アル さん プロフィール

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アルさん: 夜のお伽噺
ハンドル名アル さん
ブログタイトル夜のお伽噺
ブログURLhttp://nighttale.blog97.fc2.com/
サイト紹介文同性愛のオリジナル小説を公開しています。内容には性的描写が含まれております。※R18
自由文眠れぬ夜にお伽噺を語ります。
不定期連載「音楽夜話」もご笑読いただければ、嬉しい限りです。
参加カテゴリー
更新頻度(1年)情報提供10回 / 365日(平均0.2回/週) - 参加 2011/10/30 17:38

アル さんのブログ記事

  • 過去の記事 …
  • ゴジラ病
  • 誰にも記憶があると思うが、小学生の頃の一日は長いものだった。学校が昼で終わる日などは、夕方までたっぷりと時間がある。両親が離婚してからは、看護婦の母は昼も夜も家にいないことが普通だった。一人っ子の鍵っ子だったこともあり、一人遊びのほうが気楽で落ち着けた。一人で留守番をする私を不憫がる母は、近所にあるレンタルビデオ屋に私を連れて行き、ビデオを好きなだけ借りてくれた。はじめはアニメのビデオを借りていた [続きを読む]
  • あの頃
  • スタンドの明かりを消す。真っ暗になった部屋が湿気を含んだ夜に呑み込まれ、濃密な夢想が押し寄せる。水が全身を包む。さらさらとした水ではなく、ねっとりとまとわりつくオイルのような感じだ。裸の僕は、しきりに両腕で水を掻き、水面に出ようともがいているが、もがけばもがくほど水は圧迫を加え、僕にすき間なくまとわりついてくる。でもその感じは嫌でなく、むしろ気持ちがいい。裸で皮膚と皮膚をくっつけ合って男に抱かれる [続きを読む]
  • Twitterはじめました
  • 今さらながら、Twitterはじめました。140文字のミニストーリー「Bedtime story」に挑戦しています。お暇なときにでも覗きにいらしてください。あんくるアルリンクの一覧からもどうぞ。 [続きを読む]
  • 彼の笑顔は僕の心に花を咲かせ、彼の声は僕に安らぎ与え、彼の柔らかな手は僕を孤独な夜から救ってくれる手でした。ほっそりと長い器用な指。あの指が僕の肌を撫で、その悩ましい感触が消えることはない。いえ、消えないばかりか日増しに濃くなっていく。些細な行き違いから逢わなくなって二か月が過ぎた。今夜もベッドに潜り込んで目を瞑り、彼の指が触れた場所をたどってしまう。首、胸、乳首、下腹、太腿……彼の指を思い浮かべ [続きを読む]
  • 夜の訪問者 後編
  • こちらのアルバムは時が下りまして1991年撮影とございます。恩師から独立を許され個人事務所を立ち上げた二年後です。この間にもコレクションがございますが、それはまたの機会とご了承下さい。このミユキさんと申す方――まあご覧いただければお分かりと思いますが、どなた様が見ても男性だとはお気付きにならないでしょう。写真月刊誌に発表したフュージョン性の融合と題した私の作品にご興味を持った、遠方にお住いのミユキ [続きを読む]
  • 夜の訪問者 前編
  • 何からお話しすればよろしいやら……。爺の辛気臭い昔話など若い貴方様にとっては迷惑なことだと承知しております。私のコレクションでございますか、いいいえコレクションなどと大それたものではございません。何処の誰から聞き及んだのか存じませぬが、今夜わざわざお越しくださった貴方様にご覧頂くのも何かのご縁でございましょう。そう畏まらずお寛ぎ頂きますようお願い申します。そもそもそうゆうことに目覚めたのは十代の頃 [続きを読む]
  • 音楽夜話 最終回
  • こんばんは アルです。歌は世につれ世は歌につれ、星の数ほどある名曲の数々、その名曲の中に登場する主人公が歌ったり聞いていた曲をあれこれ推理するプログラム『夜の名曲探索』のお時間がやってまいりました。お相手はこの方!「ウィース!みなさん、こんばんは。2年ぶりの登場、都内某高校に通う、花なら蕾永遠の17歳佐々木好和どえース」好和ちゃんお久しぶり、どう調子は?「ボチボチでんな。それにしてもアルさん更新に [続きを読む]
  • チコ 15
  • その晩夕食を済ませた公彦はファッション雑誌を広げた。女性誌など一度も買ったことはない公彦が衝動的に買ってしまったは、微笑む黒田知永子を一目見て、なぜか惹かれるものを感じてしまったからだ。それは美人に目がいくといった普通の成人男子の目線に他ならないと自覚しはていたが……。黒田知永子はこの雑誌の専属モデルのようで、彼女のスタイル画が巻頭から多くのページを占めていた。ページを捲っては食い入るように見つめ [続きを読む]
  • チコ 14
  • 芳村を助手席に乗せ深夜の湾岸線を不慣れなクルマで飛ばしたあの夜、チコは何気ない素振りを装い世話になった妙子の店を手伝う許しを芳村に求めた。やましい気持ちがあったわけではなかったが、車中を選んだのは芳村の顔を正面から見なくて済むと思ったからだ。チコは妙子から店にいてほしいような意味合いの言葉を度々聞いていた。妙子の役に立つならと、チコの気持ちは固まってはいたが、芳村の許可を得ないことには、いくら妙子 [続きを読む]
  • チコ 13
  • 冬の陽はすでにかげり、この時期でも緑の多い神宮の森に黒い陰が広がっていた。チコを引き留める妙子の物言いは、客に断る隙を与えぬ水商売の常套句かもしれない。ひとりで寂しいと甘えられれば、ほとんどの客は浮かせた腰を下ろしてしまう。チコも例外ではなかった。それでも妙子から寂しいという言葉を聞いたのは、はじめての気がした。チコの知る限り妙子は店ではもちろん、プライベートでも聞いた覚えはなかった。妙子の世話に [続きを読む]
  • チコ 12
  • 手土産のたい焼きから、予期せぬ話が展開するとはチコは思ってもいなかったが、芳村はたい焼きを見た妙子が昔話を語ることは当然予想していただろう。それを承知の上で芳村は、たい焼きを持たせたのだとチコは薄々感じ始めていた。今まで知ることのなかった芳村と妙子の二人の関係のいきさつを妙子に語らせること。芳村の思惑は何なのだろう。今日妙子の自宅を訪問した真の目的、妙子に封筒を届けること。郵送ではなく直接届けるこ [続きを読む]
  • チコ 11
  • このところ芳村の様子がおかしいとチコは感じていた。新年から多忙なスケジュールをこなし、賀詞交歓会にもすべて出席し、チコの知る限りではビジネス上の問題は無いように思えたが、デスクに座り腕を組み、宙を見つめ何事か思案する様子を度々目にしていた。さらにチコの心配に拍車を掛けたのは、ホテルドクターの羽生医師の診療室に足蹴に通うことだった。思い余ってチコは芳村の健康を心配し尋ねたが、曖昧な返答を繰り返す芳村 [続きを読む]
  • アクセス御礼
  • 準特急が滑りこんでくると、混雑したホームには殺気のようなものが溢れる。止まりもしないうちから誰もがドアへと詰め寄り、開くと同時に我先にと乗り込み席を探す。私はそんな光景を横目に、向かいに止まっている各駅停車に乗り込む。わざわざ各駅停車に揺られて帰る小一時間が、私には至福の時間だ。すいている座席に腰を下ろし、文庫本をひろげたり、目を閉じ妄想の世界に身を浸している。自分なりのSM話を書いてみたいという欲 [続きを読む]
  • あの頃は肉体も精神も、溢れるエネルギーを持て余し、闇雲に突っ走っていた。無尽蔵と思えたあのエネルギーはどこへ消えてしまったのか。今でもとり戻すことができるのだろうか……いや、今更そんなものをとり戻してもしょうがないだろう。それでも、もう一度、もう一度だけでも……若い男たちのパーティーに幾人かの年上の男が招かれていた。費用が足りなくなったときには払わせようという彼らの魂胆も分かっていたが、鮫島譲二は [続きを読む]
  • オフ会 (二次会)
  • 合コンの達人(上司、商品開発部主任)曰くいいか萩原、一次会はプレゼンテーションの場だ。顔見せ、探り合い、いかに自分をよく見せ、売り込むかが最大のポイントなのよ。いいか萩原、二次会こそが主戦場。だから、酒も入って砕けた雰囲気を壊さずに、いかにして二次会に持ち込むかに、男の技量が問われるのよ。二次会は絶対、カラオケ!音デカイから、会話の距離は縮まる、薄暗いから、いい雰囲気になりやすいだろ?萩原!ちゃん [続きを読む]
  • オフ会 (伏魔殿)
  • 連休の中央総武線は空いて俺は内心ほっとした。それでも向かいの端に座っていた女子が、女の直感だろうか、何気ない素振りでサトミを疑うような視線に気づき、俺はさり気なく咳払いした。サトミは座席に座るやメールを打ち始め、俺はスマホの画面を横目で覗いた。「優子さんにメール送っとくね。ただいま東京に到着。迎えに来ていたK君と会いました。これから二人で新宿へ向かいます―送信!」女子サトミになりきった聡は、慣れた [続きを読む]
  • オフ会 (後編)
  • 女装姿ではじめて遠出した疲れと、俺の説得に成功して安心したのか、聡はアパートに戻ってくるなり、敷いてやった客用布団に倒れ込み、そのまま爆睡してしまった。酔った勢いで「任せておけ」と大口を叩いたものの、落ち着かなかった。オフ会で誰とも会話がかみ合わず、困惑するであろう聡に、親友として恥をかかせるわけにはいかない。俺は居間で独りパソコンを立ち上げ、聡のブログをもう一度見直した。ブログをはじめた頃から聡 [続きを読む]
  • オフ会 (前編)
  • 夏の終わりを告げた嵐が空の青さを秋の色に変えていた。突然掛かってきた大学時代の友人、聡からの電話、新手のマルチビジネスとか、妙な宗教の勧誘ではなかったが、電話口で聡の声を聞いたとき、俺は何だか嫌な感じがした。今度の連休に上京するので、俺のアパートに泊めてくれということだった。聡とはゼミの研究室で毎日のように顔を合わせ、朝から晩まで一緒にいた仲だった。お互いお笑い好きで、昭和チックなギャグの好みも一 [続きを読む]
  • 夏休みの宿題
  • 夜の帳が下りた静寂な部屋に佇むひとりの女性の姿。綺麗にセットした栗毛色の髪、夢見る瞳をクローゼットの鏡に向け、思わず漏れた甘い吐息が瑞々しい香りが漂う部屋の空気を震わせる。自慢らしく見せつける純白のシフォンのキャミソールが揺れ、裾から伸びた細い脚に視線を落とした。上手く塗れたペティキュアに笑みがこぼれた。憐憫の情けもなく、私の欲望のすべてを受け入れる女性との逢瀬。このとき、この瞬間、私は至福のとき [続きを読む]
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