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  • 夜の海

    波頭から見え隠れしていたサーファたちの姿がなくなった夕暮れの浜辺を一人で歩きつづける。夕日に照らされた鉛色の砂浜は茜色に輝き、静かな時が流れている。日が沈み私は闇のなかに包まれていく。心のなかの様々なざわめきを時々、抑えられなくなるから夜の海に優しく抱擁されたい。でも耳元には海の優しい抱擁の吐息ではなく得体の知れない闇から届く海の低いうめき声。冷酷な夜の海悲しいうめき声。夜の海

  • シモーヌ・ヴェイユ

    自分とは何者でどこから来て、どこへ立ち去ろうとするのかこうした自分自身への根源的な問いがフツフツと湧いてくる。19歳の頃、本屋でふと目にした『重力の恩寵』、『根をもつこと』という本のタイトルに惹かれて出会ったのが、これらの本の著者であるフランス人の哲学者シモーヌ・ヴェーユ(1909年~1943年)だった。その後、『工場日記』、『労働と人生についての省察』などを手にした。彼女は、単なる哲学者ではなかった。工場の労働者となり、女工の悲惨な境遇について身をもって体験しようとした。自分の「本質に」、真摯に向き合った哲学者であり、書斎のなかの思索家ではなかった。そして、34歳で生涯を閉じた。極度の栄養失調による死。彼女の死の理由をここで語る必要はないと思う。今は、彼女の苦悩と死の過程をさらりと「莫迦げている」とみなしたい...シモーヌ・ヴェイユ

  • 草の庵

    子供の頃、「三匹の子ブタ」の物語を読むたびに、いつも不思議に思っていたことがありました。なぜ、「ワラの家はだめなのか」って。オオカミがフーと一息でワラの家を吹き飛ばしてしまったので、ワラの家は駄目なのです。私は、そういう軽いワラの家がいい。オオカミに吹き飛ばされたら、また、新しく簡単に作れるから。「三匹の子ブタ」の話の教訓は、簡単なワラの家のようなものを作ってはいけません。念入りに準備をして、しっかりした土台の上にコツコツとレンガを積み上げた家を建てなければなりません。この類の教訓めいた大人の言い分に、子供の時から嫌気がさしていたようです。「星の王子様」に、ウワバミがゾウを飲み込んだ絵を、大人は帽子だとしか見ないという個所がありました。この本を読み返していないのでうろ覚えです。「星の王子様」の作者、サンテグ・ジ...草の庵

  • 幻のバレンタインのチョコ

    箱が好きです。特に玉手箱が好きです。「玉手箱」という漢字と「タマテバコ」という音が気に入っています。ふと、バレンタインデーに手作りのチョコを玉手箱に入れることを思いつきました。バレンタインデーは1週間前。今頃、バレンタインのチョコについて思いつき、ブログに書こうとしているのです。社会の一般的な価値観や「ものさし」から、かなりずれている私らしいとつくづく思います。幻のチョコチョコを作りました。四季折々の風情を椿、梅、桜、露草、紅葉で表したチョコと恋文をそえて、紅の梅の花を散らした漆塗りの小さな玉手箱に入れました。朝焼けの空のような淡い茜色の和紙で玉手箱を包み、雪のような白い絹のリボンで結びました。貴方が玉手箱を開けた時竜宮城から帰ってきた浦島太郎のように玉手箱から煙が立ちのぼり貴方を包みますそれはほんのりとした恋...幻のバレンタインのチョコ

  • 素敵な人たちその5 :花街の女性

    「セックス・ワーカー」生きることは哀しいこと・・・。辛いでしょう・・・。「そんなことは他者が決めるレッテルにすぎないよ」と聞こえてくる・・・。写真を撮らせてくれた彼女たちの表情から、よそ者の私が勝手に理解しました。ここ(左側の建物がある地域)では、700人の「セックス・ワーカー」が生活しています。客層は底辺層のリキシャ引きから軍の将校などと多様だそうです。彼女たちを「セックス・ワーカー」とバングラデシュのNGOの人たちが呼ぶので、私も彼女たちを言葉で表現するときに、あえて「セックス・ワーカー」という言葉を使います。でも、「セックス・ワーカー」、「娼婦」という言葉もしっくりしません。10代半ば女の子。いつか、彼女たちが自分たちを表現する言葉を創ったとき、私は迷わず、そのウルドゥー語の表現を翻訳せずに使いたいと思い...素敵な人たちその5:花街の女性

  • 素敵な人たち その4:村の女性

    タンガイル県の村で出会った女性です。大きいショールの中で孫を抱く姿は、さすが板についています。凛とした「聖母」のような雰囲気が漂っています。バングラデシュの首都ダッカの街を歩いたとき、女性をほとんどみかけませんでした。レストラン、市場の野菜売り、花屋、アクセサリー店、婦人服店など、一般に女性が働きそうな場所で働いているのは男性です。この様子は地方に行っても変わりませんでした。多くの女性は家で子育てと家事をして、外では働かないそうです。それで、なかなか女性と出会う機会がなく、バングラデシュで撮った女性の写真はかなり少ないのです。村の小学校の校庭で、二人の子供を遊ばせながら、牛に草を食べさせている女性と出会いました。ここでは「子育てしてます」、「牛の世話をしてます」といったカテゴリーで人々が生活していないことを深く...素敵な人たちその4:村の女性

  • 素敵な人たち その3:レンガを作る人たち

    タンガイル県からキショレガンジ県へと西に向かいました。朝、太陽は雲に隠れ、あたり一面は靄につつまれていました。お昼近くになると、太陽がでて、青空が見えてきましたが、あたりはうっすらと靄がかかっています。遠くに煙突の群れが見えてきました。モクモクと灰色や黒い煙を出している煙突があります。辺りをおおっていたのは靄ではなく、レンガを焼いている煙でした。バングラデシュの国土のほとんどが大河のデルタ地帯で占められているため、砂利や石がほとんど採掘できません。そのため、建築材は素焼きのレンガです。砂の代わりにレンガを砕いて使います。素焼きレンガの大きさは、厚さ約7センチ、縦約12センチ、横約25センチです。建築現場では必ずレンガが積まれた山を見かけます。大きな煙突。煙突の左端の黒い蟻のようなのが人です。煙突はかなり大きいの...素敵な人たちその3:レンガを作る人たち

  • 素敵な人たち その2:爽やかな風の主(ぬし)

    爽やかな風の主(ぬし)のような方ダッカから東北に約90キロにあるタンガイル県のある村の村祭りにいきました。遠くからラッパや太鼓の音と、歓声が聞こえてきました。村祭りのメイン・イベントである武術の試合が村人たちがつくった円陣の中で繰り広げられていました。試合の組み合わせは、大人同士、子供同士、子供と大人の3通りがありました。白熱する試合:蔓を編んだ盾と木の棒の剣を使っています。右足には鈴がついた輪をはめています。鳴り響く音楽と村人の熱気と歓声が入り混じり、円陣は沸騰した「鍋」のような状態です。そのなかに、爽やかな風のような方がいました。試合をしている円陣の内側を静かに歩いています。子供同士の試合この方が、静かに歩いているので、熱気を帯びた「鍋」は沸騰しすぎて吹きこぼれることなく、程良く煮立っているように思いました...素敵な人たちその2:爽やかな風の主(ぬし)

  • 素敵な人たち その1:マスクおじさん

    1月中旬、バングラデシュに行ってきました。バングラデシュの面積は北海道の2倍の広さです。人口は日本の人口とほぼ同じです。「人が多い」という印象を持ちました。旅をすると、いつも素敵な人たちに出会います。人の心の温かさ、懐の深さがジワッと伝わってきます。人懐っこいバングラデシュの人たちを中心に撮影した写真をご覧ください。バングラデシュで感じたことを自由に気ままに綴っています。バングラデシュは、南国というイメージだったのですが、ダッカから、「夜は冷えるのでカイロを持参してください」というメールが届きました。日本の冬の服装で十分であり、乾燥しているので、のど飴やマスクがあったほうがよいとのことでした。9日間の滞在中、朝から太陽を見たのは最後の2日間だけでした。1日中、霧に包まれている日や、午後遅く、霧が晴れて太陽が見え...素敵な人たちその1:マスクおじさん

  • 万屋ミカエル 「み~つけた 」 その1 イナゴマメ

    万屋ミカエル「み~つけた」毎日の生活やぶらり散歩、旅などで、「あっ」と思ったり、「いいな~」と眺めたり、ほんわかと和んだりしたものを万屋ミカエル「み~つけた」で取り扱うことにしました。どうぞお立ち寄りください。万屋らしくあらゆるものを取り扱っており、店主ミカエルが気ままに並べております。いらっしゃいませ散歩をする前に、近鉄奈良駅近くの行きつけのカフェでコーヒーとシュークリームを食べます。小ぶりのシュークリームは生地がほどよい固さで、たっぷり入ったカスタードは手作りの味がして美味しいのです。一息して、ほんのりとしてから、ぶらりと散歩するのです。ところが店内改装でカフェは休みでした。散歩の楽しみの一つであるシュークリームが食べられなくて、がっかりしました。雨が降りそうな寒い午後です。ほんわりと体を温めてから散歩にで...万屋ミカエル「み~つけた」その1イナゴマメ

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