正宗の妖刀 さん プロフィール

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正宗の妖刀さん: コトバの試し斬り=(どうぶつ番外物語)
ハンドル名正宗の妖刀 さん
ブログタイトルコトバの試し斬り=(どうぶつ番外物語)
ブログURLhttp://blog.goo.ne.jp/s1504
サイト紹介文斬新な切り口で展開する短編小説、ポエム、コラム等を中心にブログ開設10年目に入りました。
自由文自然と共生しながら、生きてきました。
ここでは4,000字(原稿用紙10枚)程度の短い作品を発表します。
<超短編シリーズ>として、発表中のものもありますが、むかし詩を書いていたこともあり、コトバに対する思い入れは人一倍つよいとおもいます。
参加カテゴリー
更新頻度(1年)情報提供53回 / 365日(平均1.0回/週) - 参加 2010/09/26 23:03

正宗の妖刀 さんのブログ記事

  • どうぶつ・ティータイム(201) 『一夜の雪に大わらわ』
  •          3月23日に東京の桜のつぼみを見ながら軽井沢に向かった。 午後の出発だったので、通りかかった星野温泉「トンボの湯」に立ち寄り湯をした。     出てくるともうすっかり日が暮れていて、駐車場には寂しく主人を待つクルマが並んでいた。 当日は、懐かしのわが山小屋に泊まる。 この夜は、たぶん氷点下8度ぐらいまで下がったのではないだろうか。      翌日、この夜の宿泊先を偵察 [続きを読む]
  • ポエム153 『ラ・フランスの花びらに』
  •      ラ・フランスの花   (城跡ほっつき歩記)より  シャリシャリ トロトロ  熟れ熟れ シュルシュル  ラ・フランスが口の中で踊る  なんという高貴な香りなんだ  果実のまわりで音符が舞っている  歓びの歌がひびく洋梨のパラダイス  ラ・マルセイエーズの国で発見された種が  遠く日本の地に根付いた  革命の記憶を雪いだ奇蹟の適応だ  白磁の皿よりも陽が透けていく  そうだよ  [続きを読む]
  • ポエム152 『鉄砲漬けが食いたいな』
  •      はぐら瓜の鉄砲漬け    (ウェブ画像)より  夏になるとぼくは崖の上の畑を思い出す  せまくて急な傾斜の道に足をしならせ  何列もの畝に沿ってはぐら瓜を収穫した  瓜は支柱の竹からずり落ちて  みどり児のように敷きわらの上で遊ぶ  緑の光が創る回廊の塑像たちとともに   はぐら瓜 はぐら瓜  背負い籠のなかで束の間の眠りをむさぼれ  母がささやく絶妙の手順を思い描きながら [続きを読む]
  • (超短編シリーズ)119 『チャボの誇り』
  •        (チャボの誇り) 三太はチャボのシロを抱き、むしろの囲いの中に入った。 正面には、勝平が黒いチャボをかかえて待っている。 二羽とも目隠しされているので、それぞれの腕のなかでおとなしくしていた。 勝平の戦士は、黒い羽根のせいか三太の目に強そうに映った。 それでも、大人たちのシャモとは体から発する威圧感が比べものにならなかった。 三太は確かめるように手の中のシロを見下ろした。 シ [続きを読む]
  • ポエム151 『ぼくには何かがタランチュラ』
  •      タランチュラ    (ウェブ無料画像)より  ぼくには何かがタランチュラ  毒蜘蛛というイメージが定着して  必要以上に恐れられているが  セアカコケグモほどの破壊力もない  たしかに図体はでかいです  メスの大きさは30センチほどにも  小鳥をつかまえて食べたとか  噂がひとり歩きして悪魔扱いまでされる  ジャングルに生息するイメージが強いが  もともとはイタリアの港町タラ [続きを読む]
  • ポエム150 『菜の花と光の物語』
  •      菜の花    (季節の花300)より  世界中の光を一手に集めて  幸福のセールスマンがやってくる  希望を手放した人はいませんか  夢をあきらめた人はいませんか  この世は住みづらいと聞きましたが  畑には一面に菜の花が咲き  楽しげに身をゆらしている  これならどんな種でも育ちそうですね  セールスマンは背中の籠に光を詰め  虐げられた国々をまわることにする  辛すぎる人 [続きを読む]
  • ポエム149 『嫌われ者の大反魂草』
  •      オオハンゴンソウ      (城跡ほっつき歩記)より    あたまが重いなあ  少し花粉を飛ばしちゃおうかな  だけど迷惑がられそうだなあ  ぼくを締め出そうとする人もいるからな  兄弟分のハンゴンソウはいいよなあ  若芽は食用になるとか  ものすごい薬効があるとか  けっこう評判がいいんだよな  ぼくのほうは特定外来生物に指定され  許可なく栽培も運搬もできないんだって  あ [続きを読む]
  • どうぶつ・ティータイム(200) 『深大寺鬼やらい』
  •       2月3日、午後から暇ができたので深大寺に行ってみた。 実は節分には一度もお参りした記憶がない。 子供目当ての店でも出ているかと思って出かけたら、それらしい屋台はまったく見当たらない。 それでもドドーンと腹に響くような太鼓の音が聞こえたので、本堂前の境内を目指した。    折しも本日3回目の追儺が始まったところで、和太鼓の一座が威勢のいい太鼓の並べうちを披露しているところだった。 [続きを読む]
  • ポエム148 『憂鬱なケツァルコアトル』
  •      ケツァルコアトル想像図    (ウィキペディア)より  東京の代々木公園には  1990年にメキシコから贈られた  ケツァルコアトルの像がある  アステカ神話の水と農耕の神で  日墨友好のシンボルでもある  1609年9月の御宿では  嵐で座礁した船から海岸まで泳ぎ着いた  ドン・ロドリゴ総督ほか317名の乗組員を  岩和田の漁民が救助した  メキシコ記念塔は交流400周年のシ [続きを読む]
  • ポエム147 『これからだ葉牡丹』
  •      葉牡丹    (城跡ほっつき歩記)より  巻きかけの葉が天を見上げる  「ぼくはやるよ、これからなんだ」  寒空の下で紫色の唇を震わせて  葉牡丹の若者が決意を述べる  牛久から佐貫を経由して龍ケ崎へ  兄はその町の軍需工場に通った  時代こそ違うが萩原少年は中学校へ  稀勢の里おめでとう、ホントに好かった  牛久のおばさん、おめでとう  木造の駅舎だった昭和20年  一家は [続きを読む]
  • ポエム146 『二十日鼠の世紀』
  •            ハツカネズミ         (ウェブ画像)より  思えば20世紀は  二十日鼠の天下だったなあ  産めよ増やせよと叱咤して   数の勢いで富国強兵を目論んだ  女たちは腹の休まる暇もなく  二十日鼠のように子供を量産した  男たちもまた血眼になって物を生産し  キラキラと輝く富の力に期待した  ところがどうだ  富はもう悪しき性格を帯び  二十日鼠の淘汰を始めて [続きを読む]
  • どうぶつ・ティータイム(199)『泣き笑い今年の初セリ』
  • 今から6年前、ぼくは『悪意の増幅』というタイトルでアメーバ・ブログに書評形式のコラムを書いたことがある。参照=http://feedblog.ameba.jp/rss/ameblo/s1504/rss20.xml 当時、流血事件の被害者となった市川海老蔵に対して、あたかも海老蔵の方が悪いと言わんばかりの報道がまかり通っていて、義憤に駆られてアメブロに投稿したものである。 わざわざそちらに投稿したのは、芸能マスコミにモノ申したかったからである [続きを読む]
  • どうぶつ・ティータイム(198) 『今年も深大寺で』
  •      お参りも並んで 一月三日、そろそろ初詣のお客さんも少なくなってきた頃を見計らって深大寺に行った。 それでもお賽銭を上げる位置まで進むには順番待ちで、正月に特別の思いを抱く人が依然として多いことに安堵を覚えた。     去年の縁起物を収める 去年が良い年だったのか、そうでもないのか、家族揃って健康で新年を迎えられたのだから佳かったのだと思う。 ということで、お世話になった破魔矢やダ [続きを読む]
  • ポエム145 『除夜の鐘』
  •      鎌倉・長谷寺    (画像は「かまいこねっと」)より  除夜の鐘が鳴りはじめる  百八つの始めと終わりは寺の住職が  間の106回は煩悩を抱える参拝客に  それが千年続くゆかしい行事だった  山は寺をふところ深く包みこみ  生も死もきびしく見据えたものだ  山に見つめられたら坊さんも背筋をピンと張る  庶民ですら除夜の鐘にゴーンと身を浄める時だ  除夜の鐘がうるさいという人が [続きを読む]
  • どうぶつ・ティータイム(197) 『JAXA展示室』
  •      内之浦宇宙空間観測所 12月20日、内之浦宇宙空間観測所からイプシロンという打ち上げコストの安い国産新型固体燃料ロケットが発射され、地球を取り巻く強い放射線帯の謎を調べる小型探査衛星「ERG(エルグ)」を予定の軌道に投入し、打ち上げは成功した。      イプシロン2号機  日本のロケットといえば、1955年に東大の糸川博士がペンシル型ロケットを打ち上げて以来、地道な研究と実験を重ね [続きを読む]
  • ポエム144 『大毛蓼が咲いている』
  •      大毛蓼(オオケタデ)    (城跡ほっつき歩記)より  空き地にはオオケタデの群れ  ヒタヒタと忍び寄る漁船が白昼を埋め尽くす  かつて覇権を目指した紅の旗が  じわじわと日本に迫る夏から秋への野外劇  猛威を振るったセイタカアワダチソウは  いつしか荒れ地から姿を消した  ススキをも席巻した北米渡来の植物だったが  都会ではもう見る影もない  戦後の歩みに耳をそばだてれば  [続きを読む]
  • ポエム143 『天からの匂い辛夷』
  •      タムシバ(匂い辛夷)    (城跡ほっつき歩記)より  あの夜空の星をとって欲しい  幼子が母親にねだったという話をしたら  いまどきそんな事を言う子供はいないだろうと  イクメン仲間に笑われた  だけど小林一茶には  名月をとってくれろと泣く子かなの一句があり  それなりに可笑しみのある名句として  評価されているではないかと反論した  月ならでっかいから  子供の目に留ま [続きを読む]
  • ポエム142 『落ち葉ころころ』
  •       けやき落ち葉     (季節の花300)より  ケヤキの大木から振り落とされた枯葉が  冷え切った土の上で縮こまっている  季節ごとの定めとわかっていても  先輩の姿のようで痛々しい  誰に対しても無邪気だった  困るほど人懐っこい人だった  だが おおらかさに程度があるように  ときどき寂しげに見えました  泣けよ 泣いて叫べよ  吹きさらわれる落ち葉となって  海峡を越 [続きを読む]
  • ポエム141 『悲しみの千日紅』
  •      千日紅    (城跡ほっつき歩記)より  母が飛んだ  夕暮れの空へ飛んだ  団地の花壇には苺のような千日紅  ついばむ鳥が嘴から突っ込んだ  娘は電気もつけずに泣いた  頼りの父は半年前にツガイの相手を変えた  今どこのねぐらに籠っているのやら  見捨てた団地の窓をテレビは写すだろうか  娘は泣き疲れたまま眠り込んだ  目ざめると闇のなかで囁く声がした  おまえは一人ぼっち [続きを読む]
  • (超短編シリーズ)118 『夢しぐれ』
  •      (夢しぐれ) 私の仕事は、会社まわりの営業マンである。 売り込みは思い通りに行かず、それでも部長相手に粘っていたが、一息入れるために社屋内の売店のようなところに立ち寄った。 そこで目に付いた揚げ物を買って食べていると、急にお腹が痛くなった。 おかしいなと思いながらトイレを借りて用を足そうとするのだが、便器の蓋を上げると黒い汚れが点々と飛び散っていてすぐには腰を下ろせない。 しかし [続きを読む]
  • ポエム140 『カタクリは宇宙の鏡』
  •      カタクリ    (城跡ほっつき歩記)より  カタクリは地上のスティーヴン・ホーキング  天窓をみつめて宇宙の夢を見つづける  夜が明けると周りは緑の渦に囲まれ  彼を支える家族や友人が漂流しはじめるのだ  カタクリの葉のまだらは星雲の妖しさ  始まりも終わりも見定められない時間の概念に  ホーキングは時空の特異点をピン留めした  あらゆる真理は卓越した仮説によって覆される   [続きを読む]
  • ポエム139 『夜顔のひみつ』
  •      夜顔のつぼみ         (季節の花300)より       昼間ソフトクリームを舐めていた娘が  夜になると大輪の花を咲かせる  その変貌に驚き人は娘を夜顔と名づけた  むらさきの朝顔がしぼむ頃  昼顔が遅い目覚めの顔をのぞかせて  おはようと気怠い声をかける  かなかなかなと樹間をわたる蝉の声  夏から秋へ移り行く季節の使者が  夕顔の開花の音にも耳をそばだてる  あ [続きを読む]
  • ポエム138 『永遠のフジバカマ』
  •      フジバカマ    (城跡ほっつき歩記)より  藤色のトッパーをまとったキミコの姿は  いまでも僕の胸腺を熱くする  風が冷たくなった夕暮れの道端で  あなたはフジバカマのように微笑んでくれた  肩にまわした僕の手のひらに  ふんわりと温もりを返してよこした貴い人よ  安物のコートを着ていたかもしれないが  月の出を待ちわびる秋草のように愛しかった  まぢかに感じた息のかぐわし [続きを読む]
  • ポエム137 『月と星は天の穴ぼこ』
  •       星空    (ウェブ無料画像)より  夜空を眺めることが少なくなって  ぼくの夢はまとまりがなくなった  もともと夢なんてまとまりがないもの  そういって揶揄するならすればいい  ある夜ぼくは吉行淳之介の本を読んだ  『月と星は天の穴』を探し当てたのだ  世界を動かすほどの力はないが  文章が醸し出す滋味の滴りを受け取った  ふたりの女と交際して  それぞれの魅力を文章 [続きを読む]
  • ポエム136 『老女の家のアメリカ朝顔』
  •      アメリカアサガオ  古い家から出てきた老女が  向かいの家のブロック塀に向かって  いきなり落ち葉を撒き散らした  「だらしのないジジイだ」  塀越しに枝を伸べるハナミズキの葉が  道路に散らばるのを掃いているのだ  「一度だって掃いたことがないんだから」  老女はよほど腹に据えかねているらしい  しかも塀ぎわに捨てた落ち葉が風に舞い戻る  北からの風が老女の側に吹き寄せる [続きを読む]