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  • ゆらゆら色いろーしあわせの菱餅カラー

    2024-2-28 Yura色味が似ているので、三人官女に親近感を持つゆらちゃん昨年は、菱餅風に作られた和菓子を雛壇に置いてみましたが、今年は桃の花を買った例のスーパーで菱餅をワゴンに発見。 「おお、これは!」と思って買ってきました。 もちろんこれまでも、ちゃんと菱餅は売られていたに違いないのですが、自分があまり関心をいだいていなかったから気づきませんでした。お正月の鏡餅みたいな感じで真空パックになっているとこ...

  • ゆらゆら色いろー桃の花

    2024-02-28 桃の花を見上げるゆらちゃん (クリックすると大きくなります)文鳥のぎんちゃんが生きていた頃にうちにやってきた、花桃は昨年すっかり枯れてしまいました。 それで、今年はひな祭りの1週間くらい前に、スーパーで桃の花を買ってきました。 別のスーパーで見た時は一束700円でしたが、400円(消費税込み)だったので大喜び。 つい「安さ」に走る今日この頃。 とは言え、この蕾は果たして開くのか、安物買いの...

  • この娘うります!

    2023-7-30 Yuraこの娘うります!(小学館 1977/6/20)萩尾 望都先日阿佐ヶ谷の「書楽」で、トーマの心臓プレミアムエディションをついに買いました。 B5サイズ。 夢中で雑誌を読んでいた時の記憶がふわっとよみがえり良きです。 ただ、ちと重いのですね。 その「ずっしり」が連載当時の漫画誌を手に取る感触とは違います。 とはいえ、やっぱり粗い印刷の絵じゃない、きれいな印刷の絵の方がうれしい。初めて読んだ萩尾望都...

  • 冬の鎌倉散歩ージャズの流れるカフェ

    (テーブルのアンティーク時計。時刻はあってません。オンマウスで、ウィンナーライス)鎌倉のミルクホールというカフェへ行ってみました。 平日の昼をちょっと過ぎたあたりなのですぐに入ることができました。カレーを頼むつもりだったのですが、ランチメニューにはなかったので、ウインナーライスというのを頼んでみました。 「ウィンナー風ライス?」「はて、いったいどんな?}と思っていましたが、やってきたお皿を見て、あ...

  • セクシー田中さん

    2024-2-7 Yuraセクシー田中さん 7巻(小学館 2023/10/15)芦名 妃名子去年の年末は忙しいだけじゃなくて、かなりブルーでした。 業績が思わしくないため、みんなギスギスしちゃって大変。 パワハラ的な人も多数。 久しぶりに不眠症気味、鬱ってこういう感じかしらなどと思うこともありました。 そんなわたしにとって、「セクシー田中さん」は、笑えるし、しっとりするし、癒されるドラマでした。 何といっても木南晴夏演じ...

  • ゆらゆら色いろー福豆と花の節分トリオ

    2024-2-3 Yura今年も豆源の福豆です。 お店の人に「赤鬼でいいですね?」と言われて、何のことか良くわからず「はぁ」と気の抜けた返事をしましたが、去年の画像を見て鬼は青鬼もいるのねと思ったのでした。 早速、先月京王デパートの文鳥博でゲットしたジュウシマツコーポレーションさんの文鳥トリオも一緒に記念撮影です。 うちのゆらちゃんも混ざってみんなおんなじ顔をしてくれました。 頭に恵方巻を載せてる子と鬼の鬘か...

  • 阿佐ヶ谷の書店 書楽へ行ってきた

    阿佐ヶ谷駅南口の本屋さん「書楽」は電車の窓からも見えていました。 ずっと「しょらく」と読むのかと思っていましたが、正しくは「しょがく」、その本屋さんが閉店してしまうという。 「ああここもまた」と肩を落としていたら、まるでなくなってしまうわけではなく八重洲ブックセンターが場を引き継いでオープンということで明るい気持ちになりました。 オープンは1981年だそうで、荻窪駅にルミネができた年です。 その荻窪ル...

  • ゆらゆらぎん色ーAudubon Songbirds Calender 2024

    2024-1-21 Yura2014年にAudubon Songbirds Calender を使い始めて早10年です。 今年11冊目のカレンダーを壁にかけました。 小鳥たちの姿をこうして10年眺めてきたのでした。 新しい1年に期待がある1月のカレンダーっていいなと思います。うちの文鳥ゆらちゃんは去年の暮れに4歳になり、もうだいぶ中年。 嘴のつけねのお禿が気になる今日この頃です。 やんちゃだけど無邪気なオスの可愛さ、しっとりとして甘えん坊のメスの...

  • 東京には空がない

    2023-7-7 神宮外苑 昨年の夏、夕方になっても暑さがひかない灼熱の青山一丁目から千駄ヶ谷まで歩きました。 外苑の樹木が伐採されるというので、風景を見納めておこうかなと思ったのでした。 銀杏並木を抜けて、球場の傍を通って、国立競技場前の広場に来ると、スカーンと開けた空に、一機通り過ぎたかと思うと、すぐまた上空に新たな飛行機が現れます。 飛行機好きなもので、そのうちに樹木そっちのけで飛行機ばかり見上げて...

  • 高い山 深い海

    新年あけましたが、能登の地震で寒い中、孤立地帯に取り残されている人たちに一刻も早く救援の手が届きますように。 そして一人でも多くの方が助かりますように。昨年、ゴジラマイナスワンを見て、日本三大深湾が、相模、駿河、富山であることを知りました。 相模と駿河には富士山、富山には立山と、いずれも火山が見下ろす湾です。 深い二つの湾にかこまれた伊豆半島は阪神淡路大震災以前から、群発地震があり、いずれ大地震が...

  • ワイディングロード

    先日ゴジラが出てくる、怖い夢の話を書きましたが、若い頃に見た変な夢の話です。大学の裏にとても曲がりくねった危険な道があり、その道にボーリングの玉のような爆弾が次々に転がってくるのです。 漫画みたいな丸い爆弾で、チリチリ導火線が燃えています。 車が走ってくるだけでも危険なのに、なぜ爆弾を転がすなんてことをするのだろうとわたしは実に冷静に怒りを感じています。(怒っている場合でもないですが、夢なので、逃...

  • 記憶の部屋の前を通り過ぎていくゴジラ

    ゴジラマイナス1を見に行くちょっと前に悪夢を見ました。 なんだろう、あの悪夢は映画を見なさいという「お告げ」だったのか?(そんなわけはない)夢はゴジラから逃げているところから覚えています。 獰猛で情け容赦なく、「えげつない」殺戮の様子に、これは危険すぎると、駆け込んだのは何故か子供の頃住んでいた家の姉の部屋。 姉と息を殺しドアを押さえていると、すぐ近くをゴジラが通り過ぎていったようです。(何故か身...

  • 浅草キッド

    10月の半ばに明治座で「浅草キッド」を見ました。 ビートたけしの若き頃のお話。 たけしは林遣都、師匠の深見千三郎は山本耕史が演じていました。 ちょっとかっこよすぎではないだろうか、という気がしますが、ともかく二人ともかっこよかったです。1972年のひょっこりひょうたん島みたいな「学生運動」の風景から、たけしが流れ着いたのは浅草のフランス座。 ストリップとコントを見せる劇場です。 そこにエレベーターボーイ...

  • 花の色は

    (オンマウスで昔の表紙)2023-10-9Yura 今年の5月末で休刊となった週刊朝日の最終号は、一昔前のドラマにありそうな、てんやわんやの編集部風景が表紙でした。 そういう場面をわざわざ作ったそうです。 編集室を取材したNHKの「サラメシ」ではその撮影の様子を放映していました。 実際には在宅勤務が増えた昨今、オフィスに来るひとはまばら。 わたしにはその静かな編集室を表紙にするほうがずっとインパクトがあるよう...

  • 変わらない愛のかたち

    2023-7-1 Yuraきのうはお月見。 藤原道長が「この世をばわが世」と思った名月の晩から1005年後、アポロ11号が月面着陸を果たしてから54年後、ポルノグラフティが「アポロ」をリリースしてから24年後です。本棚にアポロ11号が月面着陸を果たした時の週刊朝日の特集号があったので、へえと思って眺めました。 びっしりと活字がつまっていて、写真も粒子が粗く、グラビアのカラーページも微妙。 それでも古い「週刊誌」には最新の...

  • ゆらゆら色いろーミルク紅茶な午後

    2023-9-22 Yura 不審物をかじって確認中やっと涼しくなってきました。 「もう主のいない親の家」にいて、ちょいとおやつをいただきましょう、そういえば棚にウェッジウッドの箱があったね、どうせお客さんもこないし普段でも使っちゃおう!と、開けて出てきたのがこのカップ。 うーむ。 犯人はわたし。 母がなくなった直後、呆然と片付けをしているとき。このカップ大事だからと思ってウェッジウッドの空き箱に入れたことをす...

  • 夏の終わりのビール!

    まだまだ暑いですが、光に秋の気配があります。 8月はブログに書きたいことがたくさんあったのに、思いっきりさぼってしまいました。 この夏は猛暑でビールが美味しい、つい進むので買い置きビール(発砲酒)がすぐなくなってしまいました。これまで銘柄などはあまり考えず、スーパーで一番安いものを買っていました。 それでも某お花見に無料提供した会社のビールをお金を払って飲むのはちょっと・・と思いやめていました。 ...

  • 西荻の優しい欅の樹

    西荻から荻窪方向に向かう線路沿い三峯神社という神社に大きな欅が生えています。 ここの欅が近いうち倒されてしまうということで、地元の方が存続を訴える署名を集めています。 8月17日の伐採予定ということで、もうあまり余裕もないけれど、なんとか伐採を撤回してもらえないかと祈るような気持ちでいます。(署名のURLはこちら) この欅は、根元に祠がある、とても穏やかでやさしい風情のある欅です。 夜に通りがかっ...

  • マティス展 「赤の大きな室内」の思い出

    2023-7-6 Yura(オンマウスで、今回の展示の様子)上野の東京都美術館のマティス展に行ってきました。 目当ては「赤の大きな室内」。 この絵を見るのは2016年のポンピドーセンター傑作展以来、7年ぶりです。 傑作展の時はなかったけれど、今回はグッズ販売でポスターがあるのではないかと期待していたら、あったので、大喜びで買ってきました。 というのもその昔、この絵のポスターが家に貼られていたのです。 姉の部屋だっ...

  • 2023 ボローニャ国際絵本原画展

    2023-7-3 Yura...

  • あじさい色の鎌倉さんぽー長谷寺

    あじさいの向こうに教蔵(クリックすると大きくなります) (画像はクリックすると大きくなります。)通年混んでいる鎌倉のよりによってあじさいのシーズンなど「無理」とあきらめていました。 でも、ここ最近お花めぐりの「鎌倉さんぽ」をしているので、やっぱり有名な「あじさい」は見ておきたいと、平日に休みを取って大仏の近くにある長谷寺へ行ってきました。江ノ電の長谷から徒歩で5分ほどですが、今回は鎌倉駅...

  • マイ・バックページ ある60年代の物語

    2023-5-14 Yuraマイ・バックページ ある60年代の物語(河出書房新社 1988/12/10)川本 三郎川本三郎は、東京大学卒業後、一浪して就職、数年後に朝日ジャーナルの記者となり、1972年1月9日自衛隊員刺殺犯を匿った罪で逮捕されたそうです。 「本と映画と「70年」を語ろう」という対談集を読んで、初めて知りましたが、この本はそこに至る顛末を書いたもので、2011年には妻夫木聡主演で映画になったそうです。 当時はネットやス...

  • caution? worning? attention? alert?

    2023-2-2 Yura本と映画と[70年」を語ろう(朝日新書 2008/5/30)鈴木 邦男 川本 三郎樋田毅の「彼は早稲田で死んだ」に衝撃を受けて、そのあと続けて「記者襲撃」を読みました。 その中に出てきた鈴木邦男という名前は、1980年代の朝日ジャーナルに掲載されたシリーズ「若者たちの神々」の一人として印象深く覚えていました。 「記者襲撃」を読み終えたあと、この対談集を見つけたので読んでみることにしました。 新右翼の活...

  • Endless Shock 2023

    毎年楽しみに見ているので、大地震、パンデミックなどの時代の困難からはじまって、自分自身のちょっとした思い出とも重なっている舞台です。 今年はまたとんだ「騒動」の中で見ることになりました。 もしかするとこれが最後になるかもしれない、見納めになってしまうかもしれないという気持ちと、観客でいることも、ある種共犯ではという躊躇が半々で、出かけてきました。 ジャニー喜多川はエターナルプロデューサーとして変わ...

  • あの頃の未来

    2023-6-8 Yura「大江健三郎から大きな影響を受けた」とスガシカオがツイートしていました。 わたしも若いころ一生懸命読んだのでしたが、「新しい人よ目覚めよ」であまりの難解さに挫折、それ以来全然読んでいませんでした。 それでも 「こころのいちばん奥でからまわりしつづける」そういう何かとしてずっと残っていたのかなと最近思います。 あの頃の未来にぼくらは立っているのかな?スガシカオの「夜空ノムコウ」がリリー...

  • 蝉しぐれ

    2023-5-14 Yura蝉しぐれ(文春文庫 1991/7/10)藤沢 周平「一平二太郎は大人の男のたしなみ」と川本三郎が言ったのだそうです。 ネット情報です。 「大人の男たるもの、司馬遼太郎、池波正太郎、藤沢周平を読むべし」とな。 それはともかく池波正太郎と司馬遼太郎は、確かに私の中の「おじさん」像と重なるものがあります。 池波正太郎はなんかエッチ、司馬遼太郎はうんちくを語りだすと止まらない。 しょうがないかなと思う...

  • ヒロシマ・ノート

    2023-5-23 Yuraヒロシマ・ノート(岩波新書 1965/6/21)大江 健三郎「ヒロシマ・ノート」は1963年から1965年の広島へ作家が訪れた際の記録です。 小説のように難解ではなく、とてもわかりやすく、これを読んでようやく「洪水は我が魂に及び」という難しい小説を少し理解することができたような気もします。 樋田毅の「彼は早稲田で死んだ」を読んだ後に村上春樹の「海辺のカフカ」を読むのと似た印象でした。プロローグにおいて...

  • ぎん色いろ色ー凛々しく前進

    2018-4-6 Gin(5年前のぎんちゃん)ぎんちゃんとお別れして3年が経ちました。 きょうは雨が降ったりやんだり、ちょっと肌寒い一日でしたが、夕方6時を過ぎても外は明るく、明るい時間が日々長くなっていくこの季節が大好きです。 思えば、こんな明るい季節にさよならしたのでした。 そして愛鳥週間でもあったのでした。 近所のお花屋さんでお花をかってきました。 ピンクのガーベラの花言葉は「前進」、白のアルストロメリア...

  • 胡蝶の夢

    Yura 2023-5-11(白い蝶の舞う麗しの装幀は加山又造。 「ゆらちゃんを探せ」状態です。)胡蝶の夢 1~5(新潮社1979/7/20~ 11/20)司馬 遼太郎連休は「胡蝶の夢」5巻を読破して、達成感を得る予定だったのですが、けっこうきつい読書で、なんだかぐったりでした。松本良順、関寛斎、島倉伊之助(のちの司馬 凌海)、を中心に幕末を生きた様々な人たちの物語です。 登場人物が多いために、集中力が途切れがちで興味が薄くなる...

  • ゆらゆら色いろーゆっちゃんの食生活

    2023-3-26 Yura(クリックするとちょっと大きくなります)これまで、うちにいた文鳥はみんなカナリアシードが大好きでした。 食後に餌入れの中を覗くとカナリアシードの殻ばっかり。 ところが、ゆらちゃんの餌を交換しようとすると、他の殻もいっぱい。 「ゆらちゃんはいろんなシードを食べてエライねえ」とほめていました。 ところが、最近気づいたのでしたが、むしろ「カナリアシードを食べていない」。 あれれ、嘴になんら...

  • ノーベル賞の旅ーフォルテを少な目に

    2023-5-5 Yura憲法記念日から日付の代わった深夜にNHKで放送された「ノーベル賞の旅(1995年放送)」という番組を見ました。 大江健三郎のノーベル文学賞授賞式をドキュメントした番組です。 受賞式の講演は川端康成が「美しい日本の私」だったのに対して、「あいまいな日本の私」いうタイトルだったそうです。 どちらも日本語に翻訳されたものが本になっているようなので、読んでみたいと思っています。 大江健三郎がゆっ...

  • アレクセイと泉

    2023-4-27先週に引き続き、またポレポレ東中野で映画を見てきました。 チェルノブイリ原発事故後、避難勧告の出ている村に残留して生活している人たちの日々を追った2002年のドキュメンタリー。 監督は本橋成一、音楽は坂本龍一です。冒頭、雪の森に入っていく車の中から見た風景が映し出されます。 静かにかぶってくる坂本龍一の音楽に、どこかから、ピピ、ピピとアラーム音が割り込んできます。 映画館にいる誰かがアラーム...

  • 芽むしり仔撃ち

    2023-4-9 Yura芽むしり仔撃ち(新潮文庫 1965/5/31)大江 健三郎感化院から疎開地に向かっていた少年たちが、疫病の発生している村に取り残されるという物語です。 短編「死者の奢り」や「奇妙な仕事」をさらに展開させたような作品で、そこに「洪水は我が魂に及び」のジンのように無垢な弟の存在が加わることで、残酷さや痛みがより際立つようでした。 弟は感化院に入っているわけではないけれど、親が兄と一緒の疎開を希望し...

  • 袴田巌 夢の間の世の中

    2023-4-17 Yuraおとといの日曜日に、東中野のポレポレ座で「袴田巌 夢の間の世の中」というドキュメンタリー映画を見ました。 今年の3月16日に再審開始が決定したのを受けて、急遽再上映が決まったそうです。 この日は上映後に金聖雄監督と袴田さんの姉、秀子さんのお話を聞くこともできました。 映画は2014年3月27日に釈放された袴田さんが、お姉さんの家で送る日常を静かに見守っているものです。 釈放された当時「認知症」...

  • ご時世と羊たちの沈黙

    2023-4-9 Yuraニナリッチの香水L’AIR DU TEMPSのデザインは変化していますが、ベースは黄色に鳩です。 終戦直後のパリで、平和な空気をいっぱいに吸い込むような気持ちをこめて名づけられたのだとか。 検索していたら「羊たちの沈黙」(1991年)でジョディ・フォスターが演じた捜査官クラリスが使っている香水なのだそうです。30年近く前、「推す映画に外れなし」の友が大絶賛だったので、レンタルビデオで(まだビデオでした)見...

  • 鳥と人間と植物たちー詩人の日記―

    2023-3-26 Yura鳥と人間と植物たちー詩人の日記―(主婦の友社 1979/9/28)田村 隆一1977年頃から1979年くらいまでの詩人の日々を語るエッセイです。 鎌倉の稲村ケ崎に住む詩人は、アル中気味です。 エッセイに引用されている「家内」の日記は泥酔しては迷惑をかけるR(田村隆一)のことを、プンプンしながらも愛とユーモアのある言葉でつづっています。 3年日記という日記帳に書かれているのだそうで、たぶん奥さんの個人的な...

  • 春の花咲く鎌倉さんぽーレ・ザンジュ

    先日、鎌倉円覚寺に行った時、帰りに「オチビさんぽ」に載っていたお菓子屋さん、レ・ザンジュにも行きました。 紹介されていた、プティ・フール・サレの白い缶に魅かれたのでした。 地図を見ると、場所は鎌倉駅西口(江ノ電口)を出て、線路沿いに横浜方面に行ったところなのですが、西口を出てどうやって線路沿いに横浜方面に行ったらいいのか、広場のようなところを右手に見ながら線路をくぐる道のあたりを、しばしうろうろし...

  • 花神

    2023-3-25 Yura(オンマウスで、中表紙にオオバコ出現。)花神 1巻~4巻(新潮社1972/5/25~ 8/25)司馬 遼太郎「鎌倉殿の13人」にはまり、鎌倉を彷徨う今日この頃のわたしですが、その昔、姪っこたちが三谷幸喜の「新選組!」にはまり、京都へ旅行に行ったのを思い出します。 母の本棚になぜか、「幕末の志士がよくわかる本」という文庫があったので、(もしかすると姪っ子が置いていった本か) 電車の中でちょいと勉強しよう...

  • 春の花咲く鎌倉さんぽーこぶしの花は天上に

    2023-3-20 円覚寺 こぶし (オンマウスでズーム)お彼岸の休みの前日にまた鎌倉へ行ってきました。 平日ですが、ここを休んで連休にしようと思った人も多かったのかやはり混んでいました。 「オチビサンポ」を見たところ、しだれ桜に、こぶしに、椿といろいろお花が期待できそうなので、円覚寺と浄智寺へ行ってみようと北鎌倉下車。 円覚寺は駅からすぐのところにあり、観光客が多く訪れるお寺の一つなので、ちと躊躇する気持ち...

  • 早春の鎌倉さんぽー美しい本

    2月の末に鎌倉に行ったとき、神奈川県立近代美術館 鎌倉別館に行ってきました。 開催中の 「美しい本ー湯川書房の書物と版画」では、湯川書房から出版された限定本の数々を見ることができました。 柄澤齊の版画が10点くらいあり特に肖像画に惹かれました。 わりと最近展覧会があったようなので行きたかったな。 図録を探そうかなと思っています。 上の画像で看板に小さく映っているのが柄澤齊の作品です。 版画が載って...

  • 感傷旅行ふたたび

    2023-3-4 Yuraすみません。 「センチメンタルジャーニー」という本について書いた記事ですが、自分の言いたいことが明確に言えていない気がしたので削除しました。 要は恋について、60年安保について、ことば遣いや文章が変だと思ったけれど、そうした文章は本人の最終的な承諾がないものなのだから、「自伝」として、死後に出版するのはおかしい、と書きたかったのです。 「あとがき」において、 詩人北村太郎の自伝であると...

  • センチメンタルジャーニー ある詩人の生涯

    2023-3-4 Yuraセンチメンタルジャーニー ある詩人の生涯(草思社 1993/9/30)北村 太郎詩人の自伝ですが、執筆中に担当編集者が急死、さらには著者も亡くなってしまったため、半分弱の自筆原稿にテープおこしの原稿を加えてまとめたのだそうです。 先日、三浦哲郎の「師 井伏鱒二の思い出」を読んだ時も少し思ったのですが、著者が亡くなったあとに、著者の名で本を出してもいいものなのか。 三浦哲郎の場合は、井伏鱒二全集の...

  • 早春の鎌倉さんぽー文具と雑貨の店 コトリ

    2023-2-25 Yura(クリックすると大きくなります)梅を見にいくなら安国論寺と思ったのは、文具と雑貨の店 コトリにも行けるからでした。 若宮大路を海の方へ向かって、線路の下をくぐり、その先をちょっと曲がったところから、もう一回線路を踏切で超える、という道順で歩いていきました。 中に入ってみるとめくるめく小鳥三昧の文具の数々。 しかもなんだかお茶目。 大喜びで楽しい鎌倉土産を買ってきました。 なかでも「吾...

  • ジジイの台所

    2023-3-2 Yuraジジイの台所(集英社 2022/11/30)沢野 ひとしウグイスの声をこの春初めて聞きました。 いい鳴き声のウグイスでした。さて、ここのところ男の料理というか家事というか、そんなエッセイをちらちらと読んで、ふうむ、と思ったりしていましたが、清水邦夫や、蜷川幸雄はご存命なら90歳近い方々。 終戦の頃に10歳くらいの少年だった人たちで、父親とか長男とかが別格で、「男子厨房に入らず」的雰囲気の中で育った...

  • 早春の鎌倉さんぽー踏切のむこうに梅

    安国論寺 鎌倉で梅を見ました、ということを書こう思いながらぐずぐずしていたら、来週は桜が開花するかもしれないという温かさです。 2月の終わりでしたが、「オチビサンポ」に紹介されていた安国論寺というところへ行ってみました。 ほかに用事があったので鎌倉駅から徒歩ですぐ行けるお寺にしました。 途中踏切があって、若干低い位置から横須賀線を見上げる感じに、すごくはまってしまいました。 夜見たら、銀河鉄道感が...

  • ゆらゆら色いろー楽しいひな祭りの仲間たちの憂鬱

    (お内裏様に寝癖がついてました)2023-2-22 Yura母が生きている時は、「五段雛を出そうか」などと言おうものなら、あれを片付けてとか、あれを買ってきてとかほかの用事が増えるので、シーンとしていましたが、亡くなってからはなんとなくそういう面倒くささが懐かしいように思いながら出しています。 そしてこれまでしまい込んでいた自分のお雛様も飾ります。 上の木目込み人形です。 この昭和な雰囲気の立ち雛は、昭和な人形...

  • そろそろひな祭りー菱餅

    季節が春の方へ勢いをつけて進んでいくように、ここのところ強風が吹き荒れています。 外で風が強いとなぜかムカデや大きな蜘蛛のみなさんが家の中にやってきます。 帚で追い出したのに翌朝、玄関の隙間にまた戻ってきていたりします。 何か御用でも? といってどうぞどうぞ、とも言えないし。さて、今年もお雛様を出してきました。 電気料金高騰につきお砂糖菓子は果物かごのみ。 菱餅は木のおもちゃを飾っていますが、これ...

  • BGMはあなたまかせ

    2023-2-22 YuraBGMはあなたまかせ(サンケイ出版1982/12/20)蜷川 幸雄日生劇場で「雨の夏、三十人のジュリエットが還ってきた」が上演された1982年暮れに出版された本です。 先日清水邦夫のエッセイを読んだあと、本棚から出してきました。 ジャックナイフというタイトルの文章を読む限り、このお芝居は必ずしも評判が良かったわけではなく、観客によっては、「ケーキを食べに来たのに、キムチを口にいれられたような感じ」と...

  • ゆらゆら色いろー金柑大福

    2023-2-19 Yura白梅の花が枝で光り、沈丁花が香る2月。 日影茶屋に行くと、今年もまた金柑大福が並んでいました。 はじめて食べた時はただただ美味しさに感動していましたが、普段も売っている大福「ひかげ」の焼き印を見て、おおそういえば。 この金柑大福は日陽と書いて「ひなた」と読む大福。 オレンジ色の金柑がまるで太陽のようにふんわり包まれています。 2月末から3月中旬の季節限定、太陽のぬくもりがありがたい季...

  • ステージ・ドアの外はなつかしい迷路

    2023-1-22 Yuraステージ・ドアの外はなつかしい迷路(早川書房 1994/8/15)清水 邦夫この本も古本屋さんでみつけました。 ステージ・ドアとは、劇場入口じゃなくて、関係者が使う楽屋や舞台裏に通じるドアのことだそうです。内容は1.旅の中の”演劇” (1990 11月から1991年9月「悲劇・喜劇」に掲載)2.演劇の周辺 3.追悼・宇野重吉さん 4.世紀末浮世草紙 (1987年1月から12月 新潟日報コラム記事)最初の「旅の中の”...

  • 師 井伏鱒二の思い出

    2023-2-10 Yura師 井伏鱒二の思い出(新潮社 2010/12/20)三浦 哲郎古本屋さんでみつけた本です。 「井伏鱒二全集」月報に寄せられた文章をまとめたこの本は2010年12月に出版されています。 同じ年の夏に三浦哲郎は亡くなっているので、追悼の意味で出版された本なのかもしれません。ほのぼのとしたいくつものエピソードの中で、ひとつだけ異なる印象の話がありました。芥川賞受賞後スランプに陥っていた三浦哲郎が、川端康成...

  • ヒカダの記憶

    2023-2-14 Yura(美味しいサンルイ島のチョコレート。文鳥がつつくといけないので、さっとデジカメしてすぐ片付けました)愁月記(新潮社 1989/12/10)三浦 哲郎寒さも極まる2月のバレンタイン。 もはや自分にとっては一喜一憂などどこにもない、遠い昔の思い出、または風習です。ドキドキもハラハラも落胆も喜びも、なまはげに泣く幼児のようなものではないか、と考えたりもしますが、そのたとえはちょっと違うか。秋田の「なま...

  • 蛍・納屋を焼く・その他の短編

    2022-12-10 Yura蛍・納屋を焼く・その他の短編(新潮文庫 1987/9/15)村上 春樹若い頃に読んで、心に残っている短編小説の3番目は「蛍」です。 ここにも印象的な少女が登場します。自分とは違う特別な他人のように記憶している理由は、こうした少女たちの存在によるものだろうかと思います。今回「蛍」を読み返してみてふと、「銀河鉄道の夜」のようだと思いました。 主人公の僕が友人を亡くしているというだけの共通点かもし...

  • 死者の奢り, 奇妙な仕事

    2022-12-10 Yura死者の奢り(新潮文庫 1959/9/25)大江 健三郎先日、心にのこっている三つの短編のことを書きましたが、そのひとつ「死者の奢り」(1957年8月文学界掲載)を久しぶりに読み返しました。 ところが、いちばん鮮明だったはずの箇所がいっこうに出てこないまま終了。 ん?と思って他の短編集にあたったところ、「奇妙な仕事」(1957年5月東京大学新聞掲載)と混同していたことがわかりました。どちらも学生アルバイ...

  • プールサイド小景

    2023-2-2 Yuraプールサイド小景・静物(新潮文庫 1965/2/28)庄野 潤三家庭の危機というものは、台所の天窓にへばりついている守宮のようなものだ。7作品を収めた短編集の最初の作品「舞踏」はこのことばで始まります。最初は驚くけれど、(守宮)の存在に次第に人は慣れていく。 昭和25年(1950)から、昭和35年(1960)の、映画「三丁目の夕日」に出てくるような平和な家庭風景に存在する不穏な影の物語です。先日読んだ、本の雑...

  • 鬼はどこ?

    2023-1-28 Yura麻布十番の豆源で節分の豆を買ってきました。シンプルに豆だけのものも売っていますが、金平糖に囲まれた鬼のおこし付きのもの。下にちゃんと豆が入っています。星のような金平糖。鬼もいろいろ大変じゃろうと寒い冬の夜空をみあげて、金平糖をぽりぽりするのも良きです。以前、お店に節分の豆が売られているのを見て、そうね、そうよね。豆のお店だものねと思い買ったのでしたが、節分の豆がおいしいと思ったのは初...

  • Welcom to 夢の三省堂書店 本の雑誌2022年11月号

    2023-1-24「本の雑誌」の「やっぱり神保町が好き!」という特集号を読みました。中でも「夢の三省堂書店神保町本店はこれだ!」の覆面座談会に大笑いしました。2025年に新しくオープンする店舗を好き勝手に空想するというもの。神保町では、トイレを探すのが大変だから、和洋各種トイレを取りそろえたフロアがあるとか、伯水堂やスヰートポーツなど「懐かしの名店」を復活させるフードコートがあるとか、いつしかホテルまで併設さ...

  • 黒ねこのおきゃくさま

    2023-1-22 Yura黒ねこのおきゃくさま(福音館書店 1999/10/15)ルース・エインズワース 作 荒このみ 訳 山内ふじ江 絵寒い雪の土曜日。この日は1週間に一度のごちそうの日、そう決めているおじいさんのところに、痩せた猫がやってきました。 猫は、おじいさんが用意していたごちそうを全部平らげてしまった上に、暖炉の前で濡れたからだを乾かすため、わずかだった薪も全部使わせてしまいます。 翌朝、雪の積もった外へ出...

  • 一昨年の夏のルネ・ラリック・リミックス

    2021-7-29マン・レイ展で「ゲランのミツコ」の香水瓶を見て思い出したのですが、一昨年の夏、「ルネ・ラリックス・リミックス」を庭園美術館で見ました。コロナで無観客となった「東京オリンピック」が開催されていた頃です。行動規制がかかっていたかどうか忘れましたが、絶対に見たいと思って出かけました。入場には事前予約が必要で、レストランも閉まっていました。もう終わってしまいましたが、美術館の正面扉のガラスレリー...

  • 海辺のカフカ

    2023-1-5 Yura海辺のカフカ(新潮文庫 2005/3/5)村上 春樹「いいかい、戦いを終わらせるための戦いというようなものはどこにもないんだよ」とカラスと呼ばれる少年は言う。「戦いは、戦い自体の中で成長していく。それは暴力によって流された血をすすり、暴力によって傷ついた肉をかじって育っていくんだ。戦いというのは一種の完全生物なんだ」昨年末、樋田毅の「彼は早稲田で死んだ」を読みました。1972年に早稲田大学キャンパ...

  • マン・レイと女性たち

    2023-1-12 Yuraマン・レイと女性たち(平凡社 2021/7/14)巌谷 國士 監修・著神奈川県立近代美術館の企画展「マン・レイと女性たち」を見てきました。女性の背中を楽器に見立てた写真くらいしか知っている作品はなくて、カメラマンだと思っていました。写真だけではなく、絵画、オブジェの作品も多数。クリエイターという言い方のほうがしっくりきます。中では、版画集「回転扉」からの10点。長距離電話、葡萄酒入れ、コンクリー...

  • ディズニーのバンビ

    2023-1-4 Yura会社の人が「子供の頃見てトラウマになった映画」はディズニーの「バンビ」だと言うので、バンビってそんなに怖い映画だったっけ?と気になり、お正月にDVDを出してきて見ました。なるほど。バンビがお母さんと別れるくだりは、子供にはショックだなと思いました。走って、走ってという母の声を背に夢中で駆けるバンビは、後ろで母親が猟銃で撃たれたことに気が付かず、ようやく逃げ切ったと思って振り返るとさっき...

  • ゆらゆら色いろーおもちいろいろ

    (日影茶屋の花びら餅と干支大福。オンマウスで、大福にズーム。)2023-1-4 Yura「よって件のごとし」の一話の主人公の名は餅太郎でした。餅太郎は呪いに巻き込まれ、笑顔も失い足も悪いという気の毒な人でしたが、その名のとおり、めでたさが感じられる物語の終わりでした。燕も助けてくれた餅太郎の未来が良い方向に向かっていけばいいなと思わずにいられません。白文鳥はお餅にたとえられることが多いので、餅太郎なんて仲間み...

  • よって件のごとし

    2023-1-2 Yuraよって件のごとし(角川書店 2022/7/27)宮部 みゆきお正月は宮部みゆきの本を読みました。表紙絵の色合いが餅花みたいだなぁと思いましたが、去年の夏に出版された本なので、思い浮かべるべきは回り灯篭かもしれません。半年遅れで辿りつきました。挿絵と表紙絵は、前作の「魂手形」と同じ三好愛。「魂手形」は地色が黒いので、2冊を並べると白黒となり、百物語が語られる「白黒の間」を思わせます。宮部みゆきの...

  • ゆらゆらぎん色ーAudubon Songbirds Calender 2023

    2022-12-22 Yuraあけましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。普段はあまり文鳥の年を数えないようにしています。時の神様に気づかれないよう、長く長く一緒に暮らしたいと思うからです。とはいえ、カレンダーと並ぶとつい考えます。2019年生まれだからおっともう4歳!? えええ・・・ではなくて昨年の12月に3歳になったばかりでした。今年、4回目の冬、春、夏、秋を迎える予定です。文鳥の中の小さな...

  • 「百年目」と、ある「いだてん」の記憶

    2022-11-19 Yura(去年の暮れには「火垂るの墓」のブログ記事を書いていました。)圓生さんの落語の中では、「百年目」という噺が好きです。普段は堅物で通っている番頭さんが、こっそり芸者幇間をあげて花見の舟を繰り出し、酔っぱらって羽目を外しているとよりによって店の旦那に出くわしてしまうのです。翌日旦那から呼び出された番頭さんは暇を出されるものと覚悟しています。ところがそんな話など一向になく、お茶など入れて...

  • ちいさなトガリネズミ

    2022-12-22 Yuraちいさなトガリネズミ(偕成社 2022/11/16)みやこし あきこ西荻あたりをあたふたあたふた歩いている時ウレシカさんの店のショーウィンドウにちょいちょい、と引き止められた感じがして立ち止まり並んでいる絵本を眺めたら「こ、これは中に入ってみたい気持ち」「でも今は寄っている時間ないし」、とあきらめてまたあたふたあたふた歩きだしました。ところが郵便局、銀行など混雑が予想されたポイントが意外にすん...

  • 鎌倉殿の13人

    2022-7-22 鎌倉市妙本寺「鎌倉殿の13人」はこの時代への興味を掻き立ててくれたドラマでした。「化粧して戦場に赴く」お耽美さ、むき出しのエゴ、平家の傲慢な所業は確かにひどい。でも、今や夢昔やゆめとまよはれていかに思へどうつゝとぞなきと恋人資盛の死に呆然とする建礼門院右京太夫や清水邦夫の「わが魂は輝く水なり」に出てくる白髪を染めて戦いに向かう実盛などどこか心惹かれるものがありました。一方、源氏をめぐる物語...

  • 洪水はわが魂に及び

    2022-12-10 Yura洪水はわが魂に及び(新潮文庫 1983/5/27)大江 健三郎1973年に出版された小説で、当時ラストシーンが、前年1972年に起きた連合赤軍の事件とかぶると話題になったそうです。わたしはその10年後、1983年に読みました。リンチシーンなど凄惨な描写は記憶から抜け落ち、ずっと覚えていたのは、「ツグミですよ」「ヨタカですよ」と、野鳥の声を聞き分ける、ジンという幼児のこと。そして「ジン、ジンは泣かなくていい...

  • Who is he?

    2022-12-10 Yuraナイン・ストーリーズ(新潮文庫 1974/12/24)J.D.サリンジャー 作 野崎 孝 訳ディズニーの「不思議の国のアリス」に登場する謎のイモムシは、水タバコをぷかぷかしながら、「Who are you?」とアリスに聞きます。自分が何者かを思い出すため、アリスが覚えた詩を暗唱しようとするのを遮ってイモムシは意味不明の詩を吟じはじめます。そんな詩は知らないとアリスがいうと、イモムシは「自作だ」と誇らしげに言...

  • トロールの森 2022

    (クリックすると大きくなります)終わってしまってだいぶたちますが、今年も善福寺公園のトロールの森、楽しかったです。テーマは「きざし (Signs) 」散歩がてら、今年は3回くらい見ました。上の画像は「下池公園」の林の中。小学生たちの作品です。時間帯や、その日の天気によって雰囲気の変わる不思議空間が広がっていました。樹婦人 (オンマウスで別の画像)こちらは上池公園のクヌギ広場。帯をしめた樹のみなさん。この...

  • ゆらゆら色いろーハワイ島の火山噴火

    2022-9-5 Yura更新が滞っているうちに、すっかり寒い季節になってしまいました。先日、スマホをふと見るとハワイの火山のニュース。おお、ハワイでまた火山が噴火・・・といってもこれはわたしが検索したわけじゃなく、置いてあったスマホの画面に乗ったゆらちゃんがどこかをクリックしたため表示されたニュースでした。ゆらちゃんは足の裏(?)の力が強く、スマホ画面に乗ると時々思わぬ検索をしてくれたり、聞いている曲を突然...

  • あけがたにくる人よ

    2019-9-8 Ginあけがたにくる人よ(思潮社 1987/6/1)永瀬 清子先月の10月15日で、ブログをはじめてから14年になります。その時、この詩集「あけがたに来る人よ」のことを書こうと思いながら時間がたってしまいました。自分への励みで続けているブログですが、読んでくださりありがとうございます。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。「あけがたにくるひとよ」は詩人が81歳の時に出版されたもので、表題作は、若き日の恋をう...

  • 灼熱の鎌倉さんぽ 4 由比ガ浜と江の島

    由比ガ浜 (オンマウスで別の画像)古都鎌倉は山の中のイメージだったので、若宮大路を鶴岡八幡宮と逆にまっすぐ歩くと15分ほどで、由比ガ浜に着いたのでびっくりしました。この由比ガ浜では、畠山重忠と和田義盛の戦いがあったのだとか。いろいろな誤解が錯綜したてんやわんやの戦いだったみたいですが、重忠と義盛がもめた若き夏の出来事でした。海水浴場に適した遠浅の浜には大きな船が近づけません。鎌倉は海という堀と、切り...

  • 灼熱の鎌倉さんぽ 3 極楽寺

    (クリックすると大きくなります)テネシーウィリアムスの芝居、「欲望と言う名の電車」に出てくるセリフみたいなので江ノ電の極楽寺に降りてみたいと、ずっと思っていました。駅の外に出ると静けさがぐっと濃くなって、向うの山からはカナカナの声が響いてきます。暑いと瞬時にへたるわたしには、とても無理でしたが、そこそこ歩くと稲村ケ崎の方に抜けて、海を見ることもできるのではないかと思います。山の中ですが、海の近さも...

  • 灼熱の鎌倉さんぽ 2 鶴岡八幡宮 源平池

    鶴ケ岡八幡 (クリックすると大きくなります)鎌倉の名所、鶴ケ岡八幡の池の蓮がきれいというので、見に行きました。ギラギラと太陽照りつける若宮通りを歩いただけでなんだかもう、朦朧としてしまってここはいったい・・という不思議空間と化している蓮池を茫然とながめました。鶴ケ岡八幡 (クリックすると大きくなります)源平池と呼ばれるそうで、赤い蓮が平家側で、白い蓮が源氏側。どちらかというと、平家側の池から見た景色...

  • 灼熱の鎌倉さんぽ 1 妙本寺

    妙本寺 本堂(クリックすると大きくなります)蝉時雨の降り注ぐ、暑いけれど涼し気な風景でした。7月に入ってすぐ、梅雨明けとなり、灼熱の夏の始まりとなりました。オチビサンポを見ると、ノウゼンカズラがきれいなお寺として妙本寺が紹介されていたので、出かけてみました。若宮通りを海の方に向かって歩き、郵便局を過ぎたところで左に曲がったところです。蝉の鳴き声が降りそぞぐ緑いっぱいの空間は暑いけれど、涼しい気持ち...

  • 鎌倉オチビサンポー花ごよみとめぐる旅

    2022-9-3 Yura鎌倉オチビサンポー花ごよみとめぐる旅(パイ インターナショナル 2019/10/1)安野 モヨコ行動制限のない久しぶりの夏休み。とはいえ、家で文鳥とほけ~っとしているのが気楽でいいなぁ、と特に計画もしませんでした。それでも、ちょっとくらいは出かけてもみたく、「鎌倉オチビサンポ」という本に紹介されている季節の花がきれいな場所に出かけてみることにしました。この本、鎌倉のどこにいけば、どんな花がきれ...

  • 宮沢賢治 鳥の世界

    2022-8-28 Yura宮沢賢治 鳥の世界(小学館 1996/5/10)国松 俊英 著 薮内 正幸 絵6年前に古本屋さんで買ったきり読んでいなかった本をなんとなく読み始めたら、ものすごく面白い本でした。「なんで、もっと早く読まなかったのだ・・・いやこのツンドクのままこの先も読まなかったことを思えばふと読む気になってほんとによかった、ああ。」などとため息ついたり、感動したり。ホントに、ここ数年のうちで、「読んでよかった...

  • そして誰もいなくなった

    2022-8-21 Yuraそして誰もいなくなった(早川書房 1976/5/10 改訂7版)アガサ・クリスティー 著 清水 俊二 訳少年少女世界推理文学全集も装丁もステキですが、「ハヤカワ・ポケット・ミステリ・ブック」の装丁も良いなと思ってます。表紙にはタイトルごとに違う油絵が使われています。原題もデザインとしてあしらわれており、小口部分が黄色くなっているのでまるで洋書のペーパーバックのようです。最近「そして誰もいなく...

  • 何にどんなわけがあるのか

    (「愛について」の見返し。オンマウスで、挿絵。)2017-10-29 Gin先日、ブログ記事に書いた、「少女と鳥のひこうき」と「愛について」という小説は、旧ソ連のキエフ(キーウ)とレニングラード(サンクトペテルブルグ)に暮らす思春期の少年少女の物語でした。東西冷戦期の東側のとある若者の姿ですが、同じころの西側の若者にはどんな物語があったのでしょうか?ヒッピー、ベトナム戦争、ウッドストック、学生運動、などなど。歴...

  • 椿宿の辺りに

    2022-8-21 Yura椿宿の辺りに(朝日新聞出版 2019/5/30)梨木 香歩f植物園の巣穴の主人公、佐田豊彦のひ孫、山幸彦と海幸比子に、またまた「不穏な痛みが出来」したことで、はじまる物語です。海幸比子(女)と山幸彦(男)は、いとこ同士で、もう一人、遠縁に鮫島宙幸彦(そらつひこ)がいます。佐田家の「実家」に長く借り住まいしていた人でいちばん遠縁にありながら「f植物園の巣穴」を少年時代から知っていた人でもありま...

  • それでも日本人は「戦争」を選んだ

    2022-6-8 Yuraそれでも日本人は「戦争」を選んだ(新潮文庫 2014/7/1)加藤 陽子この本は、2008年12月から2009年1月にかけて、栄光学園歴史研究部の生徒に向けて行われた授業の記録です。生徒は中学1年から高校2年まで。序章、日本近代史を考える1.日清戦争2.日露戦争 3.第一次世界大戦 4.満州事変と日中戦争 5.太平洋戦争についての講義です。著者は、序章でイギリスのE..H.. カーという歴史家の「特殊の中に一般を見る」と...

  • 愛について

    2022-8-14 Yura愛について(岩波書店 1973/7/10)ワジム・ワロロフ作木村 浩・新田 道雄 訳「愛について」は、1966年に出版されていますが、物語の中に、1965年の東京オリンピックにどの選手が出場するだろうかという会話が出てくるので、1963年から1964年頃が舞台かと思います。主人公のサーシャは、レニングラード(サンクトペテルブルグ)に住む14歳の少年、 前の記事の「少女と鳥のひこうき」の主人公オーリャと、同年代...

  • 少女と鳥のひこうき

    2022-5-7 Yura少女と鳥のひこうき(岩波少年少女の本 1975/7/10)ウラジミール・キセリョフ作福井 研介 ・ 北畑 静子 訳1965年、ウクライナのキーウ(キエフ)で、生きる13歳の少女 オーリャ(オーレンカ)が1人称で語る日々の物語です。何が欲しいかといったら、「化学実験の試薬」というくらい化学が好きで、学校の「化学クラブ」の仲間たちと、あれこれ実験をしては、失敗して大人たちに怒られたりしています。詩を書くこ...

  • 77年後の「今日」に思うこと

    長崎にて今年の初めにロシアによるウクライナ侵攻が起こり、プーチンが「核兵器の使用も辞さない」と言い出したときに世界の核保有数を調べたらあまりの多さに愕然としました。実験であったとしても、多くの生物が巻き添えになり、海中、地底では長期にわたる被害が起きていることと思います。そのようにして開発保持した兵器のメンテナンスがどうなっているのか、維持費はどれほどのものなのか。核兵器という怪物を養い育てている...

  • Tomorrow/明日

    Tomorrow/明日のチラシ (クリックすると大きくなります)「Tomorrow/明日」は1988年の夏に岩波ホールで上演された、黒木和雄監督の作品です。「美しい夏キリシマ」「父と暮らせば」とあわせて戦争レクイエム三部作と言われているそうです。場所は長崎、時は原爆が投下された前日ある家族とその周辺の人々の物語です。(以下、あらすじです。)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・良く晴れた1945年8月8日、三浦家は次女の結婚...

  • 岩波ホール、 夏のさなかに

    (クリックすると大きくなります)岩波ホールで映画を見るのは、いつぶりだろうと調べたら、「宗家の三姉妹」がリバイバル上映されて以来なので、なんと22年振りでした。22年も行かなかったわたしが閉館を惜しむ資格はない気もしますが、たとえそれが22年前だろうと、40年以上前だろうと、岩波ホールは「心に残る映画」を見た場所でした。自分などが行かなくても、岩波ホールはずっとそこにあるものと思っていたので閉館と聞いてと...

  • 歩いて見た世界 ブルース・チャトウィンの足跡

    (クリックすると大きくなります)オーストラリアのアボリジニに伝わる「ソングライン」を題材にした小説を書いたブルース・チャトウィンの旅の軌跡を追うドキュメンタリー映画を見ました。監督は「緑のアリが夢見るところ」を作ったヴェルナー・ヘルツォーク。最後にもう一度、岩波ホールに行きたいという思いだけで行ったため、なんの予備知識もなく、わからないことも多かったのですが、これまでこのホールで見た映画同様、長く...

  • ドラえもん社会ワールド・憲法って何だろう

    ドラえもん社会ワールド・憲法って何だろう(小学館 2021-4-23 1電子書籍版発行)まんが 藤子・F・不二雄 監修 藤子プロ 東京弁護士会戦争は嫌だし、平和主義が守られるといいなぁと思いながら、ものすごく古い本などを引っ張り出してきて読んだりしていましたが、子供向けの学習書で、とても面白い本がありました。憲法って何?ということがとてもわかりやすく説明してあるうえに、途中途中、「平和アンテナ」とか「おこのみ...

  • 「憲法を変えて戦争へ行こう」という世の中にしないための

    2022-7-2 Yura憲法を変えて戦争へ行こうという世の中にしないための18人の発言(岩波ブックレット 2005-8-2)先日ぎゅうぎゅうに混んだ地下鉄の中でのこと。女子高校生がその中で英語の本を開き、電子辞書を使って下調べを始めました。宿題を忘れていたのか、試験があるのか。ともかく、今の日本でよかったよねと思うのでした。何よりも、女性があたりまえに勉強することができる。そして、ちょいと迷惑という理由で切り捨て御免に...

  • 物語 アメリカの歴史

    2022-06-08 Yura物語 アメリカの歴史(中公新書 1991-10-25)猿谷 要如月小春の「光の時代」を読み返し、i居眠りしていた歴史の授業中に起こされたような気がしながら、この本を、再読しました。「いまのロシアとウクライナの戦争について、日本は、アメリカという窓からしか見ることができない」ネット記事にそのようなことが書かれているのを拾い読みしたとき、なるほどと思ったからでもあります。出版されたのは今から31年前...

  • 「もりのこと」で「テクノボーこけし」と会う

    (ヤマボウシとデクノボーこけし、ゆらちゃんはまたも怖くて近寄れませんでしたが、ヤマボウシの花は飛んでいる白文鳥のようです。オンマウスで、散歩する賢治とデクノボーこけし。)こけし屋さんというフランス料理のお店は閉店してしまいましたが、西荻では、KOKESHI EXPOということで、URESICA、イトチ、にわとり文庫、もりのこと の4つのお店で、「こけし博覧会」が開催されています。「もりのこと」は終了しましたが、にわ...

  • 久しぶりに辞書を引く

    (2022-06-21 Yuraクリックすると画像が大きくなります。ゆらちゃんの右足あたりに動詞divert その下のほうに名詞diversity)英語の辞書を引くとその言葉のニュアンスを理解する難しさを感じます。Respect of diversity(多様性の尊重)なんて言葉もほんとうにニュアンスをつかめているのかよくわかりません。辞書を調べるとダイバシティは英語風の発音で、アメリカではディバシティーのように発音するようです。用例は、diversity ...

  • トマトさんが来た

    (文鳥のゆらちゃんはトマトさんにびびって近づけませんでした)地面にドタッと落ちて重くて動けないよぉと泣いてしまうような暑さ。6月末で、もう梅雨が明けてしまった激暑の中ともだちがトマトを送ってくれました。前にいただいた時も記事にしたので、引用しようとしたら見当たりません。カテゴリーの整理をしたときにうっかり消してしまったようです。ああ。その時も書いたと思いますが、絵本の「トマトさん」みたいに大きくて...

  • シン英和中辞典

    (ずーん。怪獣味をおびたゆらちゃん。オンマウスで別の画像)2021-08-07 Yura新英和中辞典 第四版(研究社 1977)高校から使っていた研究社の英和中辞典を古雑誌などと一緒に捨ててしまったのはいつのことだったか。線をひきまくり、ぼろぼろのくたくたで、よれよれだった、あの辞書。「あんなに世話になったのに・・」最近、ふと懐かしくなって本屋さんで探したら、ない。研究社のライトハウスとか、リーダーズはあっても新英...

  • 夏草の祈りー城山三郎が娘に語った戦争

    2022-4-16 Yura 城山三郎が娘に語った戦争(朝日新聞社 2007/8/30)井上 紀子母の本棚に残された本を読んでいると、思っていた以上に昭和の戦争に関係する内容が多いのに驚きました。それでつい、「戦争」のことを考えることが多くなっていたところに今年になって、世界が巻き込まれる様相の戦争がはじまってしまいました。そんな中では、さすがに「戦争」的な本は読みたくない、そう思って、母の本棚からあまり関係なさそうな、...

  • 獄門島

    2022-5-7 Yura獄門島(角川文庫 1971/10/30)横溝 正史ビブリア古書堂の栞子さんの娘、扉子ちゃんが、読書感想文のために読もうとしていたミステリー。ドラマを見たことはありましたが、原作は初めて読みました。文章で読むのもすごくいいです。生誕120周年記念で文庫本の表紙が復刻しているし、もっと読みたいなと思っています。「獄門島」は、「犬神家の一族」よりも前の事件で、金田一耕助(大正2年生)は33歳でした。「おれ...

  • 戦争をやめさせるための音楽

    (ベトナム、フエの朝、2004-9-17)村上RADIO「戦争をやめさせるための音楽」 で流れた曲のうちいくつかは、ベトナム戦争時代のものでした。今の10代の人はベトナム戦争どころか、湾岸戦争も、9.11も知らないのだなと思うとのけぞる気持ちですが、よく考えてみると、働き盛りの40代の人でもベトナム戦争は知らないのだから愕然とします。泥沼化していたベトナム戦争は、アメリカの撤退から3年後に終結しました。その間、さまざま...

  • 光の時代

    2017-03-20 Gin工場物語・光の時代(新宿書房 1983/4/1)如月 小春ちょっと前の話ですが、3/18に、FM東京で放送された村上春樹の「戦争をやめさせるための音楽」 をRadikoで聞きました。朝鮮戦争やベトナム戦争を背景にした、有名な曲と、知る人ぞ知る曲などを取り混ぜ11曲、最後に、キング牧師のことばNever forget that everything Hitler did in Germany was legalでしめくくられていました。まるで歴史の授業かなにかのような...

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