asa さん プロフィール

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asaさん: 夕陽の回廊
ハンドル名asa さん
ブログタイトル夕陽の回廊
ブログURLhttp://yuuhikairou.blog.so-net.ne.jp/
サイト紹介文今の世の中これでいいのか、と思いながら一言
参加カテゴリー
更新頻度(1年)情報提供54回 / 365日(平均1.0回/週) - 参加 2009/12/03 13:50

asa さんのブログ記事

  • 究極のポピュリズムに堕する恐れも〜濫読日記
  • 究極のポピュリズムに堕する恐れも〜濫読日記「情報参謀」(小口日出彦著) 随分昔の話だが、ある国会議員との雑談で、落選して浪人中のことに話題が及んだ。居酒屋をしていたという。「どうして、また」というと、政治家と居酒屋には共通点があり、どちらも情報(=口コミ)を扱う仕事だということだった。 テレビでは、朝から井戸端会議のようなワイドショーが全盛だ。かつてのような、問題提起型やニュースの掘り起こしで [続きを読む]
  • 沖縄戦後史と半生を重ねる〜濫読日記
  • 沖縄戦後史と半生を重ねる〜濫読日記「私の沖縄現代史 米軍支配時代を日本(ヤマト)で生きて」(新崎盛暉著) 沖縄の近現代史について多数の著書を持つ著者は、沖縄出身の父母のもと、東京で生まれ、沖縄大学に赴任するまでの半生をヤマトで過ごした。いわば戦後沖縄の同伴者である。本土と沖縄の関係について「構造的差別」と指摘した著者が、日本と沖縄の「関係史」を、自身の半生を重ねてつづった。 1936年生まれ。日中戦 [続きを読む]
  • 全米を覆う「私は惨め、それで何が悪い」
  • 全米を覆う「私は惨め、それで何が悪い」「ルポ トランプ王国―もう一つのアメリカを行く」(金成隆一著) 今朝(2月28日)の新聞で、トランプ米大統領がアカデミー賞授賞式でさんざん皮肉られたことが伝えられた。メディアの選別、移民の排斥をはじめ、多様性を認めない姿勢への批判である。アメリカは英国から独立する際、自由と可能性の国を旗印にしてきた。その国で、どうしてこんな政権が生まれたか。 もちろん、これは [続きを読む]
  • アメリカの衰亡〜日本は自立すべき時
  • アメリカの衰亡〜日本は自立すべき時「帝国以後」(E・トッド著)を読んで ・トランプ政権の意味〜「国民国家」への欲望 2017年1月、米トランプ政権がスタートした。滑り出しは、お世辞にも順調とはいえない。世界各国からだけでなく、米国内からも厳しい批判を浴びている。代表的なものは、中東7カ国からの入国禁止をうたった大統領令であった。幸い、というべきだろう。この大統領令は司法の手で止められているが、ほかに [続きを読む]
  • 豊饒とも思える日常の深淵〜濫読日記
  • 豊饒とも思える日常の深淵〜濫読日記「セカンドハンドの時代『赤い国』を生きた人々」(スヴェトラーナ・アレクシエーヴィチ著) ソ連は1917年の革命で誕生し、1991年に崩壊した。よくも悪しくも、20世紀の壮大な実験であった。この「赤い時代」に生きた人々の肉声を拾い集め、一つの「帝国」の相貌を浮き上がらせたのが、この書である。 「セカンドハンド」とは「お下がり」の意味である。誰かが使い古した思想や社会システム [続きを読む]
  • 「いま」の時代に、どう読むべきか〜映画「沈黙 SILENCE」
  • 「いま」の時代に、どう読むべきか〜映画「沈黙 SILENCE」 遠藤周作が1966年に発表した小説の映画化である。17世紀、江戸時代初期の日本。キリスト教弾圧が熾烈を極めたころ。ポルトガルのイエズス会宣教師・ロドリゴとガルペは、自らの師ともいえるフェレイラが弾圧に屈して棄教したと聞き、その事実を確かめようと日本に渡る。そして、苛烈な弾圧の中でガルペは信者たちに寄り添い、命を落とす。ロドリゴは、案内役だったキ [続きを読む]
  • 戦後第2世代に期待する〜濫読日記
  • 戦後第2世代に期待する〜濫読日記「『戦後』はいかに語られるか」(成田龍一著) 成田には、「戦後」を分析した著書として「『戦争体験』の戦後史」がある。刊行は2010年。しかし、直後に「戦後」を語るうえで欠かせない出来事が起きた。東日本大震災と福島原発事故、いわゆる「3.11」である。「3.11」は日本の戦後史の解釈を変える、決定的な何かを(成田の用語によれば)「またぎこして」しまった。それゆえにこの出来事は日 [続きを読む]
  • 描かれたのはスペインそのもの〜濫読日記
  • 描かれたのはスペインそのもの〜濫読日記「さもなくば喪服を 闘牛士エル・コルドベスの肖像」 その日は雨だった。砂の足元は滑りやすい。下手をすれば死人が出る。興行主は中止すべきかどうか、迷った。だが、男は平然と出ていった。闘牛場の中央へ。 1964年5月20日。28歳でスペイン闘牛界の頂点に立つ男、エル・コルドベス(コルドバの男)ことマヌエル・ベニテスは、左目が見えずインプルシボ(癇癪もち)と呼ばれる牡牛と [続きを読む]
  • 他者としての「戦争」「原爆」〜映画「この世界の片隅に」
  • 他者としての「戦争」「原爆」〜映画「この世界の片隅に」 「夕凪の街 桜の国」に続くこうの史代原作の映画化である。ただし、今回は実写でなくアニメ化した。それはなぜかは、後でふれる。 1944年、「いつもぼおっとしている」という浦野すずは、ある男性に見初められ、広島の江波から呉に嫁ぐ。戦況は緊迫し、絵が好きなすずは呉湾に浮かぶ軍艦を無心に描き、憲兵に間諜(スパイ)の疑いをかけられたりするが、優しい夫・北条 [続きを読む]
  • 「虚妄の戦後思想」の元凶は〜濫読日記
  • 「虚妄の戦後思想」の元凶は〜濫読日記「丸山眞男の敗北」(伊東祐吏著) 著者の伊東祐吏は1974年生まれ。1960年代後半から70年にかけて全国の大学で闘争のあらしが吹き荒れ、丸山眞男が虚妄の戦後民主主義の代表的存在として批判された時代の後に生を受けた世代である。彼らが丸山をどう見たか。 それはそのまま、70年代以降の若い世代が、丸山を通して「戦後」という時代をどう位置付けるかにつながる。そのあたりの思考の回 [続きを読む]
  • 現代の平和論を組み立てる手がかりに〜濫読日記
  • 現代の平和論を組み立てる手がかりに〜濫読日記 「教養としての戦後〈平和論〉」(山本昭宏著) まず、タイトルについての考察。「教養としての」という言葉が冒頭につく。著者自身の考えはこうだ、というものではなく一歩引いた形で、しかもできるだけウィングを広げてテーマについてまとめた、ということであろう。そして、平和論に〈 〉がつけられている。これは「〈平和〉論」ではなく、「〈平和論〉」であるという意味合 [続きを読む]
  • 60年代の意味を再考する
  • 60年代の意味を再考する「唐牛伝 敗者の戦後漂流」(佐野眞一著)「私の1960年代」(山本義隆著) 60年安保から東京五輪を経て、日本は高度経済成長期に入る。敗戦から15年、なお戦争体験とナショナリズムを色濃くにじませて闘われた戦後最大の市民運動の指導者たちの多くは社会に回帰し、経済成長の時代を担った。しかし、そこに入り込めない、あるいは入ることを拒んだ人たちがいた。 北海道大にいた唐牛健太郎は、陳腐な表現 [続きを読む]
  • 家族の崩壊と再生〜映画「永い言い訳」
  • 家族の崩壊と再生〜映画「永い言い訳」 妻の死に立ち会って初めて気づく日常の空洞。そこから永い再生の物語が始まる。どうやって? どこへ向かって? 流行作家となり、テレビにも顔を出す衣笠幸夫(ペンネーム津村啓=本木雅弘)は外向きの顔とは別にコンプレックスの塊である。自己諧謔の日々の中で妻夏子(深津絵里)との生活も冷え切っていた。そんなある日、妻は親友との旅の途中、バス事故で急死する。自宅で愛人と不倫 [続きを読む]
  • 「三方一両損」の時代を受け入れよう〜濫読日記
  • 「三方一両損」の時代を受け入れよう〜濫読日記「喪失の戦後史」(平川克美著) 著者は1950年生まれ、文筆家で事業家。ほぼ戦後をリアルタイムで生きてきたといえる。その体験を踏まえ、戦後史を振り返った。大きな特徴は、経済ではなく人口動態を指標としながら家族観の変遷を探ったところにある。著者の言葉を借りれば、人口動態から入って家族に抜ける、という手法である。ネットで行った100分講座6回分を再編成した。 全体 [続きを読む]
  • 安保のグローバル化に歯止めを〜濫読日記
  • 安保のグローバル化に歯止めを〜濫読日記「逆走する安倍政治 馬上の安倍、安保を走らす」(纐纈厚著) 安倍政権による事実上の憲法改正が進み、11月には内乱・戦闘状態の南スーダンで「駆けつけ警護解禁=自衛隊と現地兵の戦闘」が現実のものとなりつつある。ここまで来れば、憲法改正論の背景にある日米安保体制の是非自体が問われなければならない。すなわち、日米安保・核の傘への賛否こそが、日本の政治(=針路)の大枠を決 [続きを読む]
  • 家族意識の崩壊を凝視する〜映画「淵に立つ」
  • 家族意識の崩壊を凝視する〜映画「淵に立つ」 最近の日本映画に「家族」をテーマにした作品が多いのはなぜだろう。この「淵に立つ」もそうだが、近く封切られる「永い言い訳」もおそらくそうだろう。最近見た「オーバーフェンス」も、妻に愛想をつかされた男が主人公だった。少し前には「そして父になる」もあった。いずれも平凡な家庭の崩壊、もしくはその瀬戸際に立つ者たちの物語である。 もちろん、それらをひとくくりにして [続きを読む]
  • スポーツと政治」掘り下げが足りない〜映画「栄光のランナー」
  • 「スポーツと政治」掘り下げが足りない〜映画「栄光のランナー」 ヒトラーが国の威信をかけた1936年のベルリン五輪は今も史上最高の五輪だったと評価する向きもある。そのベルリン五輪に、米国の陸上選手として出場、四つの金メダルに輝いたジェシー・オーエンスのエピソードをからませたのが、この映画である。貧しい黒人家庭に生まれたオーエンス(ステファン・ジェームス)はオハイオ州立大に進学、陸上コーチのラリー・スナイ [続きを読む]
  • 絵と道具立てはいいが〜映画「君の名は。」
  • 絵と道具立てはいいが〜映画「君の名は。」 国内興行収入で100億円を突破、各界から絶賛されているという「君の名は。」を観た。結論を言えば、精緻で美しい絵に比べて主人公のキャラの底の浅さが目立ち、感情移入できない印象だった。 ある田舎の少女・宮水三葉と都会の少年・立花瀧の心が、ある日以来たびたび入れ替わる。この仕掛け自体はこれまでにも使われ(大林信彦「転校生」など)、目新しいものではない。しかし、こ [続きを読む]