水城かなは さん プロフィール

  •  
水城かなはさん: コーギーと散歩
ハンドル名水城かなは さん
ブログタイトルコーギーと散歩
ブログURLhttp://ameblo.jp/mizukikanaha/
サイト紹介文ボーイズラブ(BL)、ガールズラブ(百合)を書いてるブログサイトです。
自由文郷土愛と萌えがエネルギーの管理人によるBLGLだけの腐向けサイトです。
お題配布も行っておりますので、ご自由にご利用ください。
参加カテゴリー
更新頻度(1年)情報提供43回 / 365日(平均0.8回/週) - 参加 2010/10/27 19:00

水城かなは さんのブログ記事

  • 誰が故郷を思わざる
  • 「そう言えば、お盆に帰ったりしないのか?」同棲を始めたばかりの恋人がふと思い出したようにそう尋ねた。「……親と折り合い悪くてさ」俺が申し訳なさそうにそう告げると、彼は「そっか」と呟いた。この界隈だと親と上手くいかなかった奴なんて沢山いるから特別変な話でもないのだ。でももし親との関係が良くたってきっと、俺は故郷に帰る事なんて一生出来ないのだろう。「帰るのか?」「今年の正月帰ってこなかったんだからお [続きを読む]
  • 男子高校生の欲情
  • たとえば、めちゃくちゃ好きな人のブルーのシャツの下から伸びる白い腕。見た目から感じられる細くて弱い印象とは反対に、学生の頃バスケで鍛えたという筋肉のついた白い腕が俺は好きだった。「補習中にぼんやりすんな」ぺしん、と軽く頭を叩かれて意識が別のところに戻る。夏休みの教室は俺と先生の2人きりだった。「あー……すんません」「で、どこまでできた?」机の上のノートを取り上げて、机に体重をかけて座り込む。形のい [続きを読む]
  • 舞台を降りた後で
  • 舞台の上はまやかしと幻想。カラフルな光、偽物の関係を紡ぐ言葉、僕はそんな幻想の世界に魅せられて役者になった。「本当に、きみは素晴らしい役者ですねえ」目の前の彼はしみじみとした声でつぶやく。俺への最大の褒め言葉で、俺はそれを聞くたびにいつだって頬が緩みそうになった。「ありがとうございます」「こんなおじさんと恋人の役をさせられる事が可哀想なぐらいですよ」その自虐めいた言葉に思わず「そんなことありませ [続きを読む]
  • サマーワルツ
  • 泳ぐように季節が歩く。この1年僕の心はずっと同じ場所に留まっていたというのに、季節だけはすいすいと歩みを止めずに進んでいた。もう何もかもがどうでもよくなってしまって家でぼんやりと過ごす日常は想像以上に退屈で平和な半面、いくらでも好きなことを考えられるのでそれなりに楽しんでもいる。僕にとってこの平穏さは愛おしむべきものであり、ありがたいものなのだ。早くも鳴き始めた蝉の声に気付いたり、借りてきた本を読 [続きを読む]
  • 先輩と夏
  • グラウンドには初夏の日差しが降り注ぐ。天然芝の青っぽい匂いのグラウンドの上を、先輩は縦横無尽に駆けていく。ふいにカチッと視線がかみ合った。練習をいったん抜け出して、ものすごい勢いで俺のところまで走ってきた。「亘理!久しぶりだな!」「……久しぶりです、先輩」オレンジ色の練習着の下からするりと伸びるミルクたっぷりのカフェオレみたいな肌をした先輩の腕をガムシロップのような汗がしたたり落ちていく。俺はそれ [続きを読む]
  • かみさまのいる街:夏目君の話
  • じりじりと上昇する気温と日差しが生白い肌を焼いてくる。まだ6月になったばかりだというのにもう夏みたいだ。「おや、こんにちわ」水を撒いていた宮司さんの手が止まる。僕は軽く頭を下げるだけにして、打ち水のされた敷石の上を行く。「岡谷さんはいませんよ」「別に、大丈夫です」久し振りに喉から声をひねり出す。喋り方は辛うじて忘れていなかったようだった。ポケットに入れてきた五円玉を賽銭箱に放り投げ、鈴を鳴らす。こ [続きを読む]
  • 夢のない未来へ
  • 小説家になりたかった。それは小さな男の子が大きくなったら仮面ライダーになりたいというような無邪気なもので、なれないことは分かっていた。無邪気で幼稚な、子どもの夢にすぎないそれを今も引きずって暮らしている。****会社を出るとスマートフォンで文章を書き始める。メールボックスに書き溜めた断片は後日まとめ直して一本の短編小説になる。満員電車の混雑のなかであっても、言葉を紡ぎあげるときはその世界に没頭出来た。 [続きを読む]
  • 勇者は魔王の嫁になる?
  • 西暦20××年、東欧の小国でとある異変が起きた。北部の地方都市がグロテスクな魔物達に侵攻され、一夜にしてその姿を失ったのである。警察によって町中の防犯カメラや廃墟が科学的に分析されたものの、防犯カメラに映った異形の魔物たちが伝承における悪霊や悪魔と同じ姿を取っていたことや現代科学ではあり得ない行動(例として挙げるなら壁抜けや一日で血がすべて抜き取られた遺体など)が行われていた事から悪魔の仕業ではない [続きを読む]
  • 愛はお金じゃ買えないが、
  • うちには一人、ヒモのおじさんがいる。「タツキさーんただいまー」「おーおかえり」荷物をサイドテーブルにおいてお気に入りのソファの上で雑誌を開いていたタツキさんにのしかかると、おおよしよしと抱きしめてくれる。爽やかな石けんの匂いに元ラガーマンならではのぱふぱふの胸筋。ああ俺の疲れが抜けていくのがわかる、俺はこうされたくて必死に生きている気がする。「きょうも頑張ったんだな」「んー」「……とりあえず風呂入 [続きを読む]
  • 終末はひとりぼっち
  • あの日から五度目の朝が来た。買い置きをレンジで温めようとするとき、まだ電気が生きていると私はひそかに安堵する。冷凍ごはんと昨日作ったとん汁と食卓に並べてからラジオをつける。『7時になりました、今朝のニュースです。N国からの首都攻撃から5日が経ち、名古屋で開かれた臨時国会において東京の放棄が決められました』5日が経った今も、私は家から出られずにいる。国のルールによれば避難は原則密閉した状態で移動でき [続きを読む]
  • 鴬谷でモーニング
  • がたんごとん、という列車の音で目が覚める。見慣れない内装の部屋を見渡してから、そう言えば昨日はラブホテルに泊まったのだと思いだした。「……いま、なんじだ?」「あ、起きたんだ」窓の外からこちらに視線を振り向けてくる。心なしか喉の調子が悪いのは……たぶん、昨晩のせいだ。しょうがない。「で、今何時なんだ?」「7時半過ぎ。あとそろそろ朝ご飯食べようよ」妙に元気なのは若さゆえか。まあ一回りは違うのだから仕方 [続きを読む]
  • 神様のいる街:絲井君の話
  • 僕は子どものころから誕生日が苦手だった。ピンク色の桃の花、お雛様の並ぶ街、ちらしずしに菱餅の並ぶ食卓。僕の誕生日は3月3日、ひな祭りだ。小学校では男なのにひな祭り生まれって馬鹿にされるし、妹とねーちゃんがいるから僕の誕生日とひな祭りは一緒くたにされて、誕生日ケーキにはチョコプレートと一緒に雛人形の砂糖菓子が乗っけられている始末。「どう思う?岡谷さん」「……それは大変ですねえ」からからと岡谷さんは笑う [続きを読む]
  • 贈りものと願い
  • 友人の誕生日があと10日ほどに迫っているのに、何も決まっていない。仕事帰りに寄った百貨店でぶらぶらとプレゼントの候補を探しながら、友人の事を振り返る。その人とは趣味の手芸関係で知り合った、年上の女性だった。口数は少ないけれど趣味にかける情熱や技量でコミュニティ内で尊敬されている人だった。まだ始めたばかりで技量の低い私を可愛がってなにかと世話を焼いて貰ううちに、趣味とは関係ない個人的な話もするようにな [続きを読む]
  • 布を織る
  • 布を織る 布を織る ことばを経糸に 想いを緯糸に 筬で想いを叩き、シャトルでことばを絡ませ合う 布を織る 布を織る 本音をつくしに絡めて建前で固めて糸にする 器に盛った糸たちの建前が溶ける日はいつか 布を織る 布を織る 言葉と思いの布に鋏を入れる 都合よく切り取られて 人を飾る器になる 布を織る 布を織る [続きを読む]
  • バレンタインと恋のうた
  • 午後5時47分、定時は少し過ぎたが約束の時間にはギリギリだった。『バレンタイン限定ディナー食べに行きませんか?恵比寿に気になってるお店があるんです』久乃ちゃんからそんなメールを受け取ったのが1月の終わりのこと。バレンタインの夜は直帰すると同期や友人には釘を刺して手に入れたバレンタインディナーだ、しかもお店はお互い以前から気になっていた有名シェフプロデュースのフレンチ。遅れるわけにはいかない。待ち合 [続きを読む]
  • 北浜心中:後
  • それからずっと、俺たちは北へ北へと旅していた。心中する前にお前が住む予定の東京に行ってみたい、という俺の我儘を聞いて東京にも行った。賑やかな大都会の真ん中で『東京に俺たちのように男同士で愛し合う人はいるのだろうか』とぼんやり考えたりもした。一緒に仙台の青葉城にも上った。駅から青葉城まで遠いし、雪が降って寒い日だったしでひどい日だと呟きながら青葉城で年明けの太陽を拝んだ。そうして、北へ。北へ。死ぬ [続きを読む]
  • 北浜心中:前
  • 1988年の12月の事だった。街は昭和天皇の容態を伝えるニュースにあふれ、着実に昭和という時代は終わりに近づいていた。「心中しよう」ぽつりと勝喜が俺に告げた。「……なんで?」「だって、年が明けて3月になったらもう離れ離れだろ、俺は東京でお前はここに残る」「うん」「で、離れ離れになったら俺もお前もどうせ新しく好きな人が出来るんだ」「そんな訳、「あるんだよな、それが」三條勝喜という奴は、同い年だというのに洒 [続きを読む]
  • 沖縄ごはん365日キャラ設定忘備録(ネタバレあり)
  • *この記事は本編のわりと重大なネタバレを含みます。本編読了後にお読みください。*完全に個人的なメモなので読みやすさはあんまり考えていません。 ・夏菜子さん川崎生まれ川崎育ち。実家は京急沿線。両親と故人の弟がひとり。両親との関係は一時期最悪だったが、恋人が出来てからは多少改善した。スープの冷めない距離で生活中。典型的なサラリーマン家庭育ちで公立高校から私立文系大卒(短大卒かも?)で書籍の仲卸に就職 [続きを読む]
  • 大寒の日のとり野菜味噌そば
  • 出張での帰り道、桜坂には灯りがともっている。お腹はぐうと空腹を告げ、終電で帰ってきたせいで眠気に苛まれる。(……頼んだら何か食べさせてもらえないかな)そんな気持ちでがらりと店を開けると、見慣れない子がいた。赤いロングヘアを後ろでお団子にしたすらりと背の高い若い女の子。いつもの面々は店の中を忙しなく掃除したり片付ける中、その子は久乃ちゃんと一緒に台所にいた。「あれ、夏菜子さん?!どうしたんですか?」 [続きを読む]
  • 7音の責任
  • ※:このお話はTwitterで仲良くしている12月のいつか(@12someday)さんから頂いた文章に妄想を膨らませて続きを書き足したものです。 お前にとって俺は、人生の節目節目を一番に報告する相手なんだろう。だから俺は、お前の笑顔におめでとうを言える自分でありたい。「結婚するんだ」「おめでとう」祝福の言葉に偽りはない。自分の気持ちを黙ってるだけだ。嘘なんかついてない。けど、「寂しくなるな」その言葉の響き [続きを読む]
  • 永遠の嘘をついてくれ
  • 吐きだした息が白く染まって風に溶けていく。辺りに広がるのはスノーホワイトに染まる南アルプスの山並みと、だ。まだ山小屋は遠い。(……ほんとは、あいつがいるはずだったのに)もう1年過ぎたはずなのに、まだ近くにいるような気がしてしまう。いつもなら俺の三歩後ろで黙々と歩きながら、時々写真なんかとりながら呑気に歩いてるはずなのだ。永遠の嘘をついてくれあいつ・西宮五郎とは大学の登山部で知り合った。登山好きな父親 [続きを読む]
  • かみさまのいる街:佐倉君の話
  • 1993年、冬。どうにも気持ちが落ち着かない。数学の教科書を開いては閉じてを繰り返し、その行動の無為さが嫌になって教科書を閉じる。(なんかあったかいの飲んで寝よう)緊張というよりも未来への期待感、と言った方がいいのだろうか。第一志望に選んだ大学は今年新設された映像学科で俺の憧れの映画監督が特任教授を務めていて、ここを乗りきればあの人の講義が受けられるのだという期待感が俺を浮きだたせているのかも知れない [続きを読む]
  • ある水曜日の夜のこと
  • スカイプしていい?とあの子に送ったリプライは8時以降で良ければいいよ〜という簡素な一言で了承された。そわそわとお酒の準備なんかしながら8時過ぎを待ち、iPhoneに入れてあるSkypeアプリを立ち上げた。「こんばんわ、聞こえる?」『うん、聞こえるよ』あの子は今日も穏やかな声で返事をしてくれる。「Twitter見てたけど今日も大変そうだったね」『うん、苦手な講義があったからついね』「愚痴ぐらいなら聞 [続きを読む]
  • 歩くような速さで
  • 東京の夜空は、深い紺色をしている。たくさんのライトとビルに包まれた東京の街に蓋をしてるみたいな限りなく黒に近い紺色の夜空にぽつんと小さな灯りが二つ三つ、という様子は僕が子どもの時からずっと見てきた夜空だ。大都会の人ごみを縫うように歩きながら時折僕は紺色の夜空を見上げる。昔地方から来た転校生の子に『東京の夜空は偽物だ』と言われた事を僕はよく思い出す。夜空というものは自分を包み込むように広がる黒いヴ [続きを読む]