quian さん プロフィール

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quianさん: 茜いろの森
ハンドル名quian さん
ブログタイトル茜いろの森
ブログURLhttp://quianred.blog99.fc2.com/
サイト紹介文男性ヴォーカルグループを主役とした物語をアップしています
自由文音楽小説と呼ぶにははなはだ知識が不足しておりますが、フォレストシンガーズという男性五人のヴォーカルグループを主役とした、連作短編集です。彼らの学生時代からスタートし、脇役キャラの番外編、社会人編も続々アップしていく予定でいます。本橋真次郎、乾隆也、本庄繁之、三沢幸生、木村章、山田美江子、プラス小笠原英彦、プラスその他大勢のオリジナル小説をよろしくお願いします。
ブログにはペットもいます。
参加カテゴリー
更新頻度(1年)情報提供140回 / 365日(平均2.7回/週) - 参加 2009/10/01 16:07

quian さんのブログ記事

  • FS俳句・短歌・超ショートストーリィ2017/8
  • 2017/8 細くて長い脚……サイズとしては長くもないけれど、身長のわりには長いじゃん? そんな僕の脚にからみつく、ごつごつした毛深い脚を想う。それって山鳥のしだり尾? 自由で身勝手なケイさんを山鳥にたとえるのは、ふさわしい気もする。 本当に長いケイさんの脚を想いながら、長々しい夜にひとり。 山鳥が呼んでくれないだろうか。哲司、と僕の名を呼んで、それ以上はなにも言わずにかたわらに長く伸びてくれないだろう [続きを読む]
  • FS食べもの物語「天むす」
  • フォレストシンガーズ食べ物物語「天むす」 エビの天ぷらを中に入れて作ったおむすびを「天むす」という。発祥は三重県だとか岐阜県だとか諸説あるが、現在では名古屋名物とされていた。「だからって、なんで天むす……」「テン、ムー、スーって……」「サイアク……」 三人で顔を見合わせてから、天を仰いで嘆いた。 親のつけてくれた名前はもちろんあるが、子どもをターゲットにしたアイドルグループ、名古屋出身の「天むす」 [続きを読む]
  • 174「頭が高い」
  • しりとり小説174「頭が高い」 平凡ではない私に平凡な名前はふさわしくない。女ではあっても女っぽくはなく、さっぱりした気性は男のようなのだから、女の名前もふさわしくはない。かといって同人誌仲間のように、コータローだの良太だの敬助だの、男名前も名乗りたくない。「綾小路ミツルさまって、誰よ、これ? まちがって届いたのかな?」「あ、それ、私」「誰が綾小路ミツル? あんたは小山満代でしょ」「いいのっ」 父親 [続きを読む]
  • FS食べもの物語「ラーメン」
  • フォレストシンガーズ食べ物物語「ラーメン」 スープをひと口すすった本橋が、ほっと息をつく。俺は麺をひと筋口に入れ、のびかけてるな、と感じる。夏休み明けの学食には学生の姿は少なく、まだ学校に出てきていない奴も大勢いるらしいと思われた。「学食って久しぶりだな、うまいよな」「……うまいか。うん、うまいかな」 金沢の乾家では、料理は祖母が指揮をして家に住み込んでいる女性がこしらえるのがもっぱらだった。 家 [続きを読む]
  • FS超ショートストーリィ・四季のうた・隆也「夏の麻」
  • フォレストシンガーズ四季のうた「夏の麻」 春は「ひ」で、火、陽、非、否、灯、だったわけです。 夏は「ま」。著者のお遊びですね。 でも、「麻」といえば「ま」というよりは「あさ」、リネンですよね。 麻薬とか快刀乱麻とか、麻酔とか麻痺とかって言葉もたくさんありますが、俺はリネンの話をしたいな。 いいですよね、麻。 麻のシャツ、麻のシーツ、麻のスーツ、麻のハンカチ、麻のナプキンやテーブルクロス。 生成りの [続きを読む]
  • 花物語2017/8「母子草」
  • 花物語2017八月「母子草」 思いがけなくも、母は反対はしなかった。 父が亡くなったときには兄もほのかもまだ子どもだったので、母が父に苦労していたのかどうかは知らない。父の悪口を言うような母ではなかった。なのだから、父親なんかいなくてもいいのよ、的思想が母にあるのかどうかも、ほのかは知らないのだが。 大きくはないがしっかりした会社の経営者三代目、父はその立場で、初代と二代目が亡くなってから、父は母と結 [続きを読む]
  • FS食べもの物語「ミートピザ」
  • フォレストシンガーズ食べ物物語「ミート・ピザ」 住まいにも新しい暮らしにも慣れ、大学というものがすこしずつわかってきている。合唱部に入部して、学部にもサークルにも友達ができた。今日は午後からの授業が休講になったので、合唱部の友人である小笠原英彦と昼メシを食いにいこうと語らって、学校近くの店にやってきた。「ここ、いっぺん入ってみたかったんだ」「ペニーレイン、俺は入学式の日に入ったよ」「そうなんか。メ [続きを読む]
  • FS食べもの物語「トロピカルフルーツ」
  • フォレストシンガーズ「トロピカルフルーツ」 ずっとひとりっ子だったから、このままひとりっ子でいるのだろうとは考えたこともなかった。十二歳までの人生はひとりっ子で、それが当然だったから。「章はひとりっ子だから気が弱くてね」「兄弟がいたらこんなに自分勝手じゃなかったかもしれないのにね」「だけど、今さらだよね」 親戚のおばさんや母が話しているのを聞いて、勝手なことを言ってるのはあんたらじゃないかよ、と思 [続きを読む]
  • FS食べもの物語「クレームアンジュ」
  • フォレストシンガーズ「クレームアンジュ」 おしゃれな店というのだろうか。外観もお菓子のようだ。 淡いピンクの壁、ケーキみたいにも見える看板に「Un grand reve」とピンクの生クリームみたいな文字で書いてある。「reve」の「e」の上に「^」な記号がついてるってことは、フランス語だろうか。俺は敦子に尋ねた。「この喫茶店に入るのか?」「喫茶店じゃないの。カフェ」「どうちがうんだ?」「どうって……喫茶店とカフェは [続きを読む]
  • FS俳句・短歌・超ショートストーリィ2017/7
  • 2017/7 フォレストシンガーズ 超ショートストーリィ 手の中には小さな和菓子がひとつ。汗をかくんだから糖分を補給しなくちゃね、と祖母が言って持たせたものだ。「あんたは和菓子屋の息子なんだから、甘いものは嫌いだなんて親不孝なことは許されないんだよ」「汗をかいたら必要なのは、糖分じゃなくて塩分だろ」「これも持っていけばいいよ」 もうひとつ、渡されたスポーツドリンクの成分を見れば、ビタミンや塩分の他に糖分 [続きを読む]
  • FS超ショートストーリィ・四季のうた・真次郎「夏の真」
  • フォレストシンガーズ四季のうた「夏の真」 脚が四本、砂浜に並んでいる。 ごつごつしたおのれの脚と並んでいるのは、すらっと長い綺麗な脚。彼女は一般的な意味での美人ではないと真次郎は思う。プロポーションも背が高すぎて細すぎると思うが、着こなしは素晴らしくいい。脚もまっすぐで美しく、さすがモデル、なのだろうとは思えた。 モデルなんか趣味じゃないのにな。 シンガーとモデルのカップルなんてありふれすぎてて、 [続きを読む]
  • FS食べもの物語「カツサンド」
  • フォレストシンガーズ食べもの物語「カツサンド」 手をつないでもえいがか? そう訊いてから彼女がうなずいたら手を取る。それが正しい方法なのだろうか。訊くべきかとも思ったのだが、喉にからまったようになって言葉が出てこない。あのときの俺はどうしても訊けなくて、手を伸ばして彼女の指を一本、つまんだ。「……」「…………」 彼女もなにも言わず、赤くなってうつむいていたっけ。「それが初デート?」「そうだよ。十二 [続きを読む]
  • 花物語2017/7「段菊」
  • 2017/7 花物語「段菊」 面と向かって人にこんなことを言うとは、やはり日本人ではないからなのだろうか。幼いころから祖父母の家にいることが多かった摂子には、謙譲の美徳、人には遠慮を、気遣いを、思いやりを、という教えが身についてしまっていて、ケィティにはむしろ見とれてしまっていた。「あんたって暗いね」「そ、そう……? えーっと、ケィティさんって日本語、上手なのね」「私、語学の天才だから」 他人を暗いと決 [続きを読む]
  • FS食べもの物語「ハンバーグステーキ」
  • フォレストシンガーズ「ハンバーグステーキ」  学校から帰ると母は買い物にいっていた。妹たちも幸生よりも早く帰ったようで、母と一緒に出かけていた。幸生は猫のミミとピピをいっぺんに抱き寄せて話しかけた。「昨日、母さんが言ったんだよ。明日はなにを食べたい? って。だからさ、ハンバーグって言ったんだ。しばらく作ってないからいいかもね、よし、そうしよう、って母さんが言ってた。今夜はハンバーグだぞぉ。ミミとピ [続きを読む]
  • FS超ショートストーリィ・四季のうた・繁之「夏の間」
  • フォレストシンガーズ超ショートストーリィ・四季のうた「夏の間」  一瞬の沈黙、しらじらーっとした間。 シラケ鳥飛んでいく……なんて歌があったなぁと、繁之はその場の気まずい空気の中で考えていた。KYなんて言葉もあるよな。俺はこの場の気まずい空気ってやつは読めているけど、KYの「空気」は別の意味なのかな。 仕事でやってきた夏の海岸。仕事とはいえ若い男女が集まっているのだから、プライベートタイムにはみんなで [続きを読む]
  • いろはの「ひ」part2
  • フォレストシンガーズいろは物語2「飛花落葉」 教授の助手と学生として出会った彼と恋に落ちた。むろん私のほうが年上だったが、彼は女の外見や年齢にこだわる男性ではなかったので、私の中身だけを見てくれた。「万葉集を専攻なさってるの? 私も短歌は大好きよ」「気が合いますね」 趣味が合って結びついたということは強い。彼とは会うたび、短歌の話題で盛り上がった。「額田王を卒論のテーマにするの?」「迷っているんで [続きを読む]
  • 173「ヴァーミリオン・サンズ」
  • しりとり小説173「ヴァーミリオン・サンズ」 建国されたのは二十一世紀初頭。 南欧のどこかにある小さな国、「ヴァーミリオン・サンズ」 フェミニストの母親に薫陶を受け、英語が好きで小説を書くのが好きで、ヴァーミリオン・サンズに行きたくて着々と準備を進めた本村梢子。英語で小説が書けるようになり、暮らしの目途もたったので日本から移住してきた、ペンネームはショーコ・M。三十歳。 母は応援してくれているが、父は [続きを読む]
  • FS雨の物語「雨がやんだら」
  • フォレストシンガーズ雨の物語「雨がやんだら」 南の窓を細く開けて、彼が言った。「雨だな。じきにやみそうだから、もうすこししてから出ていくよ」「……すぐに出ていってくれる?」「濡れろって言うのか?」「寒くもないんだから平気でしょ」 そしたら傘を、なんて言わない。傘を貸しても返してもらうあてはない。もしも彼が傘を返しにきたら、私は彼を部屋に通してしまう。元気だった? ほんの短い間、会わずにいただけなの [続きを読む]
  • FS超ショートストーリィ・四季のうた・章「夏の魔」
  • フォレストシンガーズ四季のうた「夏の魔」 寝苦しい熱帯夜の夢に忍び込んでくるのは。 ギターみたいなフォルムをした身体のライン。からみつく長く細い腕。 おまえを抱いて、おまえに抱かれて、破滅させられてしまいたい。 蠱惑的な悪女にだまされて翻弄されて、すべてが壊れてもいい。いや、壊れたい。 もしかしたら根源的な男の願望なのかもしれない。 なんてさ、それって誰の勝手な妄想だよ。 からみつく蜘蛛のような腕 [続きを読む]
  • 花物語2017/6「いずれアヤメか」
  • 2017/6 花物語「いずれアヤメか」 勉強が大嫌いで、漫画とアニメにばかりうつつを抜かしている。彩夢が息子の二千翔について嘆いているのを聞くたび、重子は言いたくなって困った。そりゃあ、彩夢ちゃんと三千弥さんの子だもの。それで普通じゃない? アヤメ、ミチヤ、ニチカだなんて名前からしても、ヤンキー一家だもんね。 ものごころついたときから、彩夢は重子のご近所の友達だった。幼稚園から中学校までが同じで、名前は [続きを読む]
  • FS雨の物語「はじまりはいつも雨」
  • フォレストシンガーズ雨の物語「はじまりはいつも雨」 美江子……山田美江子。 どこにでもありそうな、ありふれた名前のように思える。事実、銀行か区役所で名前見本として挙げられていても不思議でもない。「山田美江子さんか……頭のよさそうな名前だな」「あいつ、ほんとに頭はいいんだろ?」「外見的にも頭のよさそうな感じだよな。それだけに……」「それだけに……? 本橋、はっきり言えよ」 いやいや、と笑ってごまかし [続きを読む]
  • FS超ショートストーリィ・四季のうた・全員「四季の萌」
  • フォレストシンガーズ・四季のうた「四季の萌」春「萌えいづるといえば、春に芽生える植物の子ども。ちっちゃな若緑、若緑の芽生え、春の息吹、目覚めた新芽の緑の息だよ。感じるだろ、ほら」「乾さんらしいお答えですねぇ。春に萌えるったら猫の恋だな。猫の恋って春の季語だって、乾さん、教えてくれたじゃん。猫が恋をして生まれてくる、ちっちゃなちっちゃな仔猫……ううう、萌え萌え萌え萌えっ!!」「幸生らしすぎて涙が出るよ [続きを読む]
  • FS雨の物語「大阪レイニーディ」
  • フォレストシンガーズ雨の物語「大阪レイニーディ」 まずいことをしてしまった、と母からのメールが届いた。まずいこととはなんだ? 父と喧嘩でもしたか? そんなこと、離れて暮らしている息子に訴えてきても困るだけだ。困るようなメールを読みたくなかったので、途中でケータイを閉じてほったらかしておいた。 歌手になりたくて、そんなら東京に行かなくてはいけないと決意して、実松弾は東京の大学を受験した。首尾よく合格 [続きを読む]
  • 172「天下無敵ラヴ」
  • しりとり小説172「天下無敵ラヴ」 才色兼備の女子アナ。興梠光信は、大学時代の一年先輩である瀬田真織の悩みを熱心に聴いていた。 同窓会というのでもないが、時々集まって飲み会を開く。ウィンタースポーツサークルだから、冬以外は学生時代にも飲み会ばかりやっていた。卒業してもOBやOGの結束は強くて、派手な職業に就いた先輩たちもけっこう参加している。その中でもいちばん華やかなのはやはり真織だった。「まーた告白さ [続きを読む]
  • FS雨の物語「時雨茶屋」
  • フォレストシンガーズ雨の物語「時雨茶屋」「通りすがりのしもた屋に「小唄教えます」との小さな看板がかかっていた。高杉晋作といえば有名な小唄があったのではなかったか? シンガーとしては「歌」のすべてに関心があるので、真次郎はその家の玄関チャイムを押した。「あら……えーっと……」「あ、あの、本橋真次郎です」「そうですよね。フォレストシンガーズの?」「そうです」 部屋に通してくれた三十代くらいの和服の女性 [続きを読む]