りんさん さん プロフィール

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りんさんさん: りんのショートストーリー
ハンドル名りんさん さん
ブログタイトルりんのショートストーリー
ブログURLhttp://rin-ohanasi.blog.so-net.ne.jp/
サイト紹介文気軽に読めて笑えるショートストーリーです。名作パロディーやファンタジーなどが中心です。
自由文お話を作るのが大好きで、こっそり書き溜めていたのですが、夫と子供に見せたところ、面白いからブログに載せたら、と言われて、思い切って作っちゃいました。

重い話はありません。
楽しいショートストーリーが中心です。
お茶でも飲みながら読んで欲しいです。
参加カテゴリー
更新頻度(1年)情報提供82回 / 365日(平均1.6回/週) - 参加 2009/11/29 22:51

りんさん さんのブログ記事

  • 田植えの季節
  • 5時を告げるメロディが、村に流れた。「峠の我が家」は優しく心に響く。秀じいさんは、思わず歌詞を口ずさみながら腰を叩いた。田んぼに水を張り、あとは苗を植えるだけだ。昔は家族そろって田植えをしたものだが、息子家族は帰っても来ない。秋に新米をもらいに来るときだけ、嫁は愛想がいい。「さてと、帰るべ」ふり返ると、水面に緑の山がくっきり映っている。いい季節だ。秀じいさんは家に帰ると、簡単な夕飯を作る。女房が生 [続きを読む]
  • おやゆび姫育成キット
  • 夫が、チューリップの鉢植えと「おやゆび姫育成キット」を買ってきた。夫はこういう変わったものが好きで、前にも「100万コに1コ、桃太郎が入っている桃」とか、「運がよければかぐや姫に逢える竹」とか買ってきた。今回もどうせまがい物だろうと思いながらも、花がきれいだったから育てた。育成キットはいたって簡単。小さな粒を花の真ん中に置き、あとは特殊な培養液と水を与えるだけ。子供だましだと思ったが、二日後、粒が [続きを読む]
  • 25年目のクラス会
  • 久しぶりに降りた故郷の駅は、閑散としていた。6番のバス乗り場に行くと、懐かしい面影がベンチに座っていた。「先生」声をかけると、先生は「やあ」と右手を上げた。「今日はクラス会だね」「そうですね。卒業して25年目のクラス会です」「みんな変わったかな」「ええ、15歳だった少年少女が、40歳の中年ですもの」 あの頃の先生は25歳の若い教師で、女生徒たちの憧れだった。若い分、私たちの気持ちをよくわかってくれ [続きを読む]
  • 桜が見える部屋
  • 南側の窓を開けると、桜の花びらがふわりと舞い込んできました。川向こうの桜並木から、はるばる風に乗ってやってきたのでしょう。小さな花びらは、しばらく空中で遊びながら、あなたの写真の上にちょこんと舞い降りました。桜が好きだったあなたが、写真の中で笑っています。一緒に暮らすことになったとき、あなたはいつになくはしゃいだ声で言いました。「いい部屋を見つけたよ。窓から素晴らしい桜並木が見えるんだ」年に一度の [続きを読む]
  • 桜より〇〇
  • 桜が満開になったから、今日の合コンはお花見合コンだって。はっきり言って夜桜なんて寒いだけ。冷え性なのよ、わたし。でもね、今回の合コンはレベルが高いらしいの。IT企業のエリートだって。桜はどうでもいいけど、とりあえず合コンには参加するわ。あー、始まって30分で、来たことを後悔した。寒いのよ。襟がいい感じに開いたブラウスなんか着てきちゃったから。ダウンジャケットでも着てくればよかった。おまけにコンタク [続きを読む]
  • 説明の多い立ち食いソバ店
  • 立ち食いソバの店の前に、長い行列が出来ていた。よほど美味しいのだろうか。並んだとしても、立ち食いソバなら回転も速いし、さほどでもないだろう。そう思って、いちばん最後に並んだ。しかし行列はなかなか減らない。しかしここまで待つとどうしても食べたい。根気強く小一時間ほど待って、自分の番が来た。「いらっしゃいませ。立ち食いソバへようこそ。お客様、おひとりさまですか?」「はあ」「当店のご利用は初めてでいらっ [続きを読む]
  • 離婚届・婚姻届
  • バツイチ同士の再婚で、彼も私も子供がいないし、双方の親も他界している。障害は何もない。彼はちょっと頼りないけど優しい人だ。とりあえず一緒に暮らし始めて、あとは籍を入れるだけだった。ところがここで問題が起きた。彼の離婚届が、出されていなかったのだ。つまり彼はまだ、離婚をしていない。彼は元妻に電話をした。「え? 出し忘れたって、どういうことだよ。もう5年も経っているんだぞ。いや、確認しなかった俺も悪い [続きを読む]
  • おとぎ話(笑)18
  • <金の斧・銀の斧>ひとりの男が湖のほとりを散歩していた。喉が渇き、自動販売機の前で小銭を出そうとしたら、うっかり財布を落とし、小銭が湖の中に落ちてしまった。「ああ、僕の小銭が…」すると湖の中から女神が現れた。「おまえが落としたのは、500円玉か?100円玉か?それとも10円玉か?」「それ全部です。全部で735円落としました」「正直者だな。ではおまえには、いちばん高価な500円玉をやろう」「いや、2 [続きを読む]
  • 天国の歓迎会(空見の日)
  • 本日3月16日は、もぐらさんの呼びかけで『空見の日』となりました。空見の日は、みんなで空を見上げようという日です。7時15分の空昨日までの雨もすっかり上がり、いい青空です。12時の空ぽかぽか春の陽気で、昼休みの散歩も楽しい。今年1月に、父を亡くした私は、やはりこの空のずっと上に父がいるのかな…なんて思いながら空を見上げました。天国で、お酒でも飲んでいるかな。そんなことを思いながら…、空に因んだ短い [続きを読む]
  • 新人さん
  • 朝は誰よりも早く出社して、社員たちが気持ちよく働けるように掃除をする。入社してからずっとそうしてきた。今朝も、当然一番乗りだと思ったら、社長が鼻歌を歌いながら机を拭いていた。「おはようございます。社長、早いですね」「春日さん、おはよう。ほら、今日から新人さんが来るでしょ。だからね、彼女が気持ちよく働けるように、机をきれいにしてたんだ」社長がだらしなく鼻の下をのばしながら言った。社長をここまで張り切 [続きを読む]
  • シロクマ婦人
  • シロクマ婦人は、いつも白い毛皮のコートを着ている。でっぷりと太り、丸まって歩く。髪も肌も白く、黒目がちな目をしている。年齢不詳だ。シロクマ婦人と名づけたのは僕だ。本名なんて知らない。彼女とは、毎朝バスで乗り合いになるだけの関係だ。シロクマ婦人は、座席2つ分を占領するが、もちろん二人分の料金を払えなんて思わない。彼女はとても愛すべき存在だ。「で、そのシロクマ婦人は、毎日どこに行くの?」咲が、興味深そ [続きを読む]
  • テレビ依存症
  • 「麻子さん、テレビが壊れちゃったのよ」パートから帰った途端、義母からの電話だ。電気屋じゃあるまいし、私が行ったところで直るものではないけれど、とりあえず車を走らせて、5キロ先の夫の実家に向かった。「ほら、みて」リモコンを渡されて電源ボタンを押したが、テレビ画面は黒いままだ。「ダメですね。寿命じゃないかしら」朝から晩までつけっぱなしで8年も経てば、テレビだって壊れるだろう。義母は早くに夫を亡くし、3 [続きを読む]
  • 純愛日記
  • 2017年3月卒業式で、大好きな先輩が答辞を読んだ。凛々しい先輩を見るのは、今日で最後。溢れる涙をこらえて、私は先輩の姿を目に焼き付けた。「思い切って告白すれば?」友達は言ったけれど、私は見ているだけで幸せだった。家に帰ると日記帳を開く。入学した日に、桜吹雪の中で先輩を見た日から毎日書き続けている日記。先輩への想いが詰まった2年間の日記。最後の想いを綴って日記帳を閉じ、鍵のかかった引き出しにしまっ [続きを読む]
  • はつこい
  • 僕の初恋は、姉のお雛様だった。大きな屋敷にあるような七段飾りではなく、お雛様とお内裏様だけの一段飾りだ。姉はお雛様を飾るたびに、「さわらないでよ」と言った。だから僕は、少し離れたところから、お雛様を眺めるだけだった。僕は小学生になった。母と姉が出かけて、僕は子供番組を見ながらひとりで留守番をしていた。「くすくす」と笑い声がした。振り返ると、お雛様が笑っている。見間違いかと思ったけれど、何度も笑う。 [続きを読む]
  • 長い乾杯
  • ご指名をいただきました長井です。僭越(せんえつ)ながら、乾杯の音頭をとらせていただきます。あきらくん、みさきさん、ご両家の皆さん、本日はまことにおめでとうございます。あきらくんが我が社に入社いたしましたのは、5年前の4月のことでございます。桜はまだ3分咲きといったところでした。入社して一週間のころ、桜は満開になり、恒例の花見をすることになりました。私はあきらくんに場所取りをするように言いました。新 [続きを読む]
  • 社長夫人と僕
  • 社長夫人は、社長が不在の時を狙って会社に来る。僕に会うために。今日は昼休みにやってきた。「あら、あなたひとり?」「社長は出張です(知ってるくせに)」「まあ、愛妻弁当? ちょっとおかず少なくない?」「放っておいてください」「ねえ、今夜うちに来ない? あの人いないから」「行きませんよ。嫁が待っているんで」「朝昼晩、嫁の食事じゃ飽きるでしょ。たまには浮気しなさいよ」弁当のプチトマトを、赤い口紅をたっぷり [続きを読む]
  • TO-BE小説工房、最優秀
  • 公募ガイド「TO-BE小説工房」で、最優秀賞をいただきました。課題はカメラでした。嬉しいことに、3度目の最優秀です。上手く書けても書けなくても、とりあえず毎回出そうと決めています。課題に沿って書くのは、すごく勉強になるし、このような賞をいただくと、本当に励みになります。これからも、よい報告ができるようにがんばります^^作品は、公募ガイド3月号で読むことができます。タイトルは「忘れ物」です。よかったら、 [続きを読む]
  • 暦の上では
  • 「梅の花が咲いたよ」と、母からの電話。「今年は早いねえ。だけどまあ、暦の上では春だからね」「まだ2月だよ」「立春過ぎたら春なのよ。暦の上ではね」「ふうん」「ところであんた、帰ってくる気はないの?」いつもの会話。こっち(東京)で就職するって言ったはずなのに。田舎が嫌で東京の大学を選んだのに、何が悲しくて地元で就職するんだよ。電話を切って、スマホをベッドに放り投げた。就職はまだ決まらない。だけど絶対帰 [続きを読む]
  • 不公平な2月
  • 世の中は不公平だ。それを知ったのは、小学生になった2月のあの日。僕と隼人は赤ん坊の時からずっと仲良しで、幼稚園では一緒に孫悟空の役をやったし、勉強も運動も、同じくらいに出来た。それなのに2月14日、隼人はランドセルに入りきれないほどのチョコレートをもらった。「オレには?」と言ったら、「なんで山田君にあげるの〜? バレンタインチョコは好きな人にあげるんだよ〜」と言われた。そうだったのか。いつも母ちゃ [続きを読む]
  • 30歳、職業「鬼」
  • はじめまして。はあ…、プロフィールに書いてある通りです。職業は「鬼」です。どんな仕事かというと、映画の鬼役とか、子供向けイベントの鬼役とか、あとは何といっても節分の鬼です。2月は稼ぎ時ですよ。すでにオファーが殺到しています。収入の面では、問題ないかと。鬼役だけで一生食べていけるのかって?ええ、確かにCGやメーキャップの技術は上がっていますがね、本物にはかなわないわけですよ。そうです。僕は本物の鬼で [続きを読む]
  • ジョンの代わり
  • 大好きだったジョンが死んだのは、寒い冬の夜だった。僕はまだ9歳で、妹は7歳だった。その夜は、何となく別れの予感がしたのだろう。僕たち家族は、深夜を過ぎても誰も眠ろうとしなかった。いつもだったら「早く寝なさい」という母も、眠い目をこすっている妹を抱きしめていた。父はウイスキーを飲みながら、覚悟を決めたように何度か息を吐いた。そしてジョンは、眠るように静かに逝った。硬くなったジョンの感触は、今でも僕の [続きを読む]
  • 授かりました
  • 半年間の海外赴任から帰った日、妻の沙織が神妙な顔で言った。「子どもを授かりました。九週目に入ったところです。つまり、妊娠三ケ月です」「えっ? いや、僕は半年前に海外赴任になって、その間一度も家に帰っていないじゃないか。いったい誰の子だ」面食らって慌てふためく僕を尻目に、沙織は至って冷静だ。「神様から授かった子どもよ」「はあ?」沙織には、幼少期からずっと信じている神様がいる。南の島に昔から伝わる由緒 [続きを読む]
  • ありがとうございました
  • みなさま、ご心配をおかけしました。お悔やみやお気遣いのコメントありがとうございました。身内を亡くすのは初めてだったので、いろいろ戸惑いましたが、無事に見送ることができました。母も元気そうなので、私は今日から仕事に行きました。父は高齢でしたが、病院のお世話になることもなく、前日までお酒を飲んで普通でした。お年寄りの方はよく、「ピンピンコロリで死にたい」などと言いますが、父はまさにそうでした。きっと本 [続きを読む]
  • お知らせ
  • 父が、急逝いたしました。少しのあいだ、ブログをお休みします。いつも読んでくださる方、コメントをくださる方、ありがとうございます。すぐに戻りますので、ご心配なく。コメント返しもその時に…。 [続きを読む]
  • おみくじ屋
  • あけましておめでとうございます今年もよろしくお願いしますでは、2017初のショートです。◇ おみくじ屋 ◇あるところに、2軒のおみくじ屋が並んでいました。ひとつは、大吉がたくさん出るという、おみくじ屋。ひとつは、凶がたくさん出るという、おみくじ屋。だけどその2軒は、外観がまるで同じです。売っている人も同じ顔です。だって二人は、そっくりな双子なのです。明子さんは、今年こそは運命の人と出逢いたい。どうし [続きを読む]