高橋熱 さん プロフィール

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高橋熱さん: 大人の為の無料ネット短編小説PandoraNovels
ハンドル名高橋熱 さん
ブログタイトル大人の為の無料ネット短編小説PandoraNovels
ブログURLhttp://pandoranovels.com/category/daily/
サイト紹介文家族や夫婦、大人の恋愛をテーマとした現代短編小説を書いている小説家「高橋熱」の作品集兼ブログ。
自由文行間からその場の空気や雰囲気をうまく感じとってもらえるような言葉選びを心がけています。幸福に忍び込む不穏な影。荒んだ人生に差す一瞬の光明。そんな小説を書いていけたら。
参加カテゴリー
更新頻度(1年)情報提供89回 / 365日(平均1.7回/週) - 参加 2010/06/22 07:02

高橋熱 さんのブログ記事

  • こだわり
  • 『こだわり』  昨年九月十日、その日は既に不穏の気配を孕んでいた。空は厚い雲で覆われ、早朝から夕刻の様な暗さだった。台風は太平洋岸をなめるように進行していた。風雨に耐えられるよう、私はいつもの倍の時間を掛けて、入念にドラ ...続きを読む [続きを読む]
  • 水漏れ
  • 『水漏れ』 三日前からこんな感じなの、と妻は蛇口のレバーをゆっくり上下させながら言った。継ぎ目から、水が漏れていた。操作の仕方によって、じんわり染み出す時もあれば、飛沫が噴き上がる瞬間もあった。「直せる?」「パッキンだと ...続きを読む [続きを読む]
  • 畜生
  • 『畜生』 ケージの扉は開いていた。内側から外す事は、いくら狡猾な動物でも容易い作業ではなかった。今朝、餌をやる時にロックをし忘れたのだと、母は悔いた。「帰ってきたらいなかったよ、ママ」と息子は言った。「家中探したけど、何 ...続きを読む [続きを読む]
  • チチガシラ
  • 『チチガシラ』 洋司の出勤を待っていたかのように、電話は直ぐに掛かってきた。夜を共にした翌朝は、いつもラインを使う筈だった。「おはよう。昨日は」「ねえ、ないの」「何が?」「チチガシラ。たぶんホテルに忘れてきたんだと思う」 ...続きを読む [続きを読む]
  • チチガシラ
  • 『チチガシラ』 洋司の出勤を待っていたかのように、電話は直ぐに掛かってきた。夜を共にした翌朝は、いつもラインを使う筈だった。「おはよう。昨日は」「ねえ、ないの」「何が?」「チチガシラ。たぶんホテルに忘れてきたんだと思う」 ...続きを読む [続きを読む]
  • 盗難
  • 『盗難』 終電の改札を抜けて住宅地に入ると、突然人影はなくなった。週始めから飲んだくれている奴など、この町にはいないのだ。路面は今しがたまで降り続いていた雨で濡れ、街路灯の明かりが染みのように反射していた。越してきて間 ...続きを読む [続きを読む]
  • 盗難
  • 『盗難』 終電の改札を抜けて住宅地に入ると、突然人影はなくなった。週始めから飲んだくれている奴など、この町にはいないのだ。路面は今しがたまで降り続いていた雨で濡れ、街路灯の明かりが染みのように反射していた。越してきて間 ...続きを読む [続きを読む]
  • カウンター
  • 『カウンター』「ごめん」と、夫は妻に言った。「一日に何度謝れば気が済むのよ」 妻は四六時中苛立っているように見えた。理屈や真実はどうであれ、まず最初に詫びておかないと、事態はより悪化するように思えた。「ごめん」「馬鹿にし ...続きを読む [続きを読む]
  • 欠損
  • 『欠損』 台所の一部が、失われていた。正確には、三角コーナー辺りの空間に、三十センチ四方の歪な暗闇が存在していた。僕はそれを便宜上、「欠損」と呼んだ。 欠損は一月前から突然現れ、僕に三角コーナー紛失の不都合を強いた。奇妙 ...続きを読む [続きを読む]