花見だんご屋 さん プロフィール

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花見だんご屋さん: 緑の日々
ハンドル名花見だんご屋 さん
ブログタイトル緑の日々
ブログURLhttp://cotton2009.blog99.fc2.com/
サイト紹介文素人の初心者が気持ちの整理に書いてます。キイワードは三流サスペンス、貴族、親子。更新不定期。
自由文舞台は欧州のI国。主人公は金髪美少年。
相手(?)はN国人のおっさん。
(隠れ主役は銀髪の中年過ぎの男性)
ご都合主義なインナーワールドのお話です。

愛って、家族って何だろう。
強いってどういうことだろう。
優しいって何なの、と自分なりに考えて
書いています。目指すはハッピーエンド!
参加カテゴリー
更新頻度(1年)情報提供24回 / 365日(平均0.5回/週) - 参加 2011/07/17 00:42

花見だんご屋 さんのブログ記事

  •  第三十八話 お忍び 1
  • 診察なんて名ばかり、カウンセリングなんて一応そういったそれなりな大義名分をつけているだけ。ファーガス氏が女王陛下にしている一番有益な働きかけと言えば愚痴を聴くことだ。まず現女王陛下であるパメラ12世は正当な血統ではない。妾腹だ。彼女の小さな頃はもっと小さな弟のフィリップと、フィリップの父と母の元で幸せに暮らし自分がまさか女王になるなんて夢にも思わなかった。母は、自分の父は旅行者で行きずりの恋で。でも [続きを読む]
  • 第三十七話 買い出し 3
  • 手のひらを占拠するのがやっとの薄っぺらな透明プラスティックの袋に包まれた向こうが透けるほど薄い添加物の塊のような諄い朱色の生ハムに大量生産された薄いチーズしか入っていないサンドイッチとこれまた透明のプラスティックの小さなタッパーに大きなレタスの葉が数枚だけ入ったサラダ。幸いなのはレタスの葉が赤く変色していないことくらいだ。ドレッシング?プラステックの小袋に入った煤白い液体なんて。ないほうがましだ。 [続きを読む]
  • 第三十七話 買い出し 2
  • 大通り沿いに位置する観光客向けのパブは煉瓦の壁をそのまま生かしたアンティークな壁が売りだ。しかしその瀟洒な印象をぶち壊すかのように椅子とテーブルが白いプラスティック製なのが頂けない。折角の煉瓦造りの壁の美しさが台無しだ。カジュアルな、悪く言えば安っぽい印象しかもてない。だが幸いにもその簡単な内装が功を奏し観光客の入りやすい雰囲気を醸し出しているのも事実だ。また完全セルフサービスも手伝い価格も手頃と [続きを読む]
  • 第三十七話 買い出し 1
  • 「ねえ、君一人?お茶飲まない?酒の方がいいかなぁ?あー、全然大丈夫、俺怪しいもんじゃないって。」男はにたー、っと分厚い唇を盛り上げ饒舌に磨きをかけてローウェルに覆いかぶさるように近づいてくる。明らかに軟派だ。この国では地方や田舎はK教の規律を守り封建的だが都会や観光地では恋愛の自由度は高いしホモだって常習化している。つまり男が、自分の好みの男に声を掛けるなんてのはこのW市ではごく普通の光景である。 [続きを読む]
  • 第三十六話 公子と子供 17
  • そのファーガス氏の真っ当でいて屈託のないそして何より王族に対する畏怖に欠けた態度にエリオットは恨みと怒りが脳天で合わさり火を噴いてもおかしくないような熱に脳が侵される。黙り平服し自分に従う数多の側近やSP兵士を群れにして、それでもエリオットに心の平穏は皆無なのだ。自分に向かう全ての人間が自分に従わねば黒く重い煙に体中が覆われ侵略されるような恐怖に侵されてしまう。酷い不快感だ、身体が硬直し熱が奪われ [続きを読む]
  • 第三十六話 公子と子供 16
  • その美麗な顔が大窓から溢れる白んだ午後の陽光に照らされたその瞬間を残念ながらエリオットはその青に納めてしまった。凝視などしなければバスタタオルに隠れた気狂いの顔など高貴なこの青に映すことはなかったのに。見てしまったのだ。あれは確かに美しいグロースタ伯爵の顔だ、あれ程均整の取れたしなやかな品のある貌などそうあるものではない。エリオットはローウェルの顔が16歳のそれになった途端に衝撃の余り一度腰を預け [続きを読む]
  • 第三十六話 公子と子供 15
  • ファーガス氏は陽に白く輝くタオルを手にエリオットに軽い会釈をするとひょいと身を屈め、泣き叫ひ疲れて声のトーンを落とし泣きじゃくるローウェルに大丈夫かい、と穏やかな声を差し出した。ローウェルは頬に走る激痛と恐怖で今まで世界と自分を遮断するべく泣き叫ぶことで作り上げていたバリアを解きミスター、と真っ当な声で呟いた。涙に濡れ朝日を浴びる露のように輝く緑がファーガス氏の顔を捉え、一度は安堵した表情をみせた [続きを読む]
  • 第三十六話 公子と子供 14
  • 怒りで燃え盛ったエリオットには初めファーガス氏の言葉が全く耳に入らず、鋭利な刃物のように尖った青でファーガス氏を貫いただけだ。ファーガス氏はエリオットの様子より自分の言葉が伝わっていないことに気づき今度は幾分語気を強めきっぱりと伝える。「エリオット公子殿下。貴方のご要望であるところの、美しい伯爵をご覧にいれようというのです。ここは私の言う事をお聞きになった方が得策だと思うんですがね?バスタオルを一 [続きを読む]
  • 第三十六話 公子と子供 13 
  • 公子殿下が仰られる厳命である。司令官はそれに機械的に素早く応対し剣捧げ!と激を吐いた。その指令が終わると同時にローウェルを取り囲む衛兵達は銀にすらりと伸びるサーベルを華やかな鞘から抜き取ると鋭利に煌く長い刃を空に挙げた。一斉に捧げられるサーベルの刃は洗浄した骨のように美しく統制のとれた衛兵達の動作は申し分ない。次に司令官が突け  という号令を出せばそれで衛兵達は空に掲げた刃を一斉にローウェルに突き [続きを読む]
  • 第三十六話 公子と子供 12
  • ローウェルはエリオットの足底の重みを受けながら一体今何が起こっているのか理解できず緑をぱちくりとさせた。だが次の瞬間には背中から痛みが走りその痛覚を導に頭の中にこの処遇の意味付けは終わっている。小さな心のローウェルはエリオットの暴挙に歯を剥きなにすんだ!と声を高くしてエリオットを緑で睨みつけその足から逃げるべく肩から身体を反転させ上半身だけだが起き上がるのに成功した。そうだ、こいつはてきなんだ!へ [続きを読む]
  • 第三十六話 公子と子供 11
  • ローウェルはきょとんと緑を丸めて目の前のソファで足を組み苛々と肩に力を込めるエリオットを確かめる。気品溢れる美しい若者はこの世の者とも思えない程青を吊り上げ眉を歪めて恐ろしい形相でこちらを睨んでいた。ローウェルはがっちりとしたロープで縛られ数人の衛兵達に取り囲まれてエリオットの前に差し出されている。ぐしゃぐしゃの金髪にはまるで出鱈目な髪飾りのように銀燻した月桂樹の葉が飛び交いシャツもボトムも土と草 [続きを読む]
  • 第三十六話 公子と子供 10
  • エリオットの激しい怒りの感情を受け厳しい訓練により王族には絶対服従を心身に沁み込ませている衛兵達は揃って控え身を引き締める。だがそういった訓練を受けていないどころかまともに王族に付き従う必要性すら感じない精神科医は目を開いて意外そうに微笑んだ。「おお、これは。エリオット殿下が私に直接話しかけてくれるというのは王宮に仕事を持つようになって初めてのことで、何やら嬉しいものですね。」全く毒気なく、もちろ [続きを読む]
  • 第三十六話 公子と子供 10
  • エリオットの激しい怒りの感情を受け厳しい訓練により王族には絶対服従を心身に沁み込ませている衛兵達は揃って控え身を引き締める。だがそういった訓練を受けていないどころかまともに王族に付き従う必要性すら感じない精神科医は目を開いて意外そうに微笑んだ。「おお、これは。エリオット殿下が私に直接話しかけてくれるというのは王宮に仕事を持つようになって初めてのことで、何やら嬉しいものですね。」全く毒気なく、もちろ [続きを読む]
  • 第三十六話 公子と子供 9
  • ファーガス氏の愛する安穏を旨とした家の内部は今恐ろしい程の無秩序と暴挙に支配されている。美しく整列を保っていた本は全て無残に棚から落とされ重みのある木目の美しい床が見えないほどに散乱していたしテーブルや椅子といった数少ないインテリアはまるで虚構のように薙ぎ倒され生活を支える冷蔵庫や電子レンジといった大切な電化製品は乱暴に打ち捨てられている。繊細な機械回路の詰まったこれらが突然の暴兵達に無残に扱われ [続きを読む]
  • 第三十六話 公子と子供 8
  • ローウェルの現実の投げかけに対し現実であるエリオット公子殿下はやはりローウェルの方を見ようともせず全くの無視を決め込んでいた。幸いといっていいだろう。ローウェルはエリオットの存在を完全に忘れていたしエリオットは目の前の気味の悪い程幼い少年がローウェルだとは全く気付かなかった。そして動いたのは数人の衛兵達だ。ローウェルがエリオットに言葉を投げた次の瞬間にはもううわっと海に波の泡が立つようにローウェル [続きを読む]
  • 第三十六話 公子と子供 8
  • ローウェルの現実の投げかけに対し現実であるエリオット公子殿下はやはりローウェルの方を見ようともせず全くの無視を決め込んでいた。幸いといっていいだろう。ローウェルはエリオットの存在を完全に忘れていたしエリオットは目の前の気味の悪い程幼い少年がローウェルだとは全く気付かなかった。そして動いたのは数人の衛兵達だ。ローウェルがエリオットに言葉を投げた次の瞬間にはもううわっと海に波の泡が立つようにローウェル [続きを読む]
  • 第三十六話 公子と子供 7
  • ローウェルの頭の中はもう空想で一杯になっていた。暴れる悪党、それを撃退する自分、更に暴れる悪党達の中の親玉を見つけそれに果敢に挑む自分!なんてすてきなのかしら。まるで絵本の中に入り込んだみたい。自分がお話の主人公になったみたい。お話の主人公ならきっとこんな階段飛んで降りるんだそれで旋風みたいに悪党の親玉の前に出て果し合いを申し出る!ローウェルはこの如何ともし難い異常な状況を絵本の物語に準えてわくわ [続きを読む]
  • 第三十六話 公子と子供 6
  • 兵達は突然の落下物に慄かねばならずそして次々に階上から落下する本の群れに恐れをなさねばならなかった。だって引っ切り無しに大量の本が自分達の前方上から落ちてくるのだ。それでも初めは落ちてくる本に応戦し瞬時に警棒を取り出し本を叩き落とそうとする者もいた。一人の少年が落とす本なんて数が知れているし我々は厳格な訓練を乗り越えてきている誇り高い軍なのだ。この程度の事何ともないと所詮素人のやることと高を括った [続きを読む]
  • 第三十六話 公子と子供 4
  • やめて、やめてと、舌足らずの鈴の鳴るような声を耳に入れたのは美青年だけではない。だがこの館のにいる人間の中で最もその声に反応したのは美青年だ。持ちなれない重量物を持つ不安から不意の高い声に虚を突かれサーベルの重さ長さに筋肉のさほどない細い体が耐えきれないでいた美青年は握力が緩まりサーベルを振り下げるところまで意識を集中できなくなってしまった。サーベルは美青年の細い手から逃げるように床に転がってしま [続きを読む]
  • 第三十六話 公子と子供 5
  • 対しファーガス氏は これはいい状況だと目を開いてローウェルに伝える。「ローウェル。君はそのまま階段を上って部屋に戻るのがいい。大丈夫だ、そこまでは皆追ってこないから。」ファーガス氏はローウェルに大きな声で言葉を投げながらエリオットの様子も目の端で観察する。命令を下した本人はゆったりとソファに坐したまま足を優美に組み替え兵達の動向やローウェルの様子などもう興味もないと明後日の方向を向き司令官に新しい [続きを読む]
  • 第三十六話 公子と子供 3
  • この美青年オの提案でエリオットの気分が若干であっても高揚したのは確かだ。気に入らない市井を打つのはさぞかし楽しかろうと思う、が。かといってこの美青年を信頼している訳ではないのだ。そうそう簡単に美味しい話を振って来る人間は必ず人を裏切るという定立をエリオットは保持している。エリオットは面白そうに青の眼を細め口元をにたりと歪ませる。「成程、では此処でボクがこの市井を打つとボクはお前に弱みを握られるとい [続きを読む]
  • 第三十六話 公子と子供 2
  • エリオットは明るいマリンブルーの目を殊更厳しく細め大変不機嫌な様子で市井の家など興味もないと周囲を見ようとすらせずに自分の側近、それから衛兵達、そして最後に衛兵2人に取り押さえられたファーガス氏を目の端で突き、改めて側近に視線を戻し姿勢を伸ばす。きっちりとサンディブロンドの髪を整えイエローの絹に金糸で縁取られ肩には金房の施された詰襟の軍服、美しい青のサシェを巻き靴は黒の短靴という装束は外国訪問の折 [続きを読む]
  • 第三十六話 公子と子供 1
  • この異常な事態に、一体自分はどう対処すればいいのか。ファーガス氏はドアの外で慇懃に構えるびかびかの軍服に身を包んだ無表情な従者にこれは何事かね、と困惑し切った震えた声で尋ねる。だが栄誉ある王室親衛隊の誇りある衛兵は平民と口を交わすことなど絶対にない。美しい軍服に身を包んだ強屈な男たちは一様にだらしなく異彩の無い恰好をした背の小さい中年男をぎろりと一睨みしただけである。後は皆まるで蝋人形のように決め [続きを読む]
  • 第三十五話 本の館 9
  • ローウェルは自分がお城にいたという事実からの興奮し暫くは支離滅裂な言葉を繰り返したけれどその内ファーガス氏の誘導に物語の制作にかかると今度は短い時間で驚くべき集中力を以て見事なフィクションを作り上げた。その内容はこうだ。父はとても素敵な人だったから皆の噂になってその内女王様の耳にも入って女王様に褒められ、勲章をもらえることになった。でも父は照れ臭いからとそれを断った。けれど自分はどうしても女王様に [続きを読む]
  • 第三十五話 本の館 8
  • 狐に抓まれたというのはちょうどこんな感覚かもしれない。ローウェルは大きく緑でファーガス氏を捉えたままえ?と話の内容の反復を促す。ファーガス氏はローウェルの反応を待っていたかのように矢継ぎ早に自分がローウェルを助けたときの状態と今に至るまでの過程だけを淡々と伝えた。感情も憶測もそれどころか状況説明もない。ただファーガス氏が見たそれだけを言葉にしているだけだ。自分がローウェルを助けたのは王宮の大公の部 [続きを読む]