やぴ さん プロフィール

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やぴさん: 空想を枕に
ハンドル名やぴ さん
ブログタイトル空想を枕に
ブログURLhttp://chimame-3.blog.so-net.ne.jp/
サイト紹介文オリジナルBL小説 
参加カテゴリー
更新頻度(1年)情報提供272回 / 365日(平均5.2回/週) - 参加 2011/05/23 01:30

やぴ さんのブログ記事

  • ヒナおじいちゃんに会いに行く 74
  • 「なんだか嫌な予感がするんですよね」数日ぶりにブルーノと会ったダンは、ヒナのお出掛け計画についてひと通り説明した後、胸に抱えるもやもやを吐露した。計画自体はなんの問題もない。けど実行するのは、あのヒナだ。計画通りにことが運ぶわけがない。それなのに、同行者がウェインだけだなんて……不安しかない。もちろんエヴァンが近くで見守っている。エヴァンは誰より頼りになるから、そこのところは心配していない。という [続きを読む]
  • ヒナおじいちゃんに会いに行く 73
  • 袖口が膨らんだひらひらしたブラウスに着替えたヒナは、わくわくドキドキしながらダンと一緒に書斎に向かった。途中の廊下でウェインが待っていた。ダンとかけっこをしていたヒナは、止まらずにそのままウェインを通り過ぎて、開け放たれた書斎の入り口も通り過ぎて、まっすぐにジャスティンの膝の上まで駆けた。ジャスティンは驚くふうでもなくしっかりとヒナを抱き留め、抱え上げて二人でゆったりと座れるソファに移動した。息を [続きを読む]
  • ヒナおじいちゃんに会いに行く 72
  • 「意外ですね。顔に出ていますよ」そうジェームズに指摘されるまで、エヴァンは自分が情けないほど気落ちしていることに気付いていなかった。覚悟はしていたが、実際にヒナがダンに駆け寄る姿を見てしまうと、がっくりと肩を落とさずにいられようか。だが一時的だったヒナの従者以上の役目を与えられた今、いつまでも子供のように拗ねてはいられない。「それは失礼いたしました」エヴァンはいつものようにすべての感情を消した。「 [続きを読む]
  • ヒナおじいちゃんに会いに行く 71
  • 「以上だ。ひとまず解散」ジャスティンの説明は簡潔だった。ダンはヒナの従者に戻り、エヴァンはジェームズの補佐に回る。ロシターはそのままパーシヴァルを担当し、アレンの教育も同時に行う。ホームズの負担を増やさないためだ。肝心なヒナの課外授業の詳細は明らかにしなかった。というよりも、ヒナにおじいちゃんに会いに行くぞと告げた途端、ヒナは手にしていたカップを落としてしまい、大騒ぎになってしまったからだ。冷めた [続きを読む]
  • ヒナおじいちゃんに会いに行く 70
  • 「旦那様がお呼びだ。皆すぐに食堂へ集まるように」ホームズの合図で、談話室に待機していた面々が一斉に立ち上がった。「うわっ!もう?」ウェインは一拍遅れて立ち上り、最後のあがきとばかりにまだ熱い紅茶を喉の奥へ流し込んだ。「アッチ!」「もうウェイン、あとにしなよ」ダンはウェインを急かし、かごの中のライ麦パンを恨めしげに見やった。今朝は何もかもが早回しで動いていて、やっと一息吐いたばかりのウェインもダンも [続きを読む]
  • ヒナおじいちゃんに会いに行く 69
  • 薄曇りの月曜日。ヒナは昨日のお寝坊さんが嘘のように、いつもよりも早く朝食の席に着いた。焼きたてのシモンのパンにかぶりつき、ジャスティンが広げている新聞を覗き見る。「ヒナ、余所見しているとミルクをこぼすぞ」どこに目がついているのか、すぐさま注意される。「こぼさない」ヒナはミルクが半分ほど注がれたグラスを横目で見た。いつものようにギリギリ手が届くかどうかという場所に置いてあるので、倒しようがない。「い [続きを読む]
  • ヒナおじいちゃんに会いに行く 68
  • 二杯目を飲み干す頃には、ロシターとウェインはずいぶん打ち解けていた。「ここに来る前はどこのお屋敷で働いていたんです?」ウェインは訊ね、チップスをつまんだ。ロシターのおごりということもあって、飲むのも食べるのも遠慮がない。「フォートン伯爵のお屋敷だ」ロシターは答えて、チップスに手を伸ばした。「フォートン……確かかなりご高齢で、跡を継ぐ長男ももう待ってられないって感じですよね」フォートン伯爵は現在九十 [続きを読む]
  • ヒナおじいちゃんに会いに行く 67
  • おかしなことになった。ウェインは自分の置かれている状況を整理するため、ひとまずジョッキに残るエールを飲み干しおかわりを頼んだ。思えば今日はおかしな日だった。旦那様とヒナは部屋から出てこないし、入室を許されたのはなぜかエヴァンだけだ。ヒナの帽子を届けに来たスペンサーは、二時間待ったあげく帽子だけ置いて帰った。なぜ最初からそうしなかったのか疑問だけど、その間ずっとダンが相手をしていたから当然だろう。ダ [続きを読む]
  • ヒナおじいちゃんに会いに行く 66
  • 自分でもまずいことになっているとは思う。わざわざ藪をつついて蛇を出すなど、正気とは思えない。だがひとつはっきりした。スペンサーは嘘を吐いた。トビーとは何もないなどと、よくも言えたものだ。ロシターは一日中、スペンサーとの会話、その時見せたスペンサーの表情を繰り返し思い出しては、情けない己に腹を立て落ち込んでいた。「あれ、ロシター。どこへ行くんです?」たまには外で飲もうと上着を手に裏階段を降りていると [続きを読む]
  • ヒナおじいちゃんに会いに行く 65
  • この数日、スペンサーはダンのことばかり考えていた。無理矢理キスして告白をして、返事はいつでもいいと余裕ぶって、あげく一人で悶々していていれば世話がない。トビーの存在がかえってそうさせているのは明らかだった。トビーはスペンサーを誘惑し、スペンサーも一旦はそれに応じた。だがキスをして一緒のベッドに入っても、最後の一線はどうしても越えられなかった。すでに勝敗はついているとはいえ、まだどこかでダンを諦めら [続きを読む]
  • ヒナおじいちゃんに会いに行く 64
  • 日曜日のバーンズ邸は珍しくのんびりとしていた。おそらくは主人がベッドからなかなか出ようとしないからだろう。もちろんヒナも一緒だ。いつも通り朝の早いジェームズは、私用で出掛けていた。その用事が何なのか見当もつかないパーシヴァルもまた、ベッドでぐずぐずと時を過ごしていた。使用人たちは午前のうちに仕事を終わらせれば、明日までは自分の時間を満喫できる。ということで、いつも以上にキビキビと仕事をしていた。一 [続きを読む]
  • ヒナおじいちゃんに会いに行く 63
  • 夜、寝る前にベッドに座って本を読んでいたダンの元にウェインがやって来た。昼間旦那様に呼び出された件をどうしても喋りたかったようだけど、聞いてみればとんでもない内容だった。「え?伯爵に会いに行くってどういうこと?」ダンの頭の中は混乱していた。ヒナが伯爵に会うための課外授業にウェインが同行?いったいいつそんな話に?「今度の外出、課外授業は口実で、実際はウッドワース・ガーデンズに散歩に出て来られる伯爵を [続きを読む]
  • ヒナおじいちゃんに会いに行く 62
  • ダンが察しのいいタイプだとは思っていないが、ここまで鈍感だとは思ってもみなかった。ロシターは迂闊にもダンと協力関係を築こうとしていた自分を呪った。こんな調子では、共倒れもあり得る。こうなったら自力で何とかするしかない。一応ダンには忠告したことだし、後々何が起こっても責任は負えない。問題があるとするなら、具体的にはどう出るべきかまったく考えが浮かばないことだ。正直これまでのところ、スペンサーとの関係 [続きを読む]
  • ヒナおじいちゃんに会いに行く 61
  • なぜかロシターと二人きりになってしまった。ダンはそわそわと時計に目をやった。休憩時間はまだまだある。ウェインは少し前に旦那様に呼ばれて談話室を出て行っている。もちろん他にも休憩にやってくる者はいるものの、ロシターを見ると、なぜかみんなそそくさと出て行ってしまう。かく言うダンも、今にも腰を上げて逃げ出したい衝動と戦っていた。別に苦手ではない。と思う。ただ、共通の話題がないだけだ。「今日はブルーノは来 [続きを読む]
  • ヒナおじいちゃんに会いに行く 60
  • トビーが帽子屋に現れたのは二日ほど前。昨日の時点でその情報を入手していたロシターは、ダンに先んじて衝撃を受け、不快感に胸をムカつかせていた。スペンサーがどんな顔をしてトビーを自分の領域に招き入れたのか、想像するだけでカッと頭に血が上る。「ロシターも休憩ですか?」談話室に入ると、ダンが椅子を寄せて場所を空けてくれた。心中穏やかではないだろうに、こういう気遣いが出来るのがダンのいいところではある。「え [続きを読む]
  • ヒナおじいちゃんに会いに行く 59
  • カイルはいつもの時間にやって来た。なのに、ブルーノは来ない。ダンはあからさまにがっかりした。昨日会えなかったから、今日は絶対来ると思っていたのに。ちなみに昨日は帽子屋の手伝いで忙しかったみたいだから仕方がない。「ダン、お茶入ったよ」すでにテーブルにつくウェインがカップを片手に言う。ウェインはいつだって休憩一番乗りだ。「あ、うん」ダンは上の空で返事をして、椅子に座った。ブルーノに会いに行こうか思案中 [続きを読む]
  • ヒナおじいちゃんに会いに行く 58
  • エヴァンは思わず立ち止まった。「こんなところで何をしているんです?ここは危ないですよ」ヒナの部屋に向かう途中、まったく別の場所でヒナを見つけた。開けっ放しのドアを覗くように立っているヒナは、ふいに声を掛けられて飛び上がった。「危なくないよ。ヒナの部屋を見てるだけだから」ヒナにしては珍しく、おどおどした様子で一歩後ろに下がった。現在職人が作業中のこの部屋は、ヒナの衣装部屋に改装中だ。ヒナが興味を示す [続きを読む]
  • ヒナおじいちゃんに会いに行く 57
  • 今日の昼食はシモン特製のピザ。チーズがたっぷりで、ヒナの好物のひとつだ。猫舌でもこれは熱いうちに食べる。おかげでいつも唇が赤く腫れてしまう。朝食を抜いたヒナとパーシヴァルは、熱々のうちにがっついた。ジェームズはオニオンフライにレモンをたっぷりと搾りながら、みるみるうちにお腹を満たしていくパーシヴァルを唖然とした様子で見つめた。何に対しても貪欲な男を恋人にしたのは自分だが、時々、本当にヒナと似ていて [続きを読む]
  • ヒナおじいちゃんに会いに行く 56
  • パーシヴァルのおかげで、ヒナに余計な不安を抱かせてしまった。ジャスティンは沸々と湧き上がる怒りを抑えつけ、ヒナに安心させるような笑みを向けた。確かに結婚の話は出た。もちろんこれは想定内だったが、グレゴリーが余計な口出しをしたせいで、両親は遅くとも来シーズンまでには結婚させる気でいる。もちろんその計画も潰す気ではいるが、それにはかなりの労力を要するだろう。ひとまず結婚の話題からは遠ざからなければ。「 [続きを読む]
  • ヒナおじいちゃんに会いに行く 55
  • 昼前に起きたパーシヴァルは、昨夜の情熱的なジェームズを思い出して、また身体を熱くさせていた。とはいえ、お腹はぺこぺこだし(あれだけ体力を使えば当然だ)ヒナの様子も気になる。夜中に屋敷じゅうの明かりを点けさせたのだから気にならないはずがない。が、こんな時間になってしまった。「あれ?ジャスティン帰ってたんだ」食堂へ入ると、ヒナの隣にジャスティンがいた。ヒナは離れていた時間を埋めるかのように、ぴたりと寄 [続きを読む]
  • ヒナおじいちゃんに会いに行く 54
  • 公爵邸から昼前に帰宅したジャスティンは、ホームズから留守の間の報告を受けていた。ヒナがベッドに入るまでには戻るつもりだったが、兄グレゴリーのせいで足止めを食らい、結局こんな時間になってしまった。「ヒナが朝食を食べなかった?具合でも悪いのか?」たかが半日空けただけだ。何もありはしないと、適当に耳を傾けていたらこれだ。やはり多少揉めてでも昨夜のうちに戻るべきだった。もちろん出来たらそうしていたが、そん [続きを読む]
  • お知らせ
  • こんばんは、やぴです。更新が滞っててすみません。ちょっと体調を崩してしまいまして…。数日お休みします。仕事の疲れかな…。ちょっとずつ仕事は覚えて、自分がやるべきこともわかってきてるんだけど、まだまだ相手が何言ってるのかわかんない方が多くて…。これから忙しくなるみたいだから、体調管理は万全にしときたいです。みなさまも新年度で色々大変だと思います。季節の変わり目は病気になりがち。←あたしも多分これみな [続きを読む]
  • ヒナおじいちゃんに会いに行く 53
  • 突如、騒ぎは起こった。パーシヴァルはジェームズとことの真っ最中。ウェインはすやすやと就寝中。エヴァンとロシターは騒ぎを聞きつけすぐに部屋から飛び出た。真っ先に騒動の元――ヒナの部屋――に駆け付けたのは、ヒナの部屋に一番近いダンだった。ベッドの上に座って泣きべそをかくヒナは、ダンを見て情けない声を上げた。「だぁ〜ん」状況がわからず戸惑うダンの背後にホームズが立つ。「お坊ちゃまがお呼びだ」ほら行けと背 [続きを読む]
  • ヒナおじいちゃんに会いに行く 52
  • 「どうして言ってくれなかったんだ?」夜遅く、パーシヴァルはベッドの中で問う。「急な呼び出しだったから言いそびれただけです。それより、自分の部屋に戻ってはどうです?」パーシヴァルはジェームズの無粋な言葉を無視して、話を続ける。「その割に供もつけずにコソコソと。何が何でもヒナには黙っておきたいように見えたんだけど?」「ちゃんと教えてあげたでしょう?これ以上グダグダと文句をつける気なら、本当に追い出すぞ [続きを読む]
  • ヒナおじいちゃんに会いに行く 51
  • 経験豊富ね……。否定はしないが、嬉々として言い切られるといい気はしない。ジェームズはむっつりと黙り込んだまま、淹れたての紅茶が届くのを待った。今日の午後は使用人の半数が外出していて、その中にはシモンも含まれている。お茶を淹れるのは彼の仕事ではないが、まともな菓子も出せないようではティータイムを楽しめそうにもない。「ねぇ、ジャム。ジュスはどこにいるの?」ヒナが怯えた様子で訊ねる。まるでジェームズがジ [続きを読む]