みっひ さん プロフィール

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みっひさん: fleurissez
ハンドル名みっひ さん
ブログタイトルfleurissez
ブログURLhttp://ameblo.jp/fleurissez/
サイト紹介文結婚一年。二人で生活。好きな生活。楽しい生活。めんどうな生活。いろんな毎日。
参加カテゴリー
更新頻度(1年)情報提供38回 / 71日(平均3.7回/週) - 参加 2009/02/20 11:26

みっひ さんのブログ記事

  • はつかぐさ 23
  • *** 揚羽の部屋に残る香。彼女に与えた、着物や絵草紙、すべてを畳の上に投げ出す。そこに残った、微かなこの甘ったるい香りが許せなかった。 自分のせいで彼女は、窮地に陥れられて。相手は馬鹿だとしか思えないが、あんな書状を送ってきて俺を脅している。脅しだと明言されていた書状。揚羽を傷つけるところまで出来ないと分かっていても、もし違ったら?そもそもこんな風に揚羽を攫ったのだ、傷つけない保証な [続きを読む]
  • はつかぐさ 22
  • *** 「ん………」 じっとりとしているのに粉っぽい独特な古い物の匂いが鼻についた。目を開けてみるけれど、見えるのは暗闇。冷たい床の冷え込みに、目覚めたての私はゾクリと寒気を感じた。体をおこそうとすると、気怠い筋肉痛のような重みが体中にあって、うまく起き上がれなかった。次第に慣れてきた目にうつったのは、沢山の木箱や葛籠。高い天井に高い位置にある小窓。 (蔵………?) 身じろげば、 [続きを読む]
  • はつかぐさ 21
  • ***慶喜さんの帰りを待ちながらため息をついた。このところの私は、街中に遊びに行くのはもちろん、屋敷の中をうろつくのも…制限されているわけではないのに、出かける前の日の事を思い出すと、どうしても控えてしまう。そうして必然的に部屋にこもる日が多くなってしまっていた。すると、こんな風に考えこむことが多かった。 私ができること。一緒にいるときの慶喜さんは穏やかで、それが息継ぎの時になっているのだと [続きを読む]
  • はつかぐさ20
  • 活気のある通りまで出たところで慶喜さんは何か思いついたようだった。 「あっちの方だったかな。おいで」 慶喜さんが足を止めたのは間口の広いお店の前だった。中に入れば、広い店内には細かい引き出しのついた収納がいくつも並んでいる。まだはやい時間なせいか客は私たちだけで、すぐに店の主人が対応にやってきた。 「簪を見たいんだけど」「どういった感じのものをご覧にいれましょう?」「牡丹の花のものが [続きを読む]
  • はつかぐさ 19
  • *** 「よし。無事に抜け出せた」 屋敷の玄関ではなく、庭をぬけて人目を避けるよう門を出て城下の人ごみに紛れるようにしたとき、慶喜さんが私を振り返って悪戯な顔を見せる。それに答える私の笑みも同じように悪戯な顔だった。 ほんの少しだけ感じる後ろめたさと、それよりも感じるのは自由な解放感。家にいる頃も、人目を忍んで一人で屋敷を抜け出したりしていた。目的もなく、人を見ながら歩いたり。 [続きを読む]
  • はつかぐさ 18
  • 一つ前の17.5話は 読まずに進めてもお話はつながります *** 出かける約束が明日となった日。慶喜さんが待ち合わせに指定した木のある池のほとりを呼里さんと共に散策していた。待ち合わせの場所を目にして期待に胸がふくらむ。 「どうされました?」 呼里さんが歩みをとめた私に声をかける。私は何でもないと首を振った。 約束をした夜。慶喜さんが来たときに持ってき [続きを読む]
  • はつかぐさ17
  • *** その夜が明け、俺は揚羽と江戸へ戻ってきていた。 ・・・ 「揚羽。ただいま」 襖から羽織袴姿にきっちりと髪を結いあげた慶喜さんが機嫌のよさそうな顔をのぞかせ、慶喜さんの後ろから秋斉さんも続いて部屋に入って来る。夕餉の少し前の時間。慶喜さんは屋敷に帰ってからずっと忙しいけれど、こうやって夕餉を一緒にとることが日課になっていた。 「おかえりなさい」「ただいま」 部屋に入 [続きを読む]
  • はつかぐさ16
  • *** 「ねぇ、お願い」 慶喜さんは喜色を浮かべて私に笑いかける。囁きこまれる声が魅力的に甘い。 私には帰る場所があったのに、慶喜さんと想いが通じて帰らない道を選んだ。 この嬉しそうな顔をもっとみたい。あの寂しそうな顔をどうにかしたい。それだけじゃなく、指を伸ばして触れてみたい。 引力のように惹きつけらて、いままで知らなかった気持ちを味わう。慶喜さんの一挙手一投足、たと [続きを読む]
  • はつかぐさ 15
  • ***まわりは寝静まった静かな旅籠の部屋。明日からの移動を考えれば早く眠らなければ。そう思いながらも、想いを伝えあった二人はそう簡単に眠ろうとは考えなかった。いくら話していても尽きない。だけど、ある話題をきっかけに、揚羽の表情が曇った。俺と一緒に来てくれるために、揚羽の家族に話をしにいかなけばならないと申し出た瞬間のことだった。たとえ結婚を逃げ出した娘だとしても、このままさらって行くことが正しい [続きを読む]
  • はつかぐさ14
  • *** 腕の中にいる人が愛おしい。二人で座り込んで抱き合って、暖かくて、この瞬間が永遠に続くような錯覚すら覚える。だけど、終わりはくるのだ… 「揚羽」 名前を呼ばれて、抱き合っていた体をはなして顔を見合わせる。私は終わりはここかと一瞬瞳をぎゅっと閉じて、覚悟を決めて再び開けた。 「ねぇ、揚羽…」「はい」「俺は明日には帰らないといけない…」 慶喜さんの決別であろう言葉に、 [続きを読む]
  • はつかぐさ 13
  • *** 「それで、いいのかな…?」 耳元で聞こえた声は、苦しさをはらんでいる。私に話をしてくれる慶喜さんは、重すぎる苦しさを軽くみせかけて言葉にしているように感じた。 「私は、そんなふうに誠実で真摯で優しい慶喜さんのこと好きです。きっとあの秋斉さんだって、心配そうに迎えにきてくれたんです…他の人だって、そう思っている人はたくさんいます」 慶喜さんは将軍になる人だって、私は知ってる [続きを読む]
  • はつかぐさ 12
  • *** 私の家の裏手の山へは細い人が通れるように手入れされた道があった。手にした提灯の灯りが道の脇に生えている紅葉の赤と黄色をゆらゆらと照らしている。慶喜さんは私の手を引いて緩やかな山道をゆっくり登っていく。 「ここに何があるんだろう」「ここは…母が手入れをしていたんです。亡くなってしまったので…それから来ていないので久々に来たんですけど、きっと、喜んでもらえるとおもいますよ」 少し [続きを読む]
  • はつかぐさ 11
  • ***慶喜さんに誘われて、行きたいと思ったのは、鶴岡八幡宮の参拝でも茶屋の団子でもなかった。浮かんできたのは家族との思い出の場所。母が亡くなってから、行くことのなくなってしまった場所へ、行ってみたいと思ったのだった。幸せな思い出の詰まった場所。 旅籠に戻って防寒着の準備などをすませても、出かける予定の夕刻までにはまだ少し時間があった。 「そうだ慶喜さん。カメラはどこにありますか?」 [続きを読む]
  • はつかぐさ 10
  • *** 秋斉を見つけて身を隠し、通り過ぎるのを待っていれば、秋斉は揚羽に声をかけた。2人はにこやかに短い会話を交わし、すんなりと分かれた。 (知り合い…?) 秋斉が立ち去って、まだその背中が見えるほどの距離のうちなのに揚羽のもとに戻る。 「あ、慶喜さん。はやかったですね」「うん。ねぇ、揚羽、誰かと話してた?」「……あ、はい。ちょっとした知り合いに会って」「そう………」 どうい [続きを読む]
  • はつかぐさ 9
  • ***「帰る」と言えなくなってしまった。 帰れない。帰れる。それ以前に、その誘いに抗えなかった。 熱から目覚めて見回した旅籠の部屋には、私を看病してくれた痕が色々と見て取れた。ぼんやりした記憶に、ずっと側にいてくれた慶喜さんの姿もある。握られていた手を驚いて振り払ってしまった時、慶喜さんはすごく寂しそうな顔をした。あの顔を私は見たくない。出かけようという嬉しそうな笑顔には逆らえなかっ [続きを読む]
  • はつかぐさ8
  • ***揚羽の眠る布団の横で手を握ったまま眠っていた俺は、揚羽の起き上がる気配で目を覚ました。顔をあげると、揚羽が上半身を布団の上に起こして座っていた。 「おはよう。熱は下がったみたいだね…つらいところは無いかな?」 身を起こして声をかけると、熱の引いた澄んだ目をした揚羽がビクリと俺とつないでいた手を強張らせた。既視感とともに、胸に矢が刺さったようにズキンと大きな痛みを感じた………俺は、た [続きを読む]
  • はつかぐさ7
  • *** ぼんやりとした意識の中、ときどき目が覚める。発熱して光りそうなくらい熱くて。額にひんやりした物が触れたのを感じて。そっと手をにぎる安心感を感じて。いつも、目が覚めるとそこには慶喜さんがいた。 とてもとても心配そうな。不安な子供みたいな目をした慶喜さん。 私が目を開けたのを感じると「大丈夫だよ」と優しく微笑んで言ってくれる。それで私は安心して、また目を閉じる。 [続きを読む]
  • 二十日草閑話1
  • 前に2ルートつくって書いたお話。1ルートが下書き放置でした。スミマセン。 やっと復活する気になりまして。読み直したところ〜加筆修正9割みたいになってます! あの頃書きたかったはずのこと、ちょっとは上手に書けるようになったかな。 慶喜さん、数え年じゃない実年齢でいくと16、7くらい?当時作った年表が行方不明なので、ゆるふわでご容赦ください。 まだ若くて、たまにいろいろ崩れちゃう。い [続きを読む]
  • はつかぐさ6
  • *** 家に戻る道中。私は恐怖の混じった焦りを感じていた。 進めば進むだけ、記憶と差異のある景色が目にはいる。あるはずの田畑が無かったり、知っている家の形が違ったり。 自然と早足になって家にたどりつく…家に辿りついてみて、その違和感は違和感で済ませられないものになった。庭に竜胆が咲いている。竜胆の花の側に親子の姿。俯いて顔は見えない。私の全身がドクドク音をたてていた。家から少し [続きを読む]
  • はつかぐさ5
  • *** これは………どういう気持ちだろう。 揚羽の頬に添えた手と彼女の視線。もっと触れたら、満たされる? 自分の物にしてしまいたい?欲しい? 欲しいって………本気で?自分でわからない気持ち。今日は、こんなことばかりだ。 指先に力を入れれば、揚羽は怯えて瞳を閉じた。それを見て、後悔する。 謝るべきか、ごまかすべきか、迷って。結局はすべて白状してしまった。 本当に、今日の [続きを読む]
  • はつかぐさ4
  • 俺の手のせいでこちらを向いているのに、揚羽の瞳は俺をうつさず物思いにふけっている。 切なそうに諦めたように熱を秘めて相反するような複雑さは繊細な均衡を保っていた。またひとつ。新しいひどく俺をひきつけるその表情。 彼女自身をもっと知ってみたいという欲がジワジワと湧き上がってくる。強引にでも………そう思ったのは、今日の俺には掛けるべき箍がなかったせいだろう。 すでに触れているのと反対の頰 [続きを読む]
  • はつかぐさ3
  • *** 慶喜さんの第一印象は驚きで。すごい勢いで走って来た馬が波打ち際で急に止まって、背に乗せていたものが投げ出され、それが慶喜さんだったのだ、驚く以外にはないと思う。それから、姿を見て息をのむほど綺麗な人だと思った。色素の薄い長い髪は後頭部の高い位置でひとつに結い上げられていて、そこから海水が雫となって落ちていた。少し高い柔らかな声が耳にここちよくて話し方も穏やかで優雅。その声を発す [続きを読む]
  • はつかぐさ 2
  • 2話。 *** 浜から見えた街道には大小いくつかの旅籠があったが、湯の使える宿を選んだ。揚羽を湯にやって、俺も冷えた体を暖めに湯を使った。 ここは鶴岡八幡宮の近くらしい。城から鎌倉まで、一目散に、けっこうな距離を駆けてきたようだ。 湯でゆっくりする気にはなれず、早々に借りた部屋に戻って、することもなく下に見える街道を行き交う人の姿を見る。鎌倉詣でに来た客なのだろう。晴 [続きを読む]
  • はつかぐさ 1
  • 3年ぶり?くらい?下書きのままだったお話。初書き慶喜さんは、書きたいって読み直したら ひどかった!書き直してたら、どんどんキャラクターまえと違ってきましたが、いまの私が書くとこうなるんだな〜ってことでどんどん書き直し。 最終着地、下書き通りにいかない気がしてきましたが。 もう、あげちゃう。自己規制(?)含めて。 でも、もう慶喜さんであって慶喜さんじゃないです。艶とイコールだと思わず、 [続きを読む]
  • 自分利用?囁き声くらいの音が出ます
  • 口パク動画で、やっぱり声を入れてみたくて。もう、やってみたかっただけ。手持ちの音源で おまえ 呼びは あんまりなくて。この声があってるのかわかんないけど。やってみたかったんです〜音量MAXくらいじゃないと聞こえないかもしれません。しばらくしたら消しまーす [続きを読む]