fuyunoki さん プロフィール

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fuyunokiさん: おはなしの木
ハンドル名fuyunoki さん
ブログタイトルおはなしの木
ブログURLhttps://blogs.yahoo.co.jp/sign131848a1
サイト紹介文聖画を描く女の祈りが、絵と一つになる時、新たな秘蹟が刻まれる。
自由文ファンタジー小説を書いています。新掲載は聖画と天人の誕生にまつわる中編。乞う、ご期待。
参加カテゴリー
更新頻度(1年)情報提供132回 / 365日(平均2.5回/週) - 参加 2009/10/25 22:21

fuyunoki さんのブログ記事

  • 「虐殺器官」主題への考察 その2
  • <虐殺の言葉はどのようにつくられたのか> アメリカ人ジョン・ポールは、MIT〈マサチューセッツ工科大学〉で言語学の研究をしていた。かつての恋人、チェコ人のルツィア・シュクロウプによれば、それは言語が人間の行動にいかに影響を及ぼすかについての研究で、アメリカ国防総省国防高等研究計画局の言語プロジェクトにも携わっていた。  つまり、虐殺の種を育てたのも、解決のために追っているのもアメリカということである [続きを読む]
  • 「虐殺器官」主題への考察 その1
  • 「主人公はなぜ虐殺の言葉を解き放ったのか」 この一月ほど、季節柄いろいろ多忙な中でも、この問題の糸口をずっと考えていた。というより、この作品から心が離れられなくなっていた。そして、目を背けたくなるような残虐なシーンを冒頭に置いたことに主題のヒントがあるのではと、ふと思いついた。 それは子供が無差別に殺される世界、しかも子供が無差別に殺す世界でもある。現実世界の問題 世界には、子供兵士と呼ばれる子供 [続きを読む]
  • 伊藤 計劃「虐殺器官」の感想、虐殺の文法について
  •  この作品は第7回小松左京賞の最終選考作として、予選委員全員が最高点を付けたが、結果的にその年度は受賞作なしとなったそうである。時に受賞しなかったことが伝説を生むこともあるから、まあそういう運命だったとしか言いようがない。 気になるのは小松左京の選評で、虐殺の言語がどんなものか書かれていないことや、虐殺行為を起こしている男の動機や、主人公のラストの行動についての説得力やテーマ性に欠けていた、という [続きを読む]
  • 伊藤 計劃「虐殺器官」の感想、虐殺の文法について
  •  この作品は第7回小松左京賞の最終選考作として、予選委員全員が最高点を付けたが、結果的にその年度は受賞作なしとなったそうである。時に受賞しなかったことが伝説を生むこともあるから、まあそういう運命だったとしか言いようがない。 気になるのは小松左京の選評で、虐殺の言語がどんなものか書かれていないことや、虐殺行為を起こしている男の動機や、主人公のラストの行動についての説得力やテーマ性に欠けていた、という [続きを読む]
  • 伊藤 計劃「虐殺器官」の感想、そして作者について その3
  •  初めに読んだとき、どうしてこんな表現になったのか、不思議な感じがした部分がある。 出版が決まってから書き足したというインド編。列車で移動中正体不明の敵に襲撃され、味方に甚大な被害が生じる。攻撃ポイントから離れた場所にいた主人公が、列車内で応戦していた仲間のところへ駆け付けると、同僚リーランドは左肩を吹き飛ばされ、下半身は無くなっていた。そして、今にも死を迎えようとするリーランドに、主人公は誰のも [続きを読む]
  • 伊藤 計劃「虐殺器官」の感想、そして作者について その3
  •  初めに読んだとき、どうしてこんな表現になったのか、不思議な感じがした部分がある。 出版が決まってから書き足したというインド編。列車で移動中正体不明の敵に襲撃され、味方に甚大な被害が生じる。攻撃ポイントから離れた場所にいた主人公が、列車内で応戦していた仲間のところへ駆け付けると、同僚リーランドは左肩を吹き飛ばされ、下半身は無くなっていた。そして、今にも死を迎えようとするリーランドに、主人公は誰のも [続きを読む]
  • 伊藤 計劃「虐殺器官」の感想、そして作者について その2
  • 「死」と共に生きる 「虐殺器官」の冒頭、虐殺された子どもの死体の描写から始まる。ここに再現したくない、酸鼻を極める描写である。もちろんそれは創作であって現実の死ではないのだけれど、どこかで実際にあった出来事なのではないかと思わせるほど、死の影は濃く、人の命は軽い。全編、これでもかというほど様々な人の死が描かれる。 主人公をはじめ、登場人物の生は、死を飾るための前奏曲のようだ。そして作者自身「死」と [続きを読む]
  • 伊藤 計劃「虐殺器官」の感想、そして作者について その2
  • 「死」と共に生きる 「虐殺器官」の冒頭、虐殺された子どもの死体の描写から始まる。ここに再現したくない、酸鼻を極める描写である。もちろんそれは創作であって現実の死ではないのだけれど、どこかで実際にあった出来事なのではないかと思わせるほど、死の影は濃く、人の命は軽い。全編、これでもかというほど様々な人の死が描かれる。 主人公をはじめ、登場人物の生は、死を飾るための前奏曲のようだ。そして作者自身「死」と [続きを読む]
  • 伊藤 計劃「虐殺器官」の感想、そして作者について
  • 「虐殺器官」、この本のタイトルは、全くの偶然、映画の公開予告をネットで見て知った。「虐殺」という言葉に、プラスの要素は一切ない。そして「器官」は人間の体の一部を指しているとすぐわかる。なぜなら他者を虐殺するのは人間だけだから。まったくもって物騒なタイトルだ。 予告編の後ろには長めのあらすじが書かれていて、主人公クラヴィス・シェパード、謎の人物ジョン・ポールという、わざとらしくWASPっぽい名前も妙に引 [続きを読む]
  • 伊藤 計劃「虐殺器官」の感想、そして作者について
  • 「虐殺器官」、この本のタイトルは、全くの偶然、映画の公開予告をネットで見て知った。「虐殺」という言葉に、プラスの要素は一切ない。そして「器官」は人間の体の一部を指しているとすぐわかる。なぜなら他者を虐殺するのは人間だけだから。まったくもって物騒なタイトルだ。 予告編の後ろには長めのあらすじが書かれていて、主人公クラヴィス・シェパード、謎の人物ジョン・ポールという、わざとらしくWASPっぽい名前も妙に引 [続きを読む]
  • 「ローグ・ワン」の感想 その2
  •  どうして、主人公を殺してしまったの! それも父親が作ったデススターで、そんなのありですか。第1作に繋がるお話しであるのなら、どんなに絶望的で、どんなに多大な犠牲が払われたとしても、主人公のジンだけは生き延びさせて欲しかったと思います。彼女は、設計者の娘という以外、死をもって償わなければならないような罪を犯してはいないはず。それなのにこの最後は、賞罰のバランス感覚を裏切っていると思います。そういう [続きを読む]
  • 「ローグ・ワン」の感想 その2
  •  どうして、主人公を殺してしまったの! それも父親が作ったデススターで、そんなのありですか。第1作に繋がるお話しであるのなら、どんなに絶望的で、どんなに多大な犠牲が払われたとしても、主人公のジンだけは生き延びさせて欲しかったと思います。彼女は、設計者の娘という以外、死をもって償わなければならないような罪を犯してはいないはず。それなのにこの最後は、賞罰のバランス感覚を裏切っていると思います。そういう [続きを読む]
  • 「ローグ・ワン」の感想 その1
  •  12月31日に見てきました。 まず、あらすじ。 あの惑星破壊装置デススターの設計者とその娘のお話です。辺境に逃亡し身を隠していた設計者一家、そこに帝国軍の司令官が捜索にやってきて、妻は殺され、幼い娘(主人公ジン・アーソ)は逃亡、本人は連れ戻されてデススターの製作を続けます。そして、設計者は、密かにデススターに大きな弱点を組み込んだという物語の伏線が張られます。 この伏線が本編第1作でのレイア姫が [続きを読む]
  • 「ローグ・ワン」の感想 その1
  •  12月31日に見てきました。 まず、あらすじ。 あの惑星破壊装置デススターの設計者とその娘のお話です。辺境に逃亡し身を隠していた設計者一家、そこに帝国軍の司令官が捜索にやってきて、妻は殺され、幼い娘(主人公ジン・アーソ)は逃亡、本人は連れ戻されてデススターの製作を続けます。そして、設計者は、密かにデススターに大きな弱点を組み込んだという物語の伏線が張られます。 この伏線が本編第1作でのレイア姫が [続きを読む]
  • 明けましておめでとうございます
  •  新年あけましておめでとうございます。皆さま 穏やかな新年を迎えられていらっしゃることと存じます。 私も、この年末年始は、久しぶりに、子供たちとゆっくり過ごすことができてとても充実しています。  昨日は、上の子供(長男)と「ローグ・ワン」を見てきました。なんと、入場券を、私の分までさっと買ってくれました。社会人2年目になるとこういう素敵なことができるようになるんですね。2016年の最後に一番良いこ [続きを読む]
  • 明けましておめでとうございます
  •  新年あけましておめでとうございます。皆さま 穏やかな新年を迎えられていらっしゃることと存じます。 私も、この年末年始は、久しぶりに、子供たちとゆっくり過ごすことができてとても充実しています。  昨日は、上の子供(長男)と「ローグ・ワン」を見てきました。なんと、入場券を、私の分までさっと買ってくれました。社会人2年目になるとこういう素敵なことができるようになるんですね。2016年の最後に一番良いこ [続きを読む]
  • 逃げ恥「百合ちゃん がんばれ」
  •  初回から見ていますよー。って、取り上げるのが遅すぎかも知れませんけど。 津崎 平匡役の星野 源さん、NHKの「昨夜のカレー、明日のパン」で、主人公の亡くなった夫役を演じられたときから注目していました。 主人公みくりと平匡さんの「どきどき」「キュンキュン」は、たくさんの方が、お腹いっぱい書かれていると思うので、12月6日放送回で、思わず涙してしまったシーンについて一言。「百合ちゃん、可愛すぎる」件 [続きを読む]
  • 逃げ恥「百合ちゃん がんばれ」
  •  初回から見ていますよー。って、取り上げるのが遅すぎかも知れませんけど。 津崎 平匡役の星野 源さん、NHKの「昨夜のカレー、明日のパン」で、主人公の亡くなった夫役を演じられたときから注目していました。 主人公みくりと平匡さんの「どきどき」「キュンキュン」は、たくさんの方が、お腹いっぱい書かれていると思うので、12月6日放送回で、思わず涙してしまったシーンについて一言。「百合ちゃん、可愛すぎる」件 [続きを読む]
  • 波動の行方 その70
  •  空が薄い茜に染まる頃、トックの後ろに大きな籠を背負ったレゼルと仔山羊の紐を手にしたホツが続いた。トックは二人に着替えを渡した。「すっかり埃まみれになって、その服は洗ってあげるよ」 レゼルがシャツに袖を通すと手首まで隠れる長さがあった。「もしかしたら、あんたはそのうち戻ってくるんじゃないかと思ってね。試しに一枚直してみたんだ。袖を途中で接いだから、みっとも良くはないが」「いや、とても具合がいい」「 [続きを読む]
  • 波動の行方 その70
  •  空が薄い茜に染まる頃、トックの後ろに大きな籠を背負ったレゼルと仔山羊の紐を手にしたホツが続いた。トックは二人に着替えを渡した。「すっかり埃まみれになって、その服は洗ってあげるよ」 レゼルがシャツに袖を通すと手首まで隠れる長さがあった。「もしかしたら、あんたはそのうち戻ってくるんじゃないかと思ってね。試しに一枚直してみたんだ。袖を途中で接いだから、みっとも良くはないが」「いや、とても具合がいい」「 [続きを読む]
  • 波動の行方 その69
  • 「乳を搾りに行くのだろう。私たちも手伝わしてくれ」「家で休んでていいのに」 籠を背負い歩き出すレゼルに、トックは思い出したように話し出した。「夕べ、夢を見てねえ。それが息子が巻角山羊になって話しかけてきたんだよ。おかしいだろう、人が山羊になるなんて。でもあの子は子供の頃、巻角の子を捕まえて飼っていたことがあったから。天人の山羊を捕まえた罰でも当たったのかねえ」 息子は帰ってこない、諦観が滲んでいた [続きを読む]
  • 波動の行方 その68
  •  レゼルは急いでホツの体を柔らかい草場に横たえ、口の中に涙の粒を一つ落とした。グアハの声も少し慌てているようだった。「仔山羊にも早く」 そしてレゼルは、朝日の中で体を揺すられ、目を覚ました。「おやまあ、どうしたんだい。こんなところで」「トック」「家までもう少しだって言うのに、何もこんなところで寝なくたって」「ずっと走り続けだったから」 傍らではホツがもぞもぞ動き出し、寝ぼけたようにあたりを見回した [続きを読む]
  • 波動の行方 その67
  • 「いやだ。お袋と一緒にいられないなら、一緒に死ぬ」 暗い目が引き絞られた。「怖いのだな。一人で逝くのが怖いのだな」「そうさ、怖いとも。冷たく暗い場所に押し込められて、いろんなやつの恨み辛みの渦の中で、ぐるぐる際限なく回り続けるんだ。あんな所はもう嫌だ」「天に昇れば安らかになれる」「いやだ」 悲鳴にもならない細い叫びを上げた男は丘を駆け下ろうとした。「その男を返してくれ」 レゼルの腕はホツの体を後ろ [続きを読む]