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機神 yelow sol編 https://blog.goo.ne.jp/casper1007

架空世界の戦記、陰謀、勇者物語です。

現在、連載中。見てやってくださいまし。

いなばえまな
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2009/07/12

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  • 手が・・・、握って引き寄せるだけのことが。

    邂逅の中に居た。無意識に手を握り、引き寄せる。しかし、それは夢だったのだ。だから頬に伝う何かしらの感動も、この僕を癒し励ますものではありはしない。100万の老人が居た。寂寞の100万が、ただその大きな部屋の中に敷き詰められていた。見送る眼差しも冷え切り、部屋もひどく寒い。応援に行くよ。と、コウシが言った。それで僕は一つ安心した。彼は怒っていたわけではないのだ。僕達が複雑に感じていた気持ちがその時消えたのが分かった。さよならが充満していた。桜は早い開花を迎えた。何もかもが、終わったのだと思った。楽な道を歩いたものだ。思えばずいぶん、安易な言葉に浸かってきたものだ。ポチャポチャとポチャポチャと、ただ右往左往と。片道切符ですよ。駅員さんが言った。行き先は?と僕は訊ねた。大阪です。大阪のどこです?大阪のどっかですよ。い...手が・・・、握って引き寄せるだけのことが。

  • 一粒

    ここは別天地だ。和也が言った。蒼穹が走る。魔弾が閃く。ライオネル・・・ここはどこでもない。古里ではないのだ。恋は儚い。例えそれが人より10年も遅れた初恋であったとしても。夢中になれば、謂れの無い罪になる。君は寂寞。小さな背中に影の尾ひいて。泣くなよ、ライオネル。君はまだ、小さなネズミのままなのだ。この場所には無い。あそこにも、そっちにも無い。どこにもありはしないのだ。何を読むことも無い。あらゆることが心無い識別の眼差しに感じるのだ。苦しいのだ。眠れぬ夜を恐れ、排他的な目に晒され、そして最後に彼は笑った。卑屈になるなよ、そんな顔で、誰も喜びやしないのだよ。君の恐れの表情は、人に理解などされやしないのだよ。不安なやつだって言われる。不安なやつだ、まったくもって、不安なやつだ。まず一粒、星をくれ。一粒あればそれで10...一粒

  • 画像をネット上で確認する為の記事

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  • びりーあんせむ

    ねぇ、アンセムどこへ行くき?日差しの中さばかみたい。ビリー、そこは雨だ。びりーあんせむ

  • 三つの世界 2 (3)

    「それでは、今回のことは誤解をなさらぬようにお願いいたします。」別れ際にカルロはもう一度丁寧にそう言った。リベルチャイは頷いてカルロの肩を抱いた。「いや、代表。会えて良かった。あなたはなかなか見所がある。慎重さも。何より狡猾さが無い。それはいずれ信望となるでしょう。」その日は今すぐにでも館に帰ってそのまま床に就きたい気分だった。長い移動もあるが、リベルチャイと言うオーラのある男と何時間も肩を並べて話していたことは自分が思っていたよりもずっと体力を消耗するものだった。館に戻ったのは実際には3日後だった。戻るとアミュレッタといくつかの会話をした。これで無事に事が済むということ。これからもこのような事態が起こりうるので、軽率な行動はとらないこと。そういう分かりやすい確認作業のような会話だった。それから何ヶ月が過ぎただ...三つの世界2(3)

  • 三つの世界 2 (2)

    すると彼女は数秒間、じっとカルロと目を合わせてから、一回ゆっくりと瞬きをしてこう答えた。「できないということは今ですら無いのです。最初からずっと。このあたり一帯の資産はすべてカルロ様の名義なのですから。ただ・・・。」「ただ、なんだ?」「ただ、この城を守っている兵隊達は他の役員からの借り物なのです。ちなみに、私たち館の管理を任されている者も、カルロ様の身の回りの世話をさせていただく者もすべて、カルロ様との契約関係におりません。」「そうだったのか。」「はい。資本の経営には三つの力が必要です。一つは資産力です。もう一つは人材力です。そして最後に軍事力です。カルロ様はこの三つの力のうち、資産力のみを有しています。しかし、その資産を動かす人材は他の役員が内で育てた者で支えています。資産を守るための軍事力も同じです。カルロ...三つの世界2(2)

  • 三つの世界 2 (1)

    2相手側、サーブ。打点は右肩の上、斜めに振り切ったのを見た。軌道が縦に曲がりそうだと感じ、スライスだと思った時には、左斜め前に4歩走っていた。ラインギリギリにバウンドする球、バックハンド、レシーブを決めた。低めにスライドをかけて用心する。相手、追いつく。目と目が合う。掬い上げる手首の軌道で球が四歩右へ短く落ちるのが先に掴めた。半歩の距離まで追いついていた。跳ね上がりざまをアッパーのように打ち返す。右足の膝がずしりと沈む。ドライブをかけた。正面がら空きのサービスラインを見ていた。球は真っ直ぐにその方向へ弓なりに向かった。相手、大またで三歩の距離、飛び込むようにしてバックハンドで追いつく。ボレーがあがった。球種、フラット、頭より高い位置でネットを悠々と越えてきた。チャンスボールだった。飛び上がっていた。背筋を弓のよ...三つの世界2(1)

  • 三つの世界 2 (2)

    そこには大きな卸売り市場や商店もあった。子供の頃、よくこのあたりに出没していたのを懐かしく思った。その頃とはいくらか景色も変わっていたが全体的には同じ印象だった。そこでピピンは車のクラクションに驚いて我に返った。振り返ると一台の黒い高級車がピピンのすぐ後ろに止まった。中から一人の老人が出てきた。その顔には見覚えがあった。老人は近づいてきて杖を持つ方の手を軽く振った。付き人のようなガードマンのような男が二人ついていたが、老人に制されて、車の脇で待機していた。「あなたはあの時の。」「ああ、君に助けられた。こんなところで会えるとは、思ってなかった。縁があるな。」バス停でおじいさんが倒れた。試験が台無しになったのがそのせいだとは思っていない。完全にピピンの不注意がいけないのだ。老人はあの時のおじいさんだった。「私の名前...三つの世界2(2)

  • 三つの世界 2 (1)

    2目を開いた。暗い部屋だ。もう何時間くらい経つだろう。二時間、いや三時間も経つだろうか。もっとかもしれない。二段ベッドの天井。いつもより迫って見える。風が窓をたたく音。友たちの寝息。指がシーツに触れている。足のかかとも、頭も背中も尻も。自分の呼吸すらも。すべてが顕示的に感じる。穏やかでないとは思わない。あくびも時々出る。ふとすれば眠れそうな気もした。再び目を閉じる。肉体が水のようなものになるイメージをやってみたり、夢のような景色を思い浮かべてみたりもする。それでもダメで、じっと、考えないことを考える。脳を休めなければいけなかった。目蓋の裏の暗闇に帰ってくる。不快なほど明るい暗闇に。頭の隅に眠らなければならない自分を監視する自分がいる。本番の前日や二日前は何もやらないのが常識だった。でも結局、やってしまった。それ...三つの世界2(1)

  • 三つの世界 3 (2)

    このところ、研究所内には不穏な雰囲気が立ち込めていた。マクベル所長などは時々見かけると頭を抱えて何か考え込んでいたりした。レイザウス博士の顔を見ると逃げようとさえするほどだった。博士はある日、マクベルを追いかけてとっ掴まえるとどういうことか詰め寄った。そして聞き出したところ、驚くべきことに研究所の資金が打ち切られようとしているというじゃないか。「一体どういうことだ?」さすがの博士もこればかりは動揺しないわけにもいかなかった。オーバーマンのプロジェクトで政府には貢献しているつもりだった。それがなぜだ。「ベルグ・フロストだ。」第二階級であるネレイロ層の指導者の一人だ。ジョーイ・ガルド元帥の懐刀である。マクベル研究所は派閥の傘下であり、長い間懇意にされてきたはずだ。「ベルグがどうして急に?」「戦況がますます悪くなって...三つの世界3(2)

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