quian さん プロフィール

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quianさん: 茜いろの森
ハンドル名quian さん
ブログタイトル茜いろの森
ブログURLhttp://quianred.blog99.fc2.com/
サイト紹介文男性ヴォーカルグループを主役とした物語をアップしています
自由文音楽小説と呼ぶにははなはだ知識が不足しておりますが、フォレストシンガーズという男性五人のヴォーカルグループを主役とした、連作短編集です。彼らの学生時代からスタートし、脇役キャラの番外編、社会人編も続々アップしていく予定でいます。本橋真次郎、乾隆也、本庄繁之、三沢幸生、木村章、山田美江子、プラス小笠原英彦、プラスその他大勢のオリジナル小説をよろしくお願いします。
ブログにはペットもいます。
参加カテゴリー
更新頻度(1年)情報提供156回 / 365日(平均3.0回/週) - 参加 2009/10/01 16:07

quian さんのブログ記事

  • FS超ショートストーリィ・四季のうた・章「夏の魔」
  • フォレストシンガーズ四季のうた「夏の魔」 寝苦しい熱帯夜の夢に忍び込んでくるのは。 ギターみたいなフォルムをした身体のライン。からみつく長く細い腕。 おまえを抱いて、おまえに抱かれて、破滅させられてしまいたい。 蠱惑的な悪女にだまされて翻弄されて、すべてが壊れてもいい。いや、壊れたい。 もしかしたら根源的な男の願望なのかもしれない。 なんてさ、それって誰の勝手な妄想だよ。 からみつく蜘蛛のような腕 [続きを読む]
  • 花物語2017/6「いずれアヤメか」
  • 2017/6 花物語「いずれアヤメか」 勉強が大嫌いで、漫画とアニメにばかりうつつを抜かしている。彩夢が息子の二千翔について嘆いているのを聞くたび、重子は言いたくなって困った。そりゃあ、彩夢ちゃんと三千弥さんの子だもの。それで普通じゃない? アヤメ、ミチヤ、ニチカだなんて名前からしても、ヤンキー一家だもんね。 ものごころついたときから、彩夢は重子のご近所の友達だった。幼稚園から中学校までが同じで、名前は [続きを読む]
  • FS雨の物語「はじまりはいつも雨」
  • フォレストシンガーズ雨の物語「はじまりはいつも雨」 美江子……山田美江子。 どこにでもありそうな、ありふれた名前のように思える。事実、銀行か区役所で名前見本として挙げられていても不思議でもない。「山田美江子さんか……頭のよさそうな名前だな」「あいつ、ほんとに頭はいいんだろ?」「外見的にも頭のよさそうな感じだよな。それだけに……」「それだけに……? 本橋、はっきり言えよ」 いやいや、と笑ってごまかし [続きを読む]
  • FS超ショートストーリィ・四季のうた・全員「四季の萌」
  • フォレストシンガーズ・四季のうた「四季の萌」春「萌えいづるといえば、春に芽生える植物の子ども。ちっちゃな若緑、若緑の芽生え、春の息吹、目覚めた新芽の緑の息だよ。感じるだろ、ほら」「乾さんらしいお答えですねぇ。春に萌えるったら猫の恋だな。猫の恋って春の季語だって、乾さん、教えてくれたじゃん。猫が恋をして生まれてくる、ちっちゃなちっちゃな仔猫……ううう、萌え萌え萌え萌えっ!!」「幸生らしすぎて涙が出るよ [続きを読む]
  • FS雨の物語「大阪レイニーディ」
  • フォレストシンガーズ雨の物語「大阪レイニーディ」 まずいことをしてしまった、と母からのメールが届いた。まずいこととはなんだ? 父と喧嘩でもしたか? そんなこと、離れて暮らしている息子に訴えてきても困るだけだ。困るようなメールを読みたくなかったので、途中でケータイを閉じてほったらかしておいた。 歌手になりたくて、そんなら東京に行かなくてはいけないと決意して、実松弾は東京の大学を受験した。首尾よく合格 [続きを読む]
  • 172「天下無敵ラヴ」
  • しりとり小説172「天下無敵ラヴ」 才色兼備の女子アナ。興梠光信は、大学時代の一年先輩である瀬田真織の悩みを熱心に聴いていた。 同窓会というのでもないが、時々集まって飲み会を開く。ウィンタースポーツサークルだから、冬以外は学生時代にも飲み会ばかりやっていた。卒業してもOBやOGの結束は強くて、派手な職業に就いた先輩たちもけっこう参加している。その中でもいちばん華やかなのはやはり真織だった。「まーた告白さ [続きを読む]
  • FS雨の物語「時雨茶屋」
  • フォレストシンガーズ雨の物語「時雨茶屋」「通りすがりのしもた屋に「小唄教えます」との小さな看板がかかっていた。高杉晋作といえば有名な小唄があったのではなかったか? シンガーとしては「歌」のすべてに関心があるので、真次郎はその家の玄関チャイムを押した。「あら……えーっと……」「あ、あの、本橋真次郎です」「そうですよね。フォレストシンガーズの?」「そうです」 部屋に通してくれた三十代くらいの和服の女性 [続きを読む]
  • FS俳句・短歌・超ショートストーリィ2017/6
  • FS俳句・短歌・超ショートストーリィ2017/6「人はいさ心も知らずふるさとは 花ぞ昔の香に匂ひける」紀貫之 古典だったか現国だったかの教師の声が聞こえる気がする。これって中学校で習うのだったか? 小学校かな? ま、どっちでもいいや。「こういう場合の「花」は桜ですね。最初は日本では「花」といえば梅だったのですが、いつのころからか桜になったのです。ですから、短歌や俳句では「花」は桜です。覚えておいて下さいね [続きを読む]
  • ガラスの靴70
  • 「ガラスの靴」     70・求愛 スマホに電話をしてきたのは、専門学校時代の同級生だった蘭々ちゃんだ。同じく同級生だった多恵ちゃんが、蘭々が笙くんに電話したいって言ってるんだけど、と打診してきたので、かまわないよと答えた。 アート系専門学校に通いはじめて間もなく、僕はアンヌと恋人同士になった。僕はアニメCG学科の一年生、アンヌは大学を中退しての再入学だったから、学年はひとつ上の七歳年上。アンヌの評判 [続きを読む]
  • FS雨の物語「梅雨寒」
  • フォレストシンガーズ雨の物語「梅雨寒」 どうして俺はこがなところにおるんろう?  何度かはこんな席にも加わったのだが、いっかな慣れない。いつだってそんな気分がつきまとう。フォレストシンガーズの面々は女性たちに取り巻かれてサインをしているようで、俺は遠くから彼らを眺めている。長身の痩せた女たち、今日のイベントに出ていたモデルたちらしい。「ヒデさん、知ってます?」「ああ、モモちゃん。知ってるってなにを [続きを読む]
  • FS超ショートストーリィ・四季のうた・真次郎「春の灯」
  • フォレストシンガーズ四季のうた「春の灯」 おいら岬の灯台もりは……なんて歌もあったっけ。 妻とふたりで、えーっと……なんだっけ?「灯台を見ているから浮かぶわけだが、この歌ってなんだった?」 沖行く船の 無事を祈って 灯をかざす          灯をかざす ひとりごとみたいに歌ってみると、乾隆也が反応した。「喜びも悲しみも幾年月。うちの母が生まれたころくらいかな。ヒットした映画の主題歌だよ」「灯台 [続きを読む]
  • FS雨の物語「相合傘」
  • フォレストシンガーズ雨の物語「相合傘」 渋い色合いのチェックの傘はかなり大きい。これならばふたりでも濡れない。小さな肩を抱いてあなたを俺の胸に包むようにして、町を歩こう。「いつも通り雨にゃ いつも通り雨にゃ あの町この町 どの路地もひっそり閑」 真冬の冷たい雨……みぞれ混じりの雨、春は近い。 けぶる春雨。雨に散る桜。 長く続く梅雨どき雨。 ざぁっと激しく降る夏の雨と落雷。乾いた喉を潤す恵みの雨。  [続きを読む]
  • 171「あなたのすべて」
  • しりとり小説171「あなたのすべて」 正社員になれないのは学歴のせいなのだろう。悔しいけれど、高校二年生の年に母親が病気になってしまって父親に見捨てられ、常太郎が高校を中退して働くしかなくなってしまったのだから仕方ない。高校中退でも雇ってくれる会社があり、準社員という形で工場で働けるのはありがたかった。「だから、結婚は諦めてるけどね」「諦めなくてもいいんじゃない? 好きなひとはいないの?」「いないし [続きを読む]
  • FS俳句・短歌・超ショートストーリィ2017/5
  • FS俳句・短歌・超ショートストーリィ2017/5 水はまだ冷たいかな? 夕方になってきているから、気温も下がってきている。ためらいはあったが、せせらぎに足を浸してみた。 意外に冷たくはない。 じゃあ、ちょっと泳ごうか。「実松、泳ぐような季節じゃないんじゃないか?」「ああ、乾さん、一緒に泳ぎません?」「風邪をひく……ってこともないかな」 呆れたような顔をして、乾隆也が笑っている。 実松弾が大阪から上京して入 [続きを読む]
  • FS雨の物語「雨の慕情」
  • フォレストシンガーズ雨の物語「雨の慕情」 三つ年上なだけだからおばさんではないけれど、おばさんっぽいというか、ボクなんて自称していたけれど少年っぽくはなくて、むしろおじさんっぽいっていうか。「幸生、なにがあったんだよ」 肘で章につつかれて、なんにもないよとごまかした。 言いたくないのはなぜだろう? 俺の彼女だって堂々と紹介するような……いや、彼女は彼女ではあるが、恋人という意味の「彼女」ではないの [続きを読む]
  • いろはの「ゑ」part2
  • いろはの「ゑ」「ゑひもせず」 同業者、ギタリスト、とはいっても彼はスタジオミュージシャン、僕はバンドマンだから接点はあるようでいてそれほどでもない。友達でもないので結婚式にも招待はされなかったが、会ったときに言ってみた。「種田くん、結婚したんだってね。おめでとう」「ああ、レイ、ありがとう」 僕らのバンド、レイラのメンバーは全員、国籍不詳のニックネームだけを名乗っている。僕の本名も知らないで、レイは [続きを読む]
  • 花物語2017/5「ブーケのカスミソウ」
  • 花物語2017五月「ブーケのカスミソウ」 大きくなったら学校の先生になる!! 本人の佳澄のみならず、父も母も祖父母も、疑いもなくそう信じていた。 父は小学校の校長で、母は小学校教諭。母が新米教師時代に研修を受けた際に、父が講師をつとめていたのだそうだ。父と母には十四歳の歳の差があり、父は母の師匠的な立場だったので、夫婦間にも格差があった。 祖父母にしても、父方の祖父は中学校教諭、祖母はもと保母、母方は祖 [続きを読む]
  • FS雨の物語「あと一センチ傘が寄ったら」
  • フォレストシンガーズ雨の物語「あと一センチ傘が寄ったら」 ガキのくせして、こいつは俺の魂胆を見抜いていやがるんだろうか? 事情は断片的にしか知らないが、もとフォレストシンガーズのメンバーだった小笠原英彦は、結婚するからと言ってアマチュア時代に脱退した。 結婚して離婚し、妻子を残してヒデさんは旅に出た。俺はその時期に神奈川でヒデさんに会っている。神奈川県にも田舎のような場所があり、そこで俺のいない時 [続きを読む]
  • 396「ローカル列車で2」
  • フォレストシンガーズストーリィ396「ローカル列車で2」1・寿々 千里の道も一歩から、というのだから、旅番組に出られるようになったのはいいことだ。「歌の森」の不細工女子代表、チャコ役としてほんのちょっとは名前と顔が売れたから、新しい仕事を手に入れたのだから。 「女ふたり、ローカル列車での旅」、佐田千鶴と時松寿々が旅人だ。双方、売れない女優というポジションは似ているが、ルックスは大違い。大柄な私は小柄な相 [続きを読む]
  • FS雨の物語「雨のち虹いろ」
  • フォレストシンガーズ雨の物語「雨のち虹いろ」 ドアを開けた途端、うわーんっ!! という盛大な泣き声が耳を打った。一歳に満たない次男の壮介にすれば力強すぎるので、広大か? 当たりだ。俺も父親らしくなってきて、長男と次男の泣き声は聞き分けられるようになってきた。と、喜んでいる場合ではない。 だーっと走ってきて突進してきた広大を抱き上げ、ママがママが、ママがいけないの、と途切れ途切れに言いながら泣いている [続きを読む]
  • FS超ショートストーリィ・四季の歌・幸生「春の否」
  • フォレストシンガーズ四季のうた「春の否」 避妊……うん、そりゃ大事だ。 罷免……いや、そりゃ困る。 緋色……俺に似合う? 飛影……かっこいいよね。 悲壮……ベートーヴェンにあったっけ? 俺には似合わなさすぎる。 悲歎……「悲しい」単語はたくさんあるね。人間って哀しいね。 ひーふーひーほー。 誹謗……そういうことはしちゃ駄目よ。 肥満……いやいやいや、俺は大丈夫。 比翼……仕立てもののことも言うけど [続きを読む]
  • 170「小さなボランティア」
  • しりとり小説170「小さなボランティア」 病弱だったから、小学校も中学校も欠席が多かった。義務教育だからなんとか卒業させてもらえたけど、高校は出席日数が足りないと留年させられることもある。退学だってある。父はそう言った。「お父さんの知り合いの会社で、道子を雇ってもいいと言ってくれてるんだよ。簡単な事務職だ。身体も学校よりは楽だし、社長の友達の娘なんだから、みんなが道子の事情も知っていて休ませてくれた [続きを読む]
  • FSさくら物語「雨に咲く」
  • フォレストシンガーズ「雨に咲く」 辛夷、連翹、花水木、雪柳に菜の花に山吹、馬酔木も蒲公英も菫も露草も。 まさしく百花繚乱の春の花々の中、ひときわ人の心を酔わせるのは桜の花。老いも若きも日本人は桜が好き。私ももちろん好き。「……綺麗だね」「桜だよな」「本橋くんには桜以外の花に見えるの? 桜じゃなかったらなんなの?」「うるせえな、確認しただけだろ」 大学で合唱部に入部して、親しくなった本橋くんと乾くん [続きを読む]
  • ガラスの靴69
  • 「ガラスの靴」     69・贖罪 このあたりに知り合いのやっているバーがあるとアンヌが言う。音楽業界やスポーツ業界人がリタイアして、水商売をはじめるのはありがちだ。そういう知り合いの店なのだろう。「だいぶ前に来たんだけど、酔ってたから記憶があやふやだよ」「なんて名前のバーだっけ?」「紫蘭」「シランなんて知らんなぁ」 アホなシャレを言いながらも探していた。 今夜はいつものように息子の胡弓は僕の母に預 [続きを読む]
  • FS超ショートストーリィ・四季の歌・章「春の非」
  • フォレストシンガーズ四季のうた「春の非」 うらうらと春の陽。 昼寝がしたくて登ってきた、都会のビルの屋上。ここは空中庭園になっていて、人の目に触れにくい緑の中に隠れていられる。これもフォレストの一種だ。「フォレストシンガーズの木村章さん?」 ファンに見つけられて声をかけられるのが嬉しいときもあれば、わずらわしいときもある。今の俺は春の陽の中で、誰でもないひとりの人間でいたかった。なんてかっこつけて [続きを読む]