たく さん プロフィール

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たくさん: ひととひかり
ハンドル名たく さん
ブログタイトルひととひかり
ブログURLhttp://taku730904.exblog.jp/
サイト紹介文ライカをメインにだいすきなフィルムのカメラたちと通り過ぎる日々。
自由文「今日はいいルミエールだ。イヘイ、撮影に行こう」

-Henri.Cartier-Bresson-
参加カテゴリー
更新頻度(1年)情報提供21回 / 365日(平均0.4回/週) - 参加 2010/10/10 21:56

たく さんのブログ記事

  • 夢十夜
  •  こんな夢を見た。夜。火事である。私の実家らしき家が燃えている。運び出されるひとびと。私はその中に父の姿を見つける。私が彼に近づくと、彼も私に気が付き、歩み寄ってくる。呆然とした表情で。そして私に告げる。デルフォイの巫女たちのように。「拓、おかあさんが」私はその一言ですべてを悟る。私はなおも呆然としている父の背中をさすりながら何事か慰めの言葉をかける。私は実家の居間にいる。台所から... [続きを読む]
  • ぜんぶ
  •  先日、仕事の撮影の合間に、見知らぬ街を稼がないほうのカメラを持ってほっつき歩いていたときの話。ちょうど丘の上から駅前の喫茶店に向かって道を下っているときに、女の子たちの話声が聞こえてきた。キャーキャー言っている。中学生ぐらいかな。ちょうど下校の時間か。だんだん声が近づいてきた。「はい!1、○○君、2、○△(呼び捨て)、3、○□先輩。さてどれでしょう!」間髪入れずに他の子が口々... [続きを読む]
  • 遠い太鼓
  •  父と母。上がってきた写真を見ながら、あとどれくらいの間、こんな写真が撮れるんだろうかと考えた。DATA:Leica M6 Summicron 50/2 Kodak Tri-X 400 f8 1/1000 [続きを読む]
  • テクテク パチパチ
  •  先日、十五年来の写真の盟友とふた月ぶりに(いつもの、あの懐かしい三十代の日々に、われらが根城だった)サイゼリヤで話をした。そのときの彼の言葉。「たくちゃん、写真はね、眼の延長でも手の延長でもありませんよ。足の延長なんですよ。足がぼくのまわりの景色をスクロールさせていってくれるんですよ。そうやって流れていく景色を、ぼくはただ撮るだけでいいんですよ」DATA:Leica M6 Summi... [続きを読む]
  • ODUの坂道
  •  先程、はじめて小津安二郎監督の『東京物語』を(アマゾンプライムで)観た。笠智衆と東山千栄子演じる老夫婦が、歩き疲れて寛永寺の旧本坊表門の前で小休止した次のシーンは跨線橋。ゆっくりと坂道を下る二人は、途中欄干越しに東京の街を遠望する。その欄干の模様を見てはっとした。声が出た。ああ、鶯谷の跨線橋だ。凌雲橋だ。線路際までびっしりとビルが密生している現在では、もう欄干から東京のロングショットを... [続きを読む]
  • どこにもないところ
  •  島尾敏雄の小説『死の棘』のもとになった言葉が記されているという、聖書の「コリント人への第一の手紙」について検索していたはずが、いつの間にか横道に逸れていた。その横道に落ちていた言葉。「ユートピア」という単語は、ギリシア語の”Ou(無い)”と”Topos(場所)”を、あるろくでなしのイギリス人がかけ合わせたものだという。あ、「ろくでなしの」というのは、単なる個人的な直感で、根拠は... [続きを読む]
  • 女学生は死なず
  •  父方の大叔母であるクニヨは、「薩摩生まれのお転婆女学生が、そのまま年をとった」という女である。ころころとした容貌に相応しく、陽気でよく笑い、にぎやかなことがだいすきだった。数年ぶりに会った彼女は、骨と皮だけにやせ細っていて、病室に入ったときには本人かどうかわからないほどだった。でも、ベッドに近寄って目を見るとすぐにわかった。ああ、そうだ。この目だ。いたずらっぽく、きらきらして... [続きを読む]
  • Waters of March
  •  『三月の水』 アントニオ・カルロス・ジョビン木の枝 石ころ 行き止まり 切り株の腰掛け少しだけひとりぼっち ガラスの破片これは人生 これは太陽これは夜 これは死 これは銃この足 地面 この身と骨道路の響き スリングショットストーン魚 閃光 銀色の輝き争い 賭け 弓の射程風の森 廊下の足音擦り傷 コブ なんで... [続きを読む]
  • Love to Thanatos
  •  先日、四年半ぶりに死神がやってきた。今回はニヤニヤ笑うだけで帰っていった。ひらひらと手を振りながら遠ざかっていったその後ろ姿は、どこか自裁した友人に似ていたことに、数日後に気が付いた。DATA:Leica M6 Summicron 50/2 Kodak Tri-X 400 f8 1/1000 [続きを読む]
  • 最後の挨拶2016
  •  昨日、街ですれちがった自転車に乗った母子の会話。母「どの道がいい?」子「坂のない道がいい!」母「どの道にも坂はあるの!」今年もお付き合いいただき、ありがとうございました。みなさまもどうぞよいお年を。また生き延びて来年お会いしましょう。ではでは。DATA:Minolta CLE M-Rokkor 28/2.8 Kodak Tri-X 400 f... [続きを読む]
  • 彼方此方
  •  あるとき、偶々同じ時間に同じ場所にいた二人の男。なんということもない、その風景が、人知れず永遠に定着される。写真は不思議だ。DATA:Leica M6 Summicron 50/2 Kodak Tri-X 400 f4 1/125 [続きを読む]
  • A tribute song
  •  四年前、「自裁した友人からの形見分けの品」という設定を勝手に作り、普通にフジヤカメラで買ったカメラで撮影。使い勝手がよく、まぁまぁ気に入っている。DATA:Minolta CLE M-Rokkor 28/2.8 Kodak Tri-X 400 f5.6 1/250 [続きを読む]
  • ギフト
  •  昔の言い方で、病気になることを「病を得る」という。そう考えると、病人というのは、半ば神様みたいなものなのかもしれない。DATA:Leica M6 Summicron 50/2 Kodak Tri-X 400 f8 1/1000 [続きを読む]
  • 今夜はスウェーバック
  •  (ブログの更新のやる気がなかなか起きないな)と思っていると、自分の中のカス・ダマトが叱咤してきた。「おい、てめえのパンチはそんなに一発が重いのか?」「ちがうだろう。おめえのへなちょこパンチはな、手数を出してナンボなんだよ」「おい聞いてやがんのか、この『無名の』傑作主義野郎が」オーケイオーケイ。あんたの言う通りさ。まったくうるさいじじいだ。おかげで... [続きを読む]
  • 日盛り
  •  ご無沙汰しておりました。お元気でしたか?ぼくは、まあまあです。最近読了したスタインベックの短編「逃走」が、ほんの少しだけ片岡義男の「ボビーに首ったけ」を想起させた。さっき、そうインスタグラムに投稿したのだけれども、正確にいうと、重大なちがいがあるな、と思った。それは、前者は「若者が、『大人になってから』死ぬ」話であるのに対して、後者は「若者が、『若さの日盛り... [続きを読む]
  • 写真展まだやってます。
  •  こんばんは。さて、今年の写真展も残すところ一週間を切りました。まだの方はぜひ。「もう見たよ」という方々も、よろしければまたいらしてくださいね。ではでは。追伸:ただし09/30(金)はラッキードラゴンえんさんは休日なのでご注意くださいね。DATA:Leica M6 Summicron 50/2 Kodak Tri-X 400 f5.6 1/125 [続きを読む]
  • スリット
  •  私たちの自己や世界は、物語を語るだけでなく、物語によってつくられる。そうした物語はとつぜん中断され、引き裂かれることがある。また、物語は、ときにそれ自体が破綻し、他の物語と葛藤し、矛盾をひきおこす。 物語は、「絶対に外せない眼鏡」のようなもので、私たちはそうした物語から自由になり、自己や世界とそのままの姿で向き合うことはできない。しかし、それらが中断され、引き裂かれ、矛盾をきたすと... [続きを読む]
  • とどまれ。
  •  時々は、ありきたりなことばが、愛の言葉だったりすることもある。「風邪、ひかないでくださいね」「また会いましょうね」なんてうつくしいんだろう。DATA:Olympus OM-1 M-Zuiko 35/2.8 Fuji Presto 400 f8 1/1000 [続きを読む]
  • 大川べりを
  •  この上がりを見たとき、「猛スピードで母は」というタイトルの本を思い出した。だれが書いた本なのか、どこで見かけたのか、読んだ本なのか、本屋で一瞥しただけなのか、そもそも本当に存在した本なのか。でもまぁ、いいや。調べなくても。縁があればまたそのうちに。なければハイソレマデヨ。DATA:Leica M6 Summicron 50/2 Kodak Tri-X 400 f8 ... [続きを読む]
  • "If you build it, he will come."
  •  いつも古くさいフィルムカメラをぶら下げているので、ときどき人に尋ねられることがある。「なにを撮るんですか?」そういうとき、答えに窮していったん口ごもってしまう。そして、結局はいいかげんに答えてしまうことが多い。いやー、なんかまあこう、街をふらふらと。用事の合間にですね、云々。云々。でもほんとうは、なにを撮るかはものすごくはっきりしているのだ。ただ、「それ」に... [続きを読む]