此花咲耶 さん プロフィール

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此花咲耶さん: 里の野山に此花咲くや
ハンドル名此花咲耶 さん
ブログタイトル里の野山に此花咲くや
ブログURLhttp://konohanasakuya725.blog119.fc2.com/
サイト紹介文ジャンルを超えて切ない少年愛(R-18含)の世界を書いてゆきます。どうぞよろしくお願いします。
自由文まだまだ拙いものですが、お読みいただければ幸いです。
ご意見、ご感想お待ちしております。
どうぞよろしくお願いします。
参加カテゴリー
更新頻度(1年)情報提供280回 / 365日(平均5.4回/週) - 参加 2009/10/27 10:16

此花咲耶 さんのブログ記事

  • アンドロイドSⅤは挑発する 18【最終話】とあとがき
  • 「そうだったのか……。これまでこういう事がなかったから、失念していたよ。強制的にシャットダウンされた場合、通常の指紋認証と声紋認証と、一連の起動作業で回復されるんだった」「なんだ、それ……初歩的な設定じゃないか……自分で作ったくせに、そんなことも忘れていたのか?精密機械が聞いてあきれる。うちのパソコンと同じレベルだぞ」音羽は呆れ、音矢は居直った。「アンドロイドが壊れたからすぐに来てくれと、慌てふた [続きを読む]
  • アンドロイドSⅤは挑発する 17
  • 「いや!ショーくん!」「あっくん。落ち着いて」「ぼくが……ぼくがいけなかったの……何もわかっていなかった……ショーくんはぼくを見ていただけなのに……ぅわぁ〜ん……」音羽の胸の中で、綺麗な顔をゆがめて取り乱したあっくんの心中も知らず、車は角を曲がった。車は静かに研究室へと向かっていた。車中では、研究員があっくんの噂をしている。「さすがにモデルというだけあって、綺麗な子でしたね、博士。泣いちゃって可哀 [続きを読む]
  • アンドロイドSⅤは挑発する 16
  • 数時間後。共に荷物を受け取りに来た研究員に撤収を命じると、音矢は早々と研究室に帰ると告げた。「世話になった。おかげで良いデータが取れたよ。以後の研究に活かせると思う」木箱に入ったアンドロイドは、再びしっかりと梱包されて去ろうとしていた。上蓋が閉じられ、しっかりと紐で荷造りをされていた。きっとこれが最後の別れになる……。「あっくん。お別れしないの?」「……音羽……」「兄さん。アンドロイドはどうなるん [続きを読む]
  • アンドロイドSⅤは挑発する 15
  • 音矢の話は、二人には思いがけないものだった。アンドロイドSⅤには、モデルとなった儚い少年の存在があったという。「まぁ、性格をコピーすると言っても、参考にする程度でオリジナルと同じになるわけはないんだよ。行動や思考をあらかじめ予測できるように調整しているから、今回は少しばかり人間らしい部分が色濃く出たという事なんだろうな。アシモフのロボット三原則を知っているだろう?アンドロイドが人と暮らしていくため [続きを読む]
  • アンドロイドSⅤは挑発する 14
  • 仕事を終わらせたあっくんが、やっと帰宅した時、大学のロゴマークの入った大きな車が家の前に止まっていた。「音矢……?」アンドロイドの様子がおかしくなったと聞き、急ぎ音矢は訪れたらしい。「今頃、どうしたの……?何かあった?」「アンドロイドが故障したんだ」「え……ショーくんが……?壊れてしまったの?どうして?」「思いがけない結末だが、厚志は返品したがっていたそうだから、丁度良かったんじゃないか?音羽から [続きを読む]
  • アンドロイドSⅤは挑発する 13
  • 心がざわつくのは、きっと自分の良心がとがめているせい……とわかっていた。乱れた髪をかき上げながら、腫れた目を隠すように大きなサングラスをかけたあっくんは、約束の時間よりも数時間も早く到着して、マルセル・ガシアンを驚かせた。「わたしのヴィーナス。どうしたんだい?撮影機材も、まだ搬入されていない時間だよ。綺麗な蜂蜜色の髪にブローもしないで……何かあったのかい?」「マルセル……に逢いたかったの……え〜ん [続きを読む]
  • アンドロイドSⅤは挑発する 12
  • 残念ながら音羽は、相変わらずあっくんの一途な恋心に、ものすご〜く疎い朴念仁なので、今一つ悲しみを理解できていない。あっくんの心は、今や嵐の海に浮かぶ木の葉の船のように、港を見失って危うく揺れ続けていた。「雨に濡れた子犬を温めるようにしたのかもしれないけれど、音羽はどれほどぼくが……音羽を大事に思っているか考えていない。ぼくたちのベッドに、アンドロイドが寝ているなんてあんまりだよ……許せない……」「 [続きを読む]
  • アンドロイドSⅤは挑発する 11
  • 気配に気づいた音羽が、薄く目を開けた時、あっくんはアンドロイドSVを力の限り揺さぶっていた。「出て行って!どうしてぼくのベッドにいるの?ショーくん!起きて!」「……あっくん。もう朝?どうしたの?」「音羽……なぜここに、ショーくんがいるの?」「ああ……朝早くに帰ってきたら、この子の様子がおかしかったんだよ」「……どういうこと?」「雨に打たれながら、玄関先に座り込んでいたんだ。シャットダウンができなく [続きを読む]
  • アンドロイドSⅤは挑発する 10
  • 「ご主人様なんて、呼ばないで。たまたま運よく起動しただけで、きちんとショーくんのご主人様になった覚えはないんだから。ぼくの気に障る事ばかりしているのに、どうしてそんな風に嬉し気に呼ぶの?」「……わたしはご主人様に喜んでいただきたいです。どうすればいいですか……?どうすれば、ご主人様に許してもらえるでしょう?」「どうしてもぼくの役に立ちたいのなら、泥棒が入らないように、表で番犬のように首輪でも着けて [続きを読む]
  • アンドロイドSⅤは挑発する 9
  • 風呂上がりのあっくんは、素肌に白いバスローブだけを身に着ける。家事はアンドロイドのショーくんがやってくれるので、ストレッチをして、仕事関係のメールの確認をしたら、他にすることはない。ゆっくりとモード雑誌を広げたり、バロック音楽をかけて本を読んだりする優雅な時間が好きだった。だが、長椅子に横たわった時、視界に入った景色が、いつもとどこか違うのに気づく。「……ショーくん。マルセルが贈ってくれた薔薇のブ [続きを読む]
  • アンドロイドSⅤは挑発する 8
  • そしてどこか誇らしげに、胸を張って答えた。「わたしはご主人様のものです。全てがご主人様のために作られています」「うん。そうだね。あっくんも同じことを言うよ。ぼくのすべては、君のものだよってね。君は、あっくんと二人で写った写真があったらどうする?」「二人の写真ですか?それでしたら、わたしは……大切に……とても大切にします」「そうだろう?写真立てが割れても、君はあっくんと二人の写真をごみ箱に捨てたかな [続きを読む]
  • アンドロイドSⅤは挑発する 7
  • 清潔なテーブルクロスの中央にはライナーが敷かれ、センスの良いアレンジ花が飾られている。あっくんの作る料理(恐らく、見た目はほぼ生ごみ)とは、どう控えめに見ても雲泥の差なのは、誰の目にも明らかだ。マルセル・ガシアンにテーブルセッティングのセンスと、料理を手放しでほめられたアンドロイドのショーくんは、プログラムされているだけですと謙虚に微笑んだ。何でもできるアンドロイドは、万能すぎてほんの少し気に入ら [続きを読む]
  • アンドロイドSⅤは挑発する 6
  • アンドロイドの傍に寄ったあっくんは、まじまじと眺めた。「でもSV……ってコードで呼ぶのは、余りおしゃれじゃないよね、何か可愛い名前はないかなぁ。どうマルセル?」「では、ショーはどう?わたしの好きなショー・コスギのイニシャルなんだが」「ショー?」マルセル・ガシアンが身を乗り出してきた。「彼は単身米国に渡り、英語に堪能。武道を極め礼節を重んじる日本の忍者なんだ」「素敵。じゃあ、これから君の名前は、ショ [続きを読む]
  • アンドロイドSⅤは挑発する 5
  • メイクを落としたあっくんの大きな荷物を、マルセル・ガシアンは自ら車に運んだ。「さあ、送ってゆくよ。わたしのヴィーナス。君のお手伝いロボットにも会ってみたい」「もう仕事はいいの?遠回りになるのに」「好奇心には勝てないよ」「まだ、あの子の作ったものを食べたことはないけれど、きっと何か作ってくれているはずだから、食べてゆく?」「嬉しいね。ロボットはどういう形?変身して戦闘形態になったりするのかい?」「ま [続きを読む]
  • アンドロイドSⅤは挑発する 4
  • 翌日から、アンドロイドは家事を引き受け、音羽とあっくんは、玄関先で熱いキスを贈りあい、抱擁を交わすとそれぞれの仕事先へと向かった。音羽は勤務先の病院へ向かい、あっくんには、来年のカレンダーの撮影が入っていた。「わたしのヴィーナス」世界的デザイナー、マルセル・ガシアンはあっくんの事をそう呼んだ。「さあ。始めよう」マルセルの指示で、次々とポーズを決めるトップモデルのATUSHI(あっくん)は、薄絹だけ [続きを読む]
  • アンドロイドSⅤは挑発する 3
  • 視線が外されないので、あっくんは困ってしまった。「どうしよう、音羽。あっさり契約されてしまったみたい。胸に手を置いて、指紋と声紋の認証をするはずなんだけど」「そうだね。何か不具合かな」「音矢に連絡を取ることは可能?」音羽は既に、連絡を取っていた。「今、つながったんだけどね、一度契約を結んだアンドロイドは、研究所に持ち帰って初期設定に戻さなければいけないって言っている」「初期設定……って?」「まあ、 [続きを読む]
  • アンドロイドSⅤは挑発する 2
  • やがて、あっくんは、健気にもきりりと涙を拭いた。「……音羽が家政婦さんを頼みたいのなら、ぼくは反対しません」「そう?君がいいなら、ちょうど家政婦を雇うべきだと考えていたから、渡りに船でいいかなと思っていたんだ。兄貴に、電話しておくよ」「あっくんは、音羽に迷惑ばかりかけているから……止める権利がありません」「あっくん。権利だなんて……違うよ。僕は君に迷惑をかけられたなんて思ってない。まあ、時々は失敗 [続きを読む]
  • アンドロイドSⅤは挑発する 1
  • 世界中の耳目を集める、超絶美形のユニセクスモデルのATUSHIこと上田厚志は、最愛の恋人、秋月音羽と結ばれてアメリカで暮らしている。厚志は大好きな音羽の傍に居たいという幼い頃からの願いを叶えて、誰よりも幸せだった。秋月音羽は肝移植の権威でもあり、長い間肝臓の病気で闘病していた厚志の兄も助けてくれた。厚志のお腹には、兄への生体肝移植でできた手術跡、メルセデスベンツ・マークと呼ばれる大きな傷がある。生 [続きを読む]
  • アンドロイドSⅤは挑発する 【作品概要】
  • 「最愛アンドロイド」シリーズの続編です。登場人物紹介上田厚志(通称あっくん)(マルセル・ガシアンはヴィーナスと呼ぶ)幼いころはとてもみにくい子供だった。近所の高校生のお兄ちゃんの一言でがんばって綺麗に変身し、今は世界的に有名なデザイナー、マルセル・ガシアンの専属モデルをしている。ユニセクスモデルとして名をはせた美貌のあっくんだが、大人になった今もその時の高校生(秋月音羽)を妄信的に愛している。愛する [続きを読む]
  • お久しぶり〜ふでっす(`・ω・´)
  • ご無沙汰しております。何とか自サイトから、観潮楼さま、及びお借りしていたイラストなどを外し終わりました。これで、やっとしがらみのない、オリジナル作品だけのサイトになりました。(たぶん〜……)思いがけず再掲作品をお読みいただき、ありがとうございました。頑張って改稿していましたので、拍手、コメントを頂けて、うれしかったです。(*´▽`*)すぐに、新しいお話を上げるつもりでいたのですが、遅くなってしまいまし [続きを読む]
  • 真夜中に降る雪 番外編 初めての春
  • 春美が自宅から離れた中高一貫校の試験を受けてみようと思ったのに、たいした理由など無かった。その頃、何もかもつまらなかった。見た目だけで自分を判断する周囲や、少し熱を出しただけで大騒ぎする祖父母もいやだった。寮に入るほどの距離ではないし、通学するという理由で誰も知った人のいない学校の受験を許してもらった。中等部の入試は、学科と面接だったがほとんど推薦入試のようなもので、これといって難解なものではなか [続きを読む]
  • 真夜中に降る雪 15 【最終話】
  • 春が聡一に別れを告げ、自宅に帰ってきたのは、早朝だった。自宅マンションのある打ちっぱなしのコンクリートの無機質なエントランスに、春美の知る陽だまりが立っていた。「お帰り、里中」「孝幸」きっと、長い間そこで春美を待っていたのだろう。動きすらぎこちなく、寒気で強張った笑顔を向けた。「里中、寒かったろう?」「寒いのは、孝幸だろう?早く、部屋に入ろう……?」ふと触れたその冷えた指先に、どれだけ長い間外にい [続きを読む]
  • 真夜中に降る雪 14
  • どのくらいの時間が経ったのだろう。薄く目を開ければ、夜明け前の薄暗い空に、薄い朱色の雲が横たわるのが見えた。視線を流せば、ぼんやりと月明りに照らされた、聡一の顔が目に入る。くっきりと高くしっかりとした鼻梁、出会った時にときめいた変わらぬ端正な顔に、しばしの間、春美は見惚れていた。「先輩。こんな顔してたんだ」いつも聡一の顔を見上げる時は、涙で滲んだ輪郭しか記憶になかった。聡一に抱え込まれるようにして [続きを読む]
  • 真夜中に降る雪 13
  • 聡一は愕然としていた。高校を卒業し、大学に入学し、自分の後を追っていると気がついてから、いつか話をしようと思っていた。大人になった今は過去の惨酷な遊びを、若気のいたりだったと謝って、子どもだったんだ、悪かったなと、一笑に伏してしまうつもりだった。それなのに、今も春美は、部室に1人置いて行かれた過去の世界に住んでいる。慕う後輩を残酷に翻弄する、聡一の居る過去に。今となっては、滞った春美の時間を動かし [続きを読む]
  • 真夜中に降る雪 12
  • ここで泣くわけには行かないと思ったが、春美は、こみ上げる嗚咽を抑えきれなかった。 「……う……っ」「春?どうした?痛むのか?」「い……えっ」 慌てて顔を洗っている振りをしたが、笑おうとして不自然に顔が歪み、聡一に本心を知られてしまった。「うっ……えっ……」「春。泣くな。悪いのは春じゃない」「せん……ぱぃ」「いつも春を泣かしたのは俺だ。わかってるんだ、どれだけ傷つけたか……いまだに春のここは、傷が癒え [続きを読む]