西尾妓八 さん プロフィール

  •  
西尾妓八さん: 食べかけのビスケット
ハンドル名西尾妓八 さん
ブログタイトル食べかけのビスケット
ブログURLhttp://gihachi.blog28.fc2.com/
サイト紹介文ほとんど日記の代わりになってます。
自由文実は楽天家なのですが、時には鬱屈することもあり、それを浄化するために書いているのかもしれません。更新はひどく気まぐれです。
参加カテゴリー
更新頻度(1年)情報提供8回 / 365日(平均0.2回/週) - 参加 2010/05/11 00:47

西尾妓八 さんのブログ記事

  • 過去の記事 …
  • 都議選の午後
  • 曇り空を祝う様に芳香を放っていたくちなしも七月の声と共にすっかり影を潜めてしまった図書館までは十分も掛からない緩やかに曲がる坂道は小さな神社から始まっていて僕は軽く会釈だけはしておく読み返すのは 魔女の箒もうすっかり忘れているのでこの午後はきっと楽しめるだろう投票に行くかどうか まだ決めていない [続きを読む]
  • 口笛を吹きながら通り過ぎるそれはたぶん男だと思うひどく上機嫌なその響きは薄汚れた大谷石の塀の外けれどもその足音はなぜか重く苦しげだった舗道は乾いているはずなのにまるで泥底に捕らわれた様な口笛はいつしか遠ざかりサイレンの音がそれに変わったこの間ネズミが轢かれていた辺りちょうどその辺が騒がしくなる私は既に寝支度をしていたのでわざわざ見に出ようとは思わなかったあの救急灯の赤は胸に重いしそれより今夜は枕が [続きを読む]
  • 六月二十九日木曜日
  • ヤモリの声よりも 小さなささやきがもう六月も終わりだよと明後日には七月になるのだよとできるはずだったことをとうとうやらなかったねと僕はカップに 白湯を酌んでひとつうなずき それを飲みほし足を組み替えて 膝頭を揉んだ明日出せるゴミは何だったっけ金曜日は ゴミの日ではなかったそよ風よりも柔らかな手が僕の背中を撫でさすっているそうして声を殺して泣き始める彼女には なにひとつ責任はないというのに画像byぱく [続きを読む]
  • 山行
  • それまで何度も踏みしめた道を汗を滲ませ 登って行った草木は皆 素知らぬ顔で横を向き樹木に閉ざされていた頂はすっかり刈り払いが済んでいて眺望を愛でる人達がいた僕は旧いストーブを置いて食事の用意を始めたのだがあれほど楽しみにしていたそのひとときがひどく寂しく落ち着かず自分が 変わってしまったのだと思うしかなかった帰路は急坂を転がるように立ち木に体を支えながら少々 胸焼けを抱えながら降り立った沢の源頭に [続きを読む]
  • あなたの名前
  • 長い長い眠りでありましたしかもまだ完全には目覚めていないようですもしかしてもう目覚めることはないのでしょうか私の身体は いたって健康で蚊に食われた痕が痒いくらいなものそれにそう不機嫌でもないし普通に人間として暮らしていながらもやはりなんだか枕の底に自分の一部を置いてきたようなああでも この方が楽とも言える病み上がりの白けた清潔さにも似てしかしあまり楽をしていると脳が退化してしまいそうな気もするそう [続きを読む]
  • My Little Farmies
  • 世間の流行から一歩遅れるのが常だ。なので今頃になって農場系ブラウザゲームに手を出している。パソコンでの作業の合間にちょっとできるもの、他人と競わずに済むものをと思ったからであった。元々は「GOGO牧場」というのを、無料お試しで遊び、バーチャルの農業の面白さに目覚めたのがきっかけなのだが、このゲームはいわゆるtime managementの範疇に属するゲームで、数分以内に指定の作物を育て出荷しなければいけない。面白い [続きを読む]
  • 発熱
  • 見守ることしかできなかったあげく僕は 見送ることしかできなかったこの役立たずな両の手で自らの頭を叩くしかなかったこみ上げるものを押さえつけないのにそれは出口を見つけられないだから 僕の 頭蓋の中ははびこった竹の根がやがて床下を突き抜けてしまう様に薄汚れた自尊心がふんぞり返っていて今でも嘲笑を浮かべているに違いない思い返せば 気分を害したあれこれはすべて こちらの心の持ちようでそれだけ余裕がなかった [続きを読む]
  • 夕化粧
  • 川べりでは草刈りが始まって辺りは青い匂いでいっぱいだった名も知らぬ小さな花が共同トイレの正面で陽を受けていてやがてそれも 刈られてしまうのだと思えば 妙に愛しくもなり私は それを折り取って百均で買った小瓶に生けた花は何日もつだろうかとその薄紅の花弁に顔を寄せ咲いていた場所はさておき花は無臭で無邪気だった花の名は「夕化粧」というものでこれは日暮れに咲くのだと知った私は ひそかな浪漫を感じ飽かずに眺め [続きを読む]
  • ムラサキシメジ
  • 平積みの本は 読むためではなく肘を置くための物すっかりからっぽのまま ぼんやりとして次に登る峠道の落ち葉に 思いを馳せるムラサキシメジを今年は食べていないのだというより もう何年も食べていなかったもうまもなく 時期も終わる今年も もう 食べられそうになくそれが そう残念でもないのでたぶん 僕は 何かに倦んでいるのだろう [続きを読む]
  • 遠鈴
  • 遠い霧の彼方よりただひとつの鈴が鳴る夢が霞んでゆくに連れ鈴は遠くなってゆくそれは遠いサイレンの音にいつしか変わってしまったので僕は掌を強くこするともう一度眠ろうと部屋に帰るサイレンは止まず僕は眠れない鈴の音はもう聞こえはしないそうして僕の首筋の血管は古血を溜めて鼓動を強める霧は細かな雨に変わり僕は骨まで寒くなる知らずに窓を開け放していた誰でも入ってこられるようにとそれも鈴の音が消えた今閉ざしてしま [続きを読む]
  • 子守歌
  • 君の声を僕は知らない君は僕の声を知っているいつも話しかけるのは僕の方から君はうなずくか首を横に振るかそれで僕はいいと思っている半分怒ったような眼差しは底に優しさが見え隠れするし鼻先が丸いから冷たく見えないそうしてその怒りの理由が心配からだと判っているから僕はただ君に向かってごめんと頭を下げるしかないだいじょうぶちゃんとご飯も食べているしお酒も赤いワインを少しばかり時折 山も歩いているしたぶん健康だ [続きを読む]
  • 腹八分目
  • 街道の車は終夜途切れずにいて浅い眠りは何度も破られる曲がり角の大きな家の植え込みが切れているあたりからそれはやって来るのだろうか窓を閉めても事態は変わらない街道は僕の専属ではないので文句を言うべきでもないが浅い眠りがいけないのだ深く眠れば気にはならないしかし僕は酒にも薬にも頼らないと決めているので靴の紐をしっかりと締め夜の散歩にでかけてゆく身体を疲れさせるためなのだが川に沿って歩いてゆくうち外灯の [続きを読む]
  • 木枯らし
  • 北風が雲を吹き飛ばしたですこの街にはあまり似合わないけどハロウィンの行進が始まったのです楽隊は陽気に浮かれておりましたこの冬最初の木枯らしだというあわてて旧い上着を探し膝掛けは箪笥の奥で臭くなっていたさすがにコタツは早かろうと思う一団は 行ったきり戻ってこない急に静かになった街は元の通りに動き始めるまるで何もなかったかのように今夜は何かあたたかいものを今夜は布団を一枚増やそう今夜は誰かあたたかなひ [続きを読む]
  • 荒天の朝
  • その朝は天気が ことのほか悪く夜明けにはまだ遠いと感じたのだが実は既に 朝は来ていて気の早い鳥が控えめに鳴いていた暗い寝床で 目覚めた僕は首に巻かれた ぬくもりを感じたそれはしなやかな乙女の腕の様で苦しいほどには力がなかったそうして僕の左の胸には髪をほどいた頭が載っており数本の毛が鼻をくすぐっている様で思わずくしゃみをしてしまう乙女はただ乗っているだけで泣いているということもなく寝息をたててもいな [続きを読む]
  • 陽光
  • 使い古しのライターを立てその前でぼんやり昔を辿る辿るたび心は弱くなるのでもうこのへんでと席を立つ見る度に変わる駅前の店並みを眺めるともなく目に入れながらさてこれからどこに行こう暗い店から陽光の下に出たのでなんだか目が眩んでしまい雑踏さえもまぶしく見える皆それぞれの暮らしを背負い懸命に生きている様に思う自分を省みるとどうであろうか誰も答えをくれはしないだから僕は背中を丸め路地裏に足を向けてしまうのだ [続きを読む]
  • みいちゃん
  • 幼子が私の尻を撫でたがるどうしてかはわからないけどわたしはふとこの娘に何かを残したいと思う何を残せるかを考えてみたが思いつくのは金以外にはなくそれはひどく寂しいことでけれども現実には喜ばれるだろう自己満足に過ぎずとも他にも何か残したいと願う変わった伯父さんがいたのよそんな話のネタを提供することで満足するしかないのだろうかでもまあそれでもいいかなと思いながらわたしは尻を撫でられている [続きを読む]
  • 常磐線の思い出 高浜
  • その日はひどい雨だったずいぶんと濡れて見つけた家は街道沿いに 狭い戸口を閉めていた僕は安心もしたし不安もあったずいぶん久しぶりに会うのだから従姉妹とはいえ姓も変わった上がり框に腰を下ろして形ばかりの手土産を渡す中に入れとは言われなかった奥では酔った男の声で不意の来客を不審がっていた従兄弟だと聞いても怒っていた僕が知る頃の ねえさんはいつもにこやかに笑んでいたがそれは探るような視線に変わり金の無心に [続きを読む]
  • ひざまくら
  • 雲が空を隠してしまい流星は とんと見られなかっただから代わりに虫の音を聴こうと耳を澄ましてしゃがみ込んでいたあれだけ騒がしかった虫達ももうあまり残ってはいないわずかに聞こえる声を愛で僕はいつまでもしゃがんでいたそうするうちに眠気が訪れ僕は傾いて植え込みにもたれ額に細い枝が食い込んだそれは弱い痛みだったので僕はそのままいつまでも痛みを友に 傾いていた足音が数人過ぎていったが誰も邪魔はしなかった痛みに [続きを読む]
  • 家路
  • 僕は仰向いて道に倒れていた何もかもに疲れてしまったから靴底で踏みにじって欲しく思い夜通し道に倒れていた川沿いのベンチで爺さんが盗品を数え制服の警官に声をかけられた爺さんはあわて過ぎてベンチから墜ち地に伏し 死んだふりを始めていたひとりでは生きていけないに違いないふたりでは息苦しいに違いない楽に生きるにはどうしたらいいのか誰も教えてくれようとはしない洗い立ての髪に帽子を載せるとその帽子はひどく古いも [続きを読む]
  • 過去の記事 …