blackout さん プロフィール

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blackoutさん: fallen world
ハンドル名blackout さん
ブログタイトルfallen world
ブログURLhttp://blackout9999.blogspot.com/
サイト紹介文薄闇のような、動いているはずの場面も止まっているかのような世界観。
参加カテゴリー
更新頻度(1年)情報提供205回 / 365日(平均3.9回/週) - 参加 2011/12/30 18:37

blackout さんのブログ記事

  • Melting IV
  • 薄闇に浮かぶ、一糸纏わぬ仰向け状態のサヤ。微動だにせず、目は固く閉じられている。絶え間なく降り続く黒い雨。まだ原型を留めていたが、蒸気を発しているサヤ。その様子をひたすら見ている、完全防護状態のヨシキ。…「!?」驚いたように振り返るヨシキ。肩に乗せられた手は、既に白骨化していた。顔立ちがヨシキやサヤとよく似た人物。かろうじて原型は留めているものの、体の大半は白骨化していた。声にならない叫びをあげ、 [続きを読む]
  • Melting III
  • 薄闇の中に黒い縦線が細かく入っている景観。業務を終えて家路に向かっているリュウスケ。辺りは亡骸が発している蒸気によって、白く塗りつぶされていた。…侵蝕された亡骸の数々。それらに見向きもしない人工知能たち。一瞥はするものの、意に介さない様子で歩いているリュウスケ。… [続きを読む]
  • Melting II
  • ヨシキの帰りを待っているサヤ。衣類は何も身につけていない状態だった。ドアの開く音。あれ?今日は「ただいま」が聞こえてこないな…ま、いっか。微笑を浮かべ、全身で喜びを表しながら玄関に向かって行くサヤ。…防毒マスクを片手に、放心したように突っ立っているヨシキ。レインコートからは水滴がとめどなく滴り落ちていた。ヨシキ?ヨシキがサヤを認識するまでに数分程度かかった。「サヤ…」防毒マスクが落ちる。ヨシキ…… [続きを読む]
  • Melting
  • 漆黒の闇。街灯に照らされる無数の黒い線。辺りは、蒸気か濃霧か定かではないが、白く塗りつぶされていた。完全防護状態のヨシキが歩いている。「!?」能動的に死を選んだと思われる、白い蒸気を発しているうつ伏せ状態の亡骸。絶え間ない黒い雨のせいか、頭部や指は白骨化しており、それ以外の箇所も所々骨が見えていた。「…」人工知能がやってくる。しかし、溶けつつある亡骸には見向きもしなかった。…立ち込める蒸気の中を進 [続きを読む]
  • Beginning of nightmare III
  • 9年前。リュウスケの両親は既に離婚しており、リュウスケも学校を中退し働いていた。仕事が終わり、家路に向かっているリュウスケ。自宅の10階建マンションの入り口付近には、数人の警官と10人程度の、住民と思われる人たちの姿が見えた。どうも飛び降り自殺があったらしい、ということだった。…最上階の自室に向かっているリュウスケ。部屋の前に警官が2人。…自殺者は母親だった。 [続きを読む]
  • Black rain falling
  • 黒い雨が、土砂降りではなく、梅雨時のようにひたすら降っていた。薄闇の中に黒い縦線が細かく入っている景観。雨には大気汚染物質が含まれており、水と化学反応し、不快臭が辺りに充満していた。また、酸性度も極めて高いため、いつも以上の防護が必要だった。ヨシキは、防毒マスクにレインコート、ゴム長靴、その上に傘をさして出勤していた。雨の当たらない場所では常に水滴を払っていた。リュウスケも同様の格好で出勤していた [続きを読む]
  • Temporary sweet dream
  • 「ただいま」ドアが開き、防毒マスクを外しながらヨシキが入ってくる。待っていたかのようなサヤ。99%全裸に等しいマイクロビキニを身につけていた。ヨシキは一瞬驚いたような表情を浮かべるが、すぐさまいやらしく崩れていく。包み込むような微笑を浮かべ、両手を伸ばすサヤ。 [続きを読む]
  • Beginning of nightmare II
  • 人の入りが疎らな飲食店。空虚で焦点の合わない眼差しのリュウスケ。この飲食店は人口減少に伴い、全国各地にあった店舗の大半を閉鎖していた。「…」10年前。住宅街を歩いているリュウスケ。「!?」父親と見知らぬ女性が手を繋ぎ、肩を寄せ合い歩いている。後ろのリュウスケには気づいていないようだった。「…」…5階建てのマンション。中に消えていく2人。…物陰から様子を伺うリュウスケ。エレベーターが閉じていく。深くキス [続きを読む]
  • Beginning of nightmare
  • 事務所内は忙しそうに人が行き来している。「…」不安そうな表情のヨシキ。…上目遣いのサヤ。規則正しく上下している頭。口で愛撫する音。不規則に動く濡れた女体。… [続きを読む]
  • Time of force of habit V
  • 壁に掛けられた時計は3時になっている。床に投げ出されたスマートフォンは無音状態で、画面は何も表示されていない。固く閉じられていたリュウスケの目がうっすらと開いていく。「…」室温は36℃。それまでは動き続けていたのか、動いては止まってを繰り返していたのか、ずっと止まったままだったのか、冷房は止まっていた。焦点が合っていないような眼差しのリュウスケ。空腹を知らせる音が響く。… [続きを読む]
  • Slight difference
  • サヤは今日も重装備で、日課となっている散歩をしていた。目の前に広がる光景は、いつもと同じ、薄闇と黒靄に覆われたものだった。人工知能の産物たちは、今日も、不平も不満も言わずに、与えられた任務を忠実にこなしていた。…今日はいないのかな。昨日リュウスケがいたはずの場所には、半袖姿の、ヨシキとほぼ同じ身長の痩せた男がいる。その男はスマートフォンの画面から目を離すことはなく、周りの様子は全く見ていないようだ [続きを読む]
  • Time of obligation IV
  • 汗に濡れたヨシキとサヤが抱き合い、激しく、何度も上下を入れ替え合っている。…はあ…、はあ…、はあ…、はあ…、はあ…。フフ…。やっぱり、喜んでくれた…。顔を左に向けるサヤ。仰向けの状態で、目を閉じて荒く息をしているヨシキ。はあ……、はあ……。いつもより疲れちゃってるんだね…。激しかったもんね…。でも…。サヤの手がヨシキの下半身を弄り始める。それに反応するように、腹の辺りが動く。フフ…、でもすぐに元気 [続きを読む]
  • Time of force of habit IV
  • 壁に掛けられた時計は10時になっている。床に投げ出されたスマートフォンは無音状態。固く閉じられていたリュウスケの目がうっすらと開いていく。「…」室温は34℃。これまで止まっていた冷房が動き始める。リュウスケの目がゆっくりと閉じていく。… [続きを読む]
  • Time of obligation III
  • 「ただいま」ドアが開き、ヨシキが入ってくる。防毒マスクは、その存在を否定されるかのように取り外される。一糸まとわぬ状態にエプロンだけをつけたサヤがやってくる。エプロンの横から見える曲線美と汗に濡れた艶やかな肌。ヨシキの表情がいやらしく崩れていく。サヤの瞳は呼応するように黒目の割合が増え、口元には安堵したような微笑が浮かぶ。… [続きを読む]
  • In the train
  • 電車内は、空気清浄機が回っており酸素が絶え間なく送り込まれるようになっていたが、防毒マスクを外している人間とそうでない人間との割合がほぼ半々だった。ヨシキは防毒マスクを外すことはなかった。この未曾有の大気汚染に見舞われるようになったのは1年ほど前だった。無論兆候はそれ以前から出ており、サヤは2〜3年ほど前から、日によって咳の回数や過呼吸が増えるようになった。車内の人間は疎らだった。この1年間、寿命を全 [続きを読む]
  • Time of force of habit III
  • 壁に掛けられた時計はちょうど6時半になっている。床に投げ出されたスマートフォンからは、笑い声と無駄に高揚感のある話し声がひたすら漏れてくる。リュウスケは仰向けになっており、眠ってしまったのか、目は固く閉じられていた。室温は31〜32℃の間を行ったり来たりしていたが、これまで問題なく稼働していた冷房が止まってしまう。… [続きを読む]
  • To the road home II
  • 18時半。事務所を後にするヨシキ。珍しく残務がそれほどなかったため、多少早い終業だった。自宅は、電車で30分圏内にある3LDKのマンションだった。ルミとの間に家族が増えることを想定し、2年前に住み始めた。「…」スマートフォンを操作しているヨシキ。画面にはメッセージを送信するアプリが起動しており、「これから帰るよ。夜メシ買って帰るのでよろしく」と表示されていた。街灯の明かりは靄で滲んでいた。かろうじて道や建 [続きを読む]
  • Monologue III
  • はあ…、5時か…う〜ん、汗が全然引かないなぁ。蒸すし……まだ32℃かぁ…早くもっと涼しくなんないかな。…あ、でも私が汗いっぱいかいてる方が、ヨシキ気持ち良さそうだし、いっか。それに肌がツルツルになる入浴剤でお風呂入ったし。フフ… [続きを読む]
  • Time of force of habit II
  • 寝転がってスマートフォンを眺めているリュウスケ。テレビ番組のようだった。部屋は、引き払ったあと並みに何もなく、壁に掛けられた時計はちょうど5時になっている。室温は32〜33℃の間を行ったり来たりしていた。帰宅後約2時間程度のため、冷房を入れてもすぐに室温が下がることはない。リュウスケはヨシキと同級生で、同じ公立高校に通っていた。クラスは違ったが、お互い成績は良く、直接の関わりはなかったものの、それとなく [続きを読む]
  • Time of force of habit
  • 時刻はちょうど17時。「あと1時間で解放される」事務所内の全員が、そのように思う空気感が一斉に出てくる時間帯でもあった。ヨシキは4年制の大学を卒業後、22歳で入社し5年目だった。大学は偏差値ランキングトップ3の一角で、会社も、誰しもが名前を知っているような大手だった。サヤは4歳年下で、同じ大学だった。恋人関係はそのときに始まった。入社先はお互いに違っていたが、誰しもが名前を知っているような大手ではあった。 [続きを読む]
  • Time of obligation II
  • 全身隈無くシャワーを浴びているサヤ。細身ながら出るところは出ている曲線美。…湯船に浸かっている髪を結んだサヤ。お湯は、薬用効果のある入浴剤が入っているせいかクリーム色をしていた。「…」サヤの瞳は白目よりも黒目の方が多く、黒い宝石のようだった。考え事をしているのか、空虚な眼差しだった。 [続きを読む]
  • To the road home
  • 時刻は15時半。業務の報告や引き継ぎなどを終えて、家路に向かっているリュウスケ。自宅と川は徒歩15分圏内で、同僚たちもそれなりに近い場所に住んでいると思われたが、お互いに面識はなく、興味・関心もなかったため、実際のところはよくわからなかった。リュウスケが住んでいるアパートは鉄筋造りの2階建だった。10世帯だったが、実際に住んでいるのはリュウスケ含め、数人程度と思われた。部屋は2階で、通りから見える場所にあ [続きを読む]
  • Monologue II
  • はあ…、はあ…、はあ……ちょっと、無理しちゃったかな……汗も、いっぱいかいちゃったし…………まだ、部屋は35℃なんだ…ずっと、クーラー入れてるのに…………ヨシキが帰ってくるまでに、30℃ぐらいになる、かな…………………はあ、よし、そろそろシャワーにしよ… [続きを読む]
  • River abandoning the dead bodies II
  • サヤは散歩をするように、川の周りを歩いていた。時々立ち止まったり、手すりに近づいて眼下の様子を見ていた。緩やかな流れの中に、時折ロボットに投げ落とされたと思われる亡骸が見えた。サヤはこの重度に進んだ大気汚染の犠牲者だった。元々強くなかった呼吸器系と循環器系の機能は著しく低下し、かろうじて歩くことはできたものの、数時間程度が限界だった。また、声帯は機能不全になってしまった。気候に合わない服装をしてい [続きを読む]
  • Submerged in extreme heat
  • 気温は35℃だった。日によっては40℃を超えることも珍しくなく、ごく稀に30℃を下回ることがあるような状況だった。世界規模でエネルギー源として燃やされ続けてきた化石燃料から発生する粒子状物質が、太陽の熱を吸収することでもたらす温室効果だった。時刻はちょうど10時になった。行き交う人の流れが疎らになり始める頃でもあった。サヤがやってくる。防毒マスクをつけ、肌の露出は皆無で、白とピンクが基調の、全身にヒラヒラ [続きを読む]