水本爽涼 さん プロフィール

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水本爽涼さん: 水本爽涼 歳時記
ハンドル名水本爽涼 さん
ブログタイトル水本爽涼 歳時記
ブログURLhttp://s-mizumoto.cocolog-nifty.com/blog/
サイト紹介文日本の四季をベースに中・短編小説、脚本、エッセイなどを綴った小部屋
自由文一応は、作家ですか? ^o^ (そこは、「か」は、いらない)
参加カテゴリー
更新頻度(1年)情報提供373回 / 365日(平均7.2回/週) - 参加 2009/08/19 10:31

水本爽涼 さんのブログ記事

  • よくある・ユーモア短編集−2− お天気変化
  •  今朝は、よく晴れたな…と、パジャマ姿の芋皮(いもかわ)は、焼きあがった焼き芋のような美味(うま)そうな顔で空を見上げ、欠伸(あくび)をした。こんな天気がいい日に家の中で燻(くすぶ)っているというのも、いかがなものか…と、芋皮は政治家の答弁のように偉そうに思った。そのときである。急にドカァ〜ン! ズシィ〜ン! と家の外から響くような騒音がした。ご近所迷惑もいいものだっ! と芋皮は怒れてきた。すると [続きを読む]
  • よくある・ユーモア短編集−1− その場しのぎ
  •  こうしよう! と思って出かけたものが、そうならなくなることは、確かによくある。 今日の舟川の場合がそうだった。終ったときはすでに黄昏(たそがれ)る頃で、しかも何をやっていたのか、皆目(かいもく)分からないような無意味な一日となっていた。舟川は、ほうほうの態(てい)で家に帰り着いた。就寝前、舟川は風呂を浴び、ふと考えた。俺の何が、いけなったのかと…。 朝の10時過ぎ、舟川は地下鉄に揺られ、傘を買お [続きを読む]
  • サスペンス・ユーモア短編集−100− サイバーマン
  •  世の中にはサクッ! と軽く、サクッ! とノルマ分の捜査を熟(こな)し、定時には消えていなくなる・・そういう割りきったサラリ-マン捜査を心がける刑事もいる。捜査第二課の軽井がそうだった。軽井は今の時代、注目度が非常に高い知能犯捜査の係に配属されていた。いわゆるサイバー犯罪対策班の一員としてである。軽井は緻密(ちみつ)な頭脳に恵まれ、電子機器関係は学生当時から得意としていたから、その腕を買われた・・ [続きを読む]
  • サスペンス・ユーモア短編集−99− カラスの足は黒くない
  •  ここ尾亀(おかめ)署が建つ一角はカラスの大繁殖で至る所が糞(ふん)だらけになっていた。駐車場は申すに及ばず、ベランダ、最上部の屋上・・と、悪臭が漂い、捜査会議などが開ける状態ではなかった。会議に臨む刑事課の全員が背広姿にマスクでは、なんとも様(さま)にならない。そんなことで、でもないが、署内に換気装置が新たに設置されフル稼動する事態に立ち至っていた。「おい、室畑(むろはた)! 今日はお前の番だっ [続きを読む]
  • サスペンス・ユーモア短編集−98- 投げ出したくなる捜査
  •  長い刑事生活の中では、いろいろな事件が発生する。長川がつい半月ほど前に捜査した事件がそうだった。「あんたね。こんなとこにいられちゃ困るんだよっ! それに、臭(くさ)いしさぁ〜、なんとかならないのっ!?」 ビルの一角にダンボ―ルを一枚引き、浮浪者の風体(ふうてい)を装(よそお)って張り込んでいたときや、事情を何も知らないガ―ドマンにそう言われたときなど、思わず切れかけたことがあったが、そこはそれ、グ [続きを読む]
  • サスペンス・ユーモア短編集−97- それでも捜査する理由
  •  韮皮(にらかわ)署の捜査本部は一部の捜査員を残し解散した。犯人と思(おぼ)しき手配中の重要参考人、肉身(にくみ)が見つからず、行座(ぎょうざ)川 溺死(できし)事件の捜査は、暗礁(あんしょう)に乗り上げたまま時効が迫っていた。無論これは、溺死者が何者かにより殺された、あるいは死に至ったと考えた場合であり、科捜研や鑑識の必死の証拠収集にもかかわらず、めぼしい物証を得られなかった。状況証拠のみでは、 [続きを読む]
  • サスペンス・ユーモア短編集−96- 馬鹿馬鹿しい雑件
  •  鳥旨(とりうま)署の刑事、符来度(ふらいど)は、非番の朝、天気がよいということもあり例年のように神社でお参りを済ませた。というのも、年末年始は刑事にとっては繁忙(はんぼう)で、いろいろ種々雑多な事件が起こるからだ。 鳥旨署の近くまで戻(もど)ったとき、符来度は、妙な身なりの男が道を塞(ふさ)いでいるのに気づき、おやっ? と首を傾(かし)げ、車を止めた。署は目と鼻の先だから、さすがに通行妨害ではな [続きを読む]
  • サスペンス・ユーモア短編集−95- 夢逮捕
  •  非番の刑事、旅出(たびで)は日頃の疲れからか、和室に横たわりながらウトウト・・としていた。点(つ)けていたテレビのニュースが何やら話しているのが聞こえる。旅出はその声を朦朧(もうろう)とする意識の中で聞いていた。『犯人は車のハンドルを奪(うば)って逃走。現在、○△高速道は大渋滞となっています。現場から猪髭(いのひげ)がお伝えしましたっ!』 ああ、そうなんだ…と、聞こえる声に興味が湧き、旅出は薄目 [続きを読む]
  • サスペンス・ユーモア短編集−94- 味捜査
  •  風雲、急を告げる鰻川(うながわ)署の捜査会議が刑事課署員、約40名を一同に会し、行われていた。「いや、代替(だいがえ)品の売り出しは、明らかに我が鰻川署管轄の鰻業者の名誉を傷つけておると考えます。ここは、味がいい点を前面に打ち立て、一歩も引かず、名誉毀損の線で捜査すべきです!」 椅子から立ち上がり声を大きくしたのは警部補の炭火(すみび)である。彼は、最近になり鯰(ナマズ)を高価な鰻の代替品として [続きを読む]
  • サスペンス・ユーモア短編集−93- 犯人は、どっち?
  •  バタバタした捕り物劇が銀屋町署管内の七夕(たなばた)商店街で繰り広げられていた。引ったくり犯と思(おぼ)しき男は40代半ばの男だった。それを追う警官は、非番の休みで、たまたま近くの店で買い物をしていた天川(あまかわ)である。商店街の一角に逃げ込んだのは間違いなかったが、なにせ人通りの多い商店街だけに天川は犯人を捜すのに難儀(なんぎ)していた。逃げていく姿ははっきりと見た天川だが、その男はとてもひ [続きを読む]
  • サスペンス・ユーモア短編集−92- 要領を得ない捜査
  •  棚引(たなびき)署の刑事、雲絶(くもだえ)は刑事課長、月影(つきかげ)の命を受け、食い逃げ逃亡犯、上乃句(かみのく)を追っていた。課長みずから、こんな些細(ささい)なことで課員に捜査を命ずるのはよくよくのことだった。というのも、月影は大衆食堂ヘ入ったとき、あとから入ってきた上乃句に注文の先を越され、腹を立てたのだった。その上乃句が、こともあろうに金を払わず逃亡したのだ。店主は、待てぇ〜〜!! と [続きを読む]
  • サスペンス・ユーモア短編集−91- やさぐれ刑事(デカ)
  •  風見(かざみ)署に、他の刑事達とはどこか一風、違う刑事がいた。何ごとにも無気力な上に投げやりな男で、烏賊下(いかげ)といった。他の刑事達が捜査会議で真剣に話しているときでも、烏賊下はもっぱらダンマリを決め込み、ただ一人、話している警部の姿を手帳に描いているような刑事だった。風見署ではもっぱら、やさぐれ刑事(デカ)と陰で烏賊下を呼んでいた。そんな烏賊下だったから、捜査のときもそう頼りにはされていな [続きを読む]
  • サスペンス・ユーモア短編集−90- 健気(けなげ)な捜査
  •  牧畑刑事は根が実直で健気(けなげ)な捜査を心がける男として獅子鼻(ししばな)署、刑事課では抜きん出て有名な中堅刑事である。彼は出世を目論むでもなく、ただひたすらに事件解決を目指している。とはいえ、正義感に燃えて悪を許さぬ! とかいうお題目を大上段に振り翳(かざ)すのかといえば決してそうではなく、ただただ、被害者側に立った懇切丁寧(こんせつていねい)な捜査・・要するに、健気な捜査に徹しているだけの [続きを読む]
  • サスペンス・ユーモア短編集−89- 困った人々
  •  人通りが多いとある商店街の店先である。眉唾(まゆつば)署の刑事、顎皺(あごしわ)の聞き込みが続いていた。「そう言われましてもねぇ〜。なにせ相手は一見(いちげん)さんですから…」 焼きオムスビ屋の店主、焦味(こげみ)は困り顔で顎皺にそう返した。「いや、それは分かるんです。だから犯人の何か目だった特徴は? なんでもいいんです」「目だった特徴ですか…。私が表へ飛び出したとき…走り去る男は後ろ姿でしたか [続きを読む]
  • サスペンス・ユーモア短編集−88- 戻(もど)ってきた証拠
  •  これという状況証拠も得られないまま、残った餅(もち)の数という唯一の物証により、訴えられる破目になった財宝(ざいほう)に科料の判決が言い渡された。要は、科料であって軽い、軽〜〜い●判決だった。だが、財宝は餅(もち)は自分が食べていないと言い張り、その判決に対し異議申し立てを行ったのである。その餅は限定生産された1個、時価数万円の高額餅だった。財宝の申し立ては次の通りである。「だいたい、食べ [続きを読む]
  • サスペンス・ユーモア短編集−87- 新町交番・捕物控[後編]
  •  え〜〜前編に引き続きまして、お付き合いのほどをお願い申し上げます。 さて、新町交番では巡査の棚下(たなした)と江戸の十手持ち、牡丹餅(ぼたもち)の串八(くしはち)によります口論が続いております。その様子を窺(うかが)うひとつの黒い影。さて、この黒い影こそが時空荒らし盗賊として未来警察の指名手配を受けております怪盗ルパンならぬ解凍ゴハンでございます。なんと申しましてもこの解凍ゴハン、警察専門に過去 [続きを読む]
  • サスペンス・ユーモア短編集−86- 消えた謎(なぞ)
  •  刑事の平林は隣の住人のたっての頼みで、小さな盗難事件の捜査をしていた。ご近所づき合いもあり、断り切れなかった・・ということもある。「ということは、そのときケトルの蓋(ふた)を開けられたんですね?」「はい、私は台所でケトルの中を確認したんです」「なるほど…。そのときは、あった訳ですか」「はい! それははっきりと覚えております。いつものことですし、その日にかぎって入れなかった、ということは考えられ [続きを読む]
  • サスペンス・ユーモア短編集−85- 新町交番・捕物控[前編]
  •  今を去ること数百年前、時は江戸半ばのことでございます。ここ新町の界隈(かいわい)は町へ出入りする多くの通行人、旅人で賑(にぎ)わっておりました。その町家(まちや)の一角に諍(いさか)いごとの一切(いっさい)を取り締まる町番屋がございました。この番屋を取り仕切る一人の親分、銭形平次や人形佐七・・とまでは参りませなんだが、それ相応のいい腕を持つ御用聞きがおりました。名を牡丹餅(ぼたもち)の串八と申し [続きを読む]
  • サスペンス・ユーモア短編集−84- 意味のない張り込み
  •  早朝、正確には深夜からアパートの一室の窓を眺(なが)めながら刑事の霧川(きりかわ)は張り込んでいた。ただ、その張り込みの意味をもうひとつ霧川は飲み込めていなかった。というのは、張り込む必要があるのかが分からなかったからだ。張り込みの相手は、社会悪の資金を盗み、困っている人々に金をばら撒(ま)く現代の義賊、鼬(いたち)小僧と目(もく)される容疑者だった。いや、正確に言えば、容疑者までもいかないただ [続きを読む]
  • サスペンス・ユーモア短編集−83- どこか変な捜査
  •  七夕(たなばた)署 所轄(しょかつ)の星川(ほしかわ)交番である。今朝はよく晴れたな…と、交番前で空を見上げる巡査の彦野(ひこの)は三年前、とある事件を担当していた刑事だったが、どこか大変な捜査の結果、責任を一身に負って左遷(させん)させられた哀(あわ)れな警官だった。どこか変な捜査とは釣りの最中に起きた事件? である。釣り人の釣り針が、うっかり他の釣り人の服に引っかかり、釣り針を取ろうとした釣 [続きを読む]
  • サスペンス・ユーモア短編集−82- 対応雑件
  •  深夜、慌(あわただ)しい電話が目赤警察署にかかり、当直の端川はその対応に追われていた。「はいっ! 子猫が家に入ってきて、ニャ〜ニャ〜と鳴く。はいっ! …うるさいってことですか? えっ? そうじゃない。? …というと、どういう?」 端川は電話の意味が分からず、逆に訊(き)き返した。『その鳴き声のなんと、かわいいことかっ! それで、ですね。その子猫、勝手に飼っていいものか、どうか…』 その電話を聞き [続きを読む]
  • サスペンス・ユーモア短編集−81- 停滞捜査
  •  中央高速道は始まった大型連休で混みに混んでいた。「おいっ! 急げっ!! なにをモタモタしとるんだっ!」 怒り心頭の刑事(デカ)は今年で刑事生活30年目を迎えたベテランの忠秀である。ガサイレに向かったまではいいが、うっかり高速道へ車を入れさせ、交通渋滞に巻き込まれたのだ。犯人、真原(さなはら)の潜伏先(アジト)を張っていた若手刑事の榊岡からの通報を受け、急いでいた矢先だった。真原が動かないうちにガ [続きを読む]
  • サスペンス・ユーモア短編集−80- 羨望(せんぼう)捜査
  •  人は脆(もろ)い。身心の孰(いず)れかを損(そこ)なえば、あっけなく崩れ去る。結婚詐欺師の犯人を追う刑事の烏賊墨(いかすみ)もその一人だった。烏賊墨は犯人を追って各県警の協力を得ながら全国的に捜査を展開していたが、潜入捜査に入った先々(さきざき)で被害者の女性に出会う度(たび)、テンションが下がり次第に意欲を失(な)くしていった。というのも、被害者の女性達が余りにも美人だったからである。烏賊墨は [続きを読む]
  • サスペンス・ユーモア短編集−79- 未来警察・時空捜査
  •  人類はやはり馬鹿ではなかった。一時は核戦争による世界大戦勃発の危機が訪れたが、人類はあらゆる策を講じてその危機を未然に防ぐことに成功したのだった。異次元空間理論に端を発した研究の成果として、装置の発明により人類が時空を超越することを可能にしたのが大きな理由である。時空移動が可能になれば、未来への時空移動で将来の姿が見えてくる。となれば、将来の悪くなる事象を未然に防げる訳である。こうして、核戦争に [続きを読む]
  • サスペンス・ユーモア短編集−78- 未来警察・始動しない捜査
  •  この事件? は数十年以上先で起きた未来警察での出来事である。当然ながらこの時代では、すでに捜査はすべてがメカ[機械]システムで動かされ、さらには思考判断による機械中心の捜査陣で構成されていたから、人間の刑事が直接、張り込んだり聞き込むといった捜査は行われていなかった。あらゆる捜査の指示は、中央制御室での機器操作を任された数人の選抜された機器オペレーターにより進行していた。 そしてこの日も、犯人は [続きを読む]