大久保宏昭 さん プロフィール

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大久保宏昭さん: とある弁護士の雑記帳
ハンドル名大久保宏昭 さん
ブログタイトルとある弁護士の雑記帳
ブログURLhttp://toarubengoshi.blog.fc2.com/
サイト紹介文新宿高層ビル街で仕事をしている弁護士が、日々思ったことを書き留める雑記帳です。
参加カテゴリー
更新頻度(1年)情報提供8回 / 365日(平均0.2回/週) - 参加 2012/02/17 02:08

大久保宏昭 さんのブログ記事

  • ソシュール 一般言語学講義 コンスタンタンのノート
  • 最近出版された木庭顕「笑うケースメソッドⅡ 現代公法の基礎を問う」を読んでいて、次の文章に行き当たりました。「F. de Saussure, Cours de Linguistique generaleはおよそ知的営為をする者の基本です。これを踏まえなければ多くの批評を読めないばかりか知的会話さえ成り立ちません。ただし、主として英語圏では引かれても理解されていない場合が多い。これがなぜかは大きな謎です。私は、今となってはvulgataかもしれないが [続きを読む]
  • デヴィッド・グレーバー「負債論−貨幣と暴力の5000年」
  • 人類学的見地から、貨幣ではなく負債こそが本源的存在であることを示し、さらに負債が人間社会においてどのような働きをしてきたかを明らかにした本です。負債が暴力と結びついて、人間をその人の文脈から力づくで切り離し、人格をはく奪してきたという恐ろしい実態が語られています。ただ、実際のところ、この本に書かれていることには馴染みがありました。この本で描かれているのは、漫画「カイジ」に描かれた人間の姿そのもので [続きを読む]
  • ブロックチェーン
  • フィンテック絡みで、「ブロックチェーン」という言葉を目にして、「ブロックチェーンの衝撃」という本まで買いましたが、買ったままで、読まずにいました。金融に関する技術でしかないという思い込みがあり、今一つ興味が湧かなかったからです。で、言葉そのものを忘れかけていたのですが、コンビニで見かけたWIREDという雑誌がブロックチェーンを特集していたので、読んでみました。なるほど、興味深い。。。技術の詳細は、当然 [続きを読む]
  • 記帳作業の自動化
  • 平成28年9月26日付日経新聞で、freee株式会社という会社が大型未上場ベンチャー企業として紹介されています。同社の主力商品はクラウド会計ソフトですが、銀行口座やクレジットカード、レジやECサイトの明細を自動で取得して仕分け登録をしてくれることが同会計ソフトの売りとなっています。今のところは、すでに電子データ化されている数値を仕分けしてくれるだけのようですが、そのうちに紙で作成された証憑類もスキャナ [続きを読む]
  • 今回のAIブームもまたもや空騒ぎに終わるのか?
  • 最近、「AI」、「人工知能」という言葉を毎日のように目にします。AIの進歩により、現在の職業の大半が機械に置き換えられることになるといった言論が横行しています。しかし、情報学を専門とする西垣徹教授によれば、それは妄想にすぎないそうです。同教授は平成28年9月7日付日本経済新聞において、大要次のとおりのことを述べています。1.今回のAIブームは第3次ブームである。2.第3次AIブームを起こしたのは「 [続きを読む]
  • 両角吉晃「イスラーム法における信用と『利息』禁止」
  • 霞が関の弁護士会館地下にある書店でふと目について買ってきた本です。イスラム金融の背景にあるイスラム法のいわゆる利息禁止ルールに関する研究書です。クルアーンにリバー(ribā)を禁止する明文が存在し、そのリバーが利息を意味すると理解されてきたため、一般にはイスラム法では利息を徴収したり支払ったりすることが禁止されていると理解されています。しかし、著者は、リバーを利息と理解するようになったのは、近代に入っ [続きを読む]
  • M&Aに伴う労働条件の不利益変更にかかる労働者の同意
  • 平成28年2月19日に言い渡された最高裁判決の話題です。経営破綻が懸念されたA信用組合を救済すべく、A信用組合とB信用組合の間において、B信用組合が存続会社となる合併が行われました。その際、A信用組合の職員の退職金に関して、両信用組合は、当該職員が合併後に退職する際にB信用組合の退職給与規程により退職金を支給する旨合意しました。そして、当該労働条件の変更につき労働者から同意を得るために、社会保険労務士 [続きを読む]
  • 実況中継!租税法マスター
  • 公認会計士試験の過去問と条文を手掛かりに税法の要点を解説する内容の本ですが、本当に要点のみがコンパクトに解説されています。公認会計士試験の受験生向けの本ということのようですが、法律の素養がある人にとっては、租税法の入門書ともなり得る本だと思いました。 [続きを読む]
  • 知的財産ガイドライン改正の経緯にみる独禁法と特許法の緊張関係
  • 独占禁止法が私的独占を禁止する制度である一方で、特許は発明の実施の独占を認める制度であり、両制度の間には一定の緊張関係があります。特に標準化された技術を実施するのに必須な特許権においてはその緊張関係が顕著です。当該特許権者が自由に権利を行使できるとすると、当該技術分野における生殺与奪権を当該権利者に与えることになりかねず、翻ってそのような強力な権利者が存在する技術を標準技術として採用することは難し [続きを読む]
  • BEPSプロジェクト最終報告書の概要
  • 多国籍企業が国際的な税制の隙間や抜け穴を利用した租税回避によって税負担を軽減している問題(BEPS)に対処するためのプロジェクトであるBEPSプロジェクトに関する勉強会に出席してきました。その場でBEPSプロジェクト最終報告書を踏まえた今後の法改正の予定を掴むには、財務省が発行している「ファイナンス」11月号の記事を読むのがいいと教えていただき、さっそく読んでみました。http://www.mof.go.jp/public_relations/fina [続きを読む]
  • 清水亮「最速の仕事術はプログラマーが知っている」
  • 現代における仕事とは情報処理であり、複雑な情報処理を最速で終わらせる方法を知っているのはプログラマーであると前置きした上で、著者が自らの仕事術を開陳している本です。この本の中で、著者は、プログラマーは仕事を「完遂する」ことを要求される職業だからビジネスリーダーに向いていると主張しています。そして、対比のため、弁護士が次のとおりとりあげられています。「筆者は職業柄様々な弁護士と接するが、弁護士ほど自 [続きを読む]
  • 人材の多様性
  • 英米における組織の評価基準にダイバーシティ(多様性)という項目があることがよくあります。多様な人材を活用することにより、組織のパフォーマンスを向上させることができると考えられているからです。日本でも最近は取締役として女性や外国人を登用することが話題になるようになってきました。しかし、重要ポストに女性が就いている組織はまだまだ多くないように思います。一方で、イギリスの諜報機関である政府通信本部(Gove [続きを読む]
  • 「ギリシア デフォルト宣言 ユーロ圏の危機と緊縮財政」
  • ギリシア問題には若干関心があったので、「ギリシアを破綻に追い込んだのは誰か。」という帯の惹句に釣られて、読んでみました。ヨーロッパの経済危機は、①ドイツの賃金抑制政策と②EU、欧州中央銀行及びIMFが主導するEU加盟国の緊縮財政がもたらしたものだと主張する本でした。②はスティグリッツ等の一部の経済学者が従前から主張している内容と同じだと思いますが、①はどうでしょう。共通通貨を用いて、一つの経済圏に [続きを読む]
  • 「新版注釈民法」刊行終了
  • 民法のリファレンスと言えば「注釈民法」・「新版注釈民法」のシリーズです。「新版注釈民法(9)物権(4)改訂版」が発売されましたので、買ってきました。パラパラとページをめくってみると、最後のページに次の「お知らせ」が記載されていました。                            お知らせ『新版 注釈民法』の刊行は、諸事情により、本巻(第9巻改訂版)をもって最終とさせていただきます。簡潔を [続きを読む]
  • 高橋淳「進歩性規定法的判断の実務」
  • 特許紛争で最も争われることが多い問題でありながら、非知財系の法律家にとっては理解が難しい問題が「進歩性」の有無です。そもそも、通常の特許法の概説書には、「進歩性」に関する詳細な説明は書かれていないと思います。本書は実際の裁判例に現れた図版を大量に示しつつ、明快に「進歩性」の判断の枠組みを示してくれており、特許法の概説書の巨大な穴を埋めてくれる本なのではないかと思いました。 [続きを読む]
  • なぜ、トヨタは700万円で「ミライ」を売ることができたか?
  • 革新的技術と喧伝されていたクリーンディーゼルの化けの皮がはがされたと騒ぎになっています。それとの対比で、何十年も先の未来の技術と思われていた燃料電池車の開発にトヨタが成功したのはなぜなのかという疑問を抱いていたところ、書店でこの本のタイトルが目に入り、読んでみました。一言で言うと、スーパーコンピューターが可能にしたナノレベルのテクノロジーによって大幅なコストダウンが可能になったということのようです [続きを読む]
  • 戦時中の中国人強制連行問題に関する和解成立について
  • 中国における訴訟において、三菱マテリアルが元労働者側に対して和解案を示し、すでに中国の三つの被害者団体が同提案を受け入れる考えを示したそうです。中国人強制連行問題に対する日本政府の見解は、72年の日中共同声明に基づき、国家間だけでなく、個人の賠償請求権も放棄されているとのものです。また、日本の最高裁も個人の賠償請求を認めないとの判断をすでに示しています。それにもかかわらず、和解して解決金を支払った [続きを読む]
  • 情勢がまったく読めないロッテの紛争
  • 日韓を跨る巨大財閥ロッテグループの経営権を巡って経営者一族内部で紛争が起きています。とりあえずの決着は日本法人である株式会社ロッテホールディングスの株主総会の場においてつくはずと言われていますが、一方で、グループ役員ですら、同社の株主構成を知らないようで、どのような情勢になっているのか外部からはまったく窺い知ることができません。http://japan.hani.co.kr/arti/economy/21516.html [続きを読む]
  • 井上達夫「九条問題再説」
  • 「法の理論」という成文堂が出版しているムックの33巻に掲載されている標記の論文を読んでみました。集団的自衛権を巡る憲法論議が盛んなようですが、憲法9条がらみの憲法学者の議論というものは、(私から見て)難解(意味不明)な言葉が飛び交っているだけのことが多く、あまり興味を持てずにいました。しかし、井上教授の論文は、私にも理解できる言葉で書かれています。井上教授は法哲学者なのですが、憲法を巡る議論において [続きを読む]
  • 東芝に対するクラスアクション訴訟の動き
  • さっそく始まったようです。The Rosen Law Firm files a class action lawsuit on behalf of purchasers of Toshiba Corporat
    ion (OTC: TOSYY, TOSBF) securities between May 8, 2012 and May 7, 2015 resulting from allegations that Toshiba may have underestim
    ated contract costs and improperly recorded contract losses for certain infrastructure projects.http://www.rosenlegal.com/cases-62
    7.html [続きを読む]
  • 東芝の第三者委員会調査報告書
  • 株式会社東芝が、第三者委員会の調査報告書全文を公表しました。http://www11.toshiba.co.jp/about/ir/jp/news/20150721_1.pdf300頁程度のボリュームがあるものですので、その一部にしか目を通しておりませんが、経営トップに対して、次の通り、かなり思い切った評価を加えているのが目につきました。「本案件のうちいくつかの案件については、P、GCEO又はCFOといった経営トップが意図的な見かけ上の当期利益の嵩上げの実行や費用 [続きを読む]
  • 米国リミテッド・パートナーシップの法人格
  • 最高裁判所が、アメリカ合衆国デラウェア州の法律に基づいて設立されたリミテッド・パートナーシップ(「LPS」)について、租税法上の法人に当たるとの判断を示しました(平成27年7月17日付判決)。本件では、デラウェア州改正統一リミテッド・パートナーシップ法に基づいて締結されたリミテッド・パートナーシップ契約により設立されたLPSが、所得税法2条1項7号及び法人税法2条4号における外国法人として、法人格 [続きを読む]