葉菜 さん プロフィール

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葉菜さん: タイトルのないミステリー
ハンドル名葉菜 さん
ブログタイトルタイトルのないミステリー
ブログURLhttp://ameblo.jp/mio-r
サイト紹介文長編推理小説です。 犯人を想像しながらゆっくり読んで頂ければ嬉しいです。
自由文人間関係が複雑に絡み合って誰が犯人か分からない・・正直作者もまだ決めていない???
お楽しみ頂ければ幸いです。
参加カテゴリー
更新頻度(1年)情報提供246回 / 365日(平均4.7回/週) - 参加 2010/07/14 18:49

葉菜 さんのブログ記事

  • 落月ー1
  • 第十六話 「落月(らくげつ)」           一. 「落としましたよ」その声に振り返った桂木武之は思わずその女性の美しさに息を飲んだ。白いワンピースと絹のように細い髪が彼女の美しさをより際立たせているようだ。見とれている武之の視線に気が付いたのかそうで無いのか分からないが彼女は静かに微笑んで手に持っているものを差し出した。武之の定期券だった。思わずズボンの後ろのポケットに手をやり無 [続きを読む]
  • こんにちは。
  • 長くかかってしまった「隠微」もようやく終わりました。すぐに次のお話に取り掛かるつもりでしたが前に書いていたお話に関連したお話を書くつもりがそのお話が1年くらい前に書いたもので自分で書いたものながら詳細を覚えていなくて(??)ちょっと読み返したりしていたら時間経ってしまいました。相変わらず、行き当たりばったりで書く姿勢は変わっていないので特にプロットを立てたりはしないのですが辻褄が合わなくなっても困 [続きを読む]
  • 隠微−30〈最終回〉
  • 事件は終わった。溝内佳苗は事故によって死んだ。彼女が落ちた時その場所に下村瞳子は居なかった。それに間違いはない。そう結論付いたが瞳子を取り調べした刑事はどこか釈然としないものがあった。何だか喉に引っ掛かった小骨がいつまでも取れないような感じが抜けなかった。あの瞳子の態度にあるのかも知れない。大体、あの夜、一緒に屋上にいた事を隠していたことだって怪しいと言えば怪しいのだ「そんな事を言えば疑われるじ [続きを読む]
  • 隠微−29
  •  四.  結局、瞳子はそれから何度も警察に呼び出された。質問はいつも同じ。瞳子の答えもいつも同じ。同じ言葉を何度も繰り返し答える。まるで丸暗記した文章を読むかのように。会社の人間からもよそよそしい態度を取られるようになった。瞳子が警察に疑われている事が噂になり始めている。高校の時と何もかもがまるで同じだ。こうやって、何もしていないのに人の疑惑の目に晒される。そして瞳子はあの時と同じように逃げ [続きを読む]
  • 隠微−28
  • 「何が可笑しい?」刑事が険しい目で瞳子を見る。「いえ、別に。ちょっと思い出していただけです」「何を?」「大した事ないです」こんな状況で笑える事に刑事は違和感を抱く。母親が言っていたようにどこか普通でない物を感じる。下村瞳子が捜査線上に浮上した時には彼女の身辺で聞き込みもした。多くの社員は瞳子の事を特に変わったところもない普通の人間だと言っていた。ただ、一人だけ妙な事を言った同僚がいた。卜部励二と [続きを読む]
  • 隠微−27
  • 「でも、私には関係ない事です。何度も言っていますけれど私は何もしていません」「そんな事が通ると思っているのかね、君は溝内さんが亡くなった夜、一緒にあの屋上にいたというのに」「一緒にいたから私が何かしたなんて短絡的ではないですか。私が突き落としたという証拠はどこにあるのですか」「しかしね、情況的に見ても」「状況だけで判断などするからこの世に冤罪があるんです。刑事さん、私は何もしていないんです。それ [続きを読む]
  • 隠微−26
  • 「ちゃんと上手くやってきたつもりだったのに、嘘から身を守る為に」「何を言っているんだ?」刑事が首を傾げる。「私、何もやっていませんよ。和喜ちゃんの時も溝内さんの時も」「溝内佳苗さんが亡くなった時、一緒にいた事は認めるんだね」「いいえ」刑事の強い口調に全く動じる封もなく瞳子は溜息交じりに応える。「いいえって、ここにこうやって映っているじゃないか」「映っているって、これ、ただ道を歩いているだけですよ [続きを読む]
  • 隠微−25
  • 地面に叩きつけられた和喜の姿を瞳子は呆然と見る。和喜が何故飛び降りたのか分からない、瞳子から逃げる為?そんな馬鹿な事がある筈がない。だって瞳子は和喜の親友なのだから。和喜は頭が可笑しくなっていたのだろうか。あの人形のように瞳子の手から離れて地面に落ちた。ずっとずっと見守って大切にしてあげていたのに。 だから、だからこれで良かったのだ。そんな思いが湧く。瞳子の手を離れた者は壊れる運命にあるのだ。で [続きを読む]
  • 隠微−24
  • 四. 「あなたは溝内佳苗さんが亡くなった夜、どこに居ましたか?」まるで尋問のような口調、高校の時と同じだ。再現ビデオのように瞳子に疑いの目を向けている刑事達の質問にうんざりする。「それはどういう意味ですか?」「言葉の通りです。もう一度聞きます、あなたは溝内佳苗さんが亡くなった、七月十八日の夜、どこで何をしていましたか?」繰り返される質問に瞳子は溜息を吐く。何だってこんな質問に答えなくてはいけ [続きを読む]
  • 隠微−23
  • 「和喜と親友だったのは溝内だよ、君じゃない」「何を言っているの」匡史はいきなり何を言い出すのかと思った。「君はいつ、和喜と一緒にいたの?一緒にどこかに行ったりした?」「当たり前じゃない、親友だったのだから」「だから…!」匡史の顔がいらついているのが分かる。「私と和喜が親友じゃなかったなんて、溝内さんと親友だったなんて、どうしてそんな嘘を言うの。一体、何がしたいの」匡史が何を考えているのかさっぱり [続きを読む]
  • 隠微−22
  • 「なんでそんな事言ったのかな?」匡史は不思議そうに首を振る。「さあ…」それは瞳子の方が聞きたい。かと言って今更聞く事も出来ない、佳苗とはもう二度と話す事は出来ないのだから。ただやはり、佳苗は匡史が好きだったのではないかとちょっと思った。「まあ、今更聞けないしね」「ええ…」瞳子は俯き加減に返事をする。もし佳苗が匡史の事を好きだったとしてもそんな事を佳苗がいなくなった今、匡史に言ってもしょうがない。 [続きを読む]
  • 隠微−21
  • 結局、励二と話す事はないまま日々が過ぎて行った。瞳子の中にすっきりしない部分は残ったままだったが励二が総務の子と楽しそうに話している姿を何度も見かけてもうどうしようもないのだと思った。瞳子との事は誰にも言わないで隠していたのにあの子とは周りの目を気にする事なく一緒にいる姿を見てそういう事なのだと思った。それにここで騒いで社内の人間みんなに知られたら惨め過ぎてもう会社に居られない、諦めるしか [続きを読む]
  • 隠微ー20
  •  あの時、必死で手を伸ばした、和喜を掴もうと。でも届かなかった。いつもそうだ、欲しい物は掴めない。すぐそこにあってもこの手をすり抜けるように落ちて行く。そうだ、確かそんな風に思ったのだ。地面に投げ出された和喜の歪な姿を見た時、昔落として壊れた人形が頭に浮かんだ。幼い時、バスの窓から落とした人形は後続車に轢かれてバラバラになった。とても悲しくなった。それはお気に入りの人形だったから。だがバスは止ま [続きを読む]
  • 隠微−19
  •  店に入って席に案内されて匡史と向かい合わせに座る。きっと周りの者はカップルだと思っているだろうなどと思ってしまう。「葬儀に来ていたよね」「あ、ええ。そりゃ、最近会っていたのですもの」「だよね、でももし、同窓会に来ていなかったら来なかった?」「あ、それは…」どうしただろうと考える。でも同窓会に行っていなかったらKEIが佳苗だときっと気付かなかったように思う。否、知っていたとしてもおそらく行かなか [続きを読む]
  • 隠微−18
  • 佳苗が亡くなって和喜の事も頓挫したまま一カ月が経過した。励二からも何も言ってこない。何もかも中途半端なまま日々だけが過ぎて行っているように感じる。とは言え、何をどうしたら良いのかも分からない。日曜の午後、励二に電話しようかどうか迷いながら携帯を見ていたら不意に知らない番号からの着信が入った。(誰かな…)出ようかどうしようか迷いながら応答する。すると電話の向こうから聞き覚えのある声が聞こえて [続きを読む]
  • 隠微−17
  • 三.  ニュースやワイドショ―で連日、佳苗、否、モデルのKEIの事が取り沙汰されている。死因は転落死であった。しかも落ちた場所は母校の屋上からである。自殺か事故か、或いは――そんな事が毎日テレビ画面の中で論争されている。 母校での転落死、それを聞いた時、瞳子の頭の中で和喜の事が増々鮮烈に蘇った。それはきっと瞳子だけではない。瞳子の同級生達、当時同じ高校に居た者は嫌が応にもそれを連想せずにはい [続きを読む]
  • 隠微−16
  •  佳苗と会ったあの夜以来、瞳子は同じ夢を繰り返し見た。佳苗が落ちて行く夢。どうしてこんな夢を見てしまうのか分からない。あの含みのある笑顔が瞳子の頭から離れないせいだろうか。佳苗に対して今一つ信用できない何かを感じているのかも知れない。佳苗と一緒に和喜の周りの人間の事を調べようと約束したがまず佳苗の事をもっと知るべきなのではないかと思えてくる。 社食に行くと久しぶりに励二の姿があった。総務の若い女 [続きを読む]
  • 隠微−15
  • 「なんか、やっぱり溝内さんは委員長ね」「そうお?」「うん、そういう喋り方とか変わってない感じ」「偉そう?」「そう言うわけじゃないけど…」「良いのよ、はっきり言ってくれて。それ、よく言われるの。なんか優等生ぶっちゃうところあるみたいなの、私」「自覚しているんだ」思わず零れた言葉に瞳子はアッと思ったがその言葉はしっかりと佳苗の耳に届いたのだろう、佳苗はくすっと笑った。「下村さんって案外、面白い。そう [続きを読む]
  • 皆様、こんばんは。
  • 更新が飛び飛びになって済みませんm(_ _ )m用事が多いのと大雪による雪かきと申告の時期が重なって中々ゆっくりと小説に取り組めません。 出来るだけ頑張って更新したいと思っていますがちょっと連続での更新が難しい状況です。でも必ず続けますのでしばしお待ちください。 時間のある時に少しづつでも書き進めていますので。 宜しくお願いします [続きを読む]
  • 隠微−14
  • 「なんか、ホッとした顔してる」佳苗に指摘されて瞳子はドキッとした。「そ、そんな事ないわよ」「下村さんって案外分かりやすい」佳苗は瞳子を見てにんまりと笑った。「お目当ては北川君?じゃなくて中野君かしら?」「な、何言っているの、そんなんじゃないわよ。第一、私、彼氏いるってさっき、」「でも、煮え切らないんでしょ」「そう、だけど…」「残念だけど、中野君には彼女いるわよ。私達よりずっと若くて可愛い子」「だ [続きを読む]
  • 隠微−13
  •  佳苗の正面に座って注文を済ませると佳苗は早速要件に入った。「全部、読めた?」「ええ、あの日の晩に全部読んだわ」「で、どう思った?」「うーん、私的には特に気になるところなんてなかったように思ったのだけれど」「全然?」念を押されて瞳子は首を捻る。だが本当にそう思ったのだからどうしようもない。「うん…分からなかったわ。溝内さんは何が気になったの」「気になったっていうか、君島さんってなんか誰とも距離を [続きを読む]
  • 隠微−12
  • 二人と別れた瞳子はそのまま帰宅した。二人から預かったプリントアウトした用紙を持って。和喜のノートも持って帰ってもっとゆっくり読みたかったが、それは奈々子にすぐに返すと言ったから渡せないと言われた。家に戻って食事をした後、瞳子は預かってきた用紙をバックから取り出し読み始めた。 それぞれ誰が何を言ったかが書き出してある。全部読み終わった時には夜中の二時を回っていた。時計を見て瞳子は溜息を吐く。 [続きを読む]
  • 隠微−11
  • 「溝内さんはずっと和喜ちゃんの家族の面倒を見てきたの?」「面倒なんて、他人の私に出来る事なんて何もなかったわ。ただ、なんて言えば良いのかしら…時々、様子を見に行っていただけ」「そう…」何だろう、やはり何か引っかかる。だがその何かの正体が分からない。瞳子は再び和喜のノートに目を通す。〈何だろう、あの人の笑みは何かが違う、怖い。でもそんな事を思っているのはきっと私だけだ。だって…〉だって、何なのだ。 [続きを読む]
  • 隠微−10
  •   二.  瞳子は佳苗が持参したノートをその場で開く。見覚えのある和喜の字が目の中に飛び込んでくる。 ノートの初めの方には日常の様々な事、嬉しかった事、楽しかった事、少し腹が立った事など、反省文もいれて書いてあった。何となく和喜らしいと思った。〈昨日、校門の横の花壇の花が倒れていた。誰かが悪戯したのだろうか。植え直してみたら今日は真っすぐ天を見ていた。元気になったようだ [続きを読む]
  • 隠微−9
  • 「そうそう、この間、君島さんのところにお焼香に行ったのですって?」佳苗が思い出したかのようにそう切り出した。「あ、ええ。でもどうしてそれを?」「奈々ちゃんから聞いたの」「和喜ちゃんの妹の奈々子ちゃん?」「ええ」「連絡取り合っているの?」瞳子の胸にまた、何かが刺さる。「ええ、偶にね」「溝内さん、和喜ちゃんの家にずっとお参り行っていたって聞いたけれど、和喜ちゃんとそんなに親しかったっけ?」「あ、ええ [続きを読む]