やぴ さん プロフィール

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やぴさん: 空想を枕に
ハンドル名やぴ さん
ブログタイトル空想を枕に
ブログURLhttp://chimame-3.blog.so-net.ne.jp/
サイト紹介文オリジナルBL小説 
参加カテゴリー
更新頻度(1年)情報提供251回 / 365日(平均4.8回/週) - 参加 2011/05/23 01:30

やぴ さんのブログ記事

  • 近況など
  • こんばんは、やぴです。ご無沙汰しております。皆さまいかがお過ごしですか?なんだかめちゃくちゃ暑くないですか!?しかも急に土砂降りとか来るし…。とにもかくにも日常が忙しい。仕事には慣れたんですけど(もう四か月経ちますし)、以前のように休憩時間を自分の為にフルに使えないという欠点が…。前は完全ひとりで休憩出来て、その間に創作なんかしてたんですけど、今はガヤガヤ五月蠅い休憩室でご飯食べなきゃだし、大抵誰 [続きを読む]
  • ヒナおじいちゃんに会いに行く 100
  • ヒナがこの国に来て三年と半年が経とうとしている。最初は言葉がわからず、一年ほどはほとんど喋らずに過ごした。一年が過ぎた頃、ようやくジャスティンと会話が出来るようになった。アダムスのおかげだ。何人か入れ替わりで家庭教師が雇われたものの、ヒナと相性が合ったものは他にいなかった。言葉が通じても心は通じ合わなかったのだ。ヒナはアダムスに会った瞬間この人なら大丈夫と思った。アダムスはヒナがたどたどしくしか喋 [続きを読む]
  • ヒナおじいちゃんに会いに行く 99
  • 今夜は気分が良かった。その理由は色々あったが、何はともあれヒナが目的を果たした。すべて計画通りとはいかなかったが――そもそも、これまでヒナのすることで計画通りに事が進んだことなどないのだから、すべては想定内という事だ。後々問題は出てくるだろうが、それはまたその時に対処すればいい。食事を終えデザートを食べるため居間へ移動した直後、ジャスティンはジェームズに呼ばれ廊下に出た。どうやら訪問者は実家の人間 [続きを読む]
  • ヒナおじいちゃんに会いに行く 98
  • ミスター・アダムスは母親が家で待っているからと言って、晩餐には参加せず帰って行った。旦那様のご厚意により、お土産をたっぷりと持って。エヴァンは空になった食前酒のグラスをテーブルに置き、食事の始まりをシモンに告げた。今夜のシモンはごきげんだ。客を迎えていつもよりも忙しいというのに、時折ハミングしている。理由はヒナが誰も想像しなかったことをやってのけたからだ。こっそりその姿を見るだけだったはずが、気付 [続きを読む]
  • ヒナおじいちゃんに会いに行く 97
  • 「せめてひと言くらい前もって言えなかったのか?」憮然として訊ねれば、相手も憮然とした表情で返事をする。「急だったもので」急と言ったわりにはあまりに用意周到だったようだが、ジャスティンにそれを指摘する気はなかった。本来、公園のどの場所も誰もが自由に立ち入ることが出来る。一時的に封鎖していたとは言え、立ち入った者を咎めることは出来ない。逆に監視の目をくぐり抜けてあそこまで侵入したことを褒めてやるべきか [続きを読む]
  • ヒナおじいちゃんに会いに行く 96
  • 着替えを済ませたスペンサーは、トビーを連れてバーンズ邸へと向かった。トビーは行きたくないと駄々をこねたが、二人して呼び出しを受けたのだから仕方がない。そう、これは招待ではなく呼び出しだ。きっと、無断で計画に加わったことを責められるに違いない。出掛ける少し前の事だ。玄関で靴の埃を払っていると、バーンズ邸からだという使いの者がやってきた。見たことのない顔だったが、いかにもあの屋敷にいそうな面構えだった [続きを読む]
  • ヒナおじいちゃんに会いに行く 95
  • 予定の時間を過ぎても戻って来ないヒナを心配して、ジャスティンは書斎と玄関を行ったり来たりしていた。いい加減鬱陶しいと思い始めたのか、ホームズがいかにも執事然としたいで立ちで玄関広間を陣取り、ひとつの咳払いで主人を追い払った。ジャスティンは渋々定位置に戻り、帰宅するヒナを待った。ジェームズとパーシヴァルは面倒を避けるように、早々に退散している。あの二人は主人が使用人を躾けることが気に入らないらしい。 [続きを読む]
  • ヒナおじいちゃんに会いに行く 94
  • 帰りの馬車の中はとても静かだった。ヒナとカイルは疲れてうとうとしていたし、アダムスは今後のことを思い意気消沈していた。ヒナがやってしまったこと、それを誰も止められなかったこと、これが問題にならないはずない。もちろんヒナは、裏で色々な人が自分のために動いてくれたことをちゃんと理解している。本当は手なんか振っちゃいけないこともわかっていた。でもそうしなきゃ気が済まなかったのは、次にいつおじいちゃんに会 [続きを読む]
  • ヒナおじいちゃんに会いに行く 93
  • 「誰も止めなかったのか?」ヒナの帰宅に先んじて報告を受けたジャスティンは、無駄な質問だと思いつつも訊かずにはいられなかった。訊ねた相手は、ウッドワース・ガーデンズに送り込んでいた偵察隊の一人、確か名前はアボット。公園の北西エリアに部外者を入れないように配置していたのだ。「そう報告を受けております」目を伏せて主人の次の言葉を待つアボットは、まるで自分が怒られでもしているかのように小刻みに震えている。 [続きを読む]
  • ヒナおじいちゃんに会いに行く 92
  • ヒナはそもそも、今日おじいちゃんに会うのだという実感がなかった。だから生け垣の向こうに人の姿が見えても、それが自分の祖父だとは思いもしなかった。遠過ぎて顔は見えないし、ぞろぞろと連なる一行がアリの行進のようで、散歩をしているようには見えなかったからだ。「ヒナ!あれっておじいちゃんなんじゃない?」隣でカイルが興奮気味に声を上げる。スケッチブックで口元を隠してはいたが、なかなかの大きな声だった。「そう [続きを読む]
  • ヒナおじいちゃんに会いに行く 91
  • エヴァンは少し離れた場所でヒナを見守っていた。ふいに登場したスペンサーとトビーの動きも見逃していない。特段邪魔ではないが、必要でもない存在。あまりに滑稽な格好で(特にトビー)普段笑うことのないエヴァンでさえ、思わず吹き出し掛けた。エヴァンに与えられた役目は、ウェインやダンのものとは少し違う。あくまでヒナを守ること。それが最優先で、ヒナを祖父に会わせるのは二の次だ。ヒナは一度命を狙われている。狙いは [続きを読む]
  • ヒナおじいちゃんに会いに行く 90
  • アダムスは教え子二人と横並びにベンチに座って、生け垣の向こうを眺めながらフルーツクッキーを食べていた。従者のウェインさんは少し離れた場所で辺りに目を光らせている。あんなに警戒していては、かえって伯爵側から警戒されかねない。が、引率教師ごときが口出しは出来ない。公園の入り口をスタートして順調に進み(ちょっとした道草はあったものの)、予定よりも早く目的の場所に到着した。なので、バーンズ邸の気難しいシェ [続きを読む]
  • ヒナおじいちゃんに会いに行く 89
  • トビーの提案に乗ったのは、スペンサーも同じようなことを考えていたからだ。ブルーノがダンと外出する。それを黙って見過ごせるほど諦めはよくなかった。まだどこかでダンを奪えると思っていたのだ。二人がサンドイッチに同時にかぶりつくまでは。今回ばかりは負けを認めるしかない。あれだけ切望したダンを取り逃がしたのは一生の不覚だ。今はもう、誰も、何も欲しくない。「ねぇスペンサー。このドレス、脱がしたくならない?」 [続きを読む]
  • ヒナおじいちゃんに会いに行く 88
  • 「スペンサーがここまでやるなんて予想外だった」レースたっぷりの散歩用のドレスを着たトビーは、スペンサーの腕を取って言った。「おまえが言い出したんだろう?俺は付き合っただけだ」素っ気ない物言いだけど、手を払ったりはしない。そんなことをすれば計画とやらが台無しで、そうなればスペンサーはこの街から追い出されてしまう。思えばスペンサーって昔から素直じゃない。「確かに言い出したのは僕だけど……」でも、行きた [続きを読む]
  • ヒナおじいちゃんに会いに行く 87
  • 「案外順調にここまで来ましたね。あとは伯爵が通り掛かるのを待つだけですよ」紙束を手に芝居がかった渋面を作るダンは、万事がうまくいっていることにいささかの疑いも抱いていなかった。双眼鏡を首から下げるヒナとカイルが、アダムスに先導されて目の前を通り過ぎる。荷物持ちのウェインは三人を追い越し、空いているベンチに先回りした。「そこが一番大変じゃないのか?でもまあ、ヒナにしては寄り道が少なかったようだな」ブ [続きを読む]
  • ヒナおじいちゃんに会いに行く 86
  • ウッドワース・ガーデンズの入り口で馬車を降りたヒナとカイルとアダムスは、池のほとりを散歩する人の流れに逆らうようにして栗林に入った。ウェインは馬車を助手に任せ、バスケットを手に程良い距離を保って三人に付き添う。エヴァンは陰ながら見守り、ダンとブルーノはすでに持ち場に着いていた。湿り気を帯びた風が木々の間を吹き抜け木の葉がざわめくと、どことなしか不気味ささえ感じられた。薄暗さと風の冷たさがそうさせて [続きを読む]
  • ヒナおじいちゃんに会いに行く 85
  • 昼食兼作戦会議を終え、それぞれが自分の持ち場へつくための支度をしていたその頃、ジャスティンはヒナを膝に乗せて出発前の最終確認をしていた。「シモンがバスケットを用意してくれるそうだ」「わーい。シモン大好き!」さすがのジャスティンもシモンには嫉妬しない。場合によってはするときもあるが。「出掛ける前に顔を出しておきなさい」そうすればシモンは喜び、多少のことでは文句を言わなくなる。気難しい自称フランス人シ [続きを読む]
  • ヒナおじいちゃんに会いに行く 84
  • 本日、昼食に招かれていたアダムスは、いつもより二時間ほど早くバーンズ邸に到着した。どう考えても食事は喉を通りそうになく、せっかくのごちそう(あくまでイメージ)をじっくり味わえない状況に思わず歯噛みした。度胸も根性もない自分が情けない。それでもこんな自分にバーンズさんは大役を授けてくれた。必ずヒナさんを無事おじいさまに会わせてあげる。そう誓いながら、アダムスは屋敷のドアをノックしようとしたが、先にド [続きを読む]
  • ヒナおじいちゃんに会いに行く 83
  • 「雨は降っていないようだな」ヒナの隣で目覚めたジャスティンは、部屋を横切り窓辺に向かうウェインに訊ねた。今日はヒナが例の作戦を決行する日。大袈裟でも何でもなく、初めてヒナが祖父を目にする、とても重要な日だ。計画は完璧に練られている。何も不安はないはずだ。それなのに、ジャスティンの胸には不安しかなかった。「はい、旦那様。少し曇っていますが、出掛けるのにはまったく問題ありません」ウェインの声も心なしか [続きを読む]
  • ヒナおじいちゃんに会いに行く 82
  • ブルーノの提案をダンから聞かされたジャスティンは、内容を吟味するまでもなく即座に却下した。ブルーノの言い分にも一理ある。その日に限ってヒナたち以外誰もうろついていないのはおかしい。がしかし、ブルーノとダンが栗林をごく自然に散歩する姿が想像できない。特にダン。地味な格好が出来るのか――そもそも、これまでダンの控えめな姿を見たことがない。だがよくよく考えれば、あえて地味にする必要はないのかもしれない。 [続きを読む]
  • ヒナおじいちゃんに会いに行く 81
  • ダンの誤解はなんとか解けた。誤解というよりも嫉妬に近いと思ったが、そこを指摘するほどブルーノは愚かではなかった。ダンはああ見えて案外気難しい。「カイルはまだ上か?」ブルーノは時間を確認し溜息をこぼす。そろそろ戻って夕食の支度をしなければならない。ある程度の仕込みは朝のうちにしているので、たいして時間は掛からないが、仕事をしていないとスペンサーに思われるのもしゃくだ。今はトビーもいるから余計に隙は見 [続きを読む]
  • ヒナおじいちゃんに会いに行く 80
  • 「でもよかった。ウェインさんが一緒なら安心だね」授業が終わるなりヒナにウェインを押し付けられたカイルは(本人はまったくそうは思っていない)、きゅうりとサーモンのサンドイッチを食べながら、心の底から言った。「僕はただの御者だけどね。でも、いざとなったらカイルとヒナの二人くらいなら守れるよ」口ではカッコいいことを言いながらも、ウェインはおあずけを食らった犬のように、じっとりとサンドイッチを見つめている [続きを読む]
  • ヒナおじいちゃんに会いに行く 79
  • 自分の部屋に戻ったパーシヴァルは、クッションを抱き、ソファの端に縮こまるようにして座っていた。勢いに任せてジェームズとのティータイムをふいにしてしまった。二人で過ごす時間が以前よりも増えたとはいえ、甘い時間ももっと増えていいと思う。ヒナとジャスティンみたいに四六時中ひっついていたいとは思わないけど、たまには一日中何もせずに部屋に引きこもるのも悪くない。「ジェームズのやつ、追いかけてもこないなんて… [続きを読む]
  • ヒナおじいちゃんに会いに行く 78
  • いい加減、どうしたものか。ジェームズは勝手に腹を立てて部屋を飛び出して行ったパーシヴァルを、一旦は追い掛けようとした。が、なんとか思いとどまった。追い掛けて説明したところで、しばらくすればまた同じことをするに決まっている。ジャスティンが絡む話題は、大抵においてパーシヴァルの機嫌を損ねる。子供みたいに拗ねるパーシヴァルは嫌いではないが、つまるところ、今一番大切にしたいと思っているのはパーシヴァルだと [続きを読む]
  • ヒナおじいちゃんに会いに行く 77
  • ヒナを取られたパーシヴァルはひとり居間でお茶を飲んでいた。薄情な甥っ子は『課外授業を隠れ蓑にして祖父を遠くから眺める』という良案を思いついたおじを放り出して後見人といちゃついている。おやつも食べずに!「昨日も一日部屋にこもってたっていうのに、いったい何をしているんだか」退屈過ぎて口をついて出たぼやきが、しんと静まりかえった部屋に響いた。「あなたもことあるごとに部屋に誘うでしょうに」こういう時――つ [続きを読む]