その一途な心で 見上げる枝枝はたおやかに身をまかせている凛とした心根の奥底に横たわる慟哭も飾り気のない微笑みも午後にはすべて散っていくはなびらとともに回帰する…
紡がれた物語いくつもの時をこえいま出逢うのばした両手にふれるほどの痛みはもう感じないふくらみかけた桜のつぼみひと思いに春になりそうこれからはちぎれた季節の想い…
紺碧の海はいつでも光をとじこめては放っているそれは思いがけずむけられた微笑みにも似て新しい年のはじまりはおだやかでたなびく雲と雲のすきまから手をふる姿がみえる…
後ろから小走りでおいかける小声で名前を呼んでみる指先は冷たくなって吐息が白く凍るけれどどこまでも空が蒼いからどこまでもついていける思い出の場所までたどりついた…
ひそやかに降りだした雨は音もなく冷たくてまるで氷のしずくのように頬をぬらす川面にえがく規則正しい模様は頂き物のハンカチにも似て次々と終焉をむかえる雨粒がやがて…
急に吐息が白くなった季節はまた急ぎ足ため息ひとつ朝もやの中高くなった空のむこう虹の架け橋はとおに消えて約束の地まで霜柱を踏んでいく気の早い渡り鳥達の啼き声を遠…
もみじが重なるあたらしいその便箋は生成りの和紙でできているおそろいの封筒にあて名を書く時にじまないようペンをかえたのにあなたの名前はにじんでとけた
ずいぶんと急ぎ足でやってきた秋の気配を受けとめるどこか遠くで雷が鳴り驟雨の中を想い出と一緒に走る時ひとつ前の季節さえ忘れるほどの冷たい空気で胸の中をいっぱいに…
新月に願いをたくすのを誰が最初にはじめたのか理もなくその無の心で新しい月の暗さに何を願うのか古代より思いは同じ三日月の今夜はかない光に身を照らすこの願いがかな…
ちりばめられた星々に願いをかけるときなみだでにじむ無数の光に永遠を誓うこの吐息がはてる時まで祈り続けようせめてこの声があたなに届くまで祈り続けよう
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