桜庭ちひろ さん プロフィール

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桜庭ちひろさん: 役夫之夢
ハンドル名桜庭ちひろ さん
ブログタイトル役夫之夢
ブログURLhttp://ekihunoyume.blog.fc2.com/
サイト紹介文オリジナルBL小説不定期更新中。ヤクザの若頭×製薬会社専務で連載しています。
自由文ブログタイトルは『えきふのゆめ』です。拙い文章を不定期に更新しています。
参加カテゴリー
更新頻度(1年)情報提供89回 / 365日(平均1.7回/週) - 参加 2011/09/24 20:26

桜庭ちひろ さんのブログ記事

  • 更新についてお知らせです
  • いつもお世話になっております。桜庭です。お話も残すところあとエッチシーンとエピローグのみとなっているんですが、ここへきてその残り部分でどーしても気に入らないところが出てきまして……ただ今急きょ修正中です。最後までぐだぐだで本当に申し訳ありません。また少し皆様をお待たせしてしまいますが、どうかよろしくお願いいたします。桜庭ちひろ [続きを読む]
  • 夜明けの彼方 94
  • *  *  *まるで、あったかい波に揺られているみたいだな、と思った。心地よいぬくもりの中で、ふわふわ、ゆらゆらと眠りの浅瀬を彷徨う。休日の朝に一度目を覚まして時計を確認し、「まだ寝ていられる」と幸福感に浸りながら二度寝する……そんな感覚だ。でも、覚醒に近づきつつある俺は気が付いていた。誰かの視線が顔にじりじりと突き刺さっていることに。その視線にあからさまに「早く起きろ」と急かされる。何だよ、こっ [続きを読む]
  • 夜明けの彼方 93
  • そうして思考を放棄しようとしたら、ふと梶原の歩調が緩むのが伝わる振動で分かった。部屋の扉の傍に、楢橋がへたり込んでいる。梶原が「何か喋らなくていいのか」と俺に視線を寄こしていた。何を言えばよいのか、正直分からない。でも、何か言おうと口を開きかけたところで、楢橋のほうが先に顔を上げた。俺が出かかっていた言葉を飲み込むと、楢橋は一言「そういうことだったのか」と言った。「え?」「青柳がどうしてそんなに裏 [続きを読む]
  • 夜明けの彼方 92
  • あの薬は完全に体の自由を奪う薬ではない。やろうと思えば梶原の胸を押し返すことだって、首を振ってキスから逃れることだってできた。でも、俺はそうしない。……だって、欲しいもんは欲しいんだから仕方がない。今くらいは素直になろうと、そう思った。貪るという言葉がぴったりのキスだった。一度では飽き足らないとばかりに何度も角度を変えて深い口づけをされて、その熱さに浮かされたように頭がじんと痺れる。間近で吐息が混 [続きを読む]
  • 夜明けの彼方 91
  • あけましておめでとうございます! 今年も役夫之夢をどうぞよろしくお願いいたします。というわけで、2017年最初の更新です。お正月休みの良い暇つぶしになれば幸いでございます〜。さっきまでいたはずの佐伯の姿がない。その代わりとばかりに、いつの間にか目の前には梶原がいるではないか。どういうことだ、と混乱していたら梶原がそのままゆったりと歩き出す。その先には佐伯が仰向けになって床に転がっていた。――どうやら俺 [続きを読む]
  • 夜明けの彼方 90
  • 「お前っ、何とか言いやがれ馬鹿梶原……っ!」「……は?」梶原が間の抜けた声を上げる。何で俺、とでも言いたげな表情だった……気がする。ちゃんと確認する前に、また俺の首が落っこちたので良く見えなかった。あ、やっぱしんどい。なんか頭もふわふわしてきたし……。それでも、伝えないといけないことがある。「人が聞いてりゃ卑怯だとかこんなやつだとか……佐伯みたいな野郎に好き勝手言わせてんじゃねえよ……黙ってないで [続きを読む]
  • 夜明けの彼方 89
  • 「若頭がわざわざ自分でお迎えに来るなんて、相手が梶原組にとって相当大事な人間じゃなきゃあり得ねえ。やっぱりあんた、ただの堅気じゃねえんだろ――」「うちのモンがそっちに世話になってると聞いている」梶原が半ば割り込むように口を開いた。その顔はさっきよりも少しだけ落ち着きを取り戻したように見える。「世話?」「うちの女どもに随分都合の良い話を吹き込んで、そちらさんの店に引き込んでるみたいじゃねえか。店を選 [続きを読む]
  • 夜明けの彼方 88
  • だが、やがて楢橋が床に向かって呟いた。「青柳は、唯一俺のことをちゃんと認めてくれた人です。そいつを裏切ったら、俺は本当に最悪な人間になる」「……っ」俺は小さく息を呑んだ。呻くような楢橋の言葉は続く。「でも死にたくない……。他のことなら何でもしますから……だからお願いします……」楢橋の頭がどんどん力なく下がって、額が床に付く。まるでその場で土下座をしているように。佐伯が蹲る楢橋に向かって口を開きかけ [続きを読む]
  • 夜明けの彼方 87
  • すると佐伯が「青柳さん、良いことを教えてやろう」とまた声を上げた。「ここは店の上客のための部屋でもあるが、実は使用目的がもう一つある。……店の女の躾直しの部屋さ。俺に逆らった女はここに閉じ込めて、あんたと同じようにクスリを打って抵抗できなくする。それで――」「それ以上言うな、反吐が出そうだ」俺は佐伯の言葉を鋭く遮った。佐伯は「何だよ、それももう知ってんのか」と軽く眉を寄せた。どうやらとっておきの情 [続きを読む]
  • 夜明けの彼方 86
  • 俺は唇を噛んで楢橋を見守った。手錠で腕を繋がれているせいで何もできないのがもどかしい。腕が使えたって何ができるわけでもないけど……佐伯の口に拳でも突っ込んで今すぐ黙らせたい。すると佐伯が唐突に笑みを浮かべた。「なあ、お前だって、『行方不明者』になるのは嫌だろ?」ついさっきまで遠回しに殺すと脅していた人間とは思えないような、そんな優しい声で佐伯が囁く。ぞわぞわと鳥肌が立つ思いがした。それは楢橋も同じ [続きを読む]
  • 夜明けの彼方 85
  • 俺は黙って佐伯を睨む。「やるならやればいいさ」意外にも凪いだ声が出た。佐伯が少し虚を突かれたような顔をしたので、いい気味だとすら思う。「ただし、無抵抗の堅気を殴るんだからその点は覚悟しろよ。……はは、その顔。まだ俺が堅気だって信じてねえな。そこまで信じられないなら、俺の名刺くれてやろうか」「名刺だ? 両手拘束されてどの口で言いやがる。アオヤギ製薬株式会社専務の名刺なんざいらねえよ。どうせそれだって [続きを読む]
  • 夜明けの彼方 84
  • ※前回の更新記事ですが、ブログ村での更新通知が大幅に遅れてしまっていたようです。時々あるんですよねえ……(汗)前話をまだ読んでないよ、という方はこちらから83話お読みになってから、今回の84話をどうぞ。ステージは固く、足を投げ出すようにして座っていると尾てい骨のあたりがじんじんと痛くなってくる。それでも俺は、佐伯を睨み付けることを止めなかった。「……あんた、どういうつもりだ。俺をこんな風に拘束して、一体 [続きを読む]
  • 夜明けの彼方 83
  • 俺はこれ見よがしにため息をついて見せた。「何でお前らに教えてやんなきゃいけねえんだよ。俺は自分の努力でその情報仕入れたの。何も考えてないお前らとは違うの」俺はただ梶原から情報をつまみ食いさせてもらったに過ぎないのだが、それだって散々揉めてからやっと聞き出せた情報だったのだ。「ついでに聞くけど、医薬品一つ開発するのにいくら金がかかるか知ってるか? ……まず、薬作るだけで何十億だろ。それから非臨床試験 [続きを読む]
  • 夜明けの彼方 82
  • 当然のことながら、出口ドアに即座に黒服の男たちが集まって、俺の逃げ道を塞いだ。俺は舌打ちして足を止める。丁度、フロアの隅に設えられたカウンター席のような場所だ。奥には俺には何やら名前の分からない樹木が、壁に沿ってぐねぐねと芸術的に枝を伸ばしている。息を切らしながら俺は後ろを振り返った。困惑の目、怯えた目、店内の様々な目が俺を見つめ返す。奥に見える正面ドアでは、事件に巻き込まれてはかなわないと数人の [続きを読む]
  • 夜明けの彼方 81
  • と、その時、真横にあったビルの裏口が開いた。騒ぎを聞きつけたのだろうか、中からスーツを着た細身の中年男性が出てきて「うわっ」と目を丸くする。「何なんだこれは!?」それを見て俺は覚悟を決める。このチャンス、逃してなるものか。俺はぐっと顎を引き……そして反動をつけて頭を後方に思い切り振った。後頭部にゴチンと鈍い衝撃が走ると同時に背後の男がうめき声を上げる。男の手が緩んだ隙に俺は腕の拘束から飛び出すと、 [続きを読む]
  • 【連載再開します】夜明けの彼方 80
  • お待たせいたしました。やっと連載再開です。作者自身も「どこまで行ったっけ」「どんな話だっけ(汗)」状態なので、色々と確認・修正しながらの更新になるかと思いますが、よろしくお願いいたします。「あなた……どういう運の持ち主なの……?」「昔から悪運は強いな。それよりあんた」俺は自由になった手で亜香里の片腕を掴んだ。ロープの残骸がぷらりとぶら下がった白い腕。その前腕の内側に、点々と虫刺されのような跡があった [続きを読む]
  • werewolf 2 (R-15)
  • *  *  *梶原が自宅マンションの中に入るのを見届け、楊はほっと息をついた。……なんかどっと疲れた。渋滞にはまったせいで予想以上に遅い時間になってしまったし。楊は隣に立っている武田をちらりと見やる。そしてふと、何か明るいな、と思った。不思議に思って視線を上に向けると、街の明かりのせいで星一つない夜空に月だけがぽっかりと浮かんでいた。……満月だ。明るいのはこいつのせいか。「お前もう帰んの」「楊さん [続きを読む]
  • werewolf 1
  • お久しぶりでございます、桜庭です!本編の更新が遅れておりまして、大変申し訳ありません。ただいま続きを書きつつちょっと色々編集中なので、もう少しだけお待ちください。代わりにと言いますか、リハビリ用にちょくちょく書いていたハロウィンSSをアップしたいと思います。時系列的には、連載中の「夜明けの彼方」とほぼ一緒です。ちょうど更新が途切れているあたり、佑也の誘拐事件が起きるちょっと前の出来事となっております [続きを読む]
  • ご無沙汰しております
  • ご無沙汰しております〜! 桜庭でございます!皆様にお会いするのも約一か月半ぶり……いつの間にやらブログにも広告が出ておりました(汗)……そして何より、もう11月ということに驚きを隠せません。月日が経つのは速いですねえ……。お休み中にもコメントを下さったり、応援ポチを押してくださった方がいらっしゃったようです。本当にありがとうございます。さて、私のリアルの現状といたしましては、一番キツイ山場は超えて、や [続きを読む]
  • お休みのお知らせです&拍手コメントのお返事
  • 皆さまこんにちは。いつも拙作を読んでくださりありがとうございます。桜庭です。突然なのですが、お休みのお知らせです。休みがちなのはいつものことですが、今回は訳が違います。今回は約一か月半のまとまったお休みになります……。突然な上、ようやくお話も盛り上がってきたタイミングなんですが……楽しみにしてくださっていた方には誠に申し訳ありません。ちょっとリアルの方が多忙になってきてしまいまして、なかなか小説を [続きを読む]
  • 夜明けの彼方 79
  • これ、梶原のライターじゃん。俺が保育園で梶原から没収して、そのままコートの内ポケットに入れっぱなしにしてたやつ。――派手にすっ転んだから、内ポケットから滑り落ちて来たんだな。なんとなく目が離せなくて、俺は鈍い光を反射するそれをじっと見つめる。――ばーか、何しみったれたツラしてやがる。聞こえもしない声が聞こえた気がした。しみったれたツラとは失礼な――日頃の癖で、俺は反射的に心の中で反論する。いつもの [続きを読む]
  • 夜明けの彼方 78
  • 「そう……だよね」「……」「実はね、私も片親に育てられたんだ……親が仕事に行っちゃうとき、寂しかったなあ。もしかしてこのまま置いて行かれちゃうんじゃないかって、思ったりもしたっけ……。馬鹿だな私、自分でその辛さ分かってるのに、由乃に同じ思いをさせてたのかな……」その時の気持ちを思い出したのか、亜香里が子供のように体を丸めて膝頭に目を擦り付けた。「由乃……会いたい……」という声が絞り出される。俺はそ [続きを読む]
  • 夜明けの彼方 77
  • 俺は亜香里の目を真っ直ぐ見つめた。暗闇でも、亜香里の目が潤んでいるのが分かる。涙を溜めたその瞳には、今この状況に対する怯えと由乃を思う焦燥が浮かんでいた。「……あいつは、我慢してんだよ」「……」「あんたは夜の仕事で、昼夜逆転の生活してて、由乃とはほとんど顔を合わせられなかったんだろ。俺と一緒にいるとき、由乃はそれについてなんも文句言ってなかった。ママは由乃のためにお仕事頑張ってるんだからって、だか [続きを読む]
  • 夜明けの彼方 76
  • 「由乃に会いたかった」亜香里の声が震える。「せっかく……やっと、会えると思ってたのに。やっと迎えに行けると思ってたのに、どうしてこんな……」亜香里が俯いた。泣きだしそうに、その肩が震えるのが見える。「……あなたは由乃のことを知ってるんだよね」「ああ」「ちゃんと元気にしてる?」「体は健康だな」そう、良かった、と亜香里がほんの少しだけ表情を緩める。車が道路の凹凸を乗り越えてガタンと大きく揺れた。「…… [続きを読む]