猪上勝也 さん プロフィール

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猪上勝也さん: 京やの覚え書き
ハンドル名猪上勝也 さん
ブログタイトル京やの覚え書き
ブログURLhttps://ameblo.jp/kodaira-kyouya/
サイト紹介文東京都小平市の悉皆・呉服専門店「染と呉服京や」の三代目、猪上勝也のブログでございま す。
自由文着物の歴史や文様の話。
呉服製作の技法の話。
呉服屋の日常、仕事の話。
着物、帯、襦袢、コート、羽織などの
着物コーディネートのコツをはじめ
着物の選び方や揃え方の話。
しみ抜きや洗張りなどのお手入れの話。
参加カテゴリー
更新頻度(1年)情報提供365回 / 365日(平均7.0回/週) - 参加 2012/01/05 18:19

猪上勝也 さんのブログ記事

  • 夜着
  • おはようございます、京やの勝也です。 秋が深まっていくと温かい寝床が魅力的になってまいります。 さて江戸時代、庶民は昼に着ている着物を掛け布団にして眠ったそうです。そこから発展したのが「夜着(よぎ)」です。寸法を大きくした着物の形なので当然身体にそい肩からの風も防ぎます。更に綿も入りますので温かく実用的ですね。 江戸時代後期の「宝尽くし模様夜着」です。 ここで文様として面白いのが中央上部の「隠れ笠」と [続きを読む]
  • 長寿にも七五三
  • おはようございます、京やの勝也です。 昔から健康で長生きのために様々な努力がされてきました。 着物の模様の多くは松や椿などの「強い生命力」や菊水や蓬莱山など「長寿」にまつわる伝説、有職故実がもとになっています。 縁起の良い模様の着物を着て長寿を全うしたいという強い願望が感じ取れます。 さて、長寿の戦国大名に伊達政宗さんがいます。 政宗さんの愛用の杖には七本、五本、三本の線がついていて「七五三」をあらわ [続きを読む]
  • 呉服屋もいろいろです。
  • おはようございます、京やの勝也です。某大型商業施設の中を歩いていると呉服屋さんから大きな声が聞こえてきました。 お客さん「だから、私の振袖を娘の寸法に直すといくら掛かるんですか?」 店員「お直しするよりも新しい振袖を作られたほうがお得ですよ。」 お客さん「だから…」どうにも会話が平行線のようでした。現在は着物を扱っていると全て同じ「呉服屋」のようにみえますが実は中身は違うということもあるのです。 例 [続きを読む]
  • コートのススメ
  • おはようございます、京やの勝也です。 着物でお出掛けをしたいと思うと先ず着物と帯そして襦袢、更に小物を揃えますね。着付けの練習もこれだけあれば問題ありません。しかしながら季節が移い、秋が深まっていくと着物の上に単衣コート、そして袷コートが必要になってきます。コートは防寒の実用性もありますが大人の奥ゆかしさの演出でもあるのです。着物を増やす前にコートをもう一枚というのも揃えていく順序のひとつかと思い [続きを読む]
  • 9月の襦袢と半衿
  • おはようございます、京やの勝也です。 秋らしくなってまいりました。今頃の襦袢についてです。基本は夏襦袢から単衣襦袢に替わっています。単衣襦袢は透けない生地の単衣仕立てです。最近の襦袢は総袷せ(背中も袷にする仕立て)にはしませんので袖が袷か単衣かの違いしかありません。 単衣の襦袢はお持ちであれば袷の季節に許容範囲を広げて体感気温調節に使える優れものですのでアイテムに加えて頂きたいと思います。 さて昼間 [続きを読む]
  • 彼岸花
  • おはようございます、京やの勝也です。 お彼岸が近付く頃から小平でも彼岸花が咲き始めておりました。 彼岸花はお墓のまわりに多く見られるからでしょうか別称もあまり有難くないものが多いようです。 米沢の原始布織り工房の山村氏のお話では彼岸花には毒があり、土を掘る獣から土葬された死者を守っているとのことでした。 先人の知恵ですね。 別名の「曼珠沙華(マンジュシャゲ)」は仏教からきていますし、「天上の花」という [続きを読む]
  • お彼岸の入り
  • おはようございます、京やの勝也です。 今日は秋彼岸の入りです。 季語としては「彼岸」は春のお彼岸を指すそうです。さて、お彼岸といえばお墓参り、ご先祖様の供養が大切ですね。現世は「此岸(しがん)」、悟りの世界が「彼岸」。亡くなったご先祖様は「西方浄土」、つまり「彼岸」にいらっしゃると考え太陽が真西に沈む春分と秋分がお彼岸の中日になっています。太陽信仰と仏教の浄土思想が日本の文化らしく融合していますね。 [続きを読む]
  • シミや汚れの原因がお分かりなら
  • おはようございます、京やの勝也です。 着物や帯はお召しになればシミも付きますし汚れもします。 京やでもできるかぎり部分しみ抜きや部分洗いで対応しておりますがその時にシミや汚れの原因がお分かりならお手入れに出して頂くとき是非教えて頂きたいのです。 長年お召しになっていて分からなければ仕方ありませんがコーヒーや紅茶ワインなどのお酒類、フランス料理のソースなど原因が分かれば職人さんにお伝えすることができま [続きを読む]
  • 笠と傘
  • おはようございます、京やの勝也です。 最近は季節に関係なく雨に注意が必要になってきたように思います。被害が出ないよう祈るばかりです。 さて雨をしのぐ道具といえば「かさ」。「傘」と「笠」の文字があります。日本では「笠」の時代が長くありました。「笠」は「かぶり笠」。大きな帽子のようなものをアゴの下で紐で結んで固定する形です。両手が空いて実用的ですね。 もう一つが「傘」。文字のとおり骨があって手で持つ現在 [続きを読む]
  • 秋模様の祈り
  • おはようございます、京やの勝也です。 着物の世界で「秋の模様」が多いとお気付きの方も沢山いらっしゃると思います。大雑把に「草花文(そうかもん)」というと松や笹(竹)などの常緑を除くと菊や萩などの秋草が目立ち春は梅、そして桜が少々という感じです。なぜでしょうか?寒い冬から暖かい春は待ち遠しい季節には違いありませんが、何といっても秋は収穫。実りの秋ですね。飽食の現在と違い毎年食料の収穫を天に祈り続ける [続きを読む]
  • 竜田川と竜田姫
  • おはようございます、京やの勝也です。 秋を表す模様の一つに「竜田川」があります。流水に紅葉が流れる様子を描いた文様です。この流水が奈良を流れる竜田川。紅葉の名所といわれ長く歌にも詠まれてきました。歌を題材にした意匠(文様)は教養あふれる着物の文様として一つのジャンルを形成しています。また秋を司る女神は「竜田姫」。紅葉した山の錦、「錦秋」の衣を纏った妙齢の美しい女神だそうです。豊かな実り、美しい景色 [続きを読む]
  • 9月の帯
  • おはようございます、京やの勝也です。 9月は大きな衣替え月のひとつで夏物から秋単衣への移行期です。 着物は「透けない生地の単衣」になりますが帯については時代とともに変わってきているようです。 明治時代に洋装の衣替えが輸入されたところで着物の衣替えも決められました。その中では帯は9月いっぱい「夏帯」。これを基本と考えると現在京やがおすすめしている「夏物は白露まで」というのは「秋の先取り」をおすすめして [続きを読む]
  • 美しい所作のコツ
  • おはようございます、京やの勝也です。 スポーツの秋とはよく言ったもので涼しくなってくると身体を動かしたくなってくるものです。さて、着物姿で所作を美しく行うためにはある程度のコツが必要なようです。例えば歩き方やお辞儀の仕方立ち居振る舞いなど色々な所作がありますね。 その所作を美しく見せる方法の一つに「ゆっくりと行う」ということがあります。ゆったりとしたお辞儀特に戻す時にゆっくりすると美しく見えますが [続きを読む]
  • 「好きなもの」か「必要なもの」か
  • おはようございます、京やの勝也です。 着物や帯を買うときに何をどう考えて決めていらっしゃいますか? 「好き!」「素敵!」「きれい!」というだけで決めることもあると思います。 それも着物を楽しむ醍醐味の一つですが冷静に「必要なもの」「個性はないけど便利なもの」など通年着物でお出掛けできるようになるために必要なお買い物もあるのです。 季節は短いものの揃えていきたいのが単衣の着物、単衣のコート、単衣の襦袢、 [続きを読む]
  • 結婚式場の室温
  • おはようございます、京やの勝也です。 先日嫁さんが知人の結婚式に参列致しました。9月の初旬でしたので単衣の着物に綴れ帯姿。とても良い式だったと感動しておりました。 さて、最近の結婚式は盛夏も単衣の季節にも行われ式場や着付けの場所によりどの着物を着るか迷うところです。 また暑い季節の場合式場が多様化してきていて室温の調節もそれぞれという感じになっているようです。かつては真夏の式場内は涼しいのが当たり前で [続きを読む]
  • 「爽やか」は秋
  • おはようございます、京やの勝也です。 昨日あたりからいくらか爽やかさを感じる小平です。 この「爽やか」とう言葉は秋の季語だそうで夏の湿度がなくなった今頃はとくに納得できますね。 そういえば京やがおすすめしている生地に「さわやか三越(みこし)縮緬」があります。滋賀県は長浜で織られているのですがたてよこに八丁撚糸を使用した絶妙な透け具合と重さで6月の単衣から7・8月の盛夏、そして9月の単衣までお召し頂け [続きを読む]
  • 空城の計
  • おはようございます、京やの勝也です。 数日前の話です。その日は早朝から父がとある会の親睦会でバス旅行という予定でした。 父は幹事役でしたので数日前から参加者用の配布物を店に用意していて当日の朝、6:30頃店から運び出してバスに向かいました。 私はいつものように7:30頃店の掃除に行きますと店の玄関が全開でセンサーも切ってあります。 「ムムム、空城の計か…」と趙雲と孔明を思い出してしまいました。 ドキド [続きを読む]
  • 重陽の節句
  • おはようございます、京やの勝也です。 今日は9月9日。「重陽の節句」「菊祭り」です。 一桁の陽の数(奇数)の中で最も大きな「九」が重なるおめでたい日と言われています。 その季節に菊が見頃ということで「菊の節句」とも呼ばれるのですが旧暦のほうが、実際に菊の花が多く咲く季節に合っていますね。「昔、中国の山深い村の人々は訪れた旅人が驚くほど皆健康で大変長寿であった。その村人は菊に囲まれた泉の水を飲んでい [続きを読む]
  • 着物の「決まりごと」の考え方
  • おはようございます、京やの勝也です。 常々考えていることなのですがご参考までに。 歴史が長い着物のことに関して沢山の「昔からこう言われている」という「決まりごと」がありますね。 しかしこれだけでは大雑把すぎて大きな誤解を生むことに…。 「決まりごと」を考えてみます。例えば1400年前の根源的な最も重要な決め事。1200年前の国際環境の変化による決まりごと。500年前の支配層の変化による決まりごと。30 [続きを読む]
  • 白露
  • おはようございます、京やの勝也です。 本日は「白露」。朝の空気が涼しくなり植物の葉の露が白く輝く季節です。 夏の着物は今日までにして透けない着物をはじめ秋の装いに移行しましょう。 襦袢も単衣になりますが暑さ対策で麻などの夏物をもう少し引っ張っても良いと思います。 コートはまだ紗やレースなどの透ける生地です。 心は秋に向けてお洒落をして頂きたいと思います。 小平「染と呉服京や」のホームページです。どうぞご [続きを読む]
  • 高貴な色「紫」
  • おはようございます、京やの勝也です。 「高貴な色」といえば「紫」です。聖徳太子の冠位十二階でも最高位は濃紫、第二位は薄紫ですね。陰陽五行と色は非常に関係があり「紫」も意味があります。四方四季に「色」を配置して北・冬・玄(くろ)東・春・青南・夏・朱(あか)西・秋・白となります。「青春」「北原白秋」はこの組合せからです。北は「陰」の極まるところ。南は「陽」の極まるところ。陰の「玄(くろ)」と陽の「朱(あか) [続きを読む]
  • 着物の背中が白く…
  • おはようございます、京やの勝也です。 絹は基本的に軽くてしなやかで丈夫な素材ですが「濡れた状態」では弱くなります。 水に濡れると糸の表面が浮いて不安定になりそこを擦るとめくれて毛羽立ってしまいます。 毛羽立つと毛羽立っていないところとの光沢の差がでて白く見えるようになります。 これを「擦れ(すれ)」といいます。 夏物では汗によって背中が濡れてそこに当たっている帯によって「擦れ」の状態になります。 また、 [続きを読む]
  • 呉服、和服、着物について
  • おはようございます、京やの勝也です。 昔の記事から復習です。呉服、和服、着物、同じような違うような。歴史的に一番古いのは「呉服」です。「ゴフク」ではなく「クレハトリ」と読み、呉(クレ)の服(ハタオリ)=機織りが語源のようです。呉の国は現在の中国の上海辺りにあって、歴史上最も早く絹織物が興った地域と言われています。 「呉服」は上質な絹織物、または絹織物の技術者の意味になります。 奈良時代の文献には登場して [続きを読む]
  • 浴衣のお手入れ
  • おはようございます、京やの勝也です。 浴衣のシーズンが終わり来年までしまう段になりましたらお手入れをしましょう。 浴衣には「汗」が付きものですのでしっかり抜いてきれいにするためには昔ながらの「水洗い」がオススメです。 また生地の素材や染織技法が多種多様ありますので手前味噌ですがそれぞれに合わせた「水洗い」と「仕上げ」がきちっとできる悉皆呉服専門店に任せて頂きたいところです。 その時お手入れついでに「着 [続きを読む]
  • 一枚目の単衣の着物の選び方
  • おはようございます、京やの勝也です。 単衣の季節です。「単衣」は夏を挟んで前と後に着ますね。 気候の変化に合わせて若干伸びたとは言え約3ヶ月間。 一年を通して考えると短いと思われがちですが通年着物を楽しむためには袷せの着物の次に揃えていきたいものです。 昔は「着物通」かどうかを「単衣の着物の数」で競ったとか…。 ただの数自慢というわけではなく表地の風合いを肌で感じやすい単衣に詳しいことは生地質にも精通 [続きを読む]