ポール・ブリッツ さん プロフィール

  •  
ポール・ブリッツさん: クリスタルの断章
ハンドル名ポール・ブリッツ さん
ブログタイトルクリスタルの断章
ブログURLhttp://crfragment.blog81.fc2.com/
サイト紹介文ただいま「オタ俳句」毎日更新中。山頭火先生にならって無季自由律。オタクの赤裸々な私生活?
自由文SFからミステリからファンタジーからなんでもやっているよろず小説サイトです。
オリジナルミステリ童話「探偵エドさん」
オリジナルファンタジー小説「昔話シリーズ」
オリジナルギャグ小説「範子と文子の三十分一本勝負」
ほかに、多数のノンシリーズのショートショートや、ファンタジー長編「紅蓮の街」などを取り揃えてご用意しております。
参加カテゴリー
更新頻度(1年)情報提供244回 / 365日(平均4.7回/週) - 参加 2010/06/18 17:52

ポール・ブリッツ さんのブログ記事

  • 八月の砲声・クリスマスまでの戦争
  •  20世紀。それは列強の時代として幕を開けた。植民地と、そこから上がる多大な利権の分捕り合い。だが、地球は球形をしており、その大陸の面積は有限だった。列強の思惑は激突への緊張をはらんで推移し、やがて発火点を迎えるのだった。世界大戦の始まりである。 1914年8月2日。フランス・ベルギー国境付近に大軍を終結させたドイツ軍は、ベルギーに無条件通過権を要求した。それはベルギーおよびフランスにとって即座の [続きを読む]
  • 海外ミステリ77位 復讐法廷 ヘンリー・デンカー
  •  裁判長殿。本作品が「東西ミステリーベスト100」の77位に入ったことについての検察側の攻撃は、公正を欠いたものであると弁護人は考えます。なぜなら、ヘンリー・デンカーのこの小説は、読みやすく面白いリーガル・サスペンスであり、法廷ものの傑作といえることに間違いはないからであります。84年度の文春のミステリーベスト10において堂々の1位に選ばれたことからもそれは明らかであります。しかもこの小説は文春文 [続きを読む]
  • 憂い顔の天使
  • 天使は己の強さを憂える。苦しみで鍛えられ、悪意に耐える術を学び、今ではもう手袋をはめることさえない。天使はそんな己の強さを憂える……。いつも通りのlimeさんの絵の無断借用です。元記事はこちら。 [続きを読む]
  • 「怒りの日」見る
  •  すごい映画を見てしまった。こないだの「奇跡(御言葉)」を撮ったカール・ドライヤー監督の「怒りの日」である。この映画は魔女裁判と、「女性の自律」という主題を、近世ヨーロッパを舞台とした一種の心理サスペンスとして撮ったものである。 もう、主役のアンネ・ペータースドッテルを演じたリスベト・モーウィンがいい。親子ほど年の離れた牧師の後妻なのだが、ファーストシーンのやせ細って頼りない若い娘が、遊学から返っ [続きを読む]
  • 海外ミステリ74位 闇からの声 イーデン・フィルポッツ
  •  最初に読んだのは浪人中のとき。松戸の図書館にあったので読んでみたが、なんだこんなものか、というはぐらかされたような感覚があった。それもそうだ。「大トリックの炸裂する謎解き物に違いない」と思い込んでいたからである。冷静に考えれば、フィルポッツがそんな作品書くわけないじゃないか! 創元推理文庫版を古本屋で見つけたので買ってみたが、マークも「スリラー・サスペンス」を意味する猫さんマークであった。しかし [続きを読む]
  • 夕焼けの味
  •  どうして、そんなことをしたのか、自分でもよくわからなかった。 店員はにこやかな顔でわたしにいった。「袋はご入用ですか?」 いるわけがないだろう。たかだか百五十八円プラス消費税で買える代物を、スーパーの名前がでかでかと書かれたポリ袋に入れる必要など、どこにもないはずだ。 婉曲な言葉でそう告げたわたしに、店員はにこやかな笑みを崩すことなく答えた。「一番の支払機でお支払いください」 セミセルフレジとい [続きを読む]
  • 閑話休題4
  • 閑話休題 トルストイの「要約福音書」を手に入れた男は、それからというもの、猛烈に「祈る」ようになる。その祈りは、「明日も無事でいられますように」とかいった尋常なものではなかったらしい。祈ることは生きることであり、生きることは祈ることであった。男には、周囲の人間がこの明瞭な事実に気づかないことが不思議でたまらなかったようである。誰彼かまわずことあるごとに人をつかまえては「福音書」についてアツく語って [続きを読む]
  • 海外ミステリ74位 トレント最後の事件 E・C・ベントリー
  •  昔から名作としての誉れ高い「トレント最後の事件」は74位だった。この結果を読んだとき、中学生のわたしは正直いささか意外であった。人気の高さからベスト50には入るのではないかと思っていたからだ。その「意外な結末」についてはいろいろと本を読んでいると小耳に入ってくるもので、「推理と恋愛の融合」というキャッチコピーとともに常識の類に入っていた。 最初に読んだのは高校生の時である。74位というこの位置も [続きを読む]
  • 1983年(15)
  •  メカゴジラは1回の手番に2回のミサイル攻撃をすることができた。 修也にとっては残念なことに、ミサイルはあさっての方向に飛んでいったらしい。 Aは勝者だけに許された一種の慈悲深さを伴った声でいった。「取っ組み合いするね」 修也は考えた。今のメカゴジラの低下した攻撃力ではゴジラと肉弾戦をやるのはあまりにも不利だ。ここはカードを使ってうまくかわし、ミサイル攻撃でゴジラの体力を削るべきだろう。 修也は考 [続きを読む]
  • 海外ミステリ74位 摩天楼の身代金 リチャード・ジェサップ
  •  たしかこれは浪人中に読んだんだっけかな。83年度の文春ミステリーベスト10で1位を取った作品で、実際に面白いのだが、このベスト100の74位というのはつけすぎな順位だろう、と思ったのも事実。 そのときの感想をもとにもう一度読んでみたが、たしかに面白いことは面白いのだが74位は評価しすぎだろう、という気持ちには変わりなかった。どちらかといえば「ハリウッド映画の原作」といったほうが近い。たった一人で巨大なビルを [続きを読む]
  • オフ
  •  後光をしまって、チョコレートをひとかじり。 甘くほろ苦い、ちょっとした罪の味。 あとで懺悔はするけれど、 天使にも天使のオフがいるのよ。 limeさんからイラストを無断借用しました。あとで懺悔します(笑) [続きを読む]
  • 「人魚伝説」見た
  •  この作品を見てつくづく思ったことであるが、たぶん監督はものすごく真面目な人なのであろう。監督は初めての監督権と、ミニシアター系では例外的に、普通ミニシアターの作る映画予算の5〜6倍という予算を与えられ、そうとう発奮したものと思われる。 きっと監督はこう考えたのだろう。「おれは『過剰』な映画を作るぞ! なんでもかんでも『過剰』な映画にしたら、きっとウケるに違いない!」と。 当時流行していた社会学のタ [続きを読む]
  • 自炊日記・その62(2017年2月)
  • 2月1日 7:00起床。 朝食のメニュー カレーライス 牛乳寒天 メニューを考えないで済むというのは楽である。 掃除とゴミ出しをする。 昼食のメニュー 天かすうどん みかん 仕事にかかろうとして、パソコンがネットにつながらなくなっている事態に気づき真っ青に。 その日は仕事ができず、プロバイダの人を呼ぶことになる。モデムのせいだったらしく、交換することになった。 夕食のメニュー カレーライス生卵のせ [続きを読む]
  • 鋼鉄少女伝説 1 陥穽
  •    第一部 ブレンハイム編 ブレンハイム(英語名ブレニム)の戦い 日時/一七〇四年八月一三日 場所/ドイツ・バイエルン州ブレンハイム スペイン継承戦争におけるイギリス・オーストリア軍七万五千とフランス・バイエルン軍六万との戦い。イギリス軍を率いるマールバラ公ジョン・チャーチルの、騎兵を用いた中央突破戦術により大損害を受けたフランス軍は、一万二千の戦死者と一万四千の捕虜を出して敗北した。余談だが、 [続きを読む]
  • プロローグ
  • プロローグ 少女はおびえていた。 少女が立っていたのは、光に包まれた世界だった。光は安らぎであり、光は暖かさだった。不安やおびえなど感じるわけもないはずだった。 だが、それでも、心から恐怖が消えることはなかった。 おびえの原因は、目の前に広がる黒い闇。そこだけが切り取られたかのように光が欠けている。 不定形で巨大な闇は、不気味にうごめきながら、ゆっくりと迫ってきた。その闇の一片一片が悪意を持ってい [続きを読む]
  • 海外ミステリ73位 大穴 ディック・フランシス
  •  この企画で48位「利腕」を読む前に一度読んでからの再読。うーむ、何度読んでも面白い。扱っているのはイギリスの競馬界というローカルにもほどがある内容なのに、この本を読んでいる間、幸福でたまらなかった。ページを繰っている間、わたしは知性がありユーモアを解する不屈の元チャンピオン騎手、調査員シッド・ハレーだった。それだけでほかに何が入用だというのか。 とはいえ、それにしてもシッド・ハレーという男は精神的 [続きを読む]
  • 1983年(14)
  •  冬休みであった。 修也はいそいそと、友達の家に「モスラ対ゴジラ」の箱を持って出かけた。「なんだよこれ」 Aはうさんくさそうな声でいった。「ゴジラは知ってるだろ」「うん」「メカゴジラも知ってるだろ」「うん」「それが戦うゲームなんだよ」「でも箱にはモスラ対ゴジラって」「とにかくやってみようよ」 修也は勝手に部屋にボードを広げ、それぞれの怪獣のスタート位置にゴム人形のコマを置いた。「ヘックスってなに? [続きを読む]
  • 「この世界の片隅に」見た
  •  三カ月遅れだが土浦セントラルシネマで見てきた。 すごい映画だった。アニメファンをやっていてよかった、そんな二時間二十分だった。 本作は戦時下を舞台とした日常映画である。「戦時下の日常」を描いた映画ではない。「戦時下」は単なる条件設定にすぎない。ここで中心となるのはあくまでも「日常」なのだ。日常を日常として呼吸をするかのように描く、その困難な作業を、この映画は日本のアニメの技術と演出力のすべてを駆 [続きを読む]
  • 海外ミステリ71位 ディミトリオスの棺 エリック・アンブラー
  •  高校生のとき初めて読み、そのときはよくわからなかった。それから二十五年経った去年の正月に読み直した。 ムチャクチャ面白かった。 今日また読んでみた。 やっぱりムチャクチャ面白い。ページをめくる手ももどかしく、二時間で読んでしまった。ガキにはわからない世界を扱った大人の小説なのである。 いわゆるスパイスリラーの古典的作品だが、「国家」の謀略を描いているわけではない。「国家」の思惑がぶつかる中で悠然 [続きを読む]
  • メルヘン
  •  「蝶々さん」と、わたしはいった。 蝶々さんは、「なあに?」と答えた。 わたしは背中を指さして、 「『怖くないよ』といってくれ、 おびえてしまって出てこないのだ、 ここに隠れた白鳥が」  limeさんに捧ぐ。 [続きを読む]
  • 「奇跡(御言葉)」見た
  •  「裁かるるジャンヌ」で知られるデンマークの生んだ巨匠、カール・ドライヤー監督の1956年作品。ベネチアで金獅子と、アメリカのゴールデングローブ賞を取っている傑作だそうだ。 オールドファンに名作と呼ばれている「裁かるるジャンヌ」が見たいとかねてより思っていたのだが、戦時中失われたと思われていたフィルムのネガが発見されたのが1985年、DVDが紀伊国屋から出たのが2005年のことだそうだから、レンタル屋 [続きを読む]
  • Stella新連載予告!
  •     予告 同じ歴史をたどった地球、 違う歴史をたどった近未来。 日本の国の片隅で、刃と硝煙が作り出す地獄。 狼の目をした少女が、戦場を駆ける。 Web月刊誌Stella新連載、「鋼鉄少女伝説」 ここにはいささかの嘘もない。 (ナレーション:銀河万丈) [続きを読む]
  • 死霊術師の瞳 5-1
  •  5 余目はどこからどう見ても疲れ切ったサラリーマンに見えた。誰も、その貧相な体躯の下には鋼のような肉体があり、その気になったら胡桃でも指で割れるような人間だとは思いはすまい。初めてこの男と出会ったとき、どてっ腹に拳銃を突き付けられたわたしがそう思うのだからほんとうだ。「桐野。お前というやつはどうして、こういつもいつも厄介ごとばかり持ち込んでくるんだ」 わたしは遥美奈だった肉体が運び出され、今はが [続きを読む]
  • 1983年(13)
  •  家へ帰った修也は、さっそく箱を開けてみた。まず目に入ってきたのは、「島」が書かれた、二つ折りになった地図だった。 ……怪獣島だ! 修也はその地図を開いてみた。裏には、色鮮やかな記号がびっしりと書かれた、都市を思わせる地図が描いてあった。 なるほど、と修也は思った。つまり、怪獣島で戦うゲームと、東京で戦うゲームがあるわけだ。 うなずきながら、修也はルールブックを読み始めた。 うっ……。 何が書いて [続きを読む]