とに さん プロフィール

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とにさん: 短い歌の日記
ハンドル名とに さん
ブログタイトル短い歌の日記
ブログURLhttp://tankayfugue.seesaa.net/
サイト紹介文できるだけ簡潔に、でもきちんと理解されるように伝えられるようになりたい。難しいですけれど。
自由文ぽつぽつと短歌を作っています。
参加カテゴリー
更新頻度(1年)情報提供97回 / 365日(平均1.9回/週) - 参加 2011/04/15 13:12

とに さんのブログ記事

  • 日食の歌
  • わが庭の薔薇垣に朝のひかり差すまさしく日食まへの太陽  木下孝一『霜白き道』(現代短歌社)今朝のバンクーバーでは86%の日食が見られました。私は自室のPCで仕事をしていたところでした。ふと気が付けば南の窓から差し込む太陽の光線が、色が、雰囲気がどことなく違います。空はいつにも増して青いのに。これを「まさしく日食まへの太陽」と言うのでしょうか。今では人間も日食が起きる日時もその原理もよく知っていますが [続きを読む]
  • 浴衣に必要なもの
  • 七夕の花火見物に行く人の浴衣の多き白百合の映ゆ  中村哲也(冬雷 2015年10月号 p.27)ああこれぞ日本の夏だなあと、懐かしい思いでこの歌を読みました。カナダにももちろん花火大会はあるし、夏らしい野外コンサートやそれこそ日系人コミュニティによる「夏祭り」なども開催されます。もともと着物好きの私はこれぞチャンスとばかりにいそいそと浴衣を着て出かけます。やっぱり好きなものを身に着けると幸せな気持ちになります [続きを読む]
  • コヨーテ
  • コヨーテに食われし子犬に涙してコヨーテをなお憎めずにおり私は子供の時に「シートン動物記」のティトオというコヨーテの話に泣き、そして学生時代にカナダのマニトバ州で初めて野生のコヨーテを見て憧れて、今はコヨーテが闊歩する町に暮らしています。おとといの地元の新聞記事の写真より。コヨーテは猫だけではなく犬、人間の子供も襲うことがあります。でも私はコヨーテを害獣とは呼びたくないのです。そもそも害獣も害虫も雑 [続きを読む]
  • 庭仕事の愉しみ
  • 春の日に鳴きつつ遊ぶ小雀をけふの友にして庭の草引く 橋本佳代子(冬雷 2017年7月号 p.31)ブログでは今の季節にあった歌を取り上げたいと思っているのですが、今日はこの歌の気分でした。「小雀をけふの友にして」というところがとても好きなのです。庭仕事は瞑想だと言ったのはヘルマン・ヘッセでしたか。土に触れていると無我の境地になります。Traffic calming space(交通静穏化のために設けられた緑地帯)の園芸ボランティ [続きを読む]
  • 夏休みの歌
  • A4の書類が入る仕事鞄よけて広げるシフォンのドレスクローゼットの中で小さく萎みたるシフォンがふんはりしたら夏休みスニーカーぎりぎり踝まで日灼けしてゐる脚が駆け抜けてゆく幼馴染の彼はどうしてゐるだらう逢つてみたくなる八月の朝  中島千加子(冬雷 2016年10月号 p.24)中島さんの短歌はロマンチック。昨年詠まれた一連の歌を読み返しているうちに、サミュエル・バーバーの組曲「思い出」…私はこの4手連弾バージョンを [続きを読む]
  • 腱鞘炎
  • カデンツァを弾きたる友の年若く痛み無き手を少しうらやむ腱鞘炎になってしまった頃に作った歌。サポーターでがっちり固定された両手を鍵盤に乗せている私。このときは美しいアンティークのスタインウェイを前に、一音も鳴らすことができませんでした。今でも一度に30分以上連続して弾くことはできませんが、あのころに比べたら右手は各段によくなりました。左手はまだ少し不安定です。先日のレッスンで、「物語性のある比較的長い [続きを読む]
  • ユジャ・ワンの歌
  • ツイッターやブログでも、おお、と思う歌に出会うことがあります。今朝いちばんに目にした歌。ピアニストは筋力がいるユジャ・ワンの露出の多き衣装におもふ 柊慧(短歌人2017年7月号)ユジャ・ワンはマイクロミニや深いスリット入りの衣装についていろいろ言われているようですが、彼女の場合、セクシーさよりアスリートっぽい印象が強く残りますね。こういうの弾けちゃうからですね、やっぱり。Yuja Wang plays "Flight of [続きを読む]
  • 星の祭り
  • 色とりどいの短冊下げたる笹の枝は願ひ重きか頼りなく垂る  鈴木やよい(冬雷2016年9月号)願い事の短冊をたくさんつけられた笹の様子がユーモアのある調子で描かれていて、七夕を楽しむ人たちの様子が想像されます。幼稚園の七夕の行事ででもあったのでしょうか。もしもひとつだけ望みがかなうとしたら?私なら何をお願いするでしょう。お金も欲しいし健康も欲しい。美人になりたいし、頭もよくなりたいし、ピアノだってもっと [続きを読む]
  • まんまると
  • まんまるとまるめよまるめわが心まん丸まるく丸くまんまる  福士香芽子(冬雷 2016年6月号 p.36 )なんとも快い調べです。もしかしたら作者には何か嫌なことがあって気持ちがとがってしまったのかもしれません。それを嘆き節ではなく、なだめるように慰めるように、穏やかでユーモラスな呪文にしたところが素晴らしい。同じ作者の歌をいくつかご紹介します。「初恋」の歌唄ひつつ遠き日を想ひだしてひとり楽しむみちのくの我が [続きを読む]
  • 魂が宿る
  • 老人のひとり暮らせる家のなかイヌ型ロボットAIBOがあゆむ九年間育てこしロボット犬壊れ 「ペットロスです」 と媼うなだる  橘美千代(冬雷)短歌誌「冬雷」に連載されている、橘美千代さんの「身体感覚を歌う」をいつも楽しみにしています。上記の二首を含む2017年7月号の「ロボット犬に魂は宿るか」にはことに深く胸にしみいるものがありました。それはこんな風に締めくくられています。「AIに魂が宿るとは、そう思 [続きを読む]
  • Happy Summer Solstice!
  • 寝ころびて輝く夜の青空を飽かず眺むる今日は夏至の日これを書いている現在、カナダはまだ21日。そう、夏至の日です。待ちに待った明るい季節の始まりです。長い雨もようやく去り、しばらく青空の日が続くという予報に小躍りしています。自作の歌には「輝き」「輝く」という言葉がよく使われていることに最近気が付きました。語彙力が弱いせいもありますが、光輝く明るいものに憧れる気持ちがあるのだと思います。一年の半分近くも [続きを読む]
  • 百合の木
  • いつまでも冬の冷たい雨を引きずっていたせいなのでしょうか。今年は近所の百合の木の開花が6月になってからでした。この世に百合の木という木があることを知ったのは去年のことです。ああ今日はいい青空だなあと空を見上げたら不思議な花が目に入りました。それがたまたま、中国の植物が見られるチャイナタウンの公園の近くだったので、これも中国から来たのかしらなどと思っていたら、実は北アメリカ中部原産とのことでした。ネ [続きを読む]
  • バッハの時間
  • 何十回何百回とさらえどもバッハははるかに輝く恒星子供の頃からJ.S.バッハの音楽がいちばん好きでした。仕事をすべて終えた夜半11時過ぎ、よくフーガを練習します。複雑なフーガは私にはなかなか理解できないし、演奏のほうもちっとも上達しません。一生片思いなのかなと思うことがよくあります。でもこの時間が私を平静に戻してくれるのです。そろそろ調律が必要な私のピアノ。 [続きを読む]
  • 音楽に国境は…
  • 瀬戸内を知らない友のフルートの「春の海」ややテンポが速い音楽に国境はないと言います。それはイエスでありノーであります。私の練習しているバルトークは、ハンガリー人の先生によればアクセントの位置が間違っていることが多いのだそうです。「あなたがハンガリー語を話せたらすぐにわかることなのに」と先生はとても残念そうに首をふるのでした。フルート+ピアノのデュエットを組んでいる友人はフランスの人です。宮城道夫の [続きを読む]
  • 英語と短歌
  • 英語にて暮らしを営む日々なれど翻訳しきれぬ感情つねに30日ぶりに英語の国に帰ってきました。私の場合、何年日本を離れようとも日本語は即座に戻ってきてくれますが、英語は少し休むと距離感が出やすい気がします。英語を話すことは短歌を作ることに似ている、と思うことがあります。短歌はもちろん日本語で作るわけですが、三十一文字という限られた字数ですから、何を捨てるか、何を残すかを考える必要があります。そのうえでも [続きを読む]
  • 晴れた日は
  • わが墓はなくともよいと思えたり入り江の山の輝く朝に身近にお墓の心配をする人がけっこういます。でも私は、そういうエネルギーはいかに生きるか?ということに費やしたほうがいいと思うのです。とはいえ、私もこんな歌を作るあたりやはりお墓のことを気にしているのかもしれません。いつかは私にも静かに穏やかに現実を受け入れられる時間が来ますように。山で可愛らしい笑顔を見かけましたよ。 [続きを読む]
  • 従兄
  • 神職を継ぎたる従兄の髭面にサッカー小僧の面影のあり母の実家は神社なので、長男は代々神主になることが決められています。伯父が亡くなったあとに家を継いだ従兄と久しぶりに会いました。神官の正装ではなくジーンズ姿の従兄は学生時代からの髭もそのまんまで、くわえ煙草で人なつこく笑うところもそのまんまで、身内にしか通じないジョークを飛ばし合っているうちに楽しい時間はあっという間に過ぎていきました。帰り道、初めて [続きを読む]
  • 猫の歌
  • いつもより時間をかけて複雑に猫じゃらし振る日本へ発つ朝猫には未来の予定というものがわかりません。夏前には帰るよとよく言い聞かせてきましたが、突然人間が居なくなってしまった!猫じゃらし係はどこへ?と不思議がっているだろうなと思うと不憫でなりません。でも留守番さんによればご飯もよく食べてよく寝ているということです。ちゅ〜るをお土産に買いました。 [続きを読む]
  • お地蔵さま
  • ソリを曳く犬等と笑う父がいる未来を襲う病を知らず帰省して以来父の書斎を探検中。若い頃の父は絵に描いたようなむさ苦しい山男でした。たぶん大学生時代でしょう。樺太犬に囲まれて得意げな写真がありました。年をとって引退してもむさ苦しさと動物好きなところは変わっていません。帰省して初めて外を歩いてみました。近所のお地蔵様も健在でよかったよかった。 [続きを読む]
  • ふるさとの雨の匂いにたちまちに馴染んでおりぬわが髪と肌成田に着いたら雨でした。でも同じ雨でも暖かい雨でした。空港から東京へ向かうバスから見える水田に雨が降り注いでいました。日本に帰って来たなあと思いました。日本産の私にはこの湿度が馴染みます。 [続きを読む]
  • 帰省
  • 青空と煌めく雲海つき進みマッハの速さで故郷に向かう前回の帰省時に飛行機の中で作った歌。このときはもっとのんびり&ウキウキした気分でしたっけ。でも今回はもっともっと切羽詰まった状況です。光の速さが欲しいけど、大昔の移民に比べたらずっと手軽に帰れるんだからと思って。でも成田から長いのよね。庭のリンゴの花が満開です。しばらくのお別れ。猫もカラスも達者でね。 [続きを読む]
  • 遅い春
  • ヒマラヤの「大きな鳥」の頂に二十九歳雪焼けの父ここ数日、父が歩いた各地の山のことを考えていました。空に近いところで青年時代の父はどんな景色を見てきたのでしょう。今年はいつまでも寒いけれど、花は咲きだしました。 [続きを読む]
  • 太平洋
  • 半日もあれば渡れる海なのに帰る帰らぬ雨降り止まず飛行機に乗れば太平洋なんぞひとっとびなのに。日本がこんなに遠く感じられたことはありません。明日、父の手術。 [続きを読む]