思い出づくり

お通夜も終わり副住職をお見送りした明日の9時にまた来ていただき葬儀をやってもらうようにお願いしたあと半日もすれば本当にお別れしなくちゃいけないこの可愛い顔も、…

通夜

しばらくすると、実家が昔からお世話になっているお寺の副住職が来てくれた私個人的にも少しつながりのある若い副住職こんな形でお世話になろうとは思いもしなかったさっ…

実家にて

健心を布団に寝かせるとみんな健心の顔を覗きに集まって来た姪っ子たちは興味津々自分たちより小さい赤ちゃんの存在が珍しいようで照れ臭そうにそばに寄って来たまだ【死…

実家へ

O先生は私たちの突然の訪問に驚いていたけど、優しく話を聞いてくださった。健心が助からなかったことをとても悲しんでくれて、私たちのことを気遣ってくれた。私は健心…

寄り道

病院のスタッフにお礼を言い、父の車に乗った。看護師さんに連れられ正面の出入り口から出たんだけど、亡くなってしまった健心は人目につかないようにおくるみに包まれて…

5年

5年前の今日、健心は生まれました。そして5年前の今日、健心は亡くなりました。あれから戸惑うような悲しみや苦しみに支配されることは無くなりました。健心のいない現…

空っぽ

その日の朝も眩しいくらい晴れていた。病室で目を覚まして隣を見ると、夫は簡易ベッドでまだ寝ていた。身体がずっしりと重たい。寝不足のせいか少しフラフラした。ベビー…

看護師さん

夕方になり、私には食事が出た。夫にはもちろんないのでコンビニで買ってきたものを食べる。こんな時にでもお腹は減る。妊娠中は胃が圧迫されてすぐお腹いっぱいになって…

家族の時間

私の父には、役所への手続きやお葬式の手配など、全ての事務的なことをやってもらった。というか、私たちはそこまで頭が回らなかった。私は動けないし、夫は見知らぬ土地…

家族写真

気持ちが全然追いついて来なかった。赤ちゃんがいなくなってしまったのは頭ではわかった。でも実感がない。唯一実感としてあるのは、赤ちゃんを産んだ身体の痛みだけだっ…