くまのすけ さん プロフィール

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くまのすけさん: 恋とか、愛とか、その他もろもろ・・・・・・
ハンドル名くまのすけ さん
ブログタイトル恋とか、愛とか、その他もろもろ・・・・・・
ブログURLhttp://loveetc.seesaa.net/
サイト紹介文くまのすけの小説ブログ (短編長編いろいろ書く予定だよ。)
参加カテゴリー
更新頻度(1年)情報提供54回 / 365日(平均1.0回/週) - 参加 2009/09/07 17:33

くまのすけ さんのブログ記事

  • 「ウルフボーイ」の提供開始について
  •  当社ワタヌキ総合データべースは、独自のアルゴリズムを用いたソフトウェア『ウルフボーイ』を4月1日より提供開始いたします。 みなさますでにご存じの通り、先日、第193回通常国会において、与野党満場一致で、電子通信に関する情報配信の適正化を促進する法(通称:フェイクニュース撲滅法)が可決、成立いたしました。 この法律ではSNSやメール、ウエブページなどネット上で根拠の伴わない虚偽の情報を発信することが [続きを読む]
  • 桜シャツ
  • 終業式も終わり、春休み。オンラインゲームを夜も更けるまで楽しめるようになった。おかげで昼までベッドに横になっていられる。それでも、だれからも怒られない。春休みバンザイだ!昼過ぎに目が覚めたのは、家の裏手の公園で近所のじいさんたちが騒いでいたから。桜のつぼみがいよいよ膨らみ、今週中には咲き始めそうだという。で、自治会のお花見をどうするとか、ぼんぼりなどの飾りつけはいつするとかなんかを大声で話し合って [続きを読む]
  • だれからもらったの?
  • 「えっと、牛乳、牛乳・・・・・・」お母さんから渡されたメモをたよりに食材の棚を物色していく。「あった」学校から帰って、顔を合わせた途端、お母さんにおつかいを頼まれたのだ。買い忘れていたものを買ってくるようにって。だから、今、近所のスーパーでカートを押しながら回っているのだ。「次は、卵っと・・・・・・」棚をあちこちのぞき、ついでに晩ご飯のおかずになりそうな総菜をみつくろって。一通りカートの中に頼まれ [続きを読む]
  • 最後のメッセージ
  • 去年の中学の卒業式、式があった体育館を退出した直後に朋絵が話しかけてきた。「喜美ちゃん、ありがとうね。私のわがままにつきあわせちゃって」一瞬、なんのことか分からなかったけど、「私と同じ学校の試験一緒に受けさせちゃって、ゴメンね」「ああ、そんなこと。別にいいんだよ」「でも・・・・・・ 喜美ちゃんなら、もっと上の学校行けたはずなのに」「ううん。そんなことないよ」「そんなことあるよ」そうして、涙を流さん [続きを読む]
  • ファンファーレ
  • お雛様を飾るときに、いつも不思議に思っていた。他の女の子の家では三人官女や五人囃子を飾っているのに、我が家のお雛様は六人官女と十人囃子。お内裏様とお雛様は一体ずつなのに……たぶん、二セット分の雛人形が交っているのだろう。なら、お囃子だとか官女だとか持ち物が同じものが二体ずつあってもおかしくない。なのに、我が家のはそれぞれに別の持ち物をもっていた。たとえば、定番の横笛や鼓だけでなく、ギターを奏でてい [続きを読む]
  • 雛飾り
  • 「フフッフ フフ フフーン♪」鼻歌交じりに上機嫌な姉がリビングで旅行のガイドブックを眺めている。「姉ちゃん、どっか旅行行くの?」声をかけると、俺のことをチラリと見てきた。「うん。そうだよ。今度のお休み」「へぇ」うん、まさに『へぇ』としか反応のしようがない。正直、姉の旅行になんかさほど興味があるわけでもないのだし。だというのに、「どうかな、どうかな。やっぱり、京都へ日帰りかな? 初めてのデートだし。 [続きを読む]
  • カラオケ店
  • カラオケ店に入る前に俺は家に電話をかけた。出たのは妹。『そう、分かった。じゃ、遅くなるってお母さんに言っとくね』「ああ、頼む」『はーい。ね、今日のバレンタイン残念会、楽しんできてね、お兄ちゃん』「うっ・・・・・・」今の電話では一言も今日誰からも義理チョコすらもらえなかった男子たちの残念会だとは伝えていないというのに。妹よ。こんなときだけ鋭くなるの、お兄ちゃんはいけないと思います。店に入ると、先に入 [続きを読む]
  • 千鶴の恩返し
  • スーパーのレジ打ち係のパートへ出かけた母さんと入れ違うようにして千鶴が俺の家にやって来た。隣に住む同い年の幼馴染みだ。「おばさんの許可もらってるから、今日は台所借りるね」「ああ、母さんから聞いてる。あがって」「お邪魔します」なんでも、自分ちの台所は大学生の姉の千晴さんとその友人たちが占領していて使えないらしい。「だって、お姉ちゃんの友達と一緒だと結構気を使うしね」そういうものなのだろうか? ずっと [続きを読む]
  • オニを払う
  • 学校から帰ってきて、自室でスマホをいじっていると、ドアがノックもなく開かれた。「伊織、いるんでしょ?」「いつも言ってんだろ、ノックぐらいしろよ。ったく」「別にいいでしょ。あんたの部屋なんだし。ははぁ〜ん。さては、今からエッチなものでも眺めようとしてたわね」「はぁ? なんでだよ」「あら、違うの? だってほら、そのパソコンのフォルダの階層の深いところに……」「だぁ〜! そ、そんなこと、い、今は関係ない [続きを読む]
  • 君に伝える言葉
  • 「ハルカ」私が上げたトスに飛び込んできたハルカが利き腕の右腕を振り抜く。存外軽い音を残して、ボールはネットの向こうのコートに鋭く突き刺さった。「いいよ。今の感じ」「OK」――君に伝える言葉を探してる。「もっかいお願い」「わかった」――伝えなくちゃいけないことがあるのは分かってる。「いくよ」――だけど、それを言葉にできない。僕の言葉がでてこない。「はぁ〜」頭の上に飛んできたボールをはじこうとして、結局 [続きを読む]
  • ヤスケ
  • 仕事帰り、自宅の郵便受けをのぞいてみると俺宛のハガキが届いていた。結婚報告の手紙。高校時代、三年間を一緒に漫研で過ごしたスギがとうとう結婚したらしい。高校を卒業して、すでに十年以上が経っている。あいつとは三年前の同窓会で顔を合わせたっきりで、あとはずっと年賀状のやりとりだけだった。「そっか、あいつ、やっと結婚したんだ」ハガキの裏には写真が印刷されてあり、真っ白なタキシードを着てポーズをつけて立って [続きを読む]
  • ホコリをかぶったガラケー
  • 去年の大掃除、越してきてからロクに掃除もしてこなかった俺の部屋を思い立って片付けてみた。見つけた。高校時代の携帯電話。まだスマートフォンでなくガラケーだったころの俺の愛機。毎日制服のポケットに突っ込んで持ち歩いていた。懐かしくなって電源を入れようとしてみたが、とっくにバッテリーは干上がっていたようだ。あいにく、充電器は実家に置きっぱなしだし、今のスマホの充電器では充電できない。まあ、今さら充電して [続きを読む]
  • 今年最初の人
  • 去年も一昨年も祖母の家に年末から一家で来てた。毎年、元旦に目が覚めると、番犬のゴローにエサあげるついでにいつもよりも分厚い新聞の束を新聞受けから取り出して、家の中へ運ぶのが私の一年で最初の仕事だった。そしたら、去年も一昨年も家の前を通りかかる人がいて、その人が私にとって家族以外で一番最初に新年の挨拶を交わす人だった。同じ人。男の人。たぶん、私よりも一つか二つ年上。祖母の近所に住む人だ。もし、その人 [続きを読む]
  • 短編・ショートショート 目次(2017)
  • これは、2017年分の短編・ショートショートの目次ページです。◎2016年の目次――――短編・ショートショート 目次(2016)□総合目次――――総合目次・「ウルフボーイ」の提供開始について 2017/03/26 ・桜シャツ 2017/03/19・だれからもらったの? 2017/03/12・最後のメッセージ 2017/03/05・ファンファーレ 2017/02/26・雛飾り 2017/02/19・カラオケ店 2017/02/12・千鶴の恩返し 2017/02/05・オニを払う 2017/01/29・君に伝 [続きを読む]
  • アイ・ハブ・ア・ペン
  • 今年最後の取引先との打ち合わせから帰ってきたら、机の上にメモが置いてあった。『みんな会議室Bにいます』たしかにいつもの席には同僚たちの姿は見えない。だから、私も会議室の方へ顔を出してみることにした。――コン、コンノックする。すぐに野太い声が返ってきた。係長の声だ。『どうぞ』「失礼します」だが、開けたドアの真向かいに立っていたのは、パンチパーマのかつら、ピカピカひかる金色の派手な服、悪趣味なヒョウ柄 [続きを読む]
  • 世界がぐるぐる
  • 二,三日前から、なんだか体がだるくて、熱っぽく、これはやばいかもって注意して温かくして過ごしていたのだけど、寒気がひどくなって、頭が痛く、めまいが・・・・・・絶対、これ風邪だな。というわけで、あとで病院に行って、今日は一日布団にくるまって寝て過ごします。って、あ、今日は日曜日か。仕方ないので風邪薬飲んで安静にしてます。なんか、天井が回転しているような・・・・・・おやすみなさい。 [続きを読む]
  • 再会
  • 今日の昼過ぎ、祖母の七回忌で久々に生まれ故郷のこの町に戻ってきた。甘いものに目がなかった祖母。だから、お供え物にお菓子でも買おうかと実家の近くのデパートに来ている。広いデパート。昔からあまり変わっていない。あちこち見て回り、祖母が好きそうなお菓子をいくつかみつくろい、歩き疲れたのでエレベーター近くの観葉植物に挟まれたベンチの一つに腰かけることにした。――ばあちゃんが大好きだったあそこの大福は絶対、 [続きを読む]
  • ピノキオ病
  • とある天才科学者の弟子が記者会見をした。緊迫した様子で会見場に現れたその人物は次のことを記者たちに語ったのだ。いわく、その人物の師匠にあたる天才科学者が以前遺伝子操作で新種の病原ウィルスの製造に成功した。なんでも、そのウィルスは感染力が非常に高く空気感染までしてしまうものだという。とはいっても、たとえ感染してもこれといった症状を引き起こすわけではない。このウィルスの感染が引き起こす症状はたった一つ [続きを読む]
  • 一緒に帰る
  • 自転車を押しながら歩く少年の前を少女はうしろ向きになって歩いている。くるくる表情を変え、少年のかける言葉に時に笑い声を上げる。二階の教室の窓から見ていても分かる。あの二人はお互いに好意をもっている。もしかすれば、すでに告白して付き合っているのかもしれない。いや、こうして二人で一緒に帰るのだから、むしろとっくに恋人同士なのだろうか。俺は素直にうらやましいと思った。そして、妬ましいと。「いいよな、あの [続きを読む]
  • モニュ
  • おととい、二か月前に結婚して家を出ていった姉貴がうちへ帰ってきた。お義兄さんが出張中らしい。夕方には、母さんからいくつかの我が家の味の家庭料理のレシピを教えてもらい、そのまま一晩泊まって、昼前には帰っていった。のだけど、昼食時をすぎたころ、俺のところへメッセージがきたのだ。部屋に忘れ物をしたから、家まで届けに来いって。自宅から姉夫婦の家まで電車で片道半時間。途中、大きなターミナル駅でJRから私鉄に乗 [続きを読む]
  • 七五三参り
  • 仕事や私生活面でいろいろあって、先月、東京のマンションを引き払って、こっちへ戻ってきた。一生を賭けた夢が破れても、ふるさとはちゃんと変わらずここにある。その事実だけで、なぜか涙があふれて止まらなかった。とはいえ、こっちに戻ってきたからといって、毎日のんびりだらだらと過ごしているわけにはいかない。そんなの最初の一週間で終わりだった。毎日、家の中でぼうっとしているだけの娘に向ける家族の視線は、とても厳 [続きを読む]
  • 手の甲に絆創膏
  • ――ガチャガチャ勝手口からなにやら音がする。外から何者かがいたずらしているようだ。その音を聞きつけたのか、牛乳を飲んでいた俺の後ろを母さんが通り抜けていった。「あらあら、クロ子ちゃん、今日もいらっしゃい」勝手口を開けるとそこで待機していたのは黒猫だった。我が家の向かいにある万正寺の飼い猫、クロ。いつものように物欲しそうな顔をして、母さんのことを見上げている。「ニャー」「はいはい、ちょっと待っててね [続きを読む]
  • かぼちゃの煮物
  • 「うん、いい味だわ。じゃあ、これ、お隣へおすそ分けね」台所に立つ私の隣で煮物の味見をしていたお母さんが、戸棚から大きなタッパーを取り出してきた。同い年の隣家の佑史はお父さんと二人で暮らしている。佑史が子供のころにお母さんが交通事故で亡くなってからずっとだ。子供のころは、お父さんの仕事の都合で夜が遅くなる時には、我が家に来て一緒に晩御飯を食べていたのだけれど、確か中学二年のころからかな、急に佑史が我 [続きを読む]
  • 抹茶味
  • 都会の一人暮らしに疲れ、この地元の大正時代から続く洋菓子店に入ったのは四年前のことだった。パティシエの専門学校を卒業し、都会の人気店で二年間働いていたことがある私、腕にはそれなりに自信があった。でも、入店してすぐに私の実力を思い知ることになる。この老舗の職人たちに比べると、まだまだ半人前でしかないことに。毎日怒鳴られてばかり。それでも、歯を食いしばって頑張り、先輩職人たちの技をすこしでも吸収しよう [続きを読む]
  • 天井の隙間
  • それは今から五百年ほど前、ネイセーズ三世の御世のことだった。辺境地方ウジャムを治める藩王のもとへ、その年も領内各地の代官所から年貢が届けられた。年貢はその年の天候や農地の広さや質で小麦の量があらかじめ決められており、各代官たちは、毎年そのノルマ分の数の小麦袋を藩王のもとへ送ってくることになっていた。幸いにも、その年、領内は天候に恵まれ、年貢の軽減策はどこも実施されていない。だから、その年の藩王の広 [続きを読む]