海風 さん プロフィール

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海風さん: 海風の徒然なるままに
ハンドル名海風 さん
ブログタイトル海風の徒然なるままに
ブログURLhttps://ameblo.jp/fu16-kai19/
サイト紹介文イケメンですねの本編の続きと別次元を書き、今はキャラをお借りしてパラレルを書いてます。
参加カテゴリー
更新頻度(1年)情報提供145回 / 365日(平均2.8回/週) - 参加 2011/07/06 19:14

海風 さんのブログ記事

  • 静寂にして尊大に 39
  • 一度目は偶然のような勝利に見えた。二度目の勝利は奇跡と言えた。そして三度目は必然、買収しておいた男が合図を送ったのだ。 「私の勝ちだ。」 ジョンヲルは言って立ち上がり、フニはロイを連れて行こうとする。負けた男たちがそれを阻もうと立ち上がり、賭場は不穏な空気に包まれた。 「やっちまえー!!」 腹いせ交じりの男の声で交戦となる。かつては無敵と言われた剣術は11年の間にも錆びてはいなかった。 襲いかかる手を [続きを読む]
  • 静寂にして尊大に 38
  • 「シヌ、私が引き受けるから、おまえは下がっていいぞ。」「いいえ、兄上は他にも任せられた仕事をお持ちで、お忙しい身ではないですか。 このように後処理の事案は、私にお手伝いさせてください。」「シヌ!」 澄ました顔で言うシヌに、思わず声をあげてしまったジフンを、ギョンセが怪訝な目を向ける。 「何をそこまで固執する。」「えっ あっいえ・・・」 思わず上ずった声を上げたジフンだったが、シヌにこの事案を渡すわけ [続きを読む]
  • 静寂にして尊大に 37
  •    紅芍の芥子 カン大監の自死で、事件は片付くはずだった。 「遺書が隠されてあっただとーー。 予期していたとでも言うのか。」 宮殿に戻ったジフンが、手当たり次第に物に当たり、喚き散らしていら立ちや焦りを発散している所に、ファランがやって来た。朝廷での皇帝の発言を聞いたからだ。 「皇太子になろうという者が、何事です。」 あちらこちらに散らばる、割れた陶器を片づけるよう宮女に指示をしたあとで、黙って立っ [続きを読む]
  • 静寂にして尊大に 36
  • 「カン大監が死んだーーー。」 明け方に宮殿に戻って寝床についたばかりだったジフンは、コオ大監の訪問を告げる官吏に起こされて、不機嫌顔でやってきた。文句の一つも言ってやろうとしたが、汗を拭きながらのコオ大監の報告に驚愕の声を上げる。 「私もさっき聞いたところで、ですが、すでに自殺として処理しようとしておりますので、ご安心ください。 ただ、すぐの報告をと思い・・・」 深々と頭を下げて言うコオ大監に、ジフ [続きを読む]
  • 静寂にして尊大に 35
  • 明け方になってマ・フニが戻ってきた。 「お休みになられなかったのですか。」 座ったままのジョンヲルに、フニは心配顔で声を掛けた。 「それより、何か分かったか。」 問いかけには答えずに、ジョンヲルは静かな声でそう訊き返した。 「はい、カン大監もすでに・・・ただ・・・」 フニは夜中に忍びこんで見て来た事をジョンヲルに伝える。 「コオ大監に動きは?」「まだございません。 連絡が入ってないようです。」「そうだろ [続きを読む]
  • 静寂にして尊大に 34
  • ジョンヲルはシヌから目をそらして考えに落ちる。 確かにここ数年の晏国の状況を考えれば、友好関係を築くよりも婚姻を結ぶ方が簡単で手っ取り早いだろう。 嫌がる王女を説き伏せたとしても不思議はないが・・・・、 ジョンヲルは頭の中でアン王とリセ王女、そしてギョンセ皇帝ならと、それぞれの考えを読もうと動かした。駒はそれぞれに性格と考えを持って動くからだ。 「ひとつお訊ねします。 殿下は晏国のアン王をどの程度ご存 [続きを読む]
  • 静寂にして尊大に 33
  •    月夜の訪問者 縁側に座ったジョンヲルは、仮面を外し、テギョンに戻ってくつろいだ様子で月を見ていた。 こうして一人で月を見ていると、思い出すのはあの幽閉された陋屋の荒れた庭から見た月ではなく、まだ幼いころに一人で見ていた月が浮かんで来た。 母に疎んじられ、宮殿も別に移されて、テギョンは母の恋しい年から夜も一人で過ごしたのだ。一人といっても皇子だから、世話をする宮女や官吏は何人もいる。ただ、溺愛さ [続きを読む]
  • 静寂にして尊大に 32
  • 「酒だー、酒を持って来い。」 イライラとそこらじゅうの物に当たり散らしながらジフンは宮女に声を上げた。八つ当たりするジフンを避けるように酒を運んだ宮女は、すぐに逃げるように後ろに下がって小さくなっていた。 怯えた宮女を横目に見ながら、ジフンは酒を盃になみなみと注いで、喉に一気に流し込むと、その盃を投げ捨てる。 叫び声を上げて宮女がさらに身体を小さくして謝るのを見て、それすらも疎ましそうに下がれと手を [続きを読む]
  • 静寂にして尊大に 31
  • 武術大会の後、観光を皇子たちとしたリセは、親善大使の役目を終えて晏国に帰国した。 「王女、煌国はどうだった。」 帰国の挨拶をするリセ王女にアン王が訊く。 「お父様から聞いていた通りの豊かで美しい国でした。」 リセが膝を付いて報告をする。アン王とファランが計画した事が失敗に終わった事は、すでに報告が届いている。だが今回、ジフン皇子と縁は結べなくても、煌国との関係を良好にして来たのだ、責める点はアン王には [続きを読む]
  • 静寂にして尊大に 30
  • ユ・ヘイはいつにもまして華やかに装うと、お付きの下女を従えて町中を歩いていた。頭の中には、先日の美しかったリセ王女の姿が浮かんでいる。 同じ女としてなら負けているとは思っていないが、王女と大監の娘では格の差がある、皇子たちにも、ちやほやとされていた事を思い出すと嫉妬心だって芽生えもする。 だが王女といっても晏国なのだ、磨きをかければ自分の方が上だと思う、だからこうして高級品を扱う店に、王女にも負けな [続きを読む]
  • 静寂にして尊大に 29
  •    皇宮に咲いた恋 「お嬢さま、あの謀士、湿邪を・・・」 ジョンヲルの屋敷からの帰り道、話しかけて来たミジャを、ミニョは責めるような目で見て、その口を止める。 「望んで病む人はいないでしょう。 それより、取り寄せてほしい薬草がいくつかあるの。」 それが誰の為の薬草なのかはミジャにも察しがつく、 「香草を買ってもらっててあれですが、そこまでする必要があるんですか。」 不満げに訊いて来るミジャをまた睨んだ [続きを読む]
  • 静寂にして尊大に 28
  • ジョンヲルが倒れた音で、ミニョは振り返り、マ・フニは部屋に飛び込んでくる。 「ヲルさま、ヲルさま。」 声を掛けるフニに、ミニョは医者を呼んでくると言う。だがそれを、フニは止めた。 どのような状況になっても医者は呼ぶなと、煌の都に入る前に、ジョンヲルから念を押されている。 「や・・休めば治る・・・・医者は・・・必要ない・・・。」 布団に寝かせながら、不安いっぱいの声でフニが言い、ミニョは意識を失っている [続きを読む]
  • 静寂にして尊大に 27
  • 「のろしが上がったから・・・」 ミニョはジョンヲルの疑問に気付いたようにそう言った。 「胡国は武力こそ持たなかったけれど、いざという時の伝達方法だけは決まっていたんです。」 ジョンヲルはジェヒョン王らしいと思った。 「なら、ミナム王子は晏国に逃げたはずだ。 あの後、晏国は煌国に真実を求めていたからな。」 そうだったと、ミニョも思う。 「だが、・・・・・晏国は保護してくれなかった。 だから今も逃亡を続けて [続きを読む]
  • 静寂にして尊大に 26
  • ジョンヲルはジフンが帰るとミニョも帰るだろうと思っていた。だがミニョは、ジフンを見送り部屋に戻るジョンヲルについて戻ると、ジョンヲルの前に座って、絡みつく目でじっと見つめてくる。 そのミニョの頭の中では、何度も同じ問いを繰り返していた。 『あなたはテギョン殿下ですよね。 火を付けたのはあなたですよね。 だけど、胡国の王様を殺したのは、他にいるのですね。 誰なのか、知っているのですか。』 この問いに頭 [続きを読む]
  • 静寂にして尊大に 25
  •    残月の情報 「この女は宮殿に火を付けて皇子を焼き殺したんだ!」「ちっちがいます。」 ジフンに指さされて、ミニョは慌てて否定してジョンヲルを見る。 「胡国の者だからな、恨んでいて当然だ。」「でも・・・私を・・・・・宮殿に入れるよう取り図ってくれたのは、ジフン殿下です。 胡国出身なのは、ご存知でした。」 ミニョは二度三度とジョンヲルに目をやりながら声を上げる。 「そっそれは胡国の者は・・た た 大変 [続きを読む]
  • 静寂にして尊大に 24
  • 皇帝ギョンセは皇居殿で側仕えの官吏に満足げな笑みに見せていた。 「何か嬉しい事でもございましたか。」 官吏の男が厳かに訊ねる。 「分からないか、今まで東宮を決めずにきた事が正しかったと判明したんだ。」 言ったギョンセに、官吏は今ひとつ分からないって顔をする。 「分からないのか、 シヌは子供の頃はあれほど逃げ腰で、常に後ろに控えているような子だったじゃないか、 それが、怪我を押してまで出る強さを見せた、 [続きを読む]
  • 静寂にして尊大に 23
  • 『よろしいですか、リセ王女とは友好な関係を築くのです。』 ジフンは自分の宮殿で、酒を飲みながらジョンヲルに言われた言葉を思い出した。 『そんな事をすればすぐに母上が・・』『それはお二人だけで会った場合です、そうならないよう手は打ちますからご安心ください。 それより、皇后に背いても何の得もありません。』『つまり、母の意に従えと言うのか。』『少なくとも逆らわず、努力している姿をお示しください。 リセ王女 [続きを読む]
  • 静寂にして尊大に 22
  • 「シヌ殿下は、皇太子になれないと考えておられるのですか。」 低い声が静かに訊いた。 「父上、・・いや皇帝陛下は、私を使ってジフン兄上を成長させたいとお考えだ。」「では皇帝陛下はすでに皇太子を決めておられると・・・」 まさかって首を傾けて訊くジョンヲルに、シヌは考えるように顔を動かし、ジョンヲルもまたかつて父であったギョンセの考えを読もうとする。 タオ皇子が皇太子になった経緯を鑑みれば、皇太子はジフン皇 [続きを読む]
  • 静寂にして尊大に 21
  •    皇帝の考え 「フニ、今夜は客が来るはずだ。」 ジョンヲルがそう言ったのは、皇宮にいるカン・ユソンからの情報が入ってからだった。 「えっ今夜ですか。」 約束などしていない事は承知のフニは訊き返したが、ジョンヲルがこれまで読み間違えた事などなかったから、フニはいつもなら早くに閉める門を遅くまで開けて置く事にした。 「ヲルさま。」 フニがジョンヲルに声を掛けたのは夜もかなり更けてからで、その呼びかけで [続きを読む]
  • 静寂にして尊大に 20
  • 「誰にも仕えた事がないと言うの。」 報告した者にファランは眉をひそめて訊き返した。リセ王女との密会の策が見事に壊れた事で、ファランは不機嫌この上ない状況なのに、あの謀士が敵か味方かも見極める事が出来ないのかと口を歪める。 「確認が取れた訳ではありませんが、どうやら胡国出身のようです。 胡国では謀士を必要としなかった為、国々を巡り、様々な所にまで情報網を広げ、 その場その時に、策を望む者に応じた策を売 [続きを読む]
  • 静寂にして尊大に 19
  • 五人が皇宮の庭で集まっていた時、ジョンヲルは帰路についていた。そのジョンヲルの後を皇宮から付けてくる者がいる。 ジョンヲルは振り返る事はせずに、真っ直ぐに家路を歩く、それが誰の手の者かは察しが付いているからだ。 あの火事の夜から一年、一年かけて準備をし、ここに戻って来たのだ。最初の一歩であるジフンには近づいた、そしてジフンに近づく者をファランが警戒する事も想定していた。何を調べても、ジョンヲルがテギ [続きを読む]
  • 静寂にして尊大に 18
  • 来賓を招いての宴が始まると、ジフンは皇帝から祝いの言葉と品を賜った。だがそれだけで、ジフンが望んだ言葉は最後まで聞く事は叶わなかった。 華やかな宴に席がある者は、来賓のなかでも身分の高い者と決まっている。非公式の来訪ではあっても王女アン・リセはその宴の中にいた。そしてリセ王女をユ大監が目を細めて見据える。 ファラン皇后の考えを読んでいるのだ。 一方、参加する資格を持たないユ・ヘイは父と別れて帰ろうと [続きを読む]
  • 静寂にして尊大に 17
  •    武術大会 午後に入って残す競技は剣術のみとなった。 試合形式も、組み合わせでの勝ち抜き戦だ。 鍛錬されていない者の試合は退屈極まりないもので、午餐の後の中だるみも手伝って、観覧席ではうたた寝をしている者もいる。ジョンヲルはその視線を競技場に向けることなくそのままそっと貴族席に移した。 知らぬ顔もあったが懐かしい顔も並ぶ、ジョンヲルはその中にユ大監の娘、ユ・ヘイを見つけた。 かつての許嫁であったに [続きを読む]
  • 静寂にして尊大に 16
  • 「兄上の招待で来たと言ったな。 ではこの手紙は兄上からか。」 シヌはジョンヲルを見たままで訊き、ジョンヲルはその問いに口許を微笑ませる。 「兄上からの手紙など必要ないが・・・・謀士ならここに何が書かれているか分かるか。」 少し、得意そうに謎かけをするシヌに、ジョンヲルはそうですねと考えるふりをする。それから、「場所と刻限、・・・・・ではないでしょうか。」と、自信たっぷりに答えて見せた。 きっちり封のさ [続きを読む]
  • 静寂にして尊大に 15
  • 「母上、母上ー。」 休憩の為、後宮に戻ったファラン皇后のところに、ジフンが満面の笑みでやって来た。 「喜びすぎですよ。」 奥から出て来たファランが窘(たしな)める。 「母上のおかげです。」 それでもジフンは喜びを隠しきれない様子で言う。 「たった今聞いた話では、肩を負傷したそうよ。 剣術の試合は放棄するかもしれないわね。」 ファランも笑みを浮かべて言う。ファランにとってシヌは、第四皇子だということよりも [続きを読む]