lime さん プロフィール

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limeさん: 小説ブログ「DOOR」
ハンドル名lime さん
ブログタイトル小説ブログ「DOOR」
ブログURLhttp://yoyolime.blog83.fc2.com/
サイト紹介文サスペンス系オリジナル小説&漫画・イラストのサイトです。お気軽にどうぞ
自由文少し切なく、スリリングで、けれどもハートフルな読後感の物語を目指します。
参加カテゴリー
更新頻度(1年)情報提供40回 / 365日(平均0.8回/週) - 参加 2009/09/19 00:09

lime さんのブログ記事

  • 流鬼 第24話 問い(1)
  • 夜が明けて、9月末日の早朝。和貴は納屋の前で自転車チェーンの修理に取り掛かった。休日なので、時間は充分あった。それこそ考えたくないことまで想像し、思い巡らせてしまうほど。垂れさがったチェーンを引き抜き、不自然に溶けた部分をチェーンカッターで切り落とした。工具箱から予備の古いチェーンを取り出し、長さを調節しながらつなぎ直す。小学校の頃に、健造が教えてくれた工程だ。無事繋がったチェーンをホイールにはめ [続きを読む]
  • 流鬼 第23話 悪夢
  • 夕闇を引き裂く悲痛な声とともに、無数の羽音がクスノキの森に響き渡った。目の前で血に染まるのは見ず知らずの男だ。けれど体の奥底から噴き出す恐怖にわななき、健造は喉が裂けるほど大きく叫んで身を起こした。豆球の明かりだけの薄暗い部屋の布団の上で、汗だくになりながら肩で息をする。夢を見たのだと気づいた後も、体の震えは止まらなかった。もう数え切れないほど何度もあの日の夢を見てきたが、今夜見た理由は和貴が連れ [続きを読む]
  • 流鬼 第22話 鬼の子
  • ―――まさか死んでいるのではないだろうか。一瞬そんな想いに捕らわれ、キヨがピクリとも動かない秋人の肩に触れると、梁に止まっていたらしいロクが矢のように飛んできて、キヨの手を足ではじいた。 「痛っ!」思わずロクを手で払いのけると、今まで床の上にうつ伏せで転がっていた秋人がムクリと起き上がり、キヨを見上げた。母親によく似た大きな目に、キヨはゾッとする。小一時間前。よそ者を勝手に引き入れようとした秋人に [続きを読む]
  • 流鬼 第21話 カラスと鬼の棲む森(2)
  • 「じゃあ、その話を根岸にも?」飛田は心臓がトクンと跳ねるのを感じた。「ええ、しました。このあたりの歴史の事を調べてるって言う事でしたから」「いったいどんな話を……」「あそこに夜千代村が出来た時からあった、本当にただの昔話ですよ。あの周辺の山に元々住んでいた奇怪な鬼で、ほとんど人と同じ形をして、人に成りすましているけど、本当は気が荒くて、気分次第で人を喰らったっていう鬼です」飛田は黙って頷いた。米田 [続きを読む]
  • 流鬼 第21話 カラスと鬼の棲む森(1)
  • 何がきっかけになったのか、突如周囲の木々から無数のカラスが舞い上がり、夕暮れの空に散らばった。飛田は咄嗟に襲って来た幾重もの恐怖心から喉の奥で言葉にならない声をひとつあげ、路肩に停めた車に乗り込むと急発進させた。舗装道路に入りバックミラーの中から由良の家が消えても、胸の動悸は少しも鎮まらなかった。カラス達の異常な行動が怖かったのか、それとも小菊が自分にささやいた一言が怖かったのか。―――また、わた [続きを読む]
  • (観劇日記)『子供の事情』作・演出:三谷幸喜
  • 久しぶりに舞台を見に行ってきました。東京だけの公演だったので、日帰りで東京まで行ってきました (*´∀`)ノ だって、なかなか手に入らないチケットだったんですよ。数々のヒット作を手掛けた脚本家、三谷幸喜の劇団だということもありますが、キャストが豪華すぎる!タイトル&キャストはこちら↓給食、テスト、奇妙なクラスメイト、転校生、席替え……。誰もが身に覚えのある、遠い遠い昔の小学4年生<10歳>を、三谷さんが描 [続きを読む]
  • 流鬼 第20話 照準(2)
  • 自転車で前を走る秋人が、合図のようにほんの一瞬、飛田の車を振り返った。わだちの出来た細い農道から少し奥まった場所に、納屋のない、母屋だけの一軒家があった。今にも背後の雑木林に呑み込まれそうな脆弱さとは裏腹に、異様な存在感を感じるのは、小菊の家だと認識したせいだろうか。縁側の横に木の引き戸の玄関がある平屋建てで、屋根は所どころ苔むした古い瓦だったが、もしもまだ茅葺であったなら、そのまま昔話に出て来る [続きを読む]
  • 流鬼 第20話 照準(1)
  • 「父さん、銃、持って入ったから」居間の卓袱台の前で小山のように背を丸めて動かない健造に、和貴は出来るだけ静かに声を掛けた。興奮状態の時に刺激すれば、狂ったように怒鳴られるか、殴られるのがオチなのだ。こんな状態になるのは大概が酒を飲んでいる時であり、しらふでは初めてで、そのことが余計に恐ろしくもあった。けれど不思議な事に、その恐れとは裏腹に、この狂いかかった父親に怒りは湧いて来なかった。「いくら弾が [続きを読む]
  • (イラスト)ちょっとクールな青年&拙作大改稿
  • 梅雨に入ったけど、まだカラッとしたお天気が続きますね。私的には嬉しいんだけど……(*´Д`)そういえば、今年の目標に、「KEEP OUT」を書き変える! ってのがあったんだけど、これはいっこうに進まず。はやくも諦めました。でも、そのほかの過去作品は、着実に修正が進行中です。『RIKU』の番外とか、春樹の番外とか^^←本編を直しなよ。一番手間を掛けさせる問題児は、やっぱり『ラビット・ドットコム』。なにしろ、本当に [続きを読む]
  • 流鬼 第19話 偽りの協定(2)
  • 今にして思えば、自分がこの村に来たのは、根岸の死の真相を探るというよりも、根岸に対する自分の想像が、まったくの思い違いであることを確かめる為だったのかもしれない。そしてその事で、ろくでもない妄想の連鎖から解き放たれ、自分自身もどこかで救われたいと願ったのかもしれない。飛田は秋人という少年を見つめながら、そう思った。まずは小菊に会わなければならない。そのためには少しばかりの嘘が必要だった。「実は僕、 [続きを読む]
  • 流鬼 第19話 偽りの協定(1)
  • ハンドルを握る手が汗ばんで、小刻みに震えた。猟銃を鼻先に突き付けられたことよりもむしろ、最後の健造の狂気を思わせる咆哮がおぞましく、今も耳から離れない。和貴は慣れていた様子だったが、飛田にはあれが猟銃所持を許された男の行動だという事が恐ろしくてならなかった。問題なく所持許可が下りたのだとしたら、たぶんここ最近の変貌なのだろう。明らかに常軌を逸している。そしてそうさせているのは、春先に13年ぶりに戻 [続きを読む]
  • (イラスト)ホットケーキとスイーツ天使
  • もう5月も半ばを過ぎました。新緑の心地いい季節。でも、また梅雨に入るんだなあ。ああ、それにしても日々が経つのが早い。10日に一回は更新しようと思っているのに、気が付くと2週間。GWもひたすら籠ってたし、雑記の話題もないし、どうしよう……。あ、ここ2カ月で、やたらと買い物をしました。車。Mac(夕さん、最新iMac買っちゃった。Retinaちゃん)。ソファ。そして週末には冷蔵庫買わねば(冷蔵がすべて凍る)。散財で [続きを読む]
  • 流鬼 第18話 叫び(2)
  • 「秋人って子がやったのか? でもどうやって」そんな飛田の質問など耳に入らぬ様子で、和貴は跳ねるように立ち上がり、家に駆けこむ体制を取った。けれど咄嗟に和貴の手を掴み、飛田は引き止めた。ここで逃げられるのは不本意だ。「ちょっと待って。何か大変なのは分かるけど、小菊さんの家だけ教えてくれないか? あとはもう自力で何とかするから」苛立ったように振り返った和貴だったが、その目は飛田を睨みつける間もなく、す [続きを読む]
  • 流鬼 第18話 叫び(1)
  • 赤い紐を足に結わえたカラス。そして、そのカラスをしもべのように従わせ、細い脇道の先に消えてしまった少年を、飛田はじっと目で追った。立ち去る刹那、自分の方にゆるりと視線を流して来たその少年の目が、飛田の脳裏に刻まれ、ゾワゾワとした感情がぬぐえない。初めて会った少年のはずなのに、胸騒ぎにも似た動悸がしばらくたっても鎮まらなかった。先刻、フロントガラス越しに二人の少年を見つけた飛田は、願ってもないチャン [続きを読む]
  • (バトン/イラスト)春樹×塚本×隆也
  • 今日は、TOM−F さんや山西サキさんや八少女 夕さんがされてたキャラバトンに挑戦しました!うちも、1人では味気ないので、この3人に登場してもらいます。KEEP OUTシリーズの春樹、隆也、そして『不可視光線』で初登場の塚本です (*´ω`*) 塚本、覚えていらっしゃいますでしょうか。春樹をえらく気に入ってしまった、ちょっとアブノーマルな大学生です。(私のキャラの中で、唯一のゲイです) ↑ここで、塚本のイラスト [続きを読む]
  • 流鬼 第17話 帰巣 (2)
  • 「ねえ和貴。なにか怒ってる?」自転車のスピードを上げれば上げる程、秋人は後ろから必死に追ってくる。バスの中では和貴が終始無言で窓の外を見ていたため、秋人は話しかけてこなかったのだが、村に入り、カラスが舞うバス停に降りた途端、急にしつこく近づいて来始めた。怒っているわけではなかった。ただこの秋人という少年が、今はどうにも不気味だった。小菊の子供の頃の噂、由良の3人が越して来てから人が変ってしまった健 [続きを読む]
  • (イラスト)久々に春樹
  • やっぱり3月は早いですね。バタバタしてる間に終わってしまいそうな勢いです。年度末、皆様もきっと慌ただしい日々をお過ごしでしょう。ところで毎年この時期になると、私の家の周辺一帯が醸されてるような匂いに包まれます。「あ、これはもしかして、桜が芽吹く前の匂い??」と、毎年一人で感慨にふけっていたのですが、だれに聞いても、ネットで調べてもそんな話はヒットしない。でも、この地に引っ越して来て20年。毎年この [続きを読む]
  • 流鬼 第17話 帰巣 (1)
  • 「13年? 何の事でしょう」飛田は問いかけたが、老人はすっかり自分の思考の中に埋没してしまったようで、聞いてもいない風だった。けれど左手だけは無意識なのか巧みに動き、右手に少女の写真を握ったまま、落ち葉除去を続けている。飛田はすこし話題を変えてみた。「いつも綺麗にされているんですね。ここはずっと、あなたがお一人で?」竹の熊手には、宮野、と黒いペンで名が書かれている。この老人の名だろう。仕事上の癖で [続きを読む]
  • (イラスト)もう3月。鶯の声も^^
  • 2月の終わりの朝にね、綺麗な声で鶯が鳴いていました。気の早い子。でも、かなり美声でした。最初は練習して、4月ごろにはあちこちで鳴き始めるんだと思うけど。「いい声だけどまだ真冬じゃん!」って、メス鶯のツッコミが聞こえそうな寒い朝でした(笑)前回の雑記では、耳の不調のことを書いてしまい、みなさんにねぎらいのコメを沢山いただきました。お気遣いさせてしまってごめんなさい(>__ [続きを読む]
  • 流鬼 第16話 兆し(2)
  •                 ◇昼前に飛田は、篠崎町の宿「千鳥」をいったん出て、車で上夜千代に向かった。ぽつぽつと点在する田圃では、もうすっかり稲刈りもはざかけも終わり、秋の気配を漂わせていたが、相変わらず人の姿は少なく、目にするのはカラスばかりだ。飛田はまず、13年前に行きそびれた須雅神社に向かう事にした。鳥居のそばに車を停め、ゆっくりと傾斜の急な参道を登っていくと、麓から15分ほどのところに [続きを読む]
  • (雑記・イラスト)共著の結果発表
  • 昨年のクリスマスに、携帯小説サイト(エブリスタ)で、お友達のSさんと、お題小説を共作した記事を書きました。記事→→「(イラスト・雑記)メリクリ&初めての共著体験」その結果発表があったのですが、嬉しい事に入賞しました。Sさんに、「二人で組んで、最高に面白いエンタ作品書いて、賞狙おう!」って誘われ、取り掛かったお題小説。超・妄想コンテスト、お題は「猫」が出て来る物語。とにかく「何も考えずに夢中で読めて、過激 [続きを読む]
  • 流鬼 第16話 兆し(1)
  • その朝、教室に入った和貴と秋人を迎えたのは、異様な級友たちの視線だった。もちろん秋人に対する畏怖とも興味本位とも取れる視線は以前からあったが、今朝の雰囲気は和貴が休む前日までとはまったく違う、殺気立つほどに冷ややかなものだった。 「和貴、ちょっと……」 普段はわりとムードメーカーの中嶋が、カバンを置いたばかりの和貴を廊下に引っ張って行った。 「なんだよ」 「由良秋人はバケモノだ。近づかないほうがいい」 [続きを読む]
  • (scriviamo!参加イラスト)またもや天使。(追記:2月14日)
  • 今年も夕さんのscriviamo!に参加してみました。小心者の私はもちろんプランA、そしてまたもやイラストです。昨年は狐画だったのですが、今回は天使。前にも天使を描いたような気がしていたのは、別の(妄想ラクガキ)企画でしたね^^;(すぐに忘れちゃう)さあ、今回の天使、またちょっと脱ぎかけています(汗)だって、服を着てたら羽根が出せないじゃん(´゚∀゚`;) (´゚∀゚`;) ……という、物理的理由から、私が天使を描く [続きを読む]
  • 流鬼 第15話 歪んだ口碑 (2)
  • そして、それとは別に、和貴が秋人と距離を置こうとする原因は学校の中にもあった。あの登校日の秋人の騒動は、まるで誰かの陰謀のように急激に蔓延した由良家のうわさに拍車を掛けることとなり、尾ひれを付けて広がった。“母親は思うままに人を殺す鬼の末裔で、その子供の秋人も同じ力をってるらしいよ。”“じゃあ、やっぱりあの時の煙って……。”“夜千代村は山火事に苦しめられてた村だったって聞いたよ。”“あの母親が拾わ [続きを読む]