モリエール山梨 さん プロフィール

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モリエール山梨さん: 猫の後ろ姿
ハンドル名モリエール山梨 さん
ブログタイトル猫の後ろ姿
ブログURLhttp://ameblo.jp/e-no4765/
サイト紹介文映画・演劇・絵画・工芸などなど、モノをつくりだす人への敬意と親愛をこめて。
参加カテゴリー
更新頻度(1年)情報提供135回 / 365日(平均2.6回/週) - 参加 2009/07/13 06:53

モリエール山梨 さんのブログ記事

  • 猫の後ろ姿 1854 「戦時徴用船の最期 大久保一郎遺作展」
  •  大久保一郎。戦時下の美術について調べているにもかかわらず、僕はこの画家のことを知らなかった。 先の大戦下に物資及人員の輸送の為に、民間の船舶が国家によって徴用された。この「戦時徴用船」はもちろん武装しておらず、敵航空機および潜水艦の攻撃によって多くの船が沈められた。 大阪商船(現・商船三井)の岡田社長は、大久保一郎に「戦時徴用船」の最期を描き残すことを命じた。もちろん、軍事機密に関わることであ [続きを読む]
  • 猫の後ろ姿 1853 なぎら健壱『下町小僧』
  •  なぎら健壱さんは、昭和27年・1952年、東銀座の木挽町生まれだそうです。その頃、あのあたりは東京の下町のくらしが息づいていたそうです。 東京の下町に育ったひとりの少年の眼に映った、昭和30年代の風物が見事にこの本には書き残されています。 僕は昭和29年・1954年生まれで、山梨県甲府市の伊勢町に育ちました。そこは、決して豊かとはいえない人々が群れ生きている街でした。父はひとりで商いしておりましたので、つ [続きを読む]
  • 猫の後ろ姿 1852 酒井忠康『芸術の海をゆく人 回想の土方定一』
  •  土方定一を、その近くにあってその人間としての在り様に触れた酒井忠康氏が深く鋭く語る一書。次のような土方定一の言葉が引かれていた。 <絵画の背後にある人間がいつでもこういうふうに正直に現れることを信じていなければ、私は美術批評などしない>。 作品は人間がつくり出すものであり、そこには当然その人間そのものが正直に現れる。そのことを信じているからこそ、その作品に対する批評がなし得る。  「信なくば立 [続きを読む]
  • 猫の後ろ姿 1851 なぎら健壱『町の忘れもの』
  •    この表紙の写真をはじめて見た時、「ああなつかしい」と感じた。もうすぐ消えていってしまうであろうものを探してカメラ片手になぎらさんは町を歩く。記憶の底に眠っているものを目覚めさせてくれるようなモノの最後の姿を記録にとどめようとなぎらさんは歩く。その町歩きの中で見つけた大切な風景がここにある。   「物干し台」。なぎらさんが幼稚園の頃、雪が降った日、お父さんが「物干しに行ってごらん」といいまし [続きを読む]
  • 猫の後ろ姿 1850 白川静『孔子伝』三読
  •   白川静『孔子伝』。2冊目を買って、まっさらのこの本を読み直す。同じ山でも、登る道が違えば、山の印象は全く違う。本も同じ。3回目だけれど、また改めて感じるところ、考えるところがあった。 孔子は、血縁的共同体として強い伝統をもつ貴族社会がすでに解体崩壊の寸前の時、新たな巨大な国家、ノモス権力の生成を目の当たりにして、崩壊と生成の中間期に生きた。その崩壊と新たな国家の圧政の両者を克服しうる方途を求 [続きを読む]
  • 猫の後ろ姿 1849 なぎら健壱『町の残像』
  •  なぎら健壱、昭和27年生まれ。僕より2つ上ということになる。ほぼ同世代、同じ時を生きて来たといったら言い過ぎか。 この国の昔の方がよかったとは決して言わないが、今こうあることを寂しく思っていることが、この人の言葉のなかに、時折ちらっとうかがえる。 この国は明らかに衰退にむかっている。なぎらさんの言葉を借りれば「末枯れた風情」が、この国に広まりつつある。 <末枯れた風情があたしの琴線に触れるとい [続きを読む]
  • 猫の後ろ姿 1848 京大・地塩寮 中島先生追悼
  • 京都大学YMCA 地塩寮 会館 ヴォーリズ設計   大学生活のうちの4年間を僕は「地塩寮」という名の寮で暮らした。YMCAの所有するものではあったけれど、寮の維持・運営は在寮学生の自治にゆだねられていた。京大YMCAの先輩・現役教官からなる理事会と協議しつつ運営されていた。その理事長が中島先生であった。中島先生の追悼文集が出されることとなった。僕もこのような短いものを書いた。収録に間に合うことを心から願 [続きを読む]
  • 猫の後ろ姿 1847 スクエア展
  •   今年の「スクエア展」。西沢武徳さんの作品を特設展示している。  西沢さんは亡くなった奥さんを思いながらガーベラを描き続けている。 絵を描くことは、自分の魂を鎮めることであり、大切な人の魂を鎮めることでもある。 絵は鎮魂の業なのだとあらためて思う。 [続きを読む]
  • 1846 中江丑吉という人間
  • 中江丑吉(1937年3月 北京 鈴江言一撮影)   『中江丑吉書簡集』を読んでいる。 ゆっくり読みながら、考え、思う。北京の青い空を思い描きながら読む。 このような人がこのように生きた事が、今の僕にはとても心の支えになる。 中江丑吉とはどんな男だったのか。木下順二と阪谷芳直の言葉を借りておきたい。木下順二: 「中江丑吉は何か非常に大きなもの、人間の力を超えるある高いものと対峙し、その対峙が生みだす [続きを読む]
  • 猫の後ろ姿 1845 宮崎正義という男
  •   宮崎正義。戦前、1930年代に、ソ連の五か年計画をモデルにして、日本の「総力戦体制」を構築するために、官僚主導による生産力成長路線を企画した男。石原莞爾とも深いかかわりのあるこの男の事をもっと知りたい。この日本という国の在り方を考える手掛かりがここにある。 この本、その宮崎正義の生涯をたどる本なのだが、この中に、今まで僕が疑問に思い続けて来た事に対する一つの答えが書かれていた。 僕が抱き続けてい [続きを読む]
  • 猫の後ろ姿 1844 加藤一雄『蘆刈』
  •   先日、加藤一雄さんの小説『蘆刈』をネットで検索したら出品されていたので、購入した。何年も探していて、全然入手できなかったので、図書館で借りて、全頁コピーして製本して、もう何度も読んだ。それがやっと手に入った。 文学史上、著名な作家・作品でもないのに大げさなと云うご意見もおありでしょうが、私個人にはなにものにも代えがたい、大切な作品なのです。 富士正晴さんが「おいしい小説」という一文でこの作品 [続きを読む]
  • 猫の後ろ姿 1843 小出裕章講演会 明日、甲府で
  •  明日、甲府で小出裕章氏の講演会がある。演題は「廃炉への課題」。 主催:市民大学「一柿塾」 会場:「みどり・山梨」事務所    甲府市小曲町1255−2 日時:2017年6月17日 13:30〜15:30 参加費:200円 原発廃炉のためには専門家の知識と技術と経験が必須。原子力エネルギー生産の研究者に、廃炉に関する研究と実践を要請する事。これは一見、彼らに自己を否定することを望んでいるかのよう [続きを読む]
  • 猫の後ろ姿 1842 『中江丑吉の肖像』
  • どうもここ最近の日本の国は誤った方向、端的に言えば、他国との敵対と戦争への道をたどっているように僕には見える。「戦時下をいかに生きるか」。この問いが、今の僕には最も緊急の課題となっている。戦時下をまっとうに生きるための指針を得たいと思う。ひとつの手がかりは、「中江丑吉」という人。 中江兆民の子であり、1942年のその死まで、長く中国・北京に暮らしたこの一人の求学者。非常に魅力的な人物であ [続きを読む]
  • 猫の後ろ姿 1841 『浅川伯教朝鮮古陶磁論集』校正中
  •   浅川伯教・巧兄弟資料館発行の『浅川伯教 朝鮮古陶磁論集』の編集のお手伝いをしている。 浅川伯教の朝鮮古陶磁に関する論文を集めたこの本、将来のものづくりを志す人達に読んでもらいたい。だからこそミスの無いものにしたいという思いで、昨日・今日、目薬を差しつつ、小さな文字と取り組んでいる。 どんなにミスの無いものをとがんばっても小さなミスは必ずある。それでも、小さな文字を追い続ける。最善のもの [続きを読む]
  • 猫の後ろ姿 1840 「秋だから」
  •               https://youtu.be/cYBMCDjmDAs  「秋だから」 長谷川きよし 曲・歌、葵梨佐 詞。 先々週のゴンチチさんのFMの番組で初めて聴いて以来、この歌が忘れられず、時折、心のなかにこの曲が流れている。長谷川きよしの声がいい。詞もメロディーもいい。秋だから ひとりであてもなく街を歩いてみたいの落葉の舞う 舗道を コツコツとなる靴音だけを ききながら秋だから 暖かい コーヒーをひ [続きを読む]
  • 猫の後ろ姿 1839 「日本は日本人がほろぼす」
  •  6月2日の衆院法務委員会において金田法相は、「治安維持法」違反に問われた人々への損害賠償をするべきではないかとの質問に対して次のように答弁した。 「治安維持法は、当時適法に制定されたものでありますので、同法違反の罪にかかります勾留・拘禁は適法でありまして、同法違反に関わる刑の執行も、適法に構成された裁判所によって言い渡された有罪判決に基づいて、適法に行われたものであって、違法があったとは認 [続きを読む]
  • 猫の後ろ姿 1838 『友川カズキ独白録』
  •  うかつに手を出してはいけない本がある。これだ。たった一人で、火だるまになりながら、走り続ける表現者・友川カズキ。 トモカワの言葉に、時に怒り、時に戦慄し、そしてあまりにおかしくて笑う。そんな彼の言葉を抜き書きしておきます。 トモカワにうかつに手を出したら、もう抜け出せないぞと警告しておきます。・ひとりでなければなんにもできない。・表現者の端くれとしては、「ひとりである」ということがすべて [続きを読む]
  • 猫の後ろ姿 1837 「快慶」展 奈良国立博物館
  •  京都の友人N君から、奈良国立博物館で開催中の「快慶 日本人を魅了した仏のかたち」展に行って来たとのメールをいただいた。 学生の頃、週に一度、清水善三先生の引率により関西圏内の美術作品を現地で実見するという贅沢な講義があった。 ある年のテーマが「快慶」だった。京都市内はもとより、兵庫県や高野山まで快慶を見て回った。 N君は医学部生だったけれど、この実地見学の講義に一緒に廻った。 今思えば、現 [続きを読む]
  • 猫の後ろ姿 1836 「共謀罪」審議音読
  •  昨日の朝日新聞に興味深い記事があった。「広がる『共謀罪』審議音読−臨場感伝える再現 問題点の検証も」。 わかりにくい国会の質疑を自分の声に出して読んでみて、自分の頭で考えようということらしい。 国会中継を観ているだけでは、よくわからない。自分で読んで、声に出してみると、国会での審議なるものがいかにあいまいでいい加減なものであるかがよくわかる。 今の政治問題を自分の問題としてよく理解し、と [続きを読む]
  • 猫の後ろ姿 1835 岩合光昭 猫を知れば、世界が変わる
  •  昨日、NHK総合で「プロフェッショナル 仕事の流儀 動物写真家・岩合光昭」を観た。 岩合さんという人はなんともチャーミングな人だ。始めて会った野良猫が、岩合さんの方にどんどん寄って来て、頭の上にちょこんと乗っかったりする。猫には岩合さんが、ごく親しい存在であるかのようだ。 この地球に生きる「生命」の仲間として、猫という形、人間という形をしているけれど、おなじ「命」を生きる存在であることに [続きを読む]
  • 1833 猫の後ろ姿 「よみがえる わが町の記憶」
  •  5月21日、NHK総合テレビで、「よみがえるわが町の記憶〜岩手・陸前高田〜」 を見た。 岩手県陸前高田市の閉鎖中の小学校で、陸前高田市立博物館に収められていた文化財の修復作業が進められている。 その99%が市民から寄贈されたもので、「長襦袢」、使っていた少年の名前が記された「教科書」、イワシの油を搾る桶等々。国宝とか重要文化財などではなく、ひとびとの暮しの中にいきてきたものばかり。56万の寄 [続きを読む]
  • 猫の後ろ姿 1832 田村志津枝『李香蘭の恋人』
  •  李香蘭とその恋人・劉吶鴎。 日本人であることを隠し、中国人として女優をつづけた李香蘭。台湾に生まれ、日本の台湾占領により日本国籍をもたされたが、上海において中国人として映画製作にかかわった劉吶鴎。 戦時下に「国と国のはざまに生きた」このふたりの物語。非常に興味深いものだった。 30年代「満洲」と上海を舞台とする複雑な政治的・文化的状況を垣間見ることが出来る。「映画」はこの時代、最も大 [続きを読む]
  • 猫の後ろ姿 1831 大久保一郎 戦時徴用船を描く
  •    「戦時徴用船〜知られざる民間商船の悲劇〜」(2014年2月8日NHKテレビ)を見た。 「大東亜戦争」時、民間の商船が、軍事物資および兵員の輸送に徴用された。米軍の飛行機・潜水艦の攻撃により撃沈された船数およそ2500隻。戦死した船員6万人。一般船員の死亡率は43%で、海軍軍人の2倍以上にのぼったという。 大阪商船(現・商船三井)は、3年半におよぶ戦争で200隻あまりの船と4000人以上の [続きを読む]