quian さん プロフィール

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quianさん: 茜いろの森
ハンドル名quian さん
ブログタイトル茜いろの森
ブログURLhttp://quianred.blog99.fc2.com/
サイト紹介文男性ヴォーカルグループを主役とした物語をアップしています
自由文音楽小説と呼ぶにははなはだ知識が不足しておりますが、フォレストシンガーズという男性五人のヴォーカルグループを主役とした、連作短編集です。彼らの学生時代からスタートし、脇役キャラの番外編、社会人編も続々アップしていく予定でいます。本橋真次郎、乾隆也、本庄繁之、三沢幸生、木村章、山田美江子、プラス小笠原英彦、プラスその他大勢のオリジナル小説をよろしくお願いします。
ブログにはペットもいます。
参加カテゴリー
更新頻度(1年)情報提供162回 / 365日(平均3.1回/週) - 参加 2009/10/01 16:07

quian さんのブログ記事

  • FS俳句・短歌・超ショートストーリィ2017/5
  • FS俳句・短歌・超ショートストーリィ2017/5 水はまだ冷たいかな? 夕方になってきているから、気温も下がってきている。ためらいはあったが、せせらぎに足を浸してみた。 意外に冷たくはない。 じゃあ、ちょっと泳ごうか。「実松、泳ぐような季節じゃないんじゃないか?」「ああ、乾さん、一緒に泳ぎません?」「風邪をひく……ってこともないかな」 呆れたような顔をして、乾隆也が笑っている。 実松弾が大阪から上京して入 [続きを読む]
  • FS雨の物語「雨の慕情」
  • フォレストシンガーズ雨の物語「雨の慕情」 三つ年上なだけだからおばさんではないけれど、おばさんっぽいというか、ボクなんて自称していたけれど少年っぽくはなくて、むしろおじさんっぽいっていうか。「幸生、なにがあったんだよ」 肘で章につつかれて、なんにもないよとごまかした。 言いたくないのはなぜだろう? 俺の彼女だって堂々と紹介するような……いや、彼女は彼女ではあるが、恋人という意味の「彼女」ではないの [続きを読む]
  • いろはの「ゑ」part2
  • いろはの「ゑ」「ゑひもせず」 同業者、ギタリスト、とはいっても彼はスタジオミュージシャン、僕はバンドマンだから接点はあるようでいてそれほどでもない。友達でもないので結婚式にも招待はされなかったが、会ったときに言ってみた。「種田くん、結婚したんだってね。おめでとう」「ああ、レイ、ありがとう」 僕らのバンド、レイラのメンバーは全員、国籍不詳のニックネームだけを名乗っている。僕の本名も知らないで、レイは [続きを読む]
  • 花物語2017/5「ブーケのカスミソウ」
  • 花物語2017五月「ブーケのカスミソウ」 大きくなったら学校の先生になる!! 本人の佳澄のみならず、父も母も祖父母も、疑いもなくそう信じていた。 父は小学校の校長で、母は小学校教諭。母が新米教師時代に研修を受けた際に、父が講師をつとめていたのだそうだ。父と母には十四歳の歳の差があり、父は母の師匠的な立場だったので、夫婦間にも格差があった。 祖父母にしても、父方の祖父は中学校教諭、祖母はもと保母、母方は祖 [続きを読む]
  • FS雨の物語「あと一センチ傘が寄ったら」
  • フォレストシンガーズ雨の物語「あと一センチ傘が寄ったら」 ガキのくせして、こいつは俺の魂胆を見抜いていやがるんだろうか? 事情は断片的にしか知らないが、もとフォレストシンガーズのメンバーだった小笠原英彦は、結婚するからと言ってアマチュア時代に脱退した。 結婚して離婚し、妻子を残してヒデさんは旅に出た。俺はその時期に神奈川でヒデさんに会っている。神奈川県にも田舎のような場所があり、そこで俺のいない時 [続きを読む]
  • 396「ローカル列車で2」
  • フォレストシンガーズストーリィ396「ローカル列車で2」1・寿々 千里の道も一歩から、というのだから、旅番組に出られるようになったのはいいことだ。「歌の森」の不細工女子代表、チャコ役としてほんのちょっとは名前と顔が売れたから、新しい仕事を手に入れたのだから。 「女ふたり、ローカル列車での旅」、佐田千鶴と時松寿々が旅人だ。双方、売れない女優というポジションは似ているが、ルックスは大違い。大柄な私は小柄な相 [続きを読む]
  • FS雨の物語「雨のち虹いろ」
  • フォレストシンガーズ雨の物語「雨のち虹いろ」 ドアを開けた途端、うわーんっ!! という盛大な泣き声が耳を打った。一歳に満たない次男の壮介にすれば力強すぎるので、広大か? 当たりだ。俺も父親らしくなってきて、長男と次男の泣き声は聞き分けられるようになってきた。と、喜んでいる場合ではない。 だーっと走ってきて突進してきた広大を抱き上げ、ママがママが、ママがいけないの、と途切れ途切れに言いながら泣いている [続きを読む]
  • FS超ショートストーリィ・四季の歌・幸生「春の否」
  • フォレストシンガーズ四季のうた「春の否」 避妊……うん、そりゃ大事だ。 罷免……いや、そりゃ困る。 緋色……俺に似合う? 飛影……かっこいいよね。 悲壮……ベートーヴェンにあったっけ? 俺には似合わなさすぎる。 悲歎……「悲しい」単語はたくさんあるね。人間って哀しいね。 ひーふーひーほー。 誹謗……そういうことはしちゃ駄目よ。 肥満……いやいやいや、俺は大丈夫。 比翼……仕立てもののことも言うけど [続きを読む]
  • 170「小さなボランティア」
  • しりとり小説170「小さなボランティア」 病弱だったから、小学校も中学校も欠席が多かった。義務教育だからなんとか卒業させてもらえたけど、高校は出席日数が足りないと留年させられることもある。退学だってある。父はそう言った。「お父さんの知り合いの会社で、道子を雇ってもいいと言ってくれてるんだよ。簡単な事務職だ。身体も学校よりは楽だし、社長の友達の娘なんだから、みんなが道子の事情も知っていて休ませてくれた [続きを読む]
  • FSさくら物語「雨に咲く」
  • フォレストシンガーズ「雨に咲く」 辛夷、連翹、花水木、雪柳に菜の花に山吹、馬酔木も蒲公英も菫も露草も。 まさしく百花繚乱の春の花々の中、ひときわ人の心を酔わせるのは桜の花。老いも若きも日本人は桜が好き。私ももちろん好き。「……綺麗だね」「桜だよな」「本橋くんには桜以外の花に見えるの? 桜じゃなかったらなんなの?」「うるせえな、確認しただけだろ」 大学で合唱部に入部して、親しくなった本橋くんと乾くん [続きを読む]
  • ガラスの靴69
  • 「ガラスの靴」     69・贖罪 このあたりに知り合いのやっているバーがあるとアンヌが言う。音楽業界やスポーツ業界人がリタイアして、水商売をはじめるのはありがちだ。そういう知り合いの店なのだろう。「だいぶ前に来たんだけど、酔ってたから記憶があやふやだよ」「なんて名前のバーだっけ?」「紫蘭」「シランなんて知らんなぁ」 アホなシャレを言いながらも探していた。 今夜はいつものように息子の胡弓は僕の母に預 [続きを読む]
  • FS超ショートストーリィ・四季の歌・章「春の非」
  • フォレストシンガーズ四季のうた「春の非」 うらうらと春の陽。 昼寝がしたくて登ってきた、都会のビルの屋上。ここは空中庭園になっていて、人の目に触れにくい緑の中に隠れていられる。これもフォレストの一種だ。「フォレストシンガーズの木村章さん?」 ファンに見つけられて声をかけられるのが嬉しいときもあれば、わずらわしいときもある。今の俺は春の陽の中で、誰でもないひとりの人間でいたかった。なんてかっこつけて [続きを読む]
  • FSさくら物語「桜めぐり」
  • フォレストシンガーズさくら物語「さくらめぐり」1・高知  ソメイヨシノの開花宣言は、高知城の樹が基本なのだと聞いた。この樹の花がいくつか開いたら、日本中にサクラサクの報告がなされる。「ああ、咲いてるよ」「ほんまやきに……もうじきやな」 その樹をヒデに教えてもらって、俺が見つけた一輪。もうすこし遅く来たら桜満開の高知城が見られたのだろうが、こうしてここにヒデとふたりでいるだけでもいい。俺としては恥ず [続きを読む]
  • FS超ショートストーリィ・四季の歌・繁之「春の陽」
  • フォレストシンガーズ四季のうた「春の陽」 仔犬みたいな丸い目をした後輩が、無邪気そうに俺の顔を覗きこむ。 ラジオ番組にゲスト出演しているのだから、聴取者のみなさんには俺の顔は見えないのだが、学生時代の後輩、酒巻國友の視線を意識してしまった。「シゲさん、どうかしました? 僕、なにか変なこと言いました?」「いや、変なことなんか言ってませんよ。うん、春ですね、ほんとに」「春ですよねぇ。陽射しがほんと、春 [続きを読む]
  • 169「白い恋人たち」
  • しりとり小説169「白い恋人たち」 函館支店、こんな小さな支店の営業課長だなんて、栄転だとは思えないが、地方であっても課長になれたのは、会社から期待されているからだと山木珠緒は考えることにしていた。「山木課長は三十二歳なんですか。その年で課長だなんて、すごい出世ですよね」「そうでもないけどね」「どこの大学ですか?」 東京の大学、そこの院を出たの、理系? そうよ、という会話をした相手は、三つ年下の部下 [続きを読む]
  • FS俳句・短歌・超ショートストーリィ2017/4
  •  FS俳句・短歌・超ショートストーリィ2017/4 ぼーっと春霞がかかったような頭の中に、こんな歌が浮かぶ。 「杏あまさうな人は睡(ね)むさうな」室生犀星 ひとり、故郷の道を歩いている隆也の頭の中の春霞は、まぼろしの杏の花がつくりだしているのか。この歌の「杏」とは杏の実のことなのだろうが、先に花だ。白い花、杏の花。 ここは隆也のふるさとでもあり、歌を詠んだ室生犀星のふるさとでもある。 見たいな、杏の花を。  [続きを読む]
  • FSさくら物語「さくらガール」
  • フォレストシンガーズさくら物語「さくらガール」 冬には雪の積もった北国へと旅に出る、傷心の日本人。 北には別れたひととの思い出や、ふるさとの想い出があちこちにころがっている。 日本人は北が好きで「北……」とタイトルにつく歌はヒットするのだそうだ。そして冬が終わると春。春には日本人がもっとも好むものがある。「さくら」関連のヒットソングはたくさんありすぎて、俺なんかはどれがどれだかわからない。「パール [続きを読む]
  • FSさくら物語「花しぐれ」
  • フォレストシンガーズさくら物語「花しぐれ」 はらはら、ひらひら、ちらちら、俺にはそんな言葉でしか表現できないような花びらの中で、乾さんが歌っている。俺は素早くICレコーダーをセットした。「散る花に 華やいで 降る雨に 涙して 自分さえ あざむいて 舞う花に 想い託して」 俳句みたいな歌詞は即興なのだろう。ただただ散る花と乾さんの声と、もの哀しいメロディ……いいなぁ、情緒のない俺でさえも涙ぐんでしまい [続きを読む]
  • 花物語2017/4「花の宴」
  • 2017花物語四月「花の宴」 親戚の大部分は近所に住んでいるので、何組もの家族がそろってお花見に出かける。 年に一度の楽しみなイベントの日が近づいていた。 同じアパートに住む母の妹が、近所中の近所だ。母と叔母はどこそこの川べりがいいとか、あっちの公園もいいんじゃない? とか、お弁当にはなにを入れる? との相談ばかりしている。おばさんたちの会話を聞いていると、小学生の花絵も楽しみがふくらんでいくのだった [続きを読む]
  • FS超ショートストーリィ・四季の歌・隆也「春の火」
  • フォレストシンガーズ四季のうた「春の火」 白人さんは暑がりだ。白色人種? 欧米人? との見当がつくだけで、どこの国の人間なのか、なんの言語を話すひとなのかも不明だから、単に「白人さん」だろうと考えるのを許してもらおう。 真冬に半袖はざら。寒風吹きすさぶ中をショートパンツで自転車をこいでいたりもする。冬の観光地にも半袖の白人さんたちがそぞろ歩いている。 黒人はどうなのかな? と考えつつ、隆也も観光地 [続きを読む]
  • FSさくら物語「夜桜お七」
  • フォレストシンガーズさくら物語「夜桜お七」 笑顔がいちばん、とよく言われるが、女に限って、なのだろうか。「男は度胸、女は愛嬌」という慣用句もある。我々フォレストシンガーズが写真撮影に臨む場合、笑えと命じられることもあるが、おおむねはクールビューティ……って、誰がビューティだ。 ビューティかどうかは主観の問題なのでいいとしても、男はむやみに笑うものではない、とうちの祖母も言っていた。であるから、笑顔 [続きを読む]
  • 花物語2017/3「歩く姿はアマリリス」
  • 2017花物語3月「歩く姿はアマリリス」 立てば芍薬、すわれば牡丹、歩く姿は百合の花。「美人のことをそういうんだけど、リュートだったらさしずめ、歩く姿はアマリリスかしらね。リュートは和風ではないし、美女っていうんでもないし」 うっとりと流斗に見とれながら言ったのは、誰だっただろうか。誰でもいい。リュートは来るものを拒む気はないのだから。しかし、人間の感情というものが厄介なのは本能的に知っていた。「公演 [続きを読む]
  • FSさくら物語「花弁乱舞」
  • フォレストシンガーズさくら物語「花弁乱舞」 空気を吸い込んで呼吸を止め、止めて止めて止めすぎて気絶しそうになった。なにこれ? なにって、桜だろ? 桜以外のなんなんだよ。千本桜っていうのかな? 弥生の空は見渡す限り……ってこれだね。学生時代に乾さんに教えてもらった短歌も思い出す。 「願わくば 花のもとにて春死なん その如月の望月のころ」 如月に花は咲かないでしょ? と尋ねて、旧暦だから咲くんだよ、と [続きを読む]
  • FSさくら物語「花霞」
  • フォレストシンガーズさくら物語「花霞」 季語ってのは旧暦を基準にしているそうだから、現代の季節にはふさわしくない感じがすることもある。けれども、「桜」は春だ。「花」とは桜をさすのだから、「花」は春。 通りがかった河原に腰を下ろして、霞のかかったような頭で桜霞について考える。遠くに見える花霞。「霞」もいかにも春だなぁ。頭にも霞がかかってくるから、こうしていると居眠りしそうだ。 あの花霞は対岸の公園か [続きを読む]
  • FS俳句・短歌・超ショートストーリィ2017/3
  • 2017/1 超ショートストーリィ また今年も誕生日が来る。 そりゃあ、生きている限りは誕生日ってのは来るもので。大人になれば誕生日なんてめでたくもないわけで。 フォレストシンガーズは全員が三月生まれだ。 だから、三月になると全員がひとつ年を取る。めでたくもないとうそぶいてみたところで、春の息吹を感じる三月になると、過去や未来にも想いを馳せるわけで。「幾山河 こえさりゆかば さびしさの はてなん国ぞ きょう [続きを読む]