水本爽涼 さん プロフィール

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水本爽涼さん: 水本爽涼 歳時記
ハンドル名水本爽涼 さん
ブログタイトル水本爽涼 歳時記
ブログURLhttp://s-mizumoto.cocolog-nifty.com/blog/
サイト紹介文日本の四季をベースに中・短編小説、脚本、エッセイなどを綴った小部屋
自由文一応は、作家ですか? ^o^ (そこは、「か」は、いらない)
参加カテゴリー
更新頻度(1年)情報提供367回 / 365日(平均7.0回/週) - 参加 2009/08/19 10:31

水本爽涼 さんのブログ記事

  • 思わず笑える短編集−13− 感情の乱れ
  •  ここは無用山存在寺の境内(けいだい)である。朝からポクポクポクポク…と木魚の音が本堂から聞こえてくる。この辺(あた)りに土地勘がない壺坂は木魚の音に釣られ、探している家をこの寺で訊(たず)ねよう…と思い立った。なんといっても、寺なら詳(くわ)しいだろうと踏(ふ)んだ訳だ。「あの…」 壺坂は本堂の戸をスゥ〜っと音もなく壺坂は開け、呟(つぶや)くように遠慮気味の声を出した。「!? …はい、どなたです [続きを読む]
  • 思わず笑える短編集−12− 細々(こまごま)と
  •  テレビがいろいろな党のいろいろな質問と、政府によるいろいろな答弁を映し出している。「ほう! …委員会か」 委員会の名が瞬間、口に出ず、吉川は暈(ぼか)すように呟(つぶや)いた。「日本は細々(こまごま)と党が多いな…。これじゃ選べんから票が少ないはずだ…」 最近、海外から日本へ帰国した吉川には今の政治が分からず、好きなように言えた。しばらく観てテレビを消すと、吉川はキッチンへと向かった。小腹がすい [続きを読む]
  • 思わず笑える短編集−11− 取り扱い説明書[取り説]
  •  消耗品を除くおおよその機器、備品などには取り扱い説明書[取り説]がついている。使用方法や組み立て方法が複雑になればなるほど、取り説の重要性は増す。「なになにっ! 部品AをCの穴に差し込んだあと、Bと繋(つな)ぎ合わせてDとし、そのDをFに接着するだとっ!!」 畑石(はたいし)は日曜の朝、昨日、勤め帰りに買った模型を組み立てていた。部品Aを探し始めた畑石だったが、なかなか部品Aが見つからない。畑石 [続きを読む]
  • 思わず笑える短編集−10− 検索
  •  世の巷(ちまた)にパソコンが蔓延(はびこ)るようになって幾久しい。思えば、1998年、某社のシステム・ソフトが発売されるに及んで、黒山の人だかりが起こり、世界は物流の大きな転換期を迎えた。そして現在、パソコンは人々にとって欠くことの出来ない存在となりつつある。なんといってもパソコンを利用した検索は便利で、情報を容易に得る手段として格好の機能となっている。「課長、調べときましたっ!」 市役所、商工 [続きを読む]
  • 思わず笑える短編集−9− 見下(みくだ)す
  •  世の中で人と対するとき、自分の置かれた立場、例えばこれは地位とか名誉とか裕福な資産がある場合なのだが、対等であるにもかかわらず、知らず知らず相手に対し、いつのまにか見下(みくだ)して話している。そのことを話している当の本人は知らないから、余計に具合が悪い。こうなると相手は、話しているというより、よく語るな…、あるいはよく講釈をたれるな…などと、少なからず腹が立つことになる。「なかなかいい陽気にな [続きを読む]
  • 思わず笑える短編集−8− うっかりミス
  •  集中力を欠くと、うっかりミスが起こる。これが度重(たびかさ)なると、ガサツな人…と思われがちで、人の信用は失墜(しっつい)する。このような人物は人の上には立てず、精神の修養が必要となる。会社とかの研修は、こういう場合に備えるためのものだ。対応する相手は所属する組織外の人や世間の事物だから、好印象、好結果となることが組織としては必要不可欠となる。「底穴君、明日の資料は大丈夫だろうね」「はあ、それは [続きを読む]
  • 思わず笑える短編集−7− ドミノ伝達
  •  することもなく街に出てみようか…と、太月(たづき)は春の陽気の中、のんびりと商店街へ入った。人通りは多くも少なくもないようで、いつもと変わりがないように思えた。 しばらく太月が商店街を歩いていると、前方にかなり大きな人だかりが出来ているのが見えた。なんだ? と瞬間、思えた太月は早足で近づいていった。「なにかあったんですか?」 人だかりの外側の一人に、太月はそれとなく訊(たず)ねた。「いや、私もよ [続きを読む]
  • 思わず笑える短編集−6− いやだいやだ…
  •  スーパーでゴチャゴチャと買物をしてお釣りをレジで受け取ったまではよかった田神だったが、そのあとがいけなかった。というのも、買物篭から袋へ入れ替えたとき、手にしていた硬貨を数枚、落としてしまったのである。しまった! と思ったときは、時すでに遅し・・だったが、それでも下に落としたのなら拾えばいい訳だ…と考えることもなく身体を屈(かが)めていた。 収納台の下の屑篭(くずかご)をずらすと、1円硬貨があっ [続きを読む]
  • 思わず笑える短編集−5− ああしてこうして…
  •  蒼辺(あおべ)は春の陽気に誘われ、のんびりと自転車を漕(こ)いでいた。ギコギコと走らせていると、ああしてこうして…と、これからの予定が浮かんでくる。まずは、久しぶりに昔からある公園にでも行ってみるか…と蒼辺は思った。長い間、寄っていなかった・・ということもある。記憶に残るのは数十年前で、当時はよく親子連れもいた小奇麗な公園だったが、その後どうなったかまでは知らない蒼辺だった。公園でしばらく時を過 [続きを読む]
  • 思わず笑える短編集−4− やりなおし
  •  物事には、しまった! と気づき、やりなおしになる場合がある。早く気づけばいいが、今一歩のところで…というときに、しまった! と気づくケースは、いただけない。すべてが水泡(すいほう)に帰す・・とは、まさにこのことで、初めからまた始めなければならないからだ。ほんのごく短い時間とか、そんな大して手間取らないならいいが、数年を費やしてやってきたこととか、かなり長期に及ぶ場合だと、投げ出したくなる・・とい [続きを読む]
  • 思わず笑える短編集−3− 早い
  •  うっかり、朝寝坊した浅見はカップ麺で、遅(おそ)めの朝食を済ませた。時の流れの、なんと早いことか…と有名な文学者にでもなった気分で思ってみた浅見だったが、よくよく考えれば、寝坊しないよう目覚ましをセットし、○時には起きるぞっ! と意を決して眠ればよかったのだ。単にもうこんな時間か…と寝たものだから、迂闊(うかつ)といえば迂闊だったのだ。そんなことを思っている間に、カップ麺は出来上がっていて、すっか [続きを読む]
  • 思わず笑える短編集−2− 出たのに、また出た
  •  行楽の春が近くなると、冬眠を決め込んでいた角吹(つのぶき)も、さすがに家を出たくなった。雲雀(ひばり)の声が賑(にぎ)やかで、早く目覚めた・・ということもあったが、暖気のせいか、いくらか気分が花やいだ・・というのが実のところだ。「やあ、角吹さん。お出かけですか?」「ええ、まあ…」 隣りの鹿山は、珍しそうな顔で角吹に声をかけた。角吹は内心、俺だって出かけることはあるさっ! とムカついたが、そう言う [続きを読む]
  • 思わず笑える短編集−1− 買ったはずが…
  •  下岸は買い物に出かけた。取り分けていつもと違うということはなく、ごく有りきたりの買い物をして帰宅した。 買い物袋を置き、ふと外を見ると、軒(のき)の雨樋(あまどゆ)に落ち葉が積(つ)もり、詰まっているのが見えた。恐らくは昨日(きのう)の激しい豪雨で流れ積もった・・と思われた。このままにしておけば、次に雨が降ったとき、雨水は下へ流れず、溢(あふ)れ落ちることは確実に思えた。このままには、しておけな [続きを読む]
  • よくある・ユーモア短編集−100− 始まりと終わり
  •  始発の電車があれば終電車があるように、始まりがあれば終わりがある。始まったまま放置されると、その物事は終わらず続くから、どんどん溜(た)まることになる。それはまるで、川が堰(せ)き止められ、溜まった水でダムになるようなものだ。国の累積債務だけは、減らして終わらせて欲しいものだ。債務の水嵩(みずかさ)は今も増え続けているというのだから、困ったものである。「あなたっ! 湯舟、大丈夫っ!」「あっ、しま [続きを読む]
  • よくある・ユーモア短編集−99− 本音(ほんね)
  •  人は知らず知らずのうちに自分を飾る。いや、自分は飾ってないぞっ! と言われるお方も、どこかで自分をよく見せよう…と着飾っておられるのだ。それは目に見える外観、見えない心理面の両面を含めてである。「ははは…何をおっしゃる。たかだか、2億程度の儲(もう)けですよ。大した額じゃない」 顔で笑いながら、その実、ホールディングス会長の平岡は、どうだっ! 大したものだろう…と内心で自慢していた。この自慢す [続きを読む]
  • よくある・ユーモア短編集−98− 適度
  •  慌(あわ)てれば、ろくなことがない・・と、よく言われる。そうかといって、落ちついていればいいのか? と考えると、そうでもない。要は、適度・・ということに他ならない。このファジーな感覚は人それぞれで異なるが、達人ともなると、この適度な感覚が絶妙で、寸分の狂いも生じない。この感覚を得る方法だが、こうすればよい・・という定まった答えはない。鉄板焼ソバの独特の香ばしい風味とか鰻(うなぎ)の蒲焼(かばや) [続きを読む]
  • よくある・ユーモア短編集−97− 価値
  •  価値が決められる評価の基準は曖昧(あいまい)なものである。苦労して手に入れたガラス製の一個の色づきビー玉は、一人の子供にとってはダイヤモンドより価値があるものかも知れない。「石崎君、君すまんが来週の土、日さ、月、火に変えてもらえんか」「ええ〜っ! 来週の日曜ですか…?」 課長の岩辺にそう言われ、課長補佐の石崎は一瞬、躊躇(ちゅうちょ)して怯(ひる)んだ。次の日曜は石崎にとっては大事な日で、婚約し [続きを読む]
  • よくある・ユーモア短編集−96− 拘(こだわ)れば肩こり
  •  立て板に水・・とはよく言うが、物事をスンナリと受け流せば肩がこらなくて済む。それを、ああやこうや・・ああたらこうたら・・どうのこうの・・どうたらこうたら・・と拘(こだわ)れば、肩こりの原因ともなる。 医学界の変人と言われ、肩こり総合研究所を立ち上げた灯台付属病院の手羽先(てばさき)教授は、その因果関係を解明しようと日夜、室内に籠(こも)り、研究に没頭していた。「白滝(しらたき)君、どうだった?  [続きを読む]
  • よくある・ユーモア短編集−95− 雑念
  •  人は右、車は左・・これは当然、日本では守らねばならないルールである。入歯(いれば)はそんな雑念を浮かべながら、その日もギコギコと自転車を漕(こ)いでいた。すると、正面から二人の学生服を着た若者が迫ってくるではないか。一人は早足で歩き、もう一人は自転車をゆっくりと漕いで話しながら入歯に迫ってきた。入歯は一瞬、? と躊躇(ためら)った。というのも、冷静に考えれば一人は○で、もう一人は●なのだ。○は早 [続きを読む]
  • よくある・ユーモア短編集−94− なるほど…
  •  戦国時代のドラマを観ながら、古鳥(ふるとり)は煎餅(せんべい)を齧(かじ)り、なるほど…と思った。というのも、今の時代の国際情勢に少し似通った点がある…と思えたからだ。中央アジアの宗教対立に伴う戦闘が石山本願寺の戦いと…と古鳥は思った。時代は違えど、宗教は怖(こわ)い…と思えたのだ。そのとき、ふと古鳥に雑念が浮かんだ。『昨日(きのう)、弟に煎餅を半分、先に食われてしまったのは武将としてあるまじき [続きを読む]
  • よくある・ユーモア短編集−93− 分かりよい
  •  遠い親戚になる家を探して、蒲焼(かばやき)は知らない町をウロウロとさ迷っていた。探し始めて小一時間、深い迷路に入り込んだようで、益々、捜索は困難を極めた。しかも、人家や人通りはほとんどなく、日も傾き始め、蒲焼は次第に焦(あせ)ってきた。「すみません…。つかぬことをお訊(き)きしますが、串打(くしうち)さんというお家(うち)は、この辺(あた)りにございませんか?」 蒲焼は、やっと通りかかった老人に [続きを読む]
  • よくある・ユーモア短編集−92− とにかく!
  •  鏡台(きょうだい)病院のカンファレンス室である。「恐らく、無理でしょう…」 外科医の紅口(べにくち)は、対峙(たいじ)して座る櫛川(くしかわ)に女っぽいオネエのような口調で説明した。その説明を聞く患者の夫、櫛川は、この先生、大丈夫かい? …と不安そうな顔で紅口の顔を窺(うかが)った。「恐らく・・ということは、妻が助かる可能性もあると?」「ええ、まあ…。ないこともなくはない、といった程で。ほほほ… [続きを読む]
  • よくある・ユーモア短編集−91− 流行(はや)り言葉
  •  とある会場では賑(にぎ)やかな[今年の流行語大賞]が発表されていた。杉枝はその中継をテレビで観ながら、もう今年も終わりだな…と、欠伸(あくび)をしながら短い一年を思った。リモコンを押し、チャンネルを変えると、国会の委員会中継が、これも賑やかな響きで中継されていた。『御(おん)党は…』 んっ? 本当は? 本当も何もあるかっ! 本当に決まってるだろうが…と、耳にした瞬間、杉枝は思った。議員が御党と発 [続きを読む]
  • よくある・ユーモア短編集−90− 模様
  •  テレビ画面では大学教授や論客が世界情勢について、高尚(こうしょう)な討論を展開していた。その画面を観(み)ながら、榊根(さかきね)は、━ 地球には天気模様がいろいろとあるが、人模様も地域や国々で様々(さまざま)だな…その人模様が微妙に混ざって、世界の流れを左右することは確かに、よくあるぞ。天気模様は変えられんが、人模様は人が考えを変えりゃ、どうにでも変化できる訳だ…しかし、一人の人模様は弱いか? [続きを読む]
  • よくある・ユーモア短編集−89− ダメだっ!
  •  人は物事をいつの間にか勝手に判断して動いている。ある人が、いい出来だ…と思っても合格せず、別の人がダメだっ! と肩を落としたものの、合格していた・・というような真逆の結果も当然、起こる。その人の判断と他人や社会の判断は違うのだ。概して、ダメだっ! と悲観ぎみに自分を下目に見ている人の方が、上目の人より好結果を得られるようだ。「ああ、ダメだっ! 予備校だな…。高くつくから無理だな」 鹿馬岡(かぱお [続きを読む]