様が……逝かれました」 ソフィーは目を伏せて、祈りの言葉を呟いた。管理人「そうですか。あの人が……」 管理人は一度舟を漕ぐ手を止めて、長寿を [続きを読む]
  • 鑑定士ツグミ Art Loss Register29
  • 第7章 Art Loss Register前回を読む 29 ツグミの意識が、ぼんやりと戻ってきた。目の前に天井があった。辺りは暗く、色彩のないブルーが漂っていた。薬品の臭いをきつく感じた。 病院のベッドだ、とツグミは理解した。過去に入院経験があるから、すぐにわかった。神戸大学病院の天井だ。 ツグミは目はパッチリとしているのに、体がぼんやりしていた。心と体が、バラバラに目を覚ましたみたいだった。 ツグミは右隣のベッド [続きを読む]
  • ロスト・フェアリー 最後の戦い23
  • 第14章 最後の戦い前回を読む 23 イーヴォールは膝を着いた。激しい戦いに、辺りには死体が積み上げられている。 イーヴォール自身も、全身を刃で切り刻まれ、血に染まっていた。 それでも敵の勢力はまだ血気盛んだった。すでに虫の息であるイーヴォールに最後の剣が迫る。 イーヴォールは地面に手を付けた。床に魔法の衝撃が広がる。壁や天井が弾け飛んだ。兵士は血鮮を残し、破片となって飛び散った。 しかしそれが最 [続きを読む]
  • 鑑定士ツグミ Art Loss Register28
  • 第7章 Art Loss Register前回を読む 28 高田はツグミを抱きかかえながら、階段を降りていった。 1階に下りると、真っ白な照明がいくつも点いていた。何人もの刑事がいた。制服の警官もいた。警察官にねじ伏せられている男たちがいた。何人かが、ツグミと高田を振り向いて、敬礼を送った。 ツグミは、まだ何が起きているのかわからなかった。警察がどうしてここにいるのか、どうして自分の居場所を知っていたのか、わからな [続きを読む]
  • ロスト・フェアリー 最後の戦い22
  • 第14章 最後の戦い前回を読む 22 ソフィーは地下への階段を駆け下りていった。背後で爆音と怒声が入り交じったものが何度も轟いた。だが今は振り返っている時ではなかった。 いつ兵士が追いかけてくるかわからない。ソフィーは急いで階段を駆け下りていった。 ようやく地下の回廊に出た。回廊は暗く、青い炎で浮かび上がっていた。宝が収められた扉が並んでいる。 ソフィーはそこまでやってきてまごついてしまった。あの [続きを読む]
  • 鑑定士ツグミ Art Loss Register27
  • 第7章 Art Loss Register前回を読む 27 再び周囲が暗転して、ツグミは動揺と混乱を同時に感じた。誰のものかわからない足音が目立って響いた。「川村はどこだ! 川村を探せ!」「何をしている。早く明かりを点けろ!」 逆上したヤクザたちの声が、闇の中で交差した。宮川の声も、突然の暗闇に激しく混乱していた。 逃げるチャンスだった。ツグミは這いつくばって、混乱の中心から遠ざかった。遠ざかりつつ、ヒナがいるはず [続きを読む]
  • ロスト・フェアリー 最後の戦い21
  • 第14章 最後の戦い前回を読む 21 俊足の馬は素晴らしい速力で雨の中を駆け抜け、本来2日かかる旅程を、わずか半日で走破し、翌日の朝にはもう王城の前まで辿り着いた。 雨はあの頃から一時も止まずに降り続けている。城下町は朝なのにひどく暗い。 目抜き通りを、ソフィーとイーヴォールが馬に乗って駆け抜けていった。あまりにも早い馬に、住人達が何事かと驚き、その背にソフィーとイーヴォールの2人があるのに騒然と [続きを読む]
  • 鑑定士ツグミ Art Loss Register26
  • 第7章 Art Loss Register前回を読む 26 ツグミが指したのは、左から3番目。右から4番目の『合奏』だった。 宮川が今までにない不気味は微笑みを浮かべた。口の両端が、そのまま耳まで避けそうな微笑だった。「よし、よくやった。残り5枚を破棄しろ」 宮川が指示を出した。照明の中に5人の男が入ってきた。5人の男はそれぞれの手に、防火用の小さな斧や、刃の長い鉈を手にしていた。 5人の男は、5枚の贋作『合奏』を [続きを読む]
  • ロスト・フェアリー 最後の戦い20
  • 第14章 最後の戦い前回を読む 20 ゆるやかな雨が降っていた。雨が葉に当たって、しとしとと静かな音を立てている。 大きな木の足下で、ソフィーが放心した体で蹲っていた。オークから別れて数時間。ソフィーは気力を失ってただそこで茫然と座り込んでいた。 雨はやみそうになく、そのうちにも勢いをつけそうな気配だった。 そんな時、どこかで馬の蹄を聞いたような気がした。ソフィーはしばらく無関心に音を聞いていたが [続きを読む]
  • 鑑定士ツグミ Art Loss Register25
  • 第7章 Art Loss Register前回を読む 25 ツグミは地面に両手をつけた。右脚だけに体重を寄せて、ゆっくり立ち上がった。2度目だから少し慣れた。 ツグミは絵を見る前に周囲に注意を向けた。照明の外は暗闇に包まれている。それでも気配は、はっきりと感じた。全部で5人だ。 改めて、ツグミは目の前に並んだ絵を振り返った。左脚を引き摺って、右脚だけで進んだ。6枚の『合奏』を、もっと間近で見ようと思った。 絵の前ま [続きを読む]
  • ロスト・フェアリー 最後の戦い19
  • 第14章 最後の戦い前回を読む 19 そこは巨大な建物だった。入口を潜ると、目がくらくらするような広い空間が広がった。無数の柱が立ち並んでいた。どうやら柱と柱の間にはかつて部屋があったらしいが、壁はことごとく破壊され、空間だけが残っていた。そんな空間の奥に、螺旋階段が上へと伸びていた。 オークはその階段を登っていった。ひどく静かだった。静寂の中に、これまでになく魔の者の気配を感じていた。悪魔の王が [続きを読む]
  • 鑑定士ツグミ Art Loss Register24
  • 第7章 Art Loss Register前回を読む 24 宮川は、指をパチンと鳴らした。するとどこかで物音がした。重い鉄扉が開くような音だった。 暗闇で動きがあった。男たちが動く気配と、ゆるく反抗する気配。 ツグミは「まさか」と思って、胸を押さえた。心の準備ができなくて、全身の血がどっと逆流するようだった。 男が照明の中に入ってきた。男は大きなものを地面に引き摺っていた。――ヒナだった。 男はヒナを地面に投げ出し [続きを読む]
  • ロスト・フェアリー 最後の戦い18
  • 第14章 最後の戦い前回を読む 18 しかしそこで再びオークの体が崩れた。石の上に倒れる。全身から溢れ出た血が、石の床に広がった。それまで麻痺していた感覚が急に蘇って、指先が冷たく痺れた。 いよいよ死が近い。自分の体の中で、命の糸が千切れようとするのを感じた。この数日間、休息も食事も一切とっていない。身体の衰弱が、死期を早めていた。 オークはそれでも剣を杖に立ち上がった。目の前がかすんで、はっきり [続きを読む]