神永圭 さん プロフィール

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神永圭さん: 夫夫善哉(めおとぜんざい)
ハンドル名神永圭 さん
ブログタイトル夫夫善哉(めおとぜんざい)
ブログURLhttp://oyatuniku.blog.fc2.com/
サイト紹介文オリジナル『夫夫小説』 推奨肉食系時代劇。オールド上海。薩摩藩風男子高。現代モノ。完結作品多数あり!
自由文男と男の情愛やら肉欲やらをはらんだ娯楽小説を目指しております。
キャラの猛禽ケモノ率、高め。衆道色、濃いめ。男臭、きつめ。情愛、うざいほど!
作品は「江戸もの」「上海もの」など。楽しんでもらえたら幸いです。
参加カテゴリー
更新頻度(1年)情報提供25回 / 365日(平均0.5回/週) - 参加 2011/05/21 02:43

神永圭 さんのブログ記事

  • 美蠍(メイシィエ)11
  •  遠くで銃撃音が轟いた。「気にするな。梁が壁蝨(だに)を掃除しただけだ」 永をうつ伏せにしながら、宋がつまらなそうに吐き捨てる。鞭でしたたか打ちすえた刺青の背中を撫でまわす。「何人に抱かせた?」「誰も」「減らず口をたたくなら、また鞭をくれるぞ。この躯が、三年も独りでいられるはずがない」 宋の手が臀へと下りてきて、抜かれたばかりのそこへ節くれだった太い指を挿し入れる。気持ちとは裏腹に、秘肉は貪欲に刺 [続きを読む]
  • 美蠍(メイシィエ)10
  •  立岐が母屋へ戻ると、奥庭に面した食堂で晩餐会がはじまっていた。 西洋式の長テーブルの席に、一癖も二癖もありそうな商人やら軍人やらが二十人ほどもついており、すました顔で西洋料理を口に運んでいる。梁(リャン)は中ほどの席にいて、背後に銭(チェン)と蚣(コォン)が控えている。同様に、テーブルについている男たちの後ろにはそれぞれ側近らしき礼服の男たちが立っている。 立岐は胡散臭げな男たちの間を抜けて、蚣 [続きを読む]
  • 美蠍(メイシィエ)9
  •  凍えた夜空に半月がかかっている。 立岐は蚣(コォン)の後について通用門を出、高い煉瓦塀に沿って歩いた。篝火に照らされた客用の車停から少し離れた空き地の暗がりに、十数人ほどの人だかりが見える。「立(リー)!」 月影にうかぶ人垣から若い娘の声が上がる。桂生(クイション)の声だ。集まっていたのは一座の芸人たちらしい。「来てくれたのね。中に明芳(ミンフォン)がいるのに、この人たちが返してくれないの!」  [続きを読む]
  • 美蠍(メイシィエ)8
  • 「皆よくやった! 大老(ダーラオ)は大変お喜びだ。御祝儀もたんともらった!」 楽屋に入ってきた座長が、満面の笑みで言った。着替えをすませた芸人たちは、それぞれ頬や口許に喜びを上らせたが、永(ユン)を気遣ってか、はしゃぐ者はいなかった。「引揚げるぞ」 座長の声がかかり、芸人たちが永を囲んで思い思いに短い言葉をかける。泣き出した桂生(クイション)が、江(チャン)に手を引かれて廊下に消えたあと、座長が永 [続きを読む]
  • 美蠍(メイシィエ)7
  •  築山のごとく聳える穴の空いた奇岩の影が、池の水面に落ちて巨大な蛇のようにうねうねと揺れている。宵の空は残光が薄れ、濃い闇に呑まれつつある。 永(ユン)は、桂生(クイション)に髪をあずけ、楽屋に穿たれた円形の窓から広大な庭園を眺め見る。典雅な中華様式の庭を囲む手入れの行き届いた雑木林も、その先の湖も森も、見える全てが高大老(カオ・ダーラオ)の所有であるという。(梁(リャン)は、なにを企んでいる?) [続きを読む]
  • 美蠍(メイシィエ)6
  • 「久しぶりだな、美蠍(メイシィエ)。おれを覚えているか」 扉の向こうに立っていたのは、舶来の背広を着た三十絡みのがっしりした男だ。「特攻の梁(リャン)」 永(ユン)が無表情で応える。 年恰好こそ似ているも、ほの暗い燭光に浮かぶ額の広いてらりとした顔は、立岐の知る“軍人のような男”ではない。 梁が、薄い眉に不遜を刷いて、永のとなりにいる立岐を一瞥する。案内してきた後部座席の男が梁に耳打ちした。「頼み [続きを読む]
  • 美蠍(メイシィエ)5
  •  芝居小屋から少し離れた竹薮に、埃を被った黒いセダンが停まっていた。「一人で来るよう言ったつもりだが」 永に続いて立岐が後部座席に乗り込んだ途端、奥の暗がりから低い声が飛ぶ。「一座の代表として同席させてもらう、彼は明晩、大切な舞台があるんでね」 助手席で下卑た笑い声があがる。案内してきた痘痕面(あばたづら)の若い男だ。「奇遇だな。おれたちも明晩、そいつに大切な仕事をお願いしようと思っていたところだ [続きを読む]
  • 美蠍(メイシィエ)4
  •  陽が沈むと、院子は足許もおぼつかない闇に閉ざされる。広場から離れた雑木の奥にたたずむ古びた小棚(納屋)に,灯はついていなかった。「永(ユン)、いないのか?」 立岐は手燭をかざして小棚に入った。一座の宿泊所は楽屋と棟つづきの母屋だが、立岐と永は此処で寝起きしている。永が雑魚寝を嫌ったからだ。 天井の梁に掛けた銅製の灯籠に火を灯す。隙間風に揺れる火明かりが冷えた闇を裂き、六畳ほどの埃くさい煉瓦造りの [続きを読む]
  • 美蠍(メイシィエ)3
  • 「永(ユン)、気いつけろ。小屋の前で亭主と女房が大喧嘩だ。離縁するとかなんとか、すげえ剣幕だ。あの亭主、そうとうあんたに入れ込んでるぜ」 看板を抱えて院子に入ってきた江(チャン)が、にやにやしながら永に声をかける。「大丈夫ですよ。男と分かれば向こうから逃げだしますから」 普段着の墨色の短衫をつけた永が、綿入れの上着を羽織りながら応える。 日が傾きだした冬空に、焚火の煙が上っている。夜の興行を控えた [続きを読む]
  • 美蠍(メイシィエ)2
  •  曇天の夜空に月はなかった。 立岐(たちき)は闇に沈んだ院子(中庭)を抜けて、楽屋へ向かった。冬だというのにどこからともなく花の香がするのは、上海からずいぶん南に来ているからだろう。夜気も刺すような冷たいものではなく、ねっとりとした野生の息吹きに満ちている。 楽屋の戸をあけると、鏡に向かう永の背中があるだけで、他に人影はなかった。舞台が引けてから二時間ほども経っていたから、皆着替えをすませて引き揚 [続きを読む]
  • 謹賀新年 2017
  • 明けましておめでとうございます!新しい年が、皆さまにとって幸多い年になりますよう心よりお祈り申し上げます。さて。恒例になりつつある「昨年は一体なにをやっていたんでしょうね?(;'∀')」と「今年の抱負」です。アーカイブを覗いてみますと〜『京都外伝 淡雪』―上海的情人外伝―『道行(ロマンス)』『風の道』三章「誓」―兵庫とお半シリーズ―『阿吽(あうん)』『男道Ⅴ 恋震い』 ―男道シリーズ―『時雨月〜帯刀と [続きを読む]
  • 美蠍(メイシィエ)1
  •  灯明に照らされた紅色の幕の前に、ほっそりした芸人が立つ。 蝙蝠を織り出した金襴の長衫(チャンサン・中国式の長着)の腰に朱の帯を結び、纏いつくような薄紅色の袴子(クーズ・中国式のズボン)を穿いている。化粧した白い貌。結い垂らした長い黒髪。それらを彩る紅の花冠と銀色の胡蝶の簪(かんざし)が、舞台端に立てられた蝋燭の火影を弾いてきらきら光っている。 芸人はうつむいたまま、胸もとで両腕を交差させ、鳥が羽 [続きを読む]
  • 珍しくも予告ですヽ(^。^)ノ
  • 神永です。クリスマスが近づいてきましたね。いかがお過ごしですか?次は何にしようかと考えていたのですが、ネタは浮かべど書き起こす時間がとれず、もたもたしているうちに年を越してしまいそうで、ならば、と蔵をのぞいてみましたらば、いいのがありました?私が小説を書くきっかけとなった某ハードボイルド冒険小説の二次から生まれた激熱の作品です。『美蠍(メイシィエ)』バディーものです?時代は1930年代。舞台は上海から [続きを読む]
  • 時雨月(しぐれづき) 5 最終回
  •  吹きつける風に雲が流され、薄い月影が照ったり陰ったりしている。そんな薄気味の悪い、人足の絶えた夜道を、於菟二は痛む腰を庇いながらとぼとぼと歩く。(畜生、すき勝手に嬲りやがって……) 佑次という忍びは、於菟二が名賀浦にきて以来の馴染みであった。右も左もわからぬ於菟二に住むところを与え、仕事を世話し、暮らしの便を図る。なにからなにまで面倒を見てもらった恩義はあるも、名賀浦に着いたその日に手籠めにされ [続きを読む]
  • 時雨月(しぐれづき) 4
  • 「――で、喜八のとっつあんの塩梅はどうだい?」 四十がらみの飴売りの男が、塗りの剥げた神楽堂の柱に凭れ、ゆったりと煙管を燻らせながら訊く。吉原被りの温和なおもて。地味な縞の単衣の尻を端折り、股引を穿いている。躯つきは中肉中背。どことて特徴のない、どこにでもいるような平凡な風体のこの男は公儀の忍び衆だ。帯刀の家人が、華を迎えに来たのを見届けた於菟二は、よやく家路についたものの、今度は仲町の外れでこの [続きを読む]
  • <しっとり絵>帯刀と於菟二“時雨月”より
  • 神永です。ボタン穴様から、悩ましい新作が届きましたよ〜〜w(>▽<)w オオー!!※上記のイラストはボタン穴様の著作物です。無断転載、持ち出しは禁止させていただきます。拙宅でノロノロ更新しております『時雨月』から、雨宿りしている於菟二です??ついていない於菟二へと雪だるま式に災難がふりかかるというお話ですが(えっ)、ボタン穴様は冒頭シーンを描いてくださいました。雨に濡れた於菟二の、この婀娜っぽさ〜c(>ω<) [続きを読む]
  • 時雨月(しぐれづき) 3
  •  丁寧に頭を下げられ、一家の者が畏まる。二十になるという一番上の息子が、文を届けることになった。「なら、あっしはこれで」 於菟二は云った。腋下にじわりと汗が滲みだす。眼病を患う夫の為、慈眼寺へお参りに来たというところから、なんとなく嫌な予感があった。「お待ちください、於菟二さん。どうかご一緒に」 華が、板敷から慌てて腰をあげる。「そうですとも。於菟二殿には、迎えが来るまで奥様をお守りいただかねばな [続きを読む]
  • 時雨月(しぐれづき) 2
  •  印地(いんじ)は、石を投げるという単純な行為ながら高い殺傷力を有する。それゆえ古より戦闘術として用いられ、乱世では火縄や弓と同様に技を極めた印地衆というものたちがいた。於菟二の育ての親である夜烏の又造は、その印地衆の末裔であったらしい。 強肩だった又蔵は半町(約五十メートル)先の人の目を楽々と潰したが、又造に仕込まれた於菟二もまた二十五間(約四十五メートル)先の盃を割るほどの優れた腕を持っている [続きを読む]
  • 時雨月(しぐれづき) 1
  •  ふいの時雨が、稲刈りを終えた田圃を濡らす。(ついてねえ……) 飛び込んだ椚(くぬぎ)の下で、於菟二(おとじ)は恨めし気に空を見上げる。 長月(ながつき・旧暦九月・現代の十月)に入っても、名賀浦(ながうら)は一向に秋めいてこない。朝晩こそ、いくらか涼しくなったものの、昼間は汗ばむほどの陽気である。朝顔も萩も未だ咲いているし、宵には蛍が飛んで、日のあるうちは蝉まで啼く始末だ。風雅を好むものは名賀浦の [続きを読む]
  • 男道Ⅴ 恋震い(こいぶるい)<六> 最終回
  •  股間が痛いくらいに滾って、エビのように腰を曲げながら汚れたジャージや汗臭い侍シャツを脱ぐ。そのまま褌を解いてすっ裸になり、トイレ兼用の狭いシャワールームに入った。速攻シャワーを全開にする。(こんなの見られたら、まずい!) が、視界が利かないほどけむった直後、しまったと思った。伊達さんの裸が見られないじゃないか!(おれってバカ〜〜) 濛々とした湯気の中で立ち尽くし、途方にくれる。(まてよ、水を出せ [続きを読む]
  • 男道Ⅴ 恋震い(こいぶるい)<五>
  •  示現寮の自分の部屋へ戻ると、伊達さんがおれのベッドに座っていた。「豆大福食うか?」 照れくさそうに微笑し、脇に置いていた紙包みをごそっと差しだす。サングラスも眼帯もつけていない、凛とした黒い瞳と造りものの青い瞳がアンバランスな素の顔だ。タイこそ緩めていたけれど、ブレザーを着た制服姿のままだ。「世話をかけたな。明智から聞いた」「伊達さ……」 呼んだ直後、涙があふれる。こうしてまた逢えたことが奇跡の [続きを読む]
  • 男道Ⅴ 恋震い(こいぶるい)<四>
  •  車内に残された伊達さんの竹刀を持って、おれは真っ暗な木立の中へと飛び込んだ。あの黒いワゴン車に伊達さんが乗せられていたと思うと、見送った自分が許せない。 誘拐犯は三人組らしい。ワゴン車で待機していた一人がバスを止め、あらかじめバスに乗っていた二人がサバイバルナイフで運転手を人質にとり、同乗していた三年たちを縛りあげて伊達さんを拉致したのだという。迅速で巧妙なやり口や場慣れした雰囲気に、プロかマニ [続きを読む]
  • 男道Ⅴ 恋震い(こいぶるい)<三>
  • 「やれるだけやればいい。勝ち負けは時の運だろ」「それで……いいと思うかい?」「思う。伊達さんが武神なら、おまえは武人間になればいい」「ぶにん…げん?」「おう。人間パワーだってあなどれないぜ」「それを云うなら、武人じゃないのかい?」 上杉が首を傾げて考えこむ。「武翔の大将は、誰になるんだろうな?」「きっと赤松くんだよ」 上杉が云って、おれは後夜祭以来、合い通じるものを感じる赤松の強情そうな顔を心に描 [続きを読む]
  • 男道Ⅴ 恋震い(こいぶるい)<二>
  •  後ろから、スコンと頭をはたかれた。「二度寝したな」 伊達さんだった。美少女のような色白のきれいな顔に、色の薄いサングラスをかけている。伊達さんは左眼が義眼なのだ。日曜日だというのに、ボタンダウンの白シャツに紺色のレジメンタルタイを結び、エンブレム(右三つ巴に侍文字。武徳の校章)のついた濃紺のブレザーという制服姿だ。「すごいぞお前、よかったな」 恐い眼つきをふっと和らげ、背伸びしておれの頭を撫でる [続きを読む]
  • 男道Ⅴ 恋震い(こいぶるい)<一>
  • 『北条さんとは縁を切った』 白い着物をきた伊達さんが、おれに向って云った。 伊達さんは一つ上の先輩で、秩父山中にある全寮制男子校、武徳学園高校の大将だ。突然変異のシャム猫をおもわせる美麗な顔と、独眼竜十兵衛と渾名される天才的な剣の腕、白くて小さなエロいからだを持った侍の中の侍――武徳最強の男――おれのニセだ!『うれしいですっ!』 おれは泣いた。猛烈に感動してッ! ニセというのは義兄弟の契りにおける [続きを読む]