信州 渋温泉 「天川荘」
年の瀬迫る12月のとある夜、乾電池を買うために近所のスーパーマーケットに立ち寄った。レジに並ぶと、自分の前に客が一人、スーツ姿の50代半ばくらいの男だった。男のカゴの中には、見切り品の弁当が8個も入っていた。弁当以外には、350mlの発泡酒の缶が2本。男がレジを済ませている間、なぜそんなに沢山の弁当を買うのか考えた。まさか、一度に食べる訳ではないだろう。家族と一緒に食べるという感じでもなかった。男は、どう見ても独り者だった。縒れたスーツを着たその男は、支払いのために財布の中を覗き込み、代金丁度の金額を現金で支払った。男の会計が終わり、レジ係がこちらを見た。レジ係の前に進みながら考えた。弁当は、冷凍して保存するのだろう。ーーー帰宅してドアを開ける。真っ直ぐキッチンに行き、買った弁当をひとつ電子レンジに入れる。電子...信州渋温泉「天川荘」
2018/01/06 23:22